Home Artists Posts Import Register

Content

「どうした……そのツラはよ……。どうした……ったく。あれしきの連戦で……疲れた顔しやがって」

俺は目の前の顔に向かってなじるように言った。頬に残った古傷。凛々しい太眉。鋭い眼光。筋肉質な首と頬。雄々しい面相のどれもが、一日の戦いで憔悴していた。

「かーーッ、正義のヒーローブラックフレイムも、オヤジになったってことか」

俺は鏡の前のヒーローに向かって、今度は励ますように言った。

全身をピッチリ包んでいたスーツを解除し、黒いタンクトップ姿に戻る。鍛えられた二の腕は汗でベッタリと湿っていた。

このツラ、このガタイ、この性格のくせに何を今更オヤジだなんだと、そう言われればそれまでだ。だが、最前線で色事や娯楽もナシに悪と戦い続けてきた人生で、自分を振り返るなど、これまでろくにしてこなかった。

そのツケが回ってきたのだ。

俺は鏡の前で髭を剃りながら考えた。

そういえば、近頃ますます毛深くなった。汗ばんだゴツい体からは濃い雄の臭いがプンプンとしている。自然治癒も随分遅くなった。今日の戦いのように、辛勝することが増えてきた。

「ずっと聞き流していたが、アドバイスをいい加減聞いてくべきなのか、いやしかし……俺ぁ……この生き方が性に合ってるんだよなあ」

周囲から既に散々、活躍の場を移せだの、トレーニングを変えろだの、スーツを新調しろだのと言われてきた。しかし、誰かに師事することもなく己の腕っぷし一本で勝ち続けてきた誇りと奢りが、自分の欠点に対する自覚を遅らせた。

気がつけば周囲には、有望な後輩や、才気溢れる新人が増えてきた。

それはもちろん結構なことだ。

現場から離れて、教官や司令部に異動する。そうしてきた先人を見下しているわけではない。ヒーロー協会の会長を務めているあのゴツい親父も、こんな悩みを超えた先にあの地位にいるのだろう。

ただ……俺はどうしてもわりきれなかった。

まだまだ戦場に立って、己の手で悪を未然に防ぎたい。まだ戦っていたい。

「しかしまあ、ここらで考え直す必要もあるな。なあ、おい。俺よぉ。アイツの言うとおりにしてみるか?」

俺は洗面台に置いてあった名刺を手に取り、自分の顔に突きつけた。

後輩が強引に手渡してきた名刺には、セミナーだかなんだかの住所が書かれていた。なんでも「自分自身と向き合う事ができるセミナー」とかいうものらしい。己の美点欠点と向き合い、新しい自分に生まれ変わることできる。

――だかなんだかということを、随分と熱心に語られた。

「どうだかなあ……まあ、くすぶってるよりは行動、か。ヒーローってのはそういうもんだ、な」

俺は鏡の向こうの男に言い聞かせると、風呂場に向かっていった。

後日、トレーニングを終えた俺はシャワーを浴びてセミナーへ向かった。

高層ビルの中のさらに上層階、贅沢なロビーの先、やけに広い待合室に通された。なんでも一人一人に特別な部屋が充てがわれるらしい。奇妙なことに、ここまで誰にもすれ違わなかった。

『音声で失礼いたします。自分自身とより深く向き合えるような環境づくりのため、無人機を使ってのご案内となります、ご了承ください』

俺を誘導するロボットは、なるほどわからなくもない理論で俺に語った。

『部屋に入りましたら深呼吸をしてから、部屋の中央にお進みください。そこにいる方を、ご自身だと思うように強く深く念じてください』

待合室で待つこと十分あまり、俺はいよいよ『個室』に案内された。

「――で、これを、どうしろって……?」

通されたのは、なんというか予想通り、前面が鏡が覆い尽くされた広々とした部屋だった。

ここで、じっくりと自分を見つめろ……と言われた。静かな音楽と、鼻の奥まで潜り込んでくるような不思議な煙っぽい臭いがする。そして部屋の中央には一体の真っ白なマネキンが置かれていた。

