クソ真面目な自衛官兄貴にチョコレート上げたら俺のパンツでセンズリこくようになったうえホワイトデーでコンドームズリ見せてつけてきた話 (Pixiv Fanbox)
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挿絵一枚付き。
文字コラで色々変になってきた自衛官兄貴が、さらに色々想定外におかしなことになって気持ちよくなっちゃう小説です。
大変なことになっちまった。
たしかに俺は、数ヶ月前に手に入れたアプリを使って、兄貴のステータスを色々イジってきた。
兄弟への執着を下げて、俺への干渉をやめさせた。
我慢強さを奪って、弟の前でもオナホズリが我慢できなくさせた。
正義感をあげてヒーローコスプレ姿でイかせたりした。
あくまで兄貴の社会的地位だとか、人格とかは元のまま、あれこれ手を変え品を変え、ちょっとしたお楽しみを繰り返してきた。
このアプリは俺と兄貴のステータスを入れ替えなくちゃいけないって制約つきだったもんで、派手なことはできなかった。うっかり兄貴の執着を俺に移した結果が、今の俺だ。あんなにうざかった兄貴にぞっこん状態。マジ惚れってのは厄介だ。どうにか兄貴を俺のものにしたいのに、兄貴をめちゃくちゃにするのは躊躇っちまうんだから。
そんなこんなで、俺は色々無い知恵絞って兄貴のことを考えていた。
だけど、っていうか、だからこそ。
今回の出来事は、完全に想定外だった。
「やっぱモノが違うような、うっま」
二月十四日。
近所のデパートの一階で行われていたバレンタインデーの催事はそりゃあもう豪華なもんだった。生チョコ、クッキー、ホワイト、ミルク、あれこれうまそうなチョコが沢山売られていて、俺のテンションは爆上がり。
くれる相手も贈る相手も不在だが、そんなことは関係ない。俺は自分で楽しむように大量のチョコを買ってきた。なにせ兄貴は辛党だから、家には俺が買わなきゃ甘いもんがちっとも用意されてない。
「これだけありゃあじっくり一ヶ月は楽しめるな、賞味期限の早い生チョコ関係は先に食って、クッキー系って早いんだっけ遅いんだっけ?」
一人で買って一人で楽しむ。実家住まいの学生の些細なお楽しみだ。そのはずだった。
ところがだ、コッソリ冷蔵庫の俺ゾーンに詰め込もうとしたタイミングで、兄貴に見つかっちまった。
想定していた通り、兄貴ときたらダンベル片手に説教を言ってきた。
「なあおい、糖分と脂質は大事な栄養素だが、とりすぎは健康と筋肉によくねえぞ。血行にだってなあ――」なんて、なんとも立派な正論を垂れてきたのだ。
いくら兄貴が好きになってるっていっても、ムカつくものはムカつくもんだ。
折角の楽しみに水をさされて、ついついカチンときちまった
俺はささっとスマホを取り出し、ちょちょっと兄貴の「イベント好き」のステータスをグイッと上げた。
これで兄貴はバレンタインデーが大事になる。そうなりゃ、俺がチョコをバカ買いバカ食いしても、まあ年に一度のことだしと、見逃すだろう。そう思った。
だけれど、兄貴のクソ真面目さと、健康志向は本物だった。
「いいか、クリスマスだ正月だバレンタインだって、大切なのはわかるけどな。水は低きに流れ、人は易きに流れる、なんて言うように、油断油断で間食続けて習慣化すると、歳取った時に困ることになるんだぞ。お前が甘いもん好きなのは知ってるが――」
こりゃ駄目だ。
まるで止まる様子がない。出るわ出るわ兄貴のお小言。なんだか久しぶりだ。
俺は鬱陶しくなって、兄貴をちょっと傷つけるつもりで口を開いた。過干渉な兄貴に対する、弟なりのイヤーな武器。
「そんな言い方しないでくれよ。このチョコ、兄貴にやろうとおもったんだぞ」
