ある白髪騎士団長と騎士団の完全敗北 ーどんなに希望を謳っても 己のチンポには敵わないー (Pixiv Fanbox)
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「いいえっ、自分のような未熟者が落ち延びたのは……っ、ひとえに騎士団長のおかげであります! あの方が、御自分の身を挺して……自分を……!」
恐ろしい魔王城から生き延びた英雄は、真紅の絨毯に大粒の涙を落としながら叫んだ。
玉座を前にしながら髭は伸び放題で、身に纏っているのは鎧どころか布一枚。世が世ならば不敬なものとして処罰されるものだが、彼を責めるものはこの場には誰もいない。
「ーー報告、致します……! かの城の牢獄にはその全体に面妖な魔術の陣が敷かれておりました。自分を含め、捕虜となった者たちはあの力によって食事や睡眠のいらぬ体となり、長い時を囚われておりました」
彼は涙を頬に伝わせながらも、歯を食いしばって前を向いた。
今自分がなすべきこと。騎士団の問われた魔王城の仔細を、目前に控える王に向かってできるだけ早く、そして正確に伝えようと喉を震わす。
「鉄球と鎖に縛り付けられ、我々は薄暗い絶望の中ただただ生きておりました。どのような騎士であっても気概を失い、ただいつか来る死を待つばかり……。そんな中で騎士団長は、我々を鼓舞し、危険を冒して敵を挑発し、僅かな隙を作り上げてくれました」
「なるほど、あの男らしい……」
「素晴らしい御方でした。騎士の心というものは、剣にも鎧にも在らず。この肉体と心に宿るものだと、改めて教えていただきました……!」
騎士は頭を深々と下げて、改めて己の無力さに涙をこぼした。王と騎士団長が幼少のみぎりから互いの剣を研鑽していたことは、この騎士団に身をおくものであれば皆知っている。彼の悲しみはさぞ深いものだろう。そんな心などおくびにも出さず、王は騎士を労った。
「よくぞ生き残ってくれた。まずは体を休めるがよい。然る後、貴殿に城に至るまでの道のりを案内してもらう」
「ハッ、この命に変えても……!」
たった一人、されど一人。生き残った騎士の目には、消えぬ炎が宿っていた。
(どうかご無事で……!)
あの絶望の牢獄の中から、きっと皆を助けてみせる。かの騎士団長が繋いだ高潔な精神は、たしかに今王国へと戻っていた。
逃げ延びた騎士にはいくつか誤解があった。
彼らが繋ぎ止められていたあの場所、あれは監獄ではない。人間の言葉に置き換えるならば「食料庫」だ。人間を捕らえ、彼らの絶望を溜め込む、魔族の生態ゆえに必要な部屋である。
頑強な肉体と精神を持つ騎士や戦士、勇者と呼ばれる者たちをあそこに囚え、極上の絶望を啜り魔力へと変える。部屋に敷き詰められているのは、そのための複合的な魔法陣だった。
そしてもう一つ。最大の誤解があった。
彼らの囚われた牢獄に立ち込めているものは、すでに「絶望」ではなかった。
「ムゥ……ヌゥぅ……!」
「101…102……くっ、103ッ!」
薄暗い魔力の光の中、いくつもの男の呻きが響いていた。牢という牢の中から、鎖のジャラジャラという音が鳴っていた。半地下の空間すべてから、濃い男の汗が発せられている。
「諦めるな、俺たちは、俺たちは屈したりしねえ……!」
「クッソ、この程度の……鉄球、ぐ、ぐ……ちょうどいい、ウェイトだぜ……!」
それぞれ異なる牢獄に囚われた男たちは、暗闇と束縛の中で汗だくになりながら鍛錬をこなしていた。
己を縛り付ける拘束具を利用し負荷をかけ、筋肉をいじめ抜き、獣のような咆哮を上げている。
「ハァハァ……ッったく、この程度の動きで息が上がるなんてよぉ、この俺様が……!」
「なんだなんだ、もうヘバったのかァ??」
「馬鹿言いやがれ……ッ、こ、これからだぜ……!」