「………」

俺は一人胡座をかいて考え込んだ。こんなものを後輩のやつは熱心に勧めてきたのか。

自分だと思え、念じろ、なんて言われてハイそうしますとできる人間がどれほどいるだろうか。

俺は真っ白いマネキンを見つめた。

つるりとしたボディに均整の取れた体つき。どこからどう見てもマネキンだ。ゴツく雄々しく、毛だらけのタンクトップ姿の俺とは似ても似つかない。

――だが、やる前から諦めるのはヒーローにあるまじきことだ。

「よし、いっちょやってみるか」

俺は覚悟して、ギュッと目を引き絞ってマネキンを睨みつけた。

こいつは俺、こいつは俺……こいつは俺、正義のヒーローブラックフレイムだ。

傍から見ればバカみたいな事かもしれないが、俺は真剣だった。なぜだか真剣になれた。頭がそのことだけに、妙に集中している。

静かな部屋の中で、ただ俺の息遣いだけが聞こえた。

よくよくマネキンを見つめていると、あることに気がついた。

頬のところに、傷跡がある。俺と同じ場所、同じ大きさ、同じ深さで傷があった。眉が太い。髪が黒々としている。なるほど、わざわざ俺を調べて似た素体を用意したのだろう。

よくよく見れば、俺によく似ていないこともない。

体つきも逞しく、肌は褐色、黒いタンクトップがよく似合う男らしいガタイだ。

……そうだ、コイツは俺。コレは俺。間違いなく俺なのだ。

「――あ……? ァ……?」

気がつけば、そこには俺がいた。本当に俺がいた。

屈強な肉体。中年らしい渋い顔。正義のヒーローらしい鋭い目つき。紛れもなく、ブラックフレイムが立っていた。

……………。

なるほど、俺の思い込みの力ってのも、案外バカにならないものだ。

よし、コイツをよく観察してやろう。

そう思って一歩………近づいたのは俺ではなくマネキンの『俺』だった。

「は」

俺は瞬きをした。その間にも、また一歩『俺』は俺に近づいて着ていた。

俺と瓜二つの姿をした『俺』が、俺のするような歩き方でこっちに近づいてきやがる。

なんだ、俺の思い込みってのはここまで強烈だったのか? 自分で自分をそんなに催眠みたいなことできたっけか。

混乱しているうちに、『俺』はすぐ目の前にまでやってきていた。

『俺』はガバっと両腕を高く上げ、俺に挑むように近づいてきた。持ち上げた脇から濃い臭いがする。頭がクラっとしそうになった。

「な、なるほど、組手をやろうってか」

俺はようやく理解した。自身と向き合うっていうのは、こういうことか。コイツぁいい。これならきっと強くなれる。俺と戦って、自分で自分の欠点を知るってことが。

俺はそう解釈して、『俺』に近づこうとした。

「よっしゃ、かかってきやが――ン!!!」

その瞬間、ぬっと伸びてきたのは腕ではなく、唇だった。

口をふさがれた俺は、そのまま天地がひっくり返るように押し倒された。

なんだ、今何が起きた。

突然唇を奪われた衝撃や、マネキンを虚像と思っていた油断、それもあるが、それだけで俺が組み敷かれるわけがねえ。

だが、だとしてもこの俺の体幹と体重を組み倒せるような人間が、そうゴロゴロといるわけがない。それこそ、ヒーローでもなけりゃ、ブラックフレイムでもなけりゃ無理なはずだ。マネキンには無理だ、絶対に無理……そのはずだ。

「な、何が起きてやがるッ!」

そうだ、コレは異常だ。目の前のマネキンが、俺とそっくり同じ姿になっているんだぞ。今の唇の感覚、あれは無機物のソレじゃあなかった。なんだ、緊急事態じゃねえかこれは。

この唇、舌が俺に絡まってきやがる。分厚い男の唇だ。男の舌だ。この……俺の唾液が流れ込んできやがる。俺……俺は……俺とキスしてるのか。この熱い吐息、ケモノみてえな髭、ああ、俺……俺だ、間違いなく俺……。あぁ、俺、『俺』と………。