罪悪感を刺激する、この一手。
俺は手に持っていた生チョコを一つ、兄貴にぐいと差し出した。
それまで険しい顔をしていた髭面の老け顔が、ピシリと凍りついた。
ダンベルを持ち上げたままだった逞しい腕と広背筋が、ピタリと止まった。
ああ、失敗だ。やりすぎた。
俺の予想では、兄貴はてっきり「何バカなこと言ってやがる」なんていいながらも、罪悪感で静かになるんじゃないかって、その程度のもんだったんだ。
兄貴の真面目さを甘く見ていた。
兄貴に浮ついた話が随分ないことを忘れていた。
兄貴が弟の俺の言葉を適当に受け流せないことをわかってなかった。
「あ、兄貴……?」
たっぷり時間があった。黙りこくっていた兄貴は、驚くほど小さな声を出した。
「――――。……少し、時間をくれるか」
◆◆◆
「少し、時間をくれるか」
臆病な選択だ。それは、自分でもわかっていた。
弟の表情が随分驚いているのがわかった。
しかし、突然の告白に対して、俺はそう答えるしかなかった。
大変なことになっちまった。
部屋に戻り、一人閉じこもった俺は、万年床の上で犬のようにぐるぐる歩きながら考えていた。頭を抱える。やりとりを思い出す。手渡されたチョコレートを見つめ直す。そしてカレンダーを再確認。
二月十四日。バレンタインデーだ。
特別な相手にチョコレートを渡す、一年に一度しかない貴重な記念日だ。大切な日だ。重要な一日だ。
――つまり、弟のこれは冗談じゃない。
俺は手にしていたブランド物のチョコの箱を改めて開けた。
「い、いけねえ、やっちまった」
うっかり握りしめていたせいで、握っていた部分の生チョコがよろしくないことになっちまっていた。俺は大慌てで一つつまむと、ベタベタに溶け切る前に口に放り込んだ。
「……お、ん――おう」
ほんのりと洋酒が効いた、ほろ苦くて芳ばしいチョコレートだ。甘いのが好みじゃない俺のような男でも、これならば美味しく食える。そんな味だ。
きっとあいつが、心を込めて選んでくれたに違いない。
口の中でチョコを蕩かしながら、俺は遠い目で弟の姿を思い浮かべた。
バレンタインデーってことだから、きっと女の子がずらりと並んでいる場所に出向いていったんだろう。女の子に混じって、弟は恥ずかしそうに俺へのチョコレートを選んでいたんだ。俺のために。俺だけのために。
それを……俺ってやつは、やれ健康がどうのこうのと……。
「ん、ぁぁ……」
胸の締め付けられるような思いに、俺は膝から崩れ落ちた。
ああ、いけねえ。
なんて不誠実な男だったんだ、俺は。
そのうえ返答まで待たせるなんて、真面目が取り柄の市谷三尉が、なんたるザマだ。
「すまねえ、俺が……。兄ちゃんが……悪かった」
俺はチョコを味わいながら、なんども太ももを拳でぶん殴った。
時間をくれと言われた時の弟の顔を思い出す。
目をパチクリとさせて、驚きのあまり言葉も出ないといった顔だった。
俺のような性格の人間が、すっと答えを出さなかったことがそれほど衝撃的だったのか、それともてっきりすぐにOKが返ってくると思っていたのか。
ああ、申し訳ねえことをした。
それでも、だ。
返事を早めることは出来なかった。
なにせこれは、重要なことだ。兄弟同士、男同士で結婚という制度はないが、愛し合うというのは最終的に人生をともにすることだ。簡単に決めていいことじゃない。
そのうえ、俺はともかくアイツはまだまだ未来が定まっていない若者だ。
「人生に関わることだ、真剣に……どうにかしねえと、どうやって、返事すりゃあいいんだ」
弟への愛は本物だが。
それを、親愛から恋愛に変えていいものか。
大切な弟。両親から預かっている大切な宝物。