視界の届かぬ牢の間で、挑発的な声だけが行き来していた。そうして闘志を刺激された男たちはさらに暑苦しい唸り声を上げる。
かつて絶望し、口からはため息、目には虚ろを宿していた男たちは、もうこの牢の中には誰もいなかった。
たった一つの希望がすべてを変えた。
かの騎士団長が逃したのは、一人の騎士であり、そして希望だった。
いつか助けがやってくる。諦めなければ好機を掴める。このまま負けてなるものか。
それが、死にかけていた男たちの魂達を再生させたのだ。
『なあに……助かった後に王や国民に貧弱な姿を見せてはおけんからなあ! ジジイなりの見栄というやつだ、ヌッハッハ!』
このような暑苦しい鍛錬を真っ先に始めたのも、やはりこの騎士団長だった。
『こんなジジイでも、フゥ……ッ、このような場所でもっ、ムゥ……気合さえあれば肉体は研ぎ澄ますことができるものだぞ、なぁどうだお前たちッ!』
最年長且つ最も長く拘束されている男から煽られ、それでも呆けていられる男など、騎士や戦士にいるはずがない。老獪と言ってもいいその計算高さで、老騎士は見事この牢を蘇らせた。
今では騎士団長の呼びかけなしでも、皆思い思いの時間に鍛錬をするようになった。
ここはもう絶望の牢獄などではない。次なる希望のための、鍛錬場のようなものだった。
ーーしかし。
しかし、そんな牢の中で、唯一つだけ他とは違う呻き声を上げる場所があった。
「ムゥ…………ん…………ぬっぅっ…………」
くぐもった声は、よくよく聞けば鍛錬のそれではない。なにかを辛抱しているような、じれったい低い声だ。時折混じる熱っぽい吐息、鼻息、溜息もどこかいやらしい。
誰であろうそこは、騎士団長が囚われる牢から出ていた。
(い、いったいなにが起きているのだ、この体に、な、なにが、ぬぅう……!!)
彼は頭を抱えて、暗闇の中で全裸の肉体を捩っていた。
……勃起が止まらない。
もう何時間も、いや何日も、ずっとずっとチンポから汁が止まらない。いやらしい思考が後から後から体の奥から溢れて、卑猥な妄想を闇の中に描いてしまう。騎士としての誇りが眩むほど、眩しく、鮮烈に、欲情の熱が湧き続ける。
(こ、この儂が、この儂だけなのか、皆、なんともないのか……!? この疼きを感じないのか!? ンゥゥウ儂だけがチンポを勃起させこのように……おぅぅぅう♥)
少し腰が揺れるだけで風が肉棒にあたり先走り汁を噴き上げる。
いや、呼吸だけで男たちの逞しい汗の香りで脳が侵される。
いやいや、もはや生きているだけで、耳から聞こえる呻き声で興奮してしまう。
(お、雄の気配で興奮してしまうッ、ぬぅぅ騎士団の男たちの汗と男気が、儂のチンポに染み込んでーーむぅぅう♥)
彼は国に人生を捧げてきた男である。このような苛烈な欲望など無縁の生涯を送ってきた。だからこそ、抗うだけで精一杯であった。かつて鍛錬のために働いていた筋骨隆々の肉体も、今では動かさないのが精一杯だ。
「ハァ…………ハァ……」
「ーーハァッ! んーーハッァッ♥」
「よしーーこの、ぬぉぉおッ」
男たちの鍛錬の声に混ぜるように、竿の快感で喘ぐ声をのせる。そうして誤魔化してでも声を漏らさなければ、気が狂いそうだった。
いや、もう手遅れなのかもしれない。
竿をシゴきたい。思い切り腰を振り、下品な声を上げ、顔をぐしゃぐしゃに歪めて射精したい。
だが、それが叶わない。その怒りと焦燥感で思考が専有されている。
苦しい。だが束縛が、この腕に繋がった鎖が、それを許さない。
(ぬおぉおおっ♥ むぉおお♥ このチンポを……、シゴけたら、思いっきり両手でシコシコッ、シコシコッ♥
む、なぅ、何を考えておるのだ儂はッ! 皆が鍛錬している中で、そんな中でチンポを扱くことを考えているなどぉぉお!)