抵抗できねえ、同じ力で押さえつけられたら、跳ね除けられるはずがねえ……。

すぐ目の前に俺の目が見える。

じっとこの俺を見つめてくる。男らしい目。

鏡で見るのとは違う。視線が俺を射抜く。俺の顔、頭。

何だこの臭いは。この部屋の臭いと同じ。

俺の体臭……か? 頭が……ぼーっとしちまう。まずい……キスが気持ちいい。

「な……なんだ……おまえ、何だ……一体お前は」

「どうした、そのツラはよ」

目の前の『俺』が喋った。それは俺と同じ口調、声、語気だった。

「俺は俺だ、正義のヒーローブラックフレイムに決まってるじゃねえか。このパワーこの顔、このガタイ、全部そうだろ、なあ?」

「ば、バカいえ、お前は俺じゃない、俺はこの世にただ一人……、一人に決まってるじゃねえか」

「じゃあ、このキスも錯覚だってのか」

そう言って目の前の男は俺に再び唇を近づけようとしてきた。

俺はとっさに顔を背けた。

「ま、待て! なにしやがるんだッ、お前が俺だってんなら、なんで――こんな真似しやがるんだよッ訳わからねえぞ!」

「なぜって、コレこそが………俺のしたかったことだからだよ!」

俺と同じ声、俺の口調、俺の語気で、ソイツはわけのわからんことを言い切った。

タンクトップを脱ぎ捨てながら、そいつはこう続けた。

「俺は俺とヤりたかったんだよなー、ずっとなァ!!」

服を素早く過ぎてた真っ裸の『俺』は、そう叫んで俺に覆いかぶさってきやがった。

「このデカくてごっついガタイと、一度ヤッってみたくて仕方がなかったんだ、鏡ジロジロみて、髭面でよぉ、ったく、たまんねえぜ!」

「ふ、ふざけんじゃねえ!」

「ああ、もちろん真剣も真剣、マジだぜ俺は、マジで俺は……俺とガッツリ最後までヤりたくってよぉ……」

「そういうことじゃねえ、くそ、糞、どうなってんだ!」

違う。そんなわけがねえ。俺はチンポとヤりたがるようなホモじゃねえ。いや、ホモどころじゃねえぞ自分とヤりたがるなんて、ナルシストのド変態じゃねえか。俺は正義のヒーローだぞ、そんなこと考えたこともなかった。嘘だ。嘘に決まっている。

「かーーッ汗臭えなァ、お前の脇みせてみろよ、うぉ、すげえ臭いだ! 興奮しちまうぜ!!」

バカな。

確かに多少は、そう思っている節はあった。男の汗は、努力の結晶みたいなもんだ、俺の濃い雄がつまった脇ってのは、勲章だって考えていた。だが、それでも興奮するだの、ヤりてえだのってのは全く見当違いだ。

「ほら、俺のも嗅いでみろよッ、俺よぉ……」

『俺』はそんな俺の顔面に向かって、あろうことが毛むくじゃらの脇を押し付けてきやがった。

マネキンだったはずのそこには、汗だくの男の縮れ毛がもっさりと生えてむせ返るような臭いだった。

「ふごぉおおッッ!」

俺の臭いが俺の脳天まで貫いた。自分の脇の臭いを直嗅ぎなんて、普通絶対できない体験に俺の脳が痙攣を起こす。俺は体をビクンビクンと震えて、わけがわからんうちに次々と俺は『俺』に服を剥ぎ取られちまった。

