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朝から気持ちが昂っていた。

今日は近くの神社で行われる「相撲大会」があるからだ。


普段空手道場に通い、自信はあったが彼は二年連続で年上に惜敗を喫していた。

今年が最後の大会、今年こそは優勝と意気込み、空いた時間があれば日々練習を繰り返していた。


この相撲大会は祭りの行事の一つで、まわしではなく褌姿で行われる。

日に焼けた肌に白い褌を締めた彼は様になっていた。

最近では、わざわざ県外からカメラを持参して観戦しに来る人も増えた。

今年は地元住民も含め、200人以上が土俵を取り囲む大盛況。

褌姿で歩いているだけで見知らぬ人からカメラを撮られ、有名人にでもなったような気分になる。


そして取り組み相手が決まった。初戦はなんと同い年の女子。

今年から女子の参加が出来るようになり、数名の女子がエントリーしている。

相手が女子と知り、彼は鼻で笑った。


「女が褌なんて変なの。女が男に勝てるわけねーじゃん」


「そんなこと言っちゃって、負けたらどうするよ?」


「負けるわけねー、オレ空手やってんだよ?負けたらこの後出店回る時、チンコ出してやるよ」


勉強ならいざ知らず、運動の分野で女子には絶対に劣るはずないと思っている彼はは、勝利を確信していた。


しかし、少年は知らなかった。

女子は男子より先に成長のピークが来ることを・・・。


大会は盛上がり、親兄弟、近所の人、友人みんな見てる。


「(カッコいい所みせつけてやる)」


そしてついに順番がきた。

女子が相手ということで緊張は途端に無くなってしまったが、気合を入れなおすため、土俵入りしてから自分の尻をピシャっと打った。目の前に相手の女子が現れる。


「(・・・なんかデカい)」


少し成長の遅い方である彼と成長が特に早かった相手。

身長差は15cm以上、体重も10kg以上差があった。

彼は自分だけ服を着ていないからか、何か心許なさを感じたが、相手は気の弱そうな見た目だった。


「(最初に一発力いっぱい押して、びびらせてやる)」


拙い作戦を立てて、見合う。


「はっけよぉーい・・・!」


力いっぱい踏み込み相手の体にぶつかりに行こうとすると、腕が想像以上に伸びて彼の胸を押した。その一発で土俵際まで押し出された。

一瞬冷や汗をかいたが、なんとか踏みとどまった。彼は手を引いて歩く時の母親がよぎるほどの力を感じた。いざ、後ろを振り返ろうとすると横褌を掴まれ、彼の体は軽々と浮き上がった。



大相撲でも滅多に見ることのない「送り吊り出し」の体勢。

その瞬間歓声が沸き起こり、彼は自分が窮地に立たされていることが理解できた。

じたばたと抜け出そうとすると、褌が股に食い込む。


観客から笑い声がしているのを聞いた彼は、自分の大事なところがはみ出してしまっていることに気づいた。


男子なのに女子に軽々と持ち上げられた上、自分のソレが衆目に晒される中で、気が動転して激しく暴れた。

すると褌はさらに食い込み股間からゴリっとした激痛がした。

下手に動いたせいで残った片方に全体重がかかってしまったのだ。


あまりの苦痛から必死に逃れようとしたが、もがけばもがくほどにゴリゴリと小さな玉一つに体重が乗る。彼は持ち上げられたままブラブラとするだけで動けなくなった。


相手は彼のスキをついて持ち上げたが良いが、この後どうしたらいいかわからなくなっていた。土俵に投げ飛ばされ、土をつけた方が今の彼にとっては楽になるが、彼が現在置かれている状況を理解できず、心優しい彼女はそんなひどいことは出来ないと思っていた。


彼女も次第に疲れ、腕が少し下がるが、再びグイっと持ち上げる。

その動作をするたびに観衆は「よいしょー!よいしょー!」と歓声を上げた。


彼は負けそうになって、脳内で様々な思考が巡っていた。

「(負ける・・・女子なんかに・・・)」

「(みんな見てるのに丸出し・・・笑い者だ・・・)」

「(きんたま痛い・・・)」

「(あんなに練習したのに・・・)」


自らの無様な姿を観衆に晒されている羞恥心、会陰と肛門にしっかり食い込む褌、その褌は真夏の蒸し暑い気温で自身の汗で湿りやや滑りがある。そして上下運動による摩擦と睾丸への刺激。いつのまにか痛みは、じんわりと別の何かに変わっていた。熱いパワーのようなものが全身の末端から中枢、股間へと集中している気がした。


「しょ、しょんべん・・漏れる・・」


直後、歓声を上げていた観衆がざわついた。

衆人環視の中で、上下に揺すられていた彼の皮をかむったソレから白い半透明の液体が鼠径部から太腿にかけて、ぴゅるぴゅると噴き出したのだ。



彼は生まれて初めての衝撃に頭が真っ白になった。

足はピンと伸び、まるで人形になったかのように全身が硬直し、ピクピクと痙攣した。


疲労が出てきた彼女は足がもたついてぐるぐると自転した。

それにより少年は360度すべての観衆に醜態を晒す羽目になった。

息を飲むか、笑い声をあげる人々。

上の判断を待つ行司、記者会見のように一斉に炊かれるカメラのフラッシュ。

親兄弟、友人たち、近所の人々すべてに彼は稀に見るみじめな「通過の儀式」を目撃されてしまった。


彼にとって、相撲大会で女子に負けた記憶などすぐにでも忘れ去ってしまいたい出来事であったが、「精通」を伴ってしまったことで、生涯忘れられない出来事になってしまったのは言うまでもない。            END


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