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「あ、来たわね。は〜い、入っていいよ〜」


 躊躇いがちのノックに対する返事は、お日様のように柔らかく暖かい女性の声だった。

 数秒遅れて白銀色の扉が開き、少年をその中へと導く。

 ビジネスホテルよりやや広いかという程度のシンプルな内装を見回しながら、少年はおずおずと部屋の中央へと歩みを進めた。

 脇に備え付けられベッドに腰かけた女性が、少年をみてにぱ、と笑顔を浮かべた。


「おはよう未来クン! 今日も一日、よろしくね」


 ルーラーのサーヴァント、卑弥呼。

 穏やかな垂れ目を更にゆるると綻ばせ、手のひらを少年へと向ける。

 薄らと焼けた腕が持ち上がり、白い脇が露出する。

 (現代という時世としては)防御力の低い服から、思わず乳房がこぼれ落ちそうだ。


 少年はさっと顔を女性から背ける。

 もじもじと赤い頬が震えたかと思えば、小さく「おはよう、ひみこおねえちゃん」と声が聞こえた。

 朱に染まった顔を誤魔化そうと、少年はあちこち部屋の中に視線を迷わせる。

 そんな仕草がいじらしく、卑弥呼は余計ににまりと微笑みを溢す。


「いやあ、ちっちゃくなって余計に可愛くなっちゃったねえ未来クン! それに今日は『おねえちゃん』って呼んでくれたね。嬉しいなぁ〜」


 部屋の中央に立ち尽くす少年に駆け寄ると、卑弥呼はその両手で少年を抱きしめる。

 「わぷっ」と少年は驚き暴れるが、サーヴァントの(中でも更に有数の)剛腕でがっちりホールドされて、一介の人間が逃げられるはずもない。

 増して、体重も身長も普段の半分程度しかない今、抵抗は無意味だ。

 軽々と抱き上げられ、なす術なく卑弥呼の頬擦りを受け止める。


「怖がらなくって大丈夫だよ未来クン、あたしが他のこわーいお姉さんたちから守ってあげるから。ショタ化? で不安だろうけど、まかしといて!」


 眼前で朗らかに笑う卑弥呼。

 ぼッ、と少年の顔が沸騰する。

 青い瞳が大きく見開かれ、卑弥呼の笑顔をじっくり観察している。

 微かに香る日に当てた布団のような暖かな香りが少年にも染みていく。


 ショタ化。

 それはカルデア最後のマスターの身に起こった不可思議現象の仮称だ。

 古今東西から呼び出された100を越す英霊たちと関わるマスターには、時折その誰もが予想できない珍事が降りかかる。

 悪意ある魔術には得意(?)の耐性である程度抵抗ができる。

 だが善意で掛けられた数多の守護術には、その善性故に防ぎようがない。

 マスター本人にも知らされないまま、ひっそりとかけられた幾つもの魔術・祝福・呪いたちは互いに影響し合い、干渉し合い、突如として意味不明な反応を起こすことがある。

 今回もそのパターン、マスターの肉体・精神年齢がおよそ10年程度若返ってしまったのだ。


 マシュ「おねえちゃん」を含めたカルデア司令部が導いた結論は「解除まで厳重に保護」。

 守護目的とは言え、何が作用したかもわからない術を解呪しようとするのは冒険が過ぎる。

 簡単な検査の結果、幸いにも一時的な変化であると分かったことからも「元に戻るまで待つ」が正解と判断した訳だ。


 だが、更なる問題がマスターを襲う。

 それはマスター本人の記憶が若干混濁している事と、『ショタ化+軽度記憶喪失マスター』という状況を好機と見なすサーヴァントが多数現れると予想された事だ。

 前者は付き合いの長いマシュ、ダ・ヴィンチちゃん他一部スタッフの記憶があった事からさほど大きなトラブルにはならなかった。

 だが後者は場合によってはカルデア崩壊の危機すら孕んだ危険すぎる火種だった。

 種火なら集めて損のない有用資源だが、ひっくり返すだけで途端に要注意度が跳ね上がる。


 ショタマスターをそのままカルデア内に放り出すことはできなかった。

 導き出された結論は、状況を理解したサーヴァントに保護を任せる事。

 マシュたち多くのサーヴァントと関わるスタッフからマスターを遠ざけ、元に戻る日まで安全に世話させるのだ。


 幾つかの候補の中から、卑弥呼は選ばれた。

 ルーラーという中立を保てるクラス。

