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「この紙を、……紙は、渡して使うものか」

「チケットな。場所も利用方法も書いてある、文字はもう覚えたんだっけか」

「問題ない」


ベアセスからチケットを受け取ったのは、遠くディープジャングルの地から結婚旅行という風習により都までやってきたジェンゴ族の狩人、ダンガだった。


彼は出すところに出せば黄金にも等しい価値を持つその紙切れをさして感慨もなく受け取った。感謝はしているが、同時に当然であるような堂々とした態度だ。


「さすがうちの大型新人。こういった貢物も慣れっこか?」

「うむ」

「まあお前さんもこの機会に、都会の最新流行ってのを味わうのがいいと思ってな」

「うむ」


共通語も不慣れならば、身にまとう衣服?も独特な彼は冒険者としてはまだまだ新参といっていい立場だ。だが、この『特別報酬』を受け取ることに異論を唱える者は1人もいない。

それだけの実力と功績が彼の肉体と弓にはあった。


「そうでなくっても、今季のギルド最大の功労者だ。まあ一種の新人歓迎会と思って受け取ってくれ」

「うむ、感謝する」


やはり価値のことはわからなかったが、都会流の褒美、祭のようなものであれば無下にするわけにはいかない。

勝者には受けるべき栄光というものがあるのだ。望む望まないは関係ない。前に立つものの義務というやつだ。

それにこのギルドの長が信頼に足る男であることは短い付き合いの中でもわかっていた。


「ではいってくる」

「おいおいいきなりかよ。準備とか多少しておいたほうがいいんじゃねえか」

「不要だ。獲物は新鮮なうちに頂いてきた。常にだ」

「いや、獲物って……」

ダンガはベアセスに別れを告げると、その足で迷うことなくチケットに記載された店に向かった。

その決断の早さもあり、「リフィリーシャ精体院」には日も落ちぬうちにたどり着いた。


価値のあるものだと聞いていたものだから、てっきり巨大な施設が待っているものだと思ったが、意外にもその建物はどこにでもあるようなさして大きくもない木造の一軒家だった。


「……『怒りのザクロ亭』の者だ」

「お待ちしておりました」


愛想なくそう伝えたダンガを出迎えたのは、体格の良い白髪の老人だった。

急の訪問にも驚く素振り一つなく、丁寧なおじぎで返すとすぐに店の奥へと通された。

そこまで広くもない建物だ。立地も奥まった場所だった。診療所というよりは魔道具店のような出で立ちだ。だが、なるほど、この館中に張り巡らされた結界や紋章はどれも専門外のダンガであっても一級品であるとわかった。


「アストラルマッサージについて、ご説明は必要でございましょうか」

「なにも知らん。任せたい」

「ホホッ、それでは軽く説明だけ」

広くない建物だと思ったが、廊下は不自然なほど長く続いた。

その間にダンガはかいつまんだ説明をつけた。


いわく、戦いで疲弊した肉体と精神を癒やす、エルフ直伝の技術だという。長く戦いを続けるうち、本人すら忘れてしまったトラウマ、心理的負荷、そして肉体に眠る癖。そういったものもすべて癒せる、高度な技術、という話だ。