そうなるとついに両方全裸だ。正義のヒーローが二人、素っ裸で絡み合っちまう。

「ほうら汗だくのゴツい体が丸見えだ、いかつくってスケベな体してやがるなあ、オイオイ、なあオイ」

「ハァ、や、やめろ、みせ、るんじゃねえ!!」

「ああ、そうだな、見せるだけじゃねえ、たっぷり味わわなくっちゃあなあ」

『俺』はそう言って、俺に跨ったまま腰をグイと突き出した。

凶器だ。最初に頭に浮かんだのはその言葉だった。ビョっと飛び出してきた反り返ったぶっとい肉の塊。俺の自慢のチンポが、今俺の真ん前でダラダラ汁を垂らしていやがる。

「どうだぁ、自慢だろ俺のこのチンポ、そいつが二本、へへ、興奮しちまうなぁ」

『俺』は挑発するように腰をくねらせ、俺に見せつけてきやがった。

「ハァ……ハァッ」

俺の下半身はその踊りに誘われるように、ムクムクとデカくなっちまった。どうなってやがるんだ。一体何が起きてるんだ。こんな男臭え体を擦りつけられて、俺はなんでこんなに興奮しちまってるんだ。

「「――おぉぉおおううッ!!」」

俺の喘ぎ声が同時に上がった。

『俺』が俺のチンポにチンポを擦りつけて来やがった。特別感じる先っちょを、特別感じるようにネッチョリ責めてきやがった。

俺だからわかる、俺が喜ぶ責め方だ。

「やっぱり俺だけあって……ツボはおんなじだなあ、なあ、ええオイ」

「あ……あぁ……ち、違う、おぉおおッ!」

ニッチュニッチュと俺のチンポ同士が音を立ててやがる。先走りも一緒、ビクンビクンしなるのも一緒、亀頭の位置も、竿の長さも全部一緒の兜合わせだ。たまんねえ。気持ちよすぎる。感じちまう。

「――!? な、なんだ、お前なにやってやがるッ、や、やめろ、そこは!」

「なんでだあ、こんなに感じるってのによぉ」

『俺』は俺の亀頭を弄くりながら、もう片方の手でケツを触ってきた。

もちろんそんなもの受け入れられねえ、俺のケツが感じるなんて、そんなはずがねえからだ。

「ほれ、ここをこうイジるんだよ、そうすっと、奥からじわじわ―って……気持ちよくなってくるぜ。ほれ、こうだ」

『俺』はそう言いながら、自分で自分のケツを弄りだした。

俺の目の前で繰り広げられるアナニーショーに、俺は愕然とした。髭面のヒーローが、テメエのケツで感じてやがる。完全に俺の顔で、俺のガタイで、俺の声で。

「あーーやっべ感じる、俺に見せつけながらケツで感じてみかったんだ、やべー雄な俺がこんな姿晒しちまってるぜ!」

「………ッ」

自分に見られて余計に感じる。それは間違いなく、俺自身が今考えていたことに違いなかった。

待ってくれよ、こんな変態と俺が、同じ思考? そんな、違う、そんなわけがねえ。

見せつけて感じるなんて、馬鹿野郎そんな事考えたこともねえ。

俺が、指で、ケツで、あんなに感じるわけがねえ。

だが、目の前の俺は間違いなく感じまくってる。

「試してみようぜ、なあ、この汗臭え体同士で絡みまくるんだよ、最近種付けだってご無沙汰だろ?」

ああそうだ、もうセックスなんてしてねえ。

ヒーローは不要な性交渉は禁止されている。

「自分と犯しあっちゃならねえ、なんてルールはねえ、そうだろ? それじゃあセンズリもこけねえもんなあ」

俺の声が耳元で、催眠術のようにガンガン響く。自分の考えのように、頭蓋骨の中で反響しまくる。脳みそに染み込んでいく。ああ、そうだ、そうかも、そうだ。

俺はピクリとも動けなかった。ケツが近づいてくる。俺のチンポに向かって降りてくる。後少しで入る。入っちまう。俺が『俺』にチンポをぶち込んじまう。

「お、おおお、でけえ、チンポォ!!」

「――ぬ、オォぉッ!!」

ずぶりと、俺の亀頭が『俺』に入った。『俺』は仰け反りながら吠えた。

「すげえ、入っていく、ナマのチンポが、ケツに入ってくぞぉ……おぉおこの反り返ったチンポォ……コイツがほしかったんだよなあずっとよぉぉおぉ……!」

ああ、犯しちまう、『俺』のケツを犯しちまう。犯しちまってる。クソ、なんだ、どうしてこんな気持ちいいんだッ!。

こんな形してたのか、筋肉質ですげえ締め付けだ。ケツ、ケツ……マンコじゃねえ、ケツだ。男の、親父の、ヒーローのケツ、俺のケツ! 俺のケツゥ!!!

