卵子…売られちゃった… (Pixiv Fanbox)

「通電了解」

下腹部に23と刻印された、すらっとした背の高い女性。その膣から伸びる黒いリードを持った刑務官が、スイッチを押す。

「あぁあァッッッ！！？　かヒッ！」

勢いよく体液を飛ばし、女性は踊るように激しく腰をカクつかせた。子宮開発の最終フェーズに見られる痙攣絶頂だ。”ポルチオダンス”と私達は呼んでいる。

リードに繋がれた子宮は、２年の獄中生活で彼女の意志でコントロールできないほどに「仕上がって」いた。

「これが子宮開発の最終フェーズかよ

　完全にぶっこわれてんぞ」

電流を流した刑務官が嘲笑う。

「無駄な体力使うなって

　これから長時間身体使うんだろ？」

「金で女優の卵を地獄に堕として

　卵子まで買っちゃうなんてなぁ

　マジなら金持ちはすげぇよ」

私が担当する少女”49番”が来る２年程前から、この房にいる女性。顔を見れば分かる。２年前、朝ドラの放映中に行方不明になった若手女優だ。

芸能人への子宮没収刑の執行は49番こと、人気絶頂の現役アイドル”CHIKA”が初めてのはずだ。だからこそ当時、あれ程世間の注目を浴びた。私は23番が収監された経緯を知らない。

彼女は毎晩、汗だくで帰り、「べちゃっ」と床に倒れ込むように眠る。

彼女の股間からは大量の白濁液が溢れだしており、朝になると洗浄係に引っ張られて檻を出ていく。最近は毎日その繰り返しだ。

子宮及び卵巣の所有権が私立刑務所の手に移管されているため、女性なら当然持っている筈の、「妊娠をする権利」と「それを拒む権利」の両方が、彼女たちには無い。先程のやりとりを聞くに、囚人番号23番の卵子は全て、ある富豪に買い上げられたのだろう。自分を嵌めたその男の遺伝子を子宮で受け止めて、腹を膨らませるまで、彼女が解放される日は来ない。

女が感じないセックスは、犯す男にとって無価値だ。だから我々は受刑者の子宮を、過酷な責めによって開発する。世界で一番嫌いな男とのセックスでも、そのペニスで子宮口を叩かれれば、押し寄せる快感に耐えきれずに、甘い声を出して身体にしがみつくように育ててやる。完全オーダーメイドの愛しい孕み袋。それがクライアントが我々に求める作品だ。

日常生活を送れないレベルまで子宮を開発された”作品”は、２度と社会に戻ることは出来ない。だから裁判所の刑期はお飾りに過ぎない。最後は富豪のダッチワイフとして売り払われるか、体に傷がついて第二種囚人になり、人間を辞めるかが殆どだ。よほど維持費がかさむ場合は絶頂処刑なんて処理の仕方もあるらしいが、まだ聞いたことしかない。建前上「子宮没収刑」は死刑の代替制度であり、「いのちの再利用」を謳っているから、あくまで獄中死として処理されるだろうが・・・

ただ、卵子一つが車より高い値段で売れるこの地下の世界では、金次第ではどんな結末も迎えうる。個人的な情だが、49番にはマシな結末を迎えて欲しいと願う。私には目の前の子宮を淡々と開発することしか出来ないが...

「うぅ・・・」

"49番"が30分の仮眠から起きたようだ。

そろそろ私も、仕事を再開しよう。

（その後・・・）

「そこの刑務官くん、この子、毎日抱いても当たらなくてね。

　自分の所有者を分かってないのかもしれないなぁ

　彼女の体に、私の名前を刻印することは、できないのかね？」

「も、申し訳ございませんが…

　性器や子宮を除く”身体”は彼女の物でして…」

「そうか…残念だなぁ…」

「子宮でしたら！

　子宮へのレーザー刻印なら、可能でございます。」

「面白いね...

　見学することはできるかな？」

「もちろんです、是非...」