しかし、そんなことはアイツも重々承知だろう。
にもかかわらず、このバレンタインデーという嘘や誤魔化しが通用しない記念日に告白してきた。俺よりよほど肝が座っている。
俺はもう一口、生チョコを口に入れた。
とろっとろのチョコと、ほろ苦いココアパウダー。ピリッと効いた大人のアルコール。俺の好みであると同時に、今のアイツを表している気がした。
ああ、きっとそれくらいのことは考えているんだろう。このチョコにはアイツの思いが、たっぷり詰まっているんだ。そのはずなんだ。
それから一日。
俺はリビングから筋トレ機具一式を自室に引き上げていた。
今までリビングを裸同然の格好で歩きまわっていたが、それが間違いだと気がついたからだ。楽だから、気分がいいから、正直ちょっといい気持ちだから。男同士だから構わねえだろう。そんなガサツな行動が、弟を刺激し、煽り、あの告白につながった。
これから返事をするまでは、俺はあえて弟とはシビアに接することにしたのだ。
甘やかさない。肌に触れない。ただお互いをもっと知る。
真剣な交際のためには、真剣に知り合うことが大切だ。兄弟だからと油断せず、しっかりお互いが何を求めて、どれだけ相手を想っているかを知らなきゃならん。
ホワイトデーまで一ヶ月、それまでに俺は自分自身とも、弟とも向き合うと決めたのだ。
「フッ……! クゥ……ッ! ヌゥッ!!」
しかし自室での鍛錬は色々と問題があった。ただでさえ汗っかきな上、狭い密室でのトレーニングだ、部屋は俺の出した汗が充満して天然のサウナのように蒸し暑くなっちまった。
かといってすぐに風呂……ということもできない。うっかり弟と出くわしちまったら、俺自身どうしたらいいかわからないからだ。
俺は弟が風呂から出て、眠りこけるのを待ちながら全身をいじめ抜いた。
「そろそろ、頃合いか、ふぅ……」
俺は汗のしずくが垂れるほどに肌を濡らしながら、タオル片手に脱衣所に向かった。
「………」
そこで、俺は気がついた。今までは俺が一番風呂をもらっていたからわからなかったが、この家の脱衣かごは……なんというか、無防備なものだった。
下着が一番上にある。弟が脱ぎ散らかした下着と靴下が、丸見えの状態だ。
「ま、まったく、何度言っても靴下の癖が直らんな」
俺は弟の靴下を手に取ると、表と裏を正しくひっくり返した。
「ったく、パンツもよぉ……どうしてこう、俺にそっくりでガサツだなあいつも」
靴下を戻すついでに、よれた下着を手で掴む。
「ン――ッ」
空気を通すとはっきりわかる。明らかな雄の臭いがただよってくる。
甘いものが好きで、万年反抗期で、子供だ子供だと思っていたが、もうとっくにあいつも……子作りできるような立派な男になっていた、ってことだ。
「う、なかなか、立派な――」
ジロジロみていた下着を裏表ひっくり返すと、股間に当たる部分が少しだけ固まっていた。
先走りか精液か、いずれにせよ小便ではないものが染み込んだ痕だ。
男が一人、妄想しちまって、想像しちまって、魔羅の先からどくどくこみ上げたモンがここに染み込んだんだ。
……勿論、俺はそんなものに興味はない。
だが、これが弟のものとなれば別だ。俺に愛の告白をしてきた弟ならば、それはつまり、俺を想って出しちまった、作っちまったシミってことになる。
「や、やっぱりコレは、そ、そういうこと、だよなあ」
つまりこの臭いは、俺にも責任があるってことだ。
いや、責任なんて考えるもんじゃねえ。愛の証なのだから、ごくごく自然に受け入れるのが男の度量ってもんだろう。
それに、アイツを知るためには、この「情報」は大切な大切な……弟の本音が詰まっている、はずだ。
「ムゥッ!」
鼻に近づけると、顔面を覆うようにして臭いが広がってきた。