皆が希望を取り戻し、未来のために体を鍛えている。そんな中で、発端となった自分が浅ましい姿を見せたら……皆どうなる。どうなってしまう。
「ぬぐぅイカンッ、む、ぅうう♥♥」
いけない、と考えはするが……それでますます肉棒から先走り汁が溢れてしまった。とろっ……とした濃厚な雄蜜は、溜め込んだ精液のように強い粘りけを引いている。
「さすが騎士団長殿は今日も性が出ますな!」
「我々も負けてられんぞ!!」
築き上げた信頼のおかげであろう。まさか誰も、騎士団長が魔羅のことしか考えていないなどとは、考えもせず、暗闇の中で鍛錬をこなしているものとして話しかけてくる。その声にますます興奮しているなど、まさか誰も考えない。
「ま、負けんぞっ♥ 儂はまだまだ、ま、若いものには負けんッ、んんンッッ♥」
十代のようにギンギンに勃起した肉棒がブルンブルと腰で揺れる。なんという光景か。我ながら見惚れてしまう。この興奮と快感だけで、腰振りだけで射精できそうだ。
ーーいや、そんなことは許されない。これは……これは魔族共の罠だ。この儂の尊厳を破壊し、辱め、我らの意気を挫かんとする卑劣な行いだ。
だが、そのような奸計には屈しない。
こんなジジイの命と尊厳一つ守れないで、いったいなにが騎士団長か。
そうして今日も、団長は歯を食いしばって耐えていた。
毎日毎日、寸前まで欲望に傾きながらも、騎士団長という男は耐えてきた。声を上げるのを抑え、腰を振ることを我慢し、顔が歪むのを抑えてきた。
これが今の牢獄の日常だった。
騎士団の男たちは暗闇の中で目覚め、鍛え、そして眠る。その中に混じって、常に性欲を滾らせる騎士団の長。
この繰り返しだった。
今日、この時までは。
「フゥ……フゥ…………儂は、儂は…………まだまだッ、このような、魔羅の誘惑には…………ーーー!?!?」
暗闇は突如破られた。
騎士団長の牢獄の床から、彼にだけ見える程度の一筋の閃光が瞬いた。
「ぬうぅう、コレはーー!」
「如何なさいましたか、団長殿!」
「ーー!! いや、なんでもない、も、問題は…………なにも、なにもっないっ…………!」
騎士達長は声を抑えたが、その胸中はかつてない誘惑に駆られていた。
彼を閉じ込める牢、その中央にずるずると蛇のようなものが伸びていた。
魔獣か、召喚獣か、悪霊の類か。
欲で鈍っていた頭が、瞬時に冴える。
戦いの構えを取った彼の前に現れたのは、しかし……獣ではなかった。
それは、長く伸びるただ一本の棒だった。
筋骨隆々の老騎士のへその位置まで伸びるほどの立派な長さ。
圧迫感を与えるであろう雄々しい膨らみ。
肉を掻き回しそうな見事な亀頭。
滑りが良くなりそうな汁がダラダラと溢れている先端の穴。
それは紛れもない、長く伸びるただ一本の………雄の肉棒だった。
(あ…………なんと、なんとおぞましい…………おぞまーーンムゥ♥♥)
ゴクリと、喉が鳴った。
騎士団長は慌てて周囲の暗闇を窺った。他の牢にも聞こえたのではないかと不安になった。
それほど、口中には大量のツバが溢れていた。
視線が動かない。
尻の奥が疼く。使ったことなどない。知識が少しある程度。だのに奥底から、あれが欲しいという声が止まらない。ケツが叫び声でも上げるように開いていく。
「ハァ……ハァ…………あぁあ負け、る、もの……か…………」
あれを飲み込んだときの快楽が、未知でありながら脳内で鮮やかに再生される
「ああ、負け、負けーーるっ…………ものか、この儂が……ッ♥」
声だけでは誰も、この団長が誘惑と戦っているとは思わない。
「むぅぅ負ける、ものか、負ける…………負ける…………負けるッッ♥♥」
肉棒が誘うように揺れ、ビチャリと汁を床に垂らした。
団長の檻から、低く濁った雄叫びが響いた。
暗闇の中は今日も、男たちの希望が唸っていた。