「はい、ってるぜえええ! あああーーすっっげえきもちいいぞおお、さすが俺のチンポだあ!」

「おおぉお、たまんねえ!!」

俺は『俺』に負けじと吠えた。ああ、たまんねえ。俺のケツたまんねえ、なんて締めつけしやがるんだ、この野郎ッ!

「ハハしょうがねえだろ! お前のチンポがデカすぎるから、ギュウギュウいっぱいになってんだって、ガッハッハ!!」

「バカいえッ、こんな筋肉質なケツ、どんなチンポも簡単に締め上げちまうにきまってるだろぉお、おぉぉ気持ちいいぜえガッハッハッ!!」

俺たちは向かい合いながら笑った。そして絡み合った。

汗が弾けて二重になって、2倍の雄臭さが部屋いっぱいに広がっていく。ああすげえ、たまんねえ、俺とのセックスがこんなに気持ちよかったなんてよ………。

「ああ、イキそうだ……イッちまいそうだ……おぉおお……!!」

「おうイケイケ、俺の中でイッちまえ! なにせ俺はお前だからな、中出しだってしほうだいだぜ!」

「そ、そいつぁああ、いい……なぁぁああ!!」

俺は俺に促されるまま、腰を深く突き出した。

そうすると『俺』は情けなくうほぉおっとゴリラみたいな顔をして感じまくった。ああケツがそんなに感じるのかよ、このドスケベヒーローがよ! 俺ってのは。なんて情けねえ、いや、スケベなツラしてやがったんだ。

「おぉぉおイクゾこのドスケベがよぉお、イクぞぉお俺にイク、イク、俺に種付けだぁああ!」

「ようし来い来いッ、チンポこぉぉぉい!!」

俺は『俺』のツラをおかずにしながら、たっぷりと雄汁を種付けしちまった。気持ちよさと背徳感が頭の中にすーーっと広がっていく。全身に気持ちよさがこみ上げてくる。たまんねえ。なんも考えられねえ。俺とのセックスが最高だってことしか考えられねえ。ああ、なんで俺ここでセックスしてるんだわからねえただたまんねえきもちいぃいぃぃぃ。

「はぁぁぁすっげえぇ出しやがったなあ、どうだあ、ケツはいいもんだろ!!」

「あ……あぁ」

「わかってるぜ、俺が次に何がしてえか!」

自慢のチンポを振り回しながら、『俺』は俺に言った。

「コイツでヤられてえ」

「ソイツでヤッてくれ」

俺はケツを『俺』に向けながら懇願した。

あのデカマラで、俺は掘られたくって仕方がなかった。

「どうだあ、最高だったろ? 俺のチンポはよ。ほら答えろよ、このドスケベ変態親父ヒーローさんよぉ」

「あぁ……はぁ……はぁ……すっげー……ケツ、ケツ感じすぎて……あぁあ……たま、んねぇ……、最高だ……俺のチンポ……」

「な? ガンガン当たるんだよなあぁ俺のチンポがいいとこによぉぉ……」

それから俺は、『俺』にしこたま犯されまくった。何回かヤった後には、俺はすっかりこのチンポの虜になっちまった。もちろんヤられるだけじゃねえ。俺自身も『俺』にチンポをぶち込んで腰を振りまくった。ケツにももちろんドハマリだ。

ヤッてヤられて、ぐっちょぐちょだ。もうどっちの汗かもわからねえ。

「はっぁぁ……ヤベえ……もう、なんも考えられねえ――」

「そうだろそうだろ、いいぜ、ゆっくりしてろよ」

ゆっくりしてろ?