 カルデアに現れて日が浅く、他のサーヴァントへの過度な情報漏洩の危険性が低い。

 また何よりマスターとの友好関係は良好であり、子供の扱いにも実績がある事が選出理由だった。


「さ、それじゃあ未来クン、今日もあたしと一緒に過ごしましょうね〜」


 マスターを抱き締めたまま、卑弥呼は「シャワー室」とパネルが置かれた扉を目指す。

 人間であるマスターが生活をする為、一通りの生活機材が揃った部屋になっているのだ。

 魔術障壁で音も漏れず侵入も許さない鉄壁仕様。

 マスターを狙って突撃してくるサーヴァントがいても大丈夫だ。

 そう、マスターを狙うサーヴァントが外から攻め入ってくる分には何の問題もない仕様となっている。

 標的は部屋の外にしかいないとする前提を元にして設計されているのだから当然だ。


「もうっ、未来クンったらもう汗びっしょり! あたしの部屋に来るまでにかけっこでもしてきたの?」


 しっとりと濡れたマスターの黒髪を撫で、卑弥呼は起こった風に頬を膨らませる。

 少年の頭皮は興奮したように熱く、毛穴からじわりと熱を持った汗が染み出していた。


「やっぱ最初はお風呂からだよねえ‥‥‥頭からおちんちんの先っぽ(・・・・・・・・・)まで、あたしが洗ったげるから」


 マシュもダ・ヴィンチも他のスタッフも、誰一人として予期していなかった。

 マスターと共に閉じ込めたこの新人ルーラーのサーヴァントこそ、マスターから最も遠ざけておくべきタイプのマスターLOVE勢(ヤバいタイプ)であったのだ。


 そも、ルーラー面した女に記憶の朧げなショタを与えるべきではないのだ。

 かの地(ルーマニア)での戦いの記録が、それを示していたと言うのに。


 シャワーと聞いて身体を硬らせるマスター。

 その首元に唇を押し付けて、卑弥呼は赤い舌を這い出させる。

 浮き上がった汗粒を蛇のよう舐めとって、小さな耳へと唇をスライドさせる。


「今日もいぃっぱい、どぴゅどぴゅしちゃおうねぇ〜」


 囁きかけた小さな耳がびぐッと跳ねる。

 卑弥呼はそんな赤い耳たぶを優しく舐め、微笑んだ。



 邪馬台国における未来くんことカルデアのマスターとの共闘を経て、卑弥呼は現代世界にその霊基を定着させた。

 マスターへの想いもまた、同じように強く硬く、そのたわわな胸の奥に宿り定まった。


 だが彼を辿ってカルデアへと辿り着き、その場所での苦しすぎる実態を知ることとなる。

 たった一人のマスターを狙って争う、ライバルたちの数と力の強大さを実感する。

 母やら姉やら、果ては己が焼き消したかつての恋人(?)の生まれ変わりやら、トンデモ解釈でマスターを独占しようと手を伸ばすサーヴァントの実に多いこと。

 卑弥呼は改めて、自らが彼女らと比べて出遅れまくっていることに気付かされた。


「だ、ダメダメッ! 未来クンはだって‥‥‥あ、あたしとぉ‥‥‥ッ」


 卑弥呼に打ち付けられたショックは、やがて「ちょっと」お茶目な独占欲へと変化した。

 ショタマスターを預かったこの機会を、絶好のチャンスと判断するくらいには大きく、変化していた。


「うん、任せて! 邪馬台国の女王、卑弥呼の名にかけて! 未来クンのお世話はしっかりしてあげる」


 いつもと変わらない口調で答えた卑弥呼。

 気恥ずかしそうにこちらを見上げる少年に向ける瞳には、いつもと違った光が宿っていた。




「はーいおててを上げてね、ゴシゴシするよ〜」


 湿気の立ち込むシャワールームには、卑弥呼の声が反響していた。

 全身泡だらけの少年が、言われるままに両手を上げ、万歳の姿勢で固まっていた。

 その後ろで「よし」と卑弥呼が頷き、柔らかいスポンジから泡を押し出した。


 当然ながら二人とも一矢纏わぬ素っ裸。

 卑弥呼のはちきれんばかりの乳房も、歩くたび見えそうだったお尻も、煙以外に隠せるものはない。

 少年はふつふつと黒い髪の隙間から湯気を立ち上げ、必死に銀色の壁を凝視していた。


「んもうっ、今日が初めてって訳じゃないんだから、緊張しないの!」


 卑弥呼はそう言って、手にしたスポンジと、己の武器を少年へと押し付ける。

 胸へと手を伸ばしてスポンジを滑らせ、小さな背中にたわわに実った乳肉を擦り付ける。