正直なところダンガには理解できない言葉ばかりだった。

エルフ流の魔術など、見たことすら数えるほどだ。だがダンガは少しの恐れも嫌悪もなかった。これも経験だ。もし違和感があれば、実力でねじ伏せればいいだけ。

そうでないなら信じて施術を受けるのみ。

「わからんが、面白そうだ」

「ありがとうございます」

絶対的な自信あってこそ、ダンガはそう言った。くわえて、老人の言葉の端々に技術に対する絶対の自信と、戦士に対する敬意が見て取れた。

信頼できる男だ。

ダンガは短絡的に、だが鋭い直感でそう判断していた。



「それではコチラに、裸になってお待ち下さい」

診療台に通され、そう指図されたときもダンガは躊躇わなかった。


もとより軽装……人によっては裸同然と言ってもいい格好だ。本当に全裸になるのも一瞬だった。


首や膝のアミュレットを外す。体に巻き付けた布を解く。そして最後に、股間のオスツボミのペニスケースを外す。

閉じ込められた臭気がむわりと狭い室内に立ち込めた。

店主は顔をしかめるでもなく、にこやかな顔でそれを見守った。


「これは、私も腕がなるというものですね」

「??? そうか」

「これだけの戦いが刻まれた肉体はなかなか……、老将軍でもかくや……というものでございますね」

「そうか」

ダンガは照れるでも否定するでもなくただ静かに受け止め、診療台に仰向けに横たわった。


全身から常に独特の臭気が立ち昇っていたが、やがてそれに負けないほどの香が焚かれはじめた。


「それでは、まずは浅く始めさせていただきます」

「うむ」

浅くという言葉の意味はわからなかったが、プロの言う事にいちいち疑問を挟むようなダンガではない。ただ正面を見つめ、体を預けた。


油でしっとりと湿った店主の手が、ダンガの肩に触れた。

心臓に近い位置から始まり、胸板、首筋、腹筋。

ダンガの筋肉の陰影に沿うように手が滑っていく。

ただ単純に心地よい刺激だった。


太もも、尻、ふくらはぎ、腕から指の先端まで。

触られる瞬間は少しむず痒いものがあったが、その違和感もすぐに収まる。まるでこの手が触れているのが当然のような気さえしてくる。それでいて心地よさだけは残るのだから見事なものだ。

癒しという言葉の意味がわかってくる。コレは紛れもなく癒しだ。

「ふぅ…………」

「不快な点や、違和感などございましたら遠慮なくお申し付けください」

「ない、そのまま頼む」

ダンガは脱力し、再び深く息を吐いた。

やがて全身に油が行き渡ると、店主はもう一度ダンガの胸板と首筋……最初に触れた場所からもう一度撫で始めた。

アストラルの意味はわからなかったが、ダンガはすっかりマッサージというものが気に入った。ベアセスに感謝を、街での経験に感謝を、そして己の狩りの手腕とそれを支えてくれた故郷へ感謝をしながら、ただもたらされる快感を享受していた。


「準備、万事整いましてございます」

「む?」

だが、そうして安堵の心地よさを味わうダンガに掛けられたのは、意外な声だった。


「それでは、これより、もう少し深く触れさせていただこうと思います。よろしいでしょうか」


言葉の意味を察するに、ここからが本番、というもののようだ。


「深く……?」


手に刃物を持っている様子ではない。

不穏な気配もない。

本当にこれが正しい手順なのだろう。


「構わん、頼む」

ダンガはやはり躊躇わなかった。

ここまできたのならば、このアストラルマッサージとやらのすべてを受けてやろう。この経験を持ち帰ってやろうというつもりだった。


「かしこまりました。それでは――」

店主はそう言うと、ダンガの鍛え抜かれた肉体に手を伸ばした。


意味がすぐにわかった。


「ぬ――!?」

薄く光る手がダンガの肌に触れた瞬間、まるで肉体が溶け合うように、柔らかく、それでいて深く潜り込んできた。


実際に融解しているわけではない。手は表皮をなぞっているだけだ。だが、ダンガの体が海、肌が水面だとするならば、店主の手は水底にある砂に触れていると言って等しいほど深く内部を触っていた。