腹の底から絞り出すような咆哮。鎖の悲鳴。喉を震わす雄叫び。そして必死に抑えたような声。
「ぬぅぅうッ!」
「ハァハァ、ようし、だいぶ勘が戻ってきたぜ…………!」
「おごぉぉ♥ むぉぉお♥」
「持ちーー上がっだァ! 記録ー更新ッ…………!」
「ぬぅう、奥ーーにぃぃい今までより、もぉ…………♥♥」
希望を胸にして努力を積む男たちは、誰もが昨日より強く、明日のために強く、体と心を鍛えていた。
「むぅうう! ムウゥウ!」
「フゥ、フゥ…………!」
「んむぅぅぅうッッ♥」
大勢の中ただ一人だけ、異物が混じっていた。
負けるか負けるか、負けるものか。
声など上げるものか、こんなものに負けて大声を上げたら、その時こそ負けなのだ。
「お゛ッ♥ ぉ、当だーーんんんッ♥♥」
おもわず漏れた声、騎士はブルブルと唇を震わせて抑え込んだ。
「ハァハァ…………危ない、危ない、ところであった……♥」
汗だくになりながら、老騎士は腰を持ち上げた。ズズ……と肉棒が逞しい大殿筋の中から這い出てくる。内蔵がグリグリと引き摺られる感触に、騎士の口から先走りのようなヨダレがツゥと垂れた。
「ほぉぉお…………ホォぉ」
スクワットをしていたときのように、足を下品に開き、腰をグリグリと落とした。
(もっと、もっとだぁ…………♥)
筋骨隆々の騎士団長は、この肉棒に尻を貫かれたあの日から、一日たりともマトモ鍛錬のことや筋肉のことなど思い出していない。
いかに周囲に悟られずに、この巨大なブツを堪能するか。それが高潔な老騎士の思考のすべてだった。
(昨日より奥に、おぉぉこれはすごいぞおお♥)
(筋肉が貫かれて、す、凄まじい負荷が尻にッ、こ、これは、あぁぁ腹に力を込めねば、とんでもない声がでてしまうぞ♥ すさまじい鍛錬になるんオォォ♥」
皆の目に光を灯した、その強き意志を感じさせた目は濁りきっていた。
ーー誰にもバレない。見られていない。聞かれていても気が付かれない。その事実が油断を生み、騎士の声は日に日に大胆になり、腰の動きは卑猥になった。だが、それでもなんとか抑えていた、今日までは。
ーーそれは、何の前触れもなかった。
昼も夜もなく、ただただ魔力の明かりだけが頼りとなる部屋が、突如昼の明かりに包まれた。
半地下と地上を隔てていた窓が、一斉に開放された。
「!?」
暗闇に慣れた目を守るため、男たちは顔を覆った。なにかの攻撃かとさえ思った。だが、汗だくの腕の隙間から見えるこの暖かな光は、たしかに太陽のものだ。
隔絶されていた境が消え、外の爽やかな空気が流れ込んでくる。
誰もが思った。
ついに王国からの追加部隊がやってきたのだ、と。
この魔族の城を攻め落とし、王国に繁栄を、人々に平和を、騎士に栄光をもたらす光なのだ。
「やったぞ、皆のもの、目を覚ませーー!」
「おぉお、俺たちの力を、みせてやる…………!」
「うおおぉ!!」
「団長、ここまで堪えることができたのは、みなあなたのおかげですーー!!」
口々に猛き叫びを上げた男たちの心は一つだった。
皆一斉に恩人を、暗闇に光を灯した団長の声がする方に目を向けた。そして見た。
「ほぉぉおお、イカンーーああ、ぬあっぁあ見られッむぉぉおお♥♥」
そこにいたのは、激しい雄たけびを上げ下品に腰を落とした変態老騎士だった。
「え」
声を失い、信じがたいものを見るような目が集まる。
「おぉおこれは、これはその、そのぉぉおおおッッ♥ おごぉおお、み、皆よくぞ耐えだぁぁッ、儂も鼻が高い……ゾぉッ♥ おぉおこ、これで、これで王国は、あふぉおおお♥ おうこ、お、お、奥、奥がイイィィイ♥♥ ああ、じゃなくって、王国がいイィぞぉおッッ♥♥」
そこにいたのがかの騎士団をまとめあげていた長であると、誰もが信じられなかった。
幻覚か、偽物か。