『俺』は唐突にそんなことを言ってきた。

見れば、『俺』が俺の着てきたタンクトップに腕を通していた。

「おい、なにして……んだ」

「まあいいからいいから休んでなって、腰が抜けてるだろ? 『俺』は俺なんだから、代わりに『俺』がヒーロー協会に顔だしてくるってことだよ」

「ああ……」

『俺』がじっと、俺の目を見てそう言ってきた。真っ直ぐな鋭い瞳だ。飲み込まれそうになっちまう。ああ、頭がますますボーッとしてくる。

「そう、だな……そりゃあ、そうだ……」

俺は『俺』の言うがままに頷いた。そうだ、別に俺が帰るんだから、『俺』が戻ってもいいんだ。なにもおかしくねえ。何も変じゃねえ。

「へへ、じゃあな」

『俺』は最後に口角を吊り上げて笑って、俺を置いて去っていった。扉が重い音を立てて締まり、一人俺は閉じ込められた。

俺は気持ちよすぎて腑抜けちまった頭で、ぼんやりとしていた。

まぁきっと大丈夫だろう。俺と同じことを考えるんだから、きっと正義のために働いてくれるだろう。

……でも、待てよ、もしそうでなかったら、どうなるんだ。

アイツはそもそも、突然……俺とヤりたいなんて言い出した野郎だぞ。待ってくれ、俺はもしかして、とんでもないことを――

「俺は……もしか、して」

「おいおい、なにぼーっとしてんだぁ俺ェ」

声は天井から聞こえた。俺は仰向けに寝転んだまま、その方向を見た。白いマネキンが降りてくるのが見えた。違う、あれはマネキンじゃねえ。『俺』だ。別の『俺』が新しくやってきやがった。

あのゴツいガタイ。体毛。顔。声。俺だ、ああ、『俺』がチンポをおっ勃てて俺に近づいてきやがる。

「なあヤろうぜ、ヤりたいだろ、今度は先に俺をイかせてえっておもわねえか。『俺』を先にイカせられたら強くなるって、そう思わねえか。強くなるまでここから出れねえって、そう思わねえか」

ああ………。

ああ、また声が頭に響いてきやがる。声が耳から離れねえ。………ああぁ……アタ、マが……あぁぁ……ァァ、ああ、そ、そうだ、俺もちょうどその事を考えてたんだった………。自分を超えるために、俺はここに来たんだ。だから……そう、俺より先に、『俺』をイかせるんだ。このチンポで、このケツで、俺をイカせて最強のヒーローに生まれ変わるんだ、俺は……。そうだ、そのとおりだ。

「ああ、ヤ、やろうぜ……ガッツリヤろうぜ……最後まで……よぉッ❤」

俺は『俺』のチンポを挑発するように、自分のケツぐいっと突き出した。

「おぉぉぉッ、こ、このデカマラァ、ケツの奥に食い込んで来やがるッ! ケツに、ブラックフレイムのチンポが、ゴリッゴリッに入って……きやがるゥゥッ❤」

「おぉお、そらそら、いい声出しやがるなッ! この雄声、たまんねえぇぜ俺ってやつはよぉぉ……!」

俺は自分のチンポを体の中に感じまくって、ヘロヘロになって喘いでいた。

何日、いや何週間経ったかもわからねえ。あれから俺はずっと、『俺』と絡み合って犯し犯され、修行の日々を過ごしていた。

修行すればするほど、俺のケツは『俺』のチンポの形を覚えてモロ感になり、俺のチンポは『俺』のケツの形を知ってイキまくりのエロチンポになっちまった。正義のヒーローブラックフレイムは、今や全身完全雄性器だ。

自分とヤるってのがこんなに気持ちいいとは、少しも知らなかった。もうこれじゃあ他とのセックスじゃあ満足できねえ。俺との兜合わせ、俺との見せあい、俺との中出しに勝てるセックスなんてあるわけがねえ。