嫌ではない。

だが快感とも違う。


そうこうするうち、ダンガの中にある砂が、ズルズルと引き上げられていくような感触があった。


「ハァッ…………!」

おもわずダンガは声を上げた。


腕が震えた。

高揚感がこみ上げてきた。

覚えがあった。

喜び。

達成感。

鮮やかに蘇ってくるのは記憶だ。

それは…………弓をつがえて、必殺の一矢を放ったときの感触だった。


それもただの一撃ではない。

この感動、緊張感、そして達成感。

自分自身のことだからわかる。

これは初めての狩りで大物を仕留めた時の、あの瞬間の感触、記憶、体験に違いなかった。


「これは一体――」


ダンガは自らの腕を見つめた。

店主に撫でられているその部位は紛れもなくダンガの……中年男の毛深く逞しい二の腕だ。だのに腕に響いているのは、若く幼いあの日の達成感。


…………父は弓の名手だった。村中の子どもたちに狩りを教えていた。別け隔てなく同じ教育を与え、ダンガもそのうちの1人だった。

特別扱いはされていなかったと自負している。だが、若者の中で最初に大物を仕留めたのはダンガだった。

血筋、才能、優秀な子種。

誰もが獲物の肉以上にダンガの見事な若く見事な肉体を称えた。


そのときの一矢を放った感動と手応えが今まさに腕に蘇っている。


「店主よ、これが……?」

「ハイ。皆様の肉体に残っておりまする記憶、それを呼び覚まし、ほぐし、癒やしております」

店主は再び説明を始めた。

「かつて味わった感動、あるいは憂い、もしくは衝撃。そういったものが残っているのです。私はそれをただ引き上げ、もう一度味わうお手伝いをしております」

「ふ……むっ」

「そうして蘇った感触を味わう、あるいは忘れることで、魂をより純化させ癒やす。それがエルフより賜ったこの技術、アストラルマッサージなのでございます」


魔力や心理学の話はやはりダンガには理解できなかった。ただ今己の肉体で起きているこの喜びが、何処から来たものかわかれば十分だった。


「…………如何なさいますか?」

「続けてくれ…………」


ダンガはその日初めて、弱々しい声でそういった。

怖気づいたわけではない。ただ、これから起きる出来事に頭の大半が支配されていたのだ。

「承知いたしました」

店主の腕が胸に触れた。

傷跡一つない逞しい胸板。

逞しい張りを撫で、凹凸を味わうように上下する。やがてそこに刻み込まれた記憶が蘇ってきた。

それは村での戦いだった。

荒れ狂う牙獣が、1人の女を襲っていた。ダンガはそれを庇って立ちふさがり、胸板で牙を受け止めた。そうして彼は村を、女を守り、そして打ち倒した。

胸に穿たれた牙の鋭さ、それを打ち破った高揚感、そして……その戦いの後……胸に薬を塗りに来たあの女の細く柔らかな指の感触。

すべてが一度に混じり合ってダンガの肉体の中で響いた。


「ヌゥ…………ッ!」

快楽と高揚感が混じり合ったものが、同時に込み上げてくる。

結婚旅行のために関係を持つことはついになかった。最も近づいたのはあの治療のときだ。だがだからこそ、ダンガの胸板はその感触を覚えていた。

「ハァ…………ハァッ……!」

息が乱れた。

己の欲望が制御不能なほどに肉体に浮かび上がっていた。

「続きまして、脚に触れさせていただきます」

店主は丁寧に、そして静かに次の部位へと向かっていく。

「よし……いい、ぞ…………ぬふぅう!!!」

だがその緩やかな動きに、ダンガは大きく弓なりにのけぞった。


気持ちいい。

脚にまとわりつくこの喜びは、大物狩りを果たしたダンガの体を労って幾人もの男女が褒め称えたときのものだ。

股間ギリギリまで触れたあの感触。実は密かに気持ち良いと思っていた。

「続きまして、背中でございます」

「ハァ…………ふぅぅうう…………!」

背中に触れられたとき、ダンガは『肉体に眠っている記憶』という言葉の本当の意味を理解した。

ダンガの背中は覚えていたのだ。一族の者たちが向ける羨望の眼差し。逞しい背筋に向ける憧れと欲情の入り混じった目。ダンガ自身すら認知していなかった快楽が、肉体を通じてダンガの脳に再現される。


「これは……す、凄まじい…………うぉ…………ぉぉお!」


一つ一つは小さな快感と称賛だった。

常勝の人生を歩んできたダンガにとっては、それこそ敢えて語るまでもないものたちだ。

だが、それが同時に、いくつもの場所で蘇るというのは……話が違う。

背中も、太ももも、胸板も、どこもかしこも勝利の喜びで打ち震え、ダンガは痙攣するように仰け反った。


「随分と、見事な勝利を続けられた人生だったようで……お見事でございまする」

「あ……あぁっ……」

ダンガが快楽に震えだしたころに店主が声を重ねた。

「珍しいケースではありますが、しかしありえないことではありませぬ。勝利の記憶が多く眠る肉体には、喜びが一気に目覚めるのでございます。ご安心ください、私もこの道に生きる者、最後までお供いたす所存でございます」