男そのもののキッツイ臭いだ。誰も好き好んで味わいたいとは思わない。だが、だがだ。これが俺への愛の証だと考えれば。
(臭ッ、くねえ、いや、臭えけど、悪くはねえぞ。ああ、大丈夫だ、大丈夫だぞ。兄ちゃんは、大丈夫だぞ。こ、こんなになるまで、お前、俺のことを――)
途端に、受け入れられるようになるんだから、人間ってのは不思議なもんだ。
それどころか、もっと知るべきだとさえ思えてきた。もっと鼻に近づけて、直に味わって、弟の愛情を理解し、共感し、答えを自分の中で見つける。
それこそが、兄貴として、告白された男として、俺がやるべきことなんじゃないかと、使命感が湧いてきた。
――そもそも、こんなにあからさまに放り出すだろうか。
そうだ、これはきっとアピールだ。アイツなりのメッセージなのだ。あの生チョコのように、これには弟の思いがこもっているんだ。
ああ、どうりで、だ。鼻の奥にグイグイ入ってきやがる。すげえ勢いだ。
スゥ―……。あぁ、くっせぇ。弟の愛情、直吸いしちまってる。空気に混じって濃いのが、頭の奥の方までグングン来るぞ。
「はぁ、ハァ、ハァ、ああぁ、きっと、弟も、『俺の』でこうやってたん、だろうなあ、ずっと、ずっと……」
俺は弟の下着を嗅ぎながら、腰をグイグイと前後に揺らした。
下着にチンポの先が擦れて、よわーい刺激がジクジクと広がっていく。
迷彩柄の俺のパンツに、じわじわ汁が広がっていく。
もしかしたら弟のこの汁も、二日前の俺の下着を嗅いでつくったものかもしれねえ。
兄弟二人で臭いと臭いの交換。器用じゃねえかもしれないが、男同士分かり合うには悪くない手段だ、そうに違いない。
俺は弟と同じだ。弟と同じことをしているだけ。
きっとアイツも、俺の下着でシコってる。
そう思うとますます体が熱くなってきた。
わかるぞ、止まらねえんだな。
兄ちゃんにもわかるぞ。男だもんな。
「ハァハァ……」
俺は腰を振りながら、風呂の前の脱衣所で、風呂にも入らず汗だくのまま何分もそうしていた。
だんだんとチンポが熱くなってくる。
擦れた快感で敏感なチンポがジンジンしている。
ああ、俺も、俺もお前を想って……パンツに染みを作っているぞ。試しに片手で股間をなぞってみると、弟のもの以上の臭さが俺の手のひらに移ってむわっと広がるのが分かった。
「あ、あ、こ、こんなにすげえのか……ッ、ああ、つ、つまり、俺も、兄ちゃんも、お前のことを……ッ!」
自分の中にあった弟への愛情を知って、俺はいよいよ興奮してきた。
つまりこれは、相思相愛って証拠だ。そうだったのか、俺は、アイツのこと――。
「う、あっぁ……おぉッ、オッ……!!」
腰が揺れる。勃起が強烈になる。息が荒くなって、熱くなって、目の前の弟のパンツをじっとり湿らして、ますます臭いが強くなる。
ああ、キマる。弟のパンツを鼻に食い込ませながら、俺、イッちまう。
今日は弟の告白から一日の記念日だ。
俺から歩み寄った最初の日。
そして――俺が弟で初めてシコった日。
「はっぁあぁ……あぁぁあ、うっ、ぉぉぉッ!!」
忘れられない思い出が一つ出来上がっちまった。
俺の脳と下着に。
それから毎日、一日一日を大切に積み重ねるように、俺は弟との交流を深めていった。
柔らかい生チョコがココアに包まれているように、直接ではなく間接的に。だけどしっかり余すところなく、俺は弟のメッセージを受け取り続けた。
◆◆◆
「ハァーはァ―……感じる、感じるぞぉ、お前の……お前を、すげえ、感じるぞ、兄ちゃんわかるぞ。伝わってるぞ……」
俺が兄貴の奇行に気がついたのは、だいたい四日目くらいだった。
ステータスの変化がおかしい。
