くろいろの街と、踏まれた女神 (Pixiv Fanbox)
Content
私は男性だが、”彼女達”に協力してきた。
「子宮解放戦線」は、子宮没収刑に反対する人権活動団体だ。
晴れた日の午後のことだ。メンバーから私に連絡があった。
ひどく取り乱していた。リーダーが連れて行かれたと…
この組織は脆かった。カリスマ性のある女神を落とされれば、何も出来なくなる。政府のやり方は的確だった。もう彼女を救うことはできない。弁護士の私でも…
彼女が連行される様子は動画サイトで見た。その日は梅雨明けで、街に人通りの戻った「最悪の日」だった。
報道は既に呑まれていた。彼女たちがテロ組織だと言うことを殆どの人々が信じ込んでいる。無責任な者たちが乱雑に投稿した動画のコメント欄には、AVデビューを望む声が書き込まれていた。
彼女は美しかった。それは人々を惹きつけるには必要だった。私も彼女も、遅かれ早かれ標的にされるということは、覚悟していた。
「被告人を無期、”子宮没収刑”とする!」
「我が国の平和を脅かしたとして
2種囚人とすべきという声も挙がったが
テロが未遂であることを考慮し
ただちには1種囚人とした」
「ただし、裁判中の反抗的な態度に対し
違反点数50点を付加した状態をもって
投獄とする。」
裁判はひどく一方的で、屈辱を与えるものだった。彼女は終始、全裸で法廷に立たされた。検事たちは、彼女の尻を撫で、緊張と恐怖に濡れた粘膜に手を触れ、耳元で彼女の大切な仲間を侮辱した。当然の抵抗すら、反抗的な態度と見なされた。
◇
裁判前の接見時間は僅かにしか与えられなかった。
「2種囚人にさえならなければいい。頼む」
(2種:女囚の中でも傷物や価値の低下を判断された者の格付け、主に死を厭わない過酷な実験や動物の精液採取などに子宮を使用される。刑務所では1種から2種への移行を「人間を辞めた」と称する。)
彼女からの最後の願いは、なんとか果たすことができた。
でもこれで良かったのか...?
◇
「引き続き、精密身体検査および
子宮口へのリードの装着を行う。
子宮口には特殊なリング状の拘束具を装着し、これには電撃機能、振動機能、バイタル管理機能が搭載されている。これを子宮口に嵌められる瞬間、この浅ましく、思い上がった女は、自分の子宮に関する全ての権利が、完全に奪われたことを実感するであろう。
その様子は公開する。観覧権を購入している者は楽しんでいってくれ」
刑が確定した直後に、彼女は取り押さえられ、下腹部に囚人の刻印を打たれた。一生消えることはない、男に奉仕する道具の証...
古い車輪が床を擦る音がして、彼女が四つん這いになるのに十分な大きさの台と、トレーに入った膣鏡や子宮口リードなどが運ばれてきた。恥辱の検査ショーの準備が手際良く進められていく。
役目を終えた私はこの場を後にした。
彼女と目が合うと、彼女は一瞬、笑った。
(比美子さん…
何か考えがあるのか…
できるはずだ…あなたなら…)