店主はやはり騒ぐことなく、淀みない動きでダンガの下半身に……鍛え抜かれた硬い大殿筋……尻に触れた。

「ふぅ…………むぅう……!」

戦いの記憶。

植物性の魔物に尻穴をしつこく弄られた事があった。不覚をとったとして忘れようとしていた、あの屈辱的でありながら甘美で背徳的な感触が、まるで今まさに侵されているかのように蘇る。

尻穴には一切触れられていない。だというのに、尻の奥が熱い。マッサージを続ける手が、植物の触手になったかのような錯覚が続く。


「これは……! こ、この記憶は……!」

さらには腰。

それはまだ若い時分、父と初めて肩を並べて狩りにいったときの思い出として蘇った。

戦士として一人前になったと認めてくれた父から、彼の使い古しの弓とペニスケースを受け取った。

自分に似ているが違う臭いのこもったオスツボミは、まるで誂えたかのようにダンガの股間に絡みついたものだった。あのとき、厳しかった父が己を認めてくれた瞬間の喜びが、腰から腹に、そして股間に蘇った。

店主が骨盤を撫でるたび、ダンガは交尾をしているかのように腰を前後に振ってしまった。


「あぁ……! き、気持ちいい、たまらんッ……!」

ついにダンガははしたなく声を上げた。

顔は緩み、性器は膨張し、全身から発情の汗が溢れる。

もはや積み重なった快感は一つや二つではない。ただの肉体的な快楽だけでなく、達成感や高揚感、果ては屈辱、なかには背徳感まで混じっているのだ。

その複雑怪奇な快楽は、一族で比肩するものがいない戦士ですら耐えられものではなかった。


肉棒は完全に勃起し、ダラダラと透明な汁を垂らしていた。

髭面の顎がブルブルと震え、熱のこもった息が漏れ続けていた。


「では次は、足を触りまする。全身余す所なく、それがアストラル体を癒やす条件でありますゆえ」

「あ…………ああぁ……!」

それは喘ぎなのか、肯定の声なのか、ダンガ自身にもわからなかった。



足の裏。

初めて街に訪れた、レンガ道路を踏み抜いた感触が蘇る。

ジロジロと視線が集まるなか、ダンガの服装を笑ったごろつき共が勝負を仕掛けてきた。

ダンガは正当なる決闘の申し出と判断し、相手の獲物に合わせて拳を足技のみで彼らを相手してやった。

勝負は一瞬だった。

ダンガはすぐに彼らを許したが、ごろつき共はそうやって生きてきたのだろう……媚びるようにダンガの足元に跪き戦士の足を舐めて許しを請うた。

あの気まずい勝利の余韻。

本来ならば誇るべき内容ではない。

だが、体中にこみ上げる快楽と勝利と混じり合って、今日ばかりはその記憶すらもが官能的な勝利の瞬間となってしまった。

それが、マッサージで足を揉まれるたびに広がっていく。


「あぁ……なにもかもが……一つに、ま、混ざる、混ざるッぞ……!」

ダンガは獣のような咆哮を上げて仰け反った。


走馬灯。そんな言葉を聞いたことがある。

人生がなにもかもまとまって駆け巡る。これはしかも、快楽だけが集まったものだ。ダンガの勝利という勝利が繋がり、一つの巨大な『喜び』の感情となって抵抗不能なほどに積み上がっていく。