俺への好感、兄弟への執着、そういったもんがグングン勝手に上がっていってるのだ。毎日、毎晩、それも風呂の前に。
告白をマジに受け取ったから、ってのはまあ理解できるが、それにしたってなんでまた風呂のたびにこんなにグイグイ上がっていくんだよ、俺何もしてねえけど。
疑問に思ってコッソリ兄貴の風呂を覗きに行ったら、そこにいたのはとんでもない格好をした兄貴だった。
「スゥー……ハァハァ……きょ、今日のは、一段と、きっつい、なァァ……!!」
あのクソ真面目な兄貴が、俺の下着を噛み付くように嗅いで、下品に股を開いて腰を落として、カクカク無様に腰を振っていた。
まるで変質者だ。
俺は少しばかり動揺してアプリを開いた。履歴を見ても、変なところは何もいじってない。ただちょっとイベント好きにして、告白をしただけだ。
弟にマジ惚れされている……その自覚一つで、なにがどうしてかわからないが兄貴はあんなザマになってしまったようだ。まったく理解ができない。ただ、とんでもなくスケベな姿だった。
「く、臭いぞお…………また、あぁ、お前、そうかッ、今日は兄ちゃんタンクトップ姿でお前の周りをウロウロしたからか、だから、か……! 兄ちゃんの男臭い恰好見てこんな興奮しちまったのかぁ、そうか、そうだろぉ」
「ああ、でも駄目だ、俺達は兄弟だからな……兄弟ッ、ま、まだ付き合ってないから、手を出したり、出されたりは駄目だ……それは禁止だッ、ちゃんと……ハァハァ、付き合ってから、ああ、でも、お前と付き合ったら……ッ、ど、どうなっちまうんだあ」
匂いフェチのステータスが勝手にガンガン上がっている。あの口ぶりからすると、どうも風呂のたびにあんなことをしていたらしい。
「兄ちゃんと付き合っちまったら、お前……学校で、好みのタイプの話とかできなくって、友人関係難しくなっちまうよなぁ……。あぁぁ、そ、それに、学生時代の他の出会いも、全部、なくなっちまうもんなぁ……ああ、慎重に、慎重に考えねえとぉ、はぁぁ……でも、でも、オマエはこんなに俺を想ってきっつい男汁をパンツに、あぁぁ……きくぅ、きょうのキクッ……!」
あんな変質者そのものの行動をしているのに、それでもどうやら俺のことを考えての行動らしい。
付き合うの付き合わないので悩み。俺の将来を想っての悩み。そんでもって兄貴自身の下半身の疼き。
いろいろな葛藤が、兄貴をぐちゃぐちゃにしたみたいだ。俺にはよくわからないけど。
「だめ、駄目だぁ、あぁぁ……ナマは駄目だぞぉおッ」
黙って覗いていると、兄貴の妄想はますます深くなっていた。
「付き合っても、それはだめだッ、生チョコをくれたってことは、兄ちゃんと、そういうことをしたいってメッセージなんだろ、で、でもなァ、いくら気持ちよくっ立って、兄弟同士で、ナマ出しは駄目ッ、駄目だッ」
あのチョコレートをめちゃくちゃに深読みして、そんな解釈になったらしい。
ホワイトデーまでには結論を出すらしいけど、たった一週間でこの暴走っぷりじゃ、のこり三週間でどうなるんだ?
(面白そうだし、ちょっと、待ってみるか)
俺の下着でセンズリ扱いてる兄貴をいじめてみたくはあったが、興味本位と……なにより兄貴の意思を尊重することにした。待ってくれっていうんだから、待ってやろう。
なにせ俺は、兄貴から勝手にもらった我慢がる。あと三週間くらいは我慢できる。
「あぁぁ……きょ、今日も兄ちゃんのほうが、すごい臭いだァ……どうだあ、兄ちゃんはすごいだろぉ……オマエのこと、こんなに、こんなに臭く愛してるんだぞぉッ❤」
俺はそっとその場を離れて、スマホを取り出した。
グングン数値が変わっていた。
そして、一ヶ月経った。
俺は兄貴の干渉がなくなった家で悠々自適に暮らしていた。
