Home Artists Posts Import Register

Content

VIERGE vol.3収録のパチュリーのメイキングです。

メイキング自体は初めて作ります。

今回の絵はひたすら色を塗り重ねていくだけのやり方なので、パーツごとにレイヤーを分けたりといった厳密なワークフローや区切りがほとんどありません。

途中途中のレイヤーやデータが残っていたのでそれらを元に大まかに区切って作業を振り返ってみます。


①ラフ

(この項だけ補足や説明が多いので長文です、すみません…)

まず描きたいイメージや雰囲気、構図の指針をここで決めます。

マーチングバンド椛の記事でも書きましたがラフは絵の魅力を左右する重要な段階としています。

あらかじめ色の配置も含めたラフを描く方もいますが自分の場合は(ラクなので)ほぼモノクロ線画で進めることが多いです。

線がだいぶざっくりぐちゃぐちゃですが色や影の配置などの計画性がない反面、ポーズなど絵的に面白いかを見て「ここから面白い絵が作れそうか」、「言葉でもその魅力を伝えたくなるか」を基準にこのラフを採用するか、を判断します。

そのときの勢いで描くこともあれば、じっくり練ったり何回も描き直してみたりするときもあります。

けど上記の判断を下すという点は全部一緒です。

この辺は「色の配置、組み合わせの気持ちよさで絵を組み立てるか」「状況やキャラの掘り下げの面白さで絵作りを考えるか」の違いだと思います。自分は後者です。

(この辺も今後見直したいかも…)

例えば普通に笑っているだけ、ただ斜めのバストアップだけ、となると塗りや仕上げで綺麗に描いたとしても自分としてはその絵でしか出せない固有の魅力(絵の個性)、物語性などが見えづらく物足りなく感じます。

笑顔にしてもなぜ笑っているのか、その前後の物語が見え隠れしていれば笑顔の理由がわかってぐっと親近感が増して、その笑顔が特別なものになるはずです。(と言いながらも自分も安易にただの笑顔に走ることも多々ありますが…)

この絵の場合は本を開いているので読みながら眠くなっている、という表情の説明がつくはずです。

とりわけ普通の表情でもそういったいい意味での言い訳、なんらかの大義名分があればその表情に一段と意味を見出せてドキドキしたりできますよね。大義名分さえあればあんな格好やあんな表情させたりできちゃうわけです。最高ですね!

あと表情に関しては、だいぶ脱線しますが精神科医がキャラを分析するゲームプレイ動画がめちゃくちゃ面白かったです。普段人の表情というものをどれだけ甘く見ているか、深く見れるか考えさせられます。

なんとなく描きたいけどハッキリとイメージが出てこないといった場合は悩みながらポーズの違う2~3案のラフを描いてその中で決めたりします。

今回は座ってウトウトしている、本を読ませる、胸を強調するという方向性で固まっていたのでラフも1案で済みました。顔がふわふわしてるけど出てるところぼーん!!!というギャップのインパクトを出す狙いもありましたがそこはちょっと弱かった反省があります。


②ラフを元に大まかに下地になる色を塗り分けていきます。

全体的に柔らかい色合い、パステルカラーっぽくして女の子らしさを出したいと考えてました。

どちらかというとこの辺で色の計画や指針を決めようとしてる感あります。

(結果的にパステルカラーで塗ると自分の技量では全体が薄くなる危惧があったので最後になるにつれてあまり意識せず塗りました)


③大まかな下地を塗った後は影や大き目な小物にも色を付け始めます。


④細部に徐々に手を着けつつ隣り合った色や明るさに差を付け出します。


⑤彩度や明度に手を着け始めます。

髪色がくすんでしまうのはもったいないと考えたのか、髪にひと際彩度を出してます。


⑥このままぼんやり塗っていくとメリハリがつきにくいと思い、線やストライプを別レイヤーで作って塗り進めることに。


⑦線画レイヤーを他のレイヤーより上に乗せた状態。線画レイヤーは統合させず残しておくことでメリハリを崩すことなく下のレイヤーで色を塗り重ねていきます。


⑧細部を加筆していきます。

コスプレで良くアレンジされるような、レースや装飾など盛り込んでみたいと思いつつも作業量が増えていくので最低限に留めています。

リボンや本の形など、写真を探して参考にして少しでも「らしく」見えるよう心掛けます。


⑨最後に色調整をして完成。

背景をいじって全体の調整をしたようです。

うまくいい形に描き進められない絵やいまいち締まりがないと感じる絵も、背景などの大まかなパーツを部分的に暗く・明るく・別の色で、など調整していくと全体的にぐっと良くなることがあります。

絵以外でも言えることですが細部を何度も何度もいじって悩むより全体を引きで見て面積の大きい部分をパッと変えていくことで解決することは多いですよね。

自分の場合最後の仕上げでこういった面積の大きいところを変えたりすることは割とある気がします。

結局最初のラフで全体の印象をつくり、最後の仕上げでも全体の印象を調整することでラフの方向性を引き継ぐというか、そこで自分が描きたいと思ったものをどれだけブレずに貫けたか、でしょうかね。

最後まで気持ちよく貫けた!というものだと見る人にもだいぶ伝わるものがあるのか、反応がだいぶ違うのを実感します。その辺りどうしても、手応えによって個々の絵に差は出ます…!

以上です。塗り方に関しては特別な技法や注釈もない流れになりましたがいかがだったでしょうか。

需要もあるかわからないですが、質問等や反応いただければ喜びます。

Files

Comments

No comments found for this post.