しかし同時に、今日に至るまでこの暗闇の中で感じていた違和感が、次々に解消されいくのを感じた。
汗臭さに混じって、雄の香りが騎士団長の牢から流れてきていたこと。
一人だけうめき声がやけに艶めいていたこと。
筋肉の話がある日を境にまったくなくなったこと。
それらの小さな疑問がすべて、彼が毎日のようにケツアナを慰めて阿呆のように喘いでいたという事実で解消された。されてしまった。
「ハァハァッ、そのような目でこの儂を、み、見ないでくれぇ♥ あふぅう儂は、儂はずっと我慢していたのだぞお…………ずっと、こ、声を出さないように鍛錬を、おぉぉお♥♥」
彼の言葉信じ、努力を続けてきた騎士達の脳は混乱で何も考えられなかった。空白に鳴った思考に、ただただいやらしい老騎士の腰振りと、ブルンと震えるチンポと、いやらしい声が流れ込んでくる。
「そんな…………」
「嘘だ、俺たちは今まで」
「あっあっあっ♥♥ こんな、こんなことになるとは、儂は、儂はッ、おまえたちに希望を、未来を、ああ、その儂が、ケツを掘られてッ、ケツで遊んでるところが見られておるとはぁぁ♥♥ あああぁチンポが、チンポがガッチガチになってしまうぅう♥♥ 誰にも負けないチンポになってしまうではないかぁああ♥♥♥」
騎士は叫ぶと同時に、自らの立派で鍛え上げた筋肉と肉棒をさらけ出し、騎士達に突き出した。まるで剣を捧げるかのように、尻と竿の結合部を全員に見せつける。
とろけるような快楽が全身を駆け巡った。
「あひぃいいチンポォォオオチンポチンポチンポォォオ♥♥ チンポで掘られてチンポがデカくなってチンポから汁が出るううぅうう♥♥ 騎士のちんぽ汁を捧げてしまうぅううう♥♥♥」
「魔族様の奸計に負けて、しまうぅぅううう♥♥♥」
「チンポ負けるチンポ負けるぅうう♥♥ おおぉぉぉお♥ ーーーお゛ひッ♥♥」
その瞬間、老騎士の逞しい肉棒から、情けなく汁が飛び出した。
「ああぁぁぁ゛ぁぁぁあひぃぃいいい゛ きンもぢぃぃぃぃいぞおぉおぉおお♥♥ チンポぉぉぉおおンン♥♥♥」
弧を描く大量の精液はそのまま床へ雫となり弾け、魔法陣に吸われていった。
地下牢が一斉に、薄紫色に輝いた。それは、太陽の光さえ覆うような、暗い暗い光だった。
絶望が人間を縛り付けるとするならば、希望が男たちを輝かせる。
ではそれが、欲望ならば……どうか。
「団長殿、み、みんな……。こ、これは、これは一体………………!」
「あぁぁこれは、これはすばらしい鍛錬であります♥ あぁああ♥」
「ケツ、ケツッ気持ちいいッ♥♥」
「魔族さまあぁあどうかおゆるしをぉぉお♥♥」
そこは絶望の地下牢獄でもなければ、希望の鍛錬所でもなくなっていた。
王国からついにたどり着いた騎士達が見たのは、見るも無惨に欲望に取り憑かれた元騎士達だった。
彼らは互いに絡み合い、魔法陣から生えた触手に尻を捧げ、虚空を見つめて延々と精液を吐き出し笑っていた。
無論その中心にいたのは、かつて騎士団長と呼ばれていた逞しい大男だ。
「あぁぁあ♥ついに王国にまでバレてしまったぁあ♥ 儂が尻でイキまくって、もう尻の快感抜きではイキていけないと、バレてしまっだぁあ♥ おホォぉお♥♥♥」
あの日、全てが終わってしまった。
彼らの肉体を支配するのは、もはや希望でも絶望でもなく欲望。射精と興奮、肉棒と尻穴。
今の彼らは王国を守る騎士団どころか、魔族を喜ばせるだけの肉の塊へと変わっていた。
魔法陣の光が、更に強くなる。
彼らを見た人々が、さらに絶望を生み出す。そうして出来上がった力は、魔族へと流れ彼らの力となる。
「王よっぉおお許してくれええ♥♥ でもぉおぉわしらぁあああチンポが気持ち良すぎてもうぅぅ♥♥ もう我慢なんてできんんでへへへへぇぇええ♥♥♥」
かつて騎士団に守られ繁栄していた王国は、遠からぬ未来素晴らしい欲望が襲いかかることは間違いなかった。