溜め込んだチョコレートを食べながら、兄貴の様子が日増しにおかしくなっていくのを観察していた。
時折俺の顔をチラチラ見ては、鼻の穴をふくらませるようになった。
たまに俺を部屋に誘って筋トレしている姿を見せて、これが兄ちゃんの日課なんだと説明する日があった。
たまには昔みたいに、兄ちゃんと一緒に寝るか? なんて誘ってきたりもした。
そのくせ、本当に手を出すことはなく、兄貴は真面目に――シコシコと俺の脱いだ下着や靴下でセンズリを扱いていた。
勿論、俺の方からも手は出さなかった。
誘うようなことをされても、筋肉をアピールされても、付き合ったらどんなことしてえんだ?なんて聞かれても、敢えて我慢の一手だけ。それでたっぷり一ヶ月。
それで完成したのが、この兄貴だった。
「ハァハァ……な、なぁ、見えるか、見えてるかあ」
「ああ、見えてる見えてる」
「一ヶ月、たっぷり、考えた、ぞ。お兄ちゃん、仕事の時以外はお前のことばっかり考えて……考えて、想って、愛して、たっぷりじっくり……考えたんだぁ。毎日毎日、お前のことを想って、吸い込んで、知らないかもしれないけど、ほんとに毎日、たっぷり、じっくり………」
「ああ、知ってるよ」
「こ、これから大事なことをお前に、伝えるからな、だから、ちゃんと見――じゃなかった、聞いててくれよぉ❤」
「大丈夫、ちゃんと見てるし、聞いてる、あ、録画もしとくな」
「あっえ❤ そ、それは❤」
「ほら、兄貴……これ以上俺を待たせるのか?」
「あ、うぉ、そ、そうだな、す、スマン、わかった……わかったぞぉ」
「あの生チョコ、嬉しかったぞ。お前が俺をどれだけ想っててくれたのか、ビンビンッに伝わってきたからなぁ❤ ――けど、けどなァ、ナマが好きってのは、お兄ちゃんちょっと、見過ごせないなぁ❤ 避妊……は、必要ねえけど、その、ほら、男同士でも、ちゃんとヤるなら、ゴムつけて、つけなきゃ、駄目、だめだからな❤」
「ほ、ほらこ、こうだ、こうやって、見えるか? しっかりゴムつけるんだ、見えるかあ、お兄ちゃんのチンポ、今日から、お前のチンポにもなるコレ、みえるかあ❤ コンドームにパンパンに詰まったボッキチンポ、コレ、コレ、コレが大事なんだぞぉ❤」
「こうすれば、俺のチンポでもすぐイッたりしな――じゃなくって、じっくり愛し合えるし、安心して愛し合えるし、臭いもたっぷり詰め込めて、最高だからな、だから、だからな、ナマじゃなくって、ゴムつけような、あ、あ、わかるか、ゴム、ゴムだぞ、ゴム❤」
「ハァハァ、お前の気持ちは受け取ったぞッ❤ たっぷり、この俺の全身で受け取ったぞおッ、毎日毎日、たっぷりお兄ちゃんのことを想っていてくれたよなあ、お兄ちゃん、風呂に入るたびに全身に浴びてたぞお❤」
「あぁぁあみ、見えるかあ、これが、コレがお兄ちゃんの返事だあ、お兄ちゃん、返事、返事するぞぉぉお❤」
兄貴は鼻息荒くそう言うと、コンドーム越しに自分のチンポを猛烈にしごき出した。
「あ、あ゛ーーーーッ!! きもちいぃぃい゛、あぁぁあ、あ、お前の愛をウケいれるっとキメたセンズリッ、返事センズリッ、お前への愛を、弟への愛を、証明するチンポコキッ❤ キモチ、キモチイィイッ❤ あ、あ、やべ、も、もう出ちまう、もう出ちまう❤ すぐ、あ、あ、でる、出る出る出る、我慢ッできね、ゴムごしなのに、も、もう出る、もう出るぅ❤」
それはもうあっという間だった。
こんな厳ついガタイに、ごっついチンポのくせして、我慢がすっからかんの兄貴のチンポ。それこそ腰振りだけでパンツに射精するくらい激弱なんだ。
コンドームごときで長持ちするわけもなく、兄貴の尿道がぱっくり開き、金玉がググッと迫り上がる。