だが後悔はこれっぽっちもなかった、恥ずかしくもなかった。なんせ――こうなったのは俺だけじゃねえんだ。

俺は鏡に映し出される映像を見つめた。

『あぁぁ、たまらん、たまらんッ、ぬぉぉッ❤』

『まったく、わしはスケベなガタイしとるなあ、どこもかしこも男臭えぞぉ』

『会長として働きすぎてろくにセンズリもしてなかったんだろ、ホレホレたっぷり味わえぇ』

「ケツもすーぐ感じまくりのホモ親父にしてやるからなあ、わしよぉ」

画面に写っているのは、ヒーロー協会の会長室だった。

その中心、デスクの上で絡み合っている白髪頭のガチムチの男が四人。ヒーロー協会の会長が、同時に三人のマネキンに責められながらヘラヘラと喘いでいた。

おそらく中央のが会長だ。しかしもう今は絡みまくって、どれが最初の会長で、ほかがマネキンだかなんてわかりゃしねえ。

『このガチムチのガタイ同士で絡み合うと、オホォ、気持ちいいなぁ~』

『ほれほれ会長の包茎チンポ同士、もっともっと擦りあわせようぜえ』

『わしのケツ、たまらんぞぉこのデカケツゥ❤』

『ああ、そ、そうだあ、わしは……わしは自分とヤりたくってしかたがなかったんだぁ』

犯されながらイッちまってる。笑っている。腰振ってチンポ振ってイキまくりだ。

俺と同じで、自分とヤるのが楽しくて楽しくて仕方がねえんだ。

『い、イッグうぅうう、うひ、うひ』

あの厳しい会長が、自分に犯されて酷え顔でイッちまってる。

ああそうだ。きっとみんなそうだ。

会長であっても、自分とヤる気持ちよさには勝てねえんだ。ヒーローの鍛え上げたガタイ、チンポ、ケツ同士で絡み合うのは、それだけ最高なんだ。

「ああ、イッ、イッちまうぅぅうう、俺もイッちまうぅう!! 会長が自分とヤってるの見ながら、自分のチンポでガンガン掘られまくってイッちまううううぞぉぉおおお、ぬほぉぉおおお❤」

「おうおう、まーた自分のチンポに掘られて即イキかあぁ俺ぇえ!」

「あぁあ俺のチンポ、俺のチンポ強すぎるぅ、この太さが、デカさが、熱さがたまんねーんだよぉおおーーッ!」

俺はまたケツを犯されながら、また先にチンポ汁を噴き上げた。ソレをじっくり見届けながら『俺』は俺の中に種汁をたっぷりぶち込んできた。ああ、また負けだ。また先イキしちまった。どうしても勝てねえ、まだ修行が足りてねえ。

「スッゲー……俺のチンポォ……ブラックフレイムのデカマラ、ケツに感じまくっちまうーーーッおうぅうーーッ❤」

俺は自分のケツを引き締め、自分の中にある『俺』のチンポを感じた。俺の股間にぶら下がっているこのチンポが俺の奥にある。

「お、いいぞいいぞ、いい締め付けだぜ俺よぉォ」

『俺達』は口と口をべったりとつけて、舌を絡めあった。全身の汗と唾液とザー汁がとろとろ混ざり合って最高に気持ちよくって興奮した。

まだまだ修行がたりねえ。

俺は俺自身に打ち勝ち、最強のヒーローになるんだ。それまで俺はここを出ねえぞ。

俺は今日もここでケツをヤラれ、チンポで俺を犯す。何度も何度も満足するまでヤりまくりだ。

「やべ、そ、そうぞうしたら興奮で、また、イ、イキそ、おぉぉお❤❤」

ああ、それにしてもいい形のチンポだ。

たまんねえ、もっとくれ、もっと犯してくれ。

俺はケツをギュッと引き締めた、俺は『俺』を感じて、またチンポから種汁を吐き出した。

Files

Comments

シバ

自分姦、すげーエロいっす!

Anonymous

いつもづけかつさんの作品にお世話になってます! 今回の作品は特に興奮しました! はじめてコメントしますが今後も自己姦尻ネタあったらお願いしたいっす! 突然のコメント失礼しました!

dukekatu

ありがとうございますー。 ナルシシズムやのっとり、いろいろな要素があっていいですよねー