 少年の体はおもちゃのように跳ね、全身の筋肉が硬直した。

 触れた肌の奥から、混乱して暴れる心音が響いてくる。

 喉がゴクリと鳴り、鼻から大きく空気が吸い込まれていく。


 卑弥呼はゆっくりとスポンジで身体に泡を広げ、ついでのようにその身体を少年にすり寄せた。

 緊張の面持ちで立ち尽くす少年の太腿を、数倍は太い自らの足で挟み込む。

 鼠蹊部から下腹までをぴったりと、少年の脇腹に押し当てる。

 少年の目が自分の乳房に釘付けになっているとわかると、スポンジを動かすフリをしてゆさ、ゆさと揺らしてあげた。


 少年の小さな肉体に満遍なく、卑弥呼という女の感触を覚え込ませる。

 皮膚同士をピタリと張り合わせ、視界には常にむっちりと締まった肉を泳がせる。

 スポンジを動かす傍で、ピンと張り詰めた胸に指を滑らせた。


 「ひゅッ」と少年の喉が鳴った。

 いつの間にやら敏感に張り詰めていた小さな乳首が、卑弥呼の指に転がされて飛び上がったのだ。

 ピリリと鋭い電流が、胸に広がり心臓に伝わり、全身を硬直させる。


「どうしたのかな未来クン? まだシャワー中だよ?」


 卑弥呼は意地悪くそう囁いて、また指を乳首の上に滑らせる。

 今度は少年も口を引き結び、情けない声をあげるまいと抵抗する。

 それでも「んッ」だとか「ふぅッ」だとか、いじらしい奮闘の鼻息が室内に響き、情けないことには変わりない。

 むしろそんな可愛らしい悲鳴こそ、卑弥呼の庇護欲‥‥‥という名を被った独占欲をくすぐり増幅させていくスパイスだ。


「ごしごし洗いももうちょっとでおしまいだからねぇ。あとちょっとだけ頑張ろうねえ」


 赤く膨れた乳首を離れ、卑弥呼の両手は少年の全身へとくりだした。

 脇をくすぐり、二の腕を這い上がり、小さな手を優しく包み込む。

 泡をたたえた掌は、少年の指を容赦無くこじ開け、恋人のように互い違いに指を絡ませた。


 もう一方の手は少年の下半身へ、つるりと傷の一つだってないお尻の隙間へと滑り込む。

 ちゅくりと石鹸を泡立たせ、小さなアヌスに指先をねじ込んだ。

 少年はかッと大きく目を見開いた。

 ぱちぱちと何度も目を瞬かせ、ぽかりと口を開けたまま、卑弥呼の顔を見上げた。


 卑弥呼は何も言わない。

 ただ優しく微笑み、つくつくと直腸をタップする。

 異物感に驚き、少年の腸壁は異物を押し出そうとぎゅうぎゅう押し返してくる。

 だが卑弥呼のパワーを前にして、その抵抗は心地よいマッサージに相違ない。

 少年の腸壁に強烈な電流が生まれ、未熟な神経に異質な快感を刻み込む。

 快感と卑弥呼の肉体、卑弥呼の声が硬いリンクを作り出し、少年の脳内が危険な学習を完了する。

 あらゆる感覚で受信した卑弥呼=快感の刺激を発散しようと、刺激熱が下半身へ、とくとくと急激な成長を見せる


「もっと力をヌこうねぇ。お尻のナカまでしっかりキレイキレイしなくっちゃだからね‥‥‥」


 小さな掌が卑弥呼の腕を胸へと押し付けられる。

 これ以上の快感は危険と、無意識下で身体が警告を鳴らしたのだ。

 危険の元である卑弥呼の身体を押しのけようと、懸命に力を込めている。

 だが卑弥呼が乳房の谷間へと飲み込めば、あっという間に動かせなくなっていた。


 熱い子供の肉体が卑弥呼の肉に包まれて、ただぴくぴくと揺れるだけの人形となる。

 子供ならではな高めの体温が、興奮と刺激で余計に熱を持ち、抱きしめる卑弥呼の肌にも興奮を染み込ませてくる。

 その中でも際立って熱を放出しているその突起を、卑弥呼はじっと見下ろした。

 身体中をくまなくまさぐり尽くした卑弥呼があえて、指一本触れなかった股間の可愛い突起。

 少年の身でありながら精一杯に大人ぶって勃起するペニス。

 今にも破裂しそうなほどに真っ赤に湯だった美味しそうなソーセージ。


 ぺろり、と卑弥呼は思わず唇を濡らす。


「ゴシゴシは終わったよ未来クン。身体を拭いたら‥‥‥お布団、いこっか❤︎」


 出来上がった身体は答えない。

 蕩けた口から漏れるのは、突沸寸前の嗚咽だけ。

 ピンと張り詰めたペニスが代わりにビクン! と返事をした。

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