Home Artists Posts Import Register
The Offical Matrix Groupchat is online! >>CLICK HERE<<

Downloads

Content

急に興が乗ったので作ってみた。楽しかった。


原曲:細野晴臣

アレンジ:電ǂ鯨

参考:HOSONO HOUSE収録版、および矢野顕子とレイ・ハラカミのカバー(歌詞が若干変わるところも含めて)

終りの季節

↓これはインスト。

終りの季節(Qujira covered)のオケ

【以下解説】


 普段有料記事で出すような小話。なんとなくたくさん更新できているので全体公開に一個くらい良いかなと思って。あと最近怪文章ばっかり生成していたせいで長尺の文を書く能力が衰えているので、そこの練習でもある。


 この曲は細野晴臣さんのソロアルバム「HOSONO HOUSE」に入っているもので、原曲はもっとさわやかでカラッとしているんだけど、全体を包括する雰囲気が本当にもの悲しいというか、晩秋に街路樹としてよくみる、葉の付いていない枝(大抵下に支える木組みがあって麻紐なんかで固定してあり、それもまたいじらしい)を見ているような虚しさがあるからすき。歌詞の量自体も少なめなほうではあるので、直接描かれる情景としての文章量はそんなに多くないんだけど、だからこそフレーズとフレーズの間に景色がありありと見えてくるような、息遣いが聞こえてくるような本当にいい歌詞だと思う。それが独特の節回しのけだるげな低音に乗って流れてくるのが心地いい。今また聞いているんだけど、エレピの音に結構重めの残響がかかっていて、それも何とも言えず寂しい空気を出すのに寄与していていい。


 アルバム内における曲の位置も好きで、この前の「CHOO-CHOOガタゴト」がけっこう明るめというか、甘めのトーンのギター、刻むやや濡れたピアノの音でザクザク進むファンキーな曲調なんだけど、その後に急に夕方のチャイムみたいなエレピの音に先導されてこの曲が流れ込んでくる。この後に「冬越え」に繋がっていくのも楽しい。


 このひとのベースラインの滑らかな運びが大分好きで、ちょっと話は逸れるけど、YMO時代のグリーク・シアターのときの東風の演奏が、ゴースト・ノートのグルーブ感も含めてものすごく良くて、「ターッ・タ」とかのフレーズの、生きたリズムのとり方が聞いていてすごく気持ちいい。「終わりの季節」も、改めて聞くと節回しとかが絶妙にいいなと思う。


 カバーについては、矢野顕子さんを筆頭に各所で行われていて、ここで2番の歌詞の「6時起きのあいつの顔が」が「あのひとの顔が」に変わっていて、以降レイ・ハラカミさんのカバーなどでもそういう風に歌われている。


 自分もアレンジするにあたって、可不ちゃんの発声に合わせて「かたんことん」や「紅く染めるよ」などの改変を加えている。この辺(あくまでも私個人の価値観だけど)、歌のカバーっていうのは正確さよりも、どうやって「それ(原曲)を聞いた自分が見たもの」をあらわすかだと思っているので、正直やっていてたのしい。(こういう価値観については、長谷川白紙さんカバーの「LOVEずっきゅん」とかを聞くとわかりやすいかもしれない。あれはまた違う次元だけど)


 カバーにおいてこだわったのは、ある程度の「現代的なポップさ」を担保するのにあたって可不の歌い方を大分キュっと締めたところと、インストのトラック数を8トラックに抑えたところ。そのうえで、メインのフレーズでどれだけ寂しさを再現するかというところにこだわった。さっきも書いたことを換言するけれど、(あくまで私は、たくさんある価値観のなかの一つとして)カバーというものは「原曲のフレーズや音を再現する」というより「原曲の纏っている空気や、それを受けて自分のなかで喚起された感覚を、自分の持ちうる絵筆を使ってあらわすことで、間接的に原曲をその空間に出現させる」感覚でやったほうがうまくいくな、と思っているので、そういう趣旨の元アレンジしてみた。ぜひインストのほうも聞いてもらえればな、と思う。


 こういうことをすると単純に自分の技術の向上にもつながるので大変意義のあるカバーだったなと思う。ついでに今、文章のリズムやなんかも思い出してきて、キーボードも手になじんできた。よいよい。お付き合いいただきありがとう。


以上

Files

Comments

No comments found for this post.