矢が獲物を射抜いた喜び。

女に愛された喜び。

父に認められた喜び。

快楽を与えられた喜び。

後ろ暗い感情の喜び。


なにもかもがダンガの全身を襲う。

「あぁぁ……こんなにも、こんなにもか…………!?」

逃げ場がない。全身が気持ちいい。

抗えない。快楽を止めることなどできない。

喜びと快楽の二つが絶えずダンガに襲いかかる。呼吸するだけで毛が逆立つ。体をよじるだけで肌が喜ぶ。眼球を動かすだけでとろけそうだ。

全身。

すべてがそうだ。


…………。

いや、ただ一箇所だけが例外があった。

戦いには無縁、まだ触れていない場所があった。


「申し訳ありませんが」

店主がつぶやいた。

「精神を一定に保ち、癒やしの効果を十全に果たすためには、全身に触れさせて頂く必要があります。例外はございません」


それが何を意味しているか、共通語に不慣れなダンガにもわかってしまった。

ゆっくりと店主の手が、ダンガの中心へと向かっていく。

臍の下。脚の上。今……脱力した全身の中で唯一怒張した男の証。


「か、構わん…………」

ダンガは腰を浮かしてそういった。

「やってくれ……」

それは戦士として、様々な経験を受け入れてきたダンガの勇ましさでもあり、欲望に浮かされたただの雄の姿でもあった。

ダラダラと先走りまみれのチンポは、最後の快楽を求めて更に強く跳ね上がった。


どうなるのだ。

全身が「こう」なっている状態で、ココに触れられたら…………。

期待と恐怖が入り混じった感情のまま、ダンガの肉棒は汁を吐いた。

店主は答えを聞き頷いた。

そして静かに、他の部位と全く変わらぬ手つきでそこに触れた。



「オッ――――!!」

声は一息。それだけ。だが、全身に溜まっていた息すべてを吐き出すようなものだった。

すべてが一つになる。

勝利も敗北も苦い経験も栄光もすべてが喜びに変わり、ダンガの肉棒一つに集まっていく。


「オォォォォ、オッォォォオ、オォォオオオオオ…………!!」

少しの間を置いてから、ダンガの口からは溢れるようにして人間離れした声が出た。

痙攣が止まらない。

快楽が目の前で瞬いている。見えているはずの今の風景が見えなくなるほど、あらゆる過去がダンガの全身を覆い尽くす。


肉棒。

初めての射精。

最も自信があったときの射精。

男らしく忍耐強く我慢し続けたときの射精。


誇りを持っていたそれらが一斉に亀頭に、竿に、玉に、蘇ってくる。


肉体の快楽だけではなんとも言い表すことなど不可能な、精神と時間の絶頂。


もはや肌から吹き出す汗の一粒一粒が精液のようだった。

「おふぅううーーーーッ、ほおぉお…………おふうぅぅううーーッ」

どんな男の前でも、女の前でもしたことのないような息を吐きながら、ダンガはブルブルと震え続けた。

やがて肉棒から、激しく一本の雄汁が噴出していた。


まるで精神の一部が離れていくような、淀みが消え失せていくような、圧倒的快楽と開放感。


今の射精、過去の射精、すべてがダンガの筋肉と肉棒と頭と意識と魂からこみ上げてくる。


気持ちいい。

ただただ嬉しい。

喜ばしい。


やがて精神が擦り切れ、気を失うまでその感覚は続いた。

ダンガはただマッサージの手つきを堪能しながら、すべてを委ねて意識を手放したのだった。





「ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております」

「うむ」


ダンガは元通りの姿で店主に別れを告げていた。

昼頃に店についたはずなのに、気がつけばどっぷりと日が沈んでいた。


マッサージを受けている間は、セックス何回分かもわからないほど激しい快楽を味わっていた。

全身から搾り取られるようにして体液を出し尽くしもした。

ダンガほどの雄であっても、さぞ疲労困憊であろう。そう思った。

だが、終わってみれば疲れるどころか、細胞一つ一つが真新しくなったかのように活き活きとしていた。



「また頼む」

「はい、喜んで」


何一つの憂いもない。

己を見つめ直したことによりダンガは自らの強さを改めて自覚していた。過去への感謝を。これまでの戦いに感謝を。そういった気持が、今後どう生きるべきかという姿勢をも正してくれた。


戦いを見つめ直し、新たな出発を。

そして再びこのマッサージを受けに来よう。

ダンガは己に生まれた強い欲求に突き動かされながら、怒りのザクロ亭へと帰っていった。


狩人ダンガ

疲労値 29→0

精神  11→22

筋力  98→102


ダンガマッサージf

Danga_massage_ENGtext


背景素材利用:アキ二号機様【https://www.pixiv.net/users/61071305】

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Comments

ヒトシ

お疲れ様です!ダンガの足裏が見れたのと足の裏のエピソード(ごろつき共を足技で倒したとか)がシコかったです!

hitenmaru

気に入って頂けて嬉しいです、ありがとうございます。 せっかくの新キャラなので、足裏はマストでした😁