「白いの、白いの出る、白いのだすゥ❤ ホワイトデーに、お返しだああ、お前に、お兄ちゃんの本気汁、全部渡すぞ❤ 俺の気持ち、お兄ちゃんの誠意、受け止めてくれ、受け止めてくれえェェッ❤」
兄貴は俺に向かって、グイットガニ股で腰を突き上げた。
「あ❤ あー❤ 出るぞ、出るぞ❤ お返しが出るぞおお❤」
大切なホワイトデー。
大事な記念日。
俺への返事。
一ヶ月溜め込んでた願望。
色んなものがたっぷり詰まったモノが――
「お、お兄ちゃんを、お前の恋人にしてくれえええッッン❤❤❤」
コンドームの中に、どぷっと大量に注がれるのが見えた。
すげえ量だ。どくんどくんコンドームのさきっちょに溜まっていく。おいおい、ゴムってあんなに膨らむのかよ。笑っちまうくらい、水風船でもできるくらいに、兄貴はゴムにセンズリで出した汁を流し込んでいく。
しっかり密閉されているはずなのに、こっちまで汗臭くて、雄臭くて、生臭いのが漂ってくる。自衛官の溜め込んだ種汁は強烈だった。
「はぁぁはぁあ、これこれ、受け取ってくれぇ❤」
「もう出たのかよ、さっきシゴきだしたばっかじゃん」
「ああぁぁあ❤ そ、そんな意地悪言わねえでくれええ、なんだよぉぉこんななお兄ちゃんは、駄目かッ、駄目なのかぁ❤」
「そんなことねーよ、好きだよ」
「あ、はぁぁああ❤❤❤」
俺は兄貴の頬に、軽くキスしながらコンドームをズルっと抜き取った。
ゴムがずれる感触と、俺からの返事、そしてかるーーいキスの一つで、兄貴のチンポからはもう一発恥ずかしい雄汁が噴き出した。
「あ、あ゛ーーー❤ で、でちまッ❤ あ、あ、とまらねッ❤ ン、はぁぁぁあ❤❤❤」
「あーあーゴムつけてたのに台無しじゃん、兄貴」
なんつうか、もう色々台無し。
兄貴のいかつい顔も台無しだし、ゴム宣言も台無しだし、きれいに整えられていたリビングの床も台無し、そんでもって、俺ら兄弟の関係も――ま、これは……大成功か、ある意味は。
「へへ、愛してるぜえ兄貴」
俺はそういいながら、ぬるっとむき出しになった生チンポを軽くタッチした。湯気をホカホカ立たせながらドクンドクンと精液を吐き出し続けているそれは、俺の指先一つでビックンビックン大騒ぎだ。
「あ、あ、あ、こ、こらこら、ナマチンポ触っちゃだめ、お兄ちゃんの生チンポ、イッた直後で弱ぇからッ、だめ、駄目❤」
「でももうゴムとっちまったし、それに、ココすげえー喜んでるし、それに――俺たちもう恋人だし?」
「あ、あ、あそ、そうかなあ、そう、かっもぉぉ❤」
最初の一応ご立派な宣言はどこへやら、兄貴は俺の指先一つで、あっさりチンポと快感に負けて俺にくらくら全撤回。
弟の俺相手に体を預けながら、イッたばかりのチンポを振り回してヘラヘラ笑うツラは、とんでもなくスケベだった。
「じゃ、これからよろしくな、俺の可愛い兄貴」
「な、生意気いいやがってぇ❤ あーーーソコ、そこ❤ きもちぃぃ……ッ❤」
こうして俺たちは、無事かどうかは知らないが、バレンタインとホワイトデーの一ヶ月で愛し合う恋人になってしまった。
俺にとっては勿論、兄貴にはそりゃもう何もかも想定外だろう。だけどまあ幸せそうだし、人生ってのは色々予想外のことが起きるから面白いとか言うし、ま、いいだろう。
俺は兄貴のケツを揉みながら、この状態の兄貴に自分の臭いを直嗅ぎさせたらどうなるんだろう、なんて考えていた。
ホワイトデーのお返しの、お返し。
兄貴の雄汁たっぷり詰まったコンドームを兄貴の鼻に直接嗅がせる。――多分、ますますおかしなことになるかも。どうなるかわかったもんじゃないな。
だけど、楽しめそうなのだけは確かだ。
まあ人生ってのは、色々想定外に動くもんだしな。
それも悪くないよな。な、兄貴。