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伝書鳩での診療依頼を受けた私はガ=インの森近く、都から離れた地に訪れた。


依頼主である鍛冶師ヴェルデンといえば、都でもかなり名のしれた腕利きの職人であるが、まさかこのような辺境に居を構えているとは知らなかった。

交易が盛んな場所ではなく敢えて鉱山と森のある地に工房を構えているのは、優秀な素材の為なのだろう。


参道からやや外れ、森の入り口に近づいた頃、無骨な山小屋といった出で立ちの工房が見えてきた。


「こちらヴェルデン様の工房でしょうか、都から召喚を受けました巫医のイグナスです」

「おお、遠方よりよくぞ参られた。さぁ、中へ」

大きな扉から現れたのは、噂に違わぬ緑色の巨体だった。

シャツに収められた鮮やかな色の筋肉は、今にもはち切れそうなくらいに膨れ上がっている。輪郭を覆う濃い髭、口から生えた鋭い牙、なんとも厳しい顔立ちだ。しかしその表情は柔和そのもので、穏やかに私を招き入れてくれた。


呼びつけたのだから当然とも言えるが、なにせ私は【巫医】である。辺境暮らしの彼には、当然警戒されるものとばかり思っていたので意外だった。

【巫医】という言葉は都では一般的になりつつあるが、一歩田舎に近づくと呪術医と呼称されることが常だ。

「魔物による外傷、毒、呪いの治療」を専門とするこの医術は、知識のないものから見ると同様に呪いめいたものに見えるのだろう。実際、それは間違ってもいない。執刀や薬学では治癒の難しい症状に対して、精霊との交渉や、神がかりなども利用し、時には魔物の体液や部位までも利用するのは、確かに呪いと呼べるものだろう。


たとえば今日も――持ち込んだ荷物には、国境を越えようとしたら間違いなく引っかかるような『道具』が揃っていた。




「……では、オスツボミに襲われたのは5日前の話ということですか?」

「あぁ、サスラ草の葉を刈り取っている最中の出来事だった。何か異様な甘い臭いがすると思って周りを見渡したら、そこに……妻の姿が見えたのだ」


話を聞くにおそらく幻惑を見せるタイプのオスツボミだろう。魔物に襲われた話となるとプライドが邪魔をして口ごもる冒険者も多いが、彼はとても協力的だった。


「こんな所に妻がいるはずもない、と思ったのだが。一歩、影の方に進んだら足をツルに取られて……早業だった。すぐに身ぐるみを引っ剥がされて素っ裸にされてしまった」

「なるほど……捕縛されていた期間は覚えてますか?」

「正確ではないがおそらく3日ほど、だろうか……」


3日。

私は驚きが声に出そうになったのを抑えて、努めて冷静にメモに徹した。

貯精嚢を持つまで成熟したオスツボミは平均7日から長くて10日間獲物を捕縛し弄び続ける。

獲物を自発的に開放するのはその貯精嚢が満たされた時のみだ。

つまり通常一週間以上かかる量をこの男は3日で満たしたことになる。

「それは……驚きですね」

オーク種はヒューマン種に比べてデータが少ないが、それでもこれほどの差が出るという話はあまり聞かない。種族差、という一言では片付けられないものだ。

私は改めて彼の体を、失礼に当たらない程度に見つめた。鍛え抜かれた緑色の筋肉、とくに下半身が呼吸と汗で工房の外で見た時より激しく上下していた。


「――ええ、それでは早速触診に入ります。服を脱いでいただけますか?」

彼は私の言葉に戸惑うことなく、身につけた仕事道具に手を伸ばした。

屈強な鍛冶師が身にまとう仕事道具は見た目以上の重量だ。床が小さな悲鳴を上げる。仕事柄汗を大量にかくのだろう、白いシャツには汗染みが見て取れた。

……ブーツを脱いだ時には湯気と共に臭いがついにこちらにまで伝わってきた。

粛々と服を脱いでいるが、しかし他人に肌を見せる機会など滅多にないのだろう、彼の男らしい髭と牙の生えた顔は恥ずかしそうにしていた。

ついに下着を取り払うと、彼は観念するように目をつぶった。

さらされた局部は、見事なものだった。


ずっしりとした太い竿、鶏卵ほどの睾丸、臭いたつ巨大な亀頭。

ヴェルデン氏はオーク種の中でも稀に見る巨根の持ち主である。

私の主観だが、それは間違いのない事実だった。


「……ゴホン、それでは、失礼します」

私は彼の前に膝をつくと、彼の二つの大きな玉に手を伸ばした。

通常指先で触診するのだが、それだけでは引っ張ることができず掌全体を使って握りしめなければならないほど大きかった。

「ン――ッ」

抑えたつもりの吐息とともに、目の前の竿がびくりと震えるのがわかった。

私は気が付かない振りをして、彼の症状をじっくりと見つめた。


オスツボミには多種多様なタイプが存在する。

ある程度の類型化はされているものの立地の特殊条件や魔力の性質により生態が大きく異なる場合がある。

オスツボミに襲われた時に人々が一番恐れるのは「托卵性」のオスツボミだ。


精力の強さの誇示や逸話作りのためにオスツボミにわざと囚われ、生還したものの体内からオスツボミ発芽しメスにされた……といった冒険者の話は酒場の男たちのいい酒のネタだ。

実際近年でも何例かは報告のある症例である。

性器を失うならまだ良いところで、そのまま死に至る場合も少なくない。


「少しひやっとしますよ」

魔石を睾丸と膀胱周辺に近づけ、魔力を流す。……反応はない。

「あなたの睾丸は元からこの大きさですか?」

「あ、あぁ……いや、自分のタマの大きさはあまり気にしたことはないが、それでも……あまり変わっていないとは、思う」

「なるほど、ありがとうございます。……このくらい押して、痛みはありますか?」

「特に、その……痛くは……ない、大丈夫だ……」


彼は随分と正直ものなのだろう。

痛くは――という言葉と同時に、竿がまた気持ちよさそうに揺れた。


「はい、そうですね……。どうやら托卵性の被害は受けていないようです」

「あ、その……すまない……」

「いえ、気になさらないで下さい。よくあることですから。」

程よく冷やされ、揉まれ、我慢はしたが感じてしまったのであろう。

巨根はさらにその体積を増やして、すっかり無視できないほどの大きさに変貌し、その存在を熱気と臭気で私に誇示していた。

「……そうですね、托卵もされていないようですし、幻惑作用による後遺症もないようです」

ヴェルデン氏はその言葉を聞いてほっと一息ついた。よほど心配だったのだろう。

「しかし一件懸念点がありまして、それが精子変容性の症状です。これがなかなか触診などでは突き止められず、つきましてはこちらの容器へ射精して頂きたいのですが……」

「むっ、そ、それは……」


私が取り出した「もの」に、ヴェルデン氏はさすがに狼狽し、一歩大きく後ずさった。

ブランと大きな肉棒が揺れるのが見えた。

正直、無理もないことだ。

私が手に持っているのは、彼が囚われ、今の今まで悩みのタネとなっていた……オスツボミなのだ。


「安心してください、これは加工済みのものです。既に生物としての意識や驚異はありません」

こういった道具は一から作るよりも、生物を利用したほうが効率が断然良いのだ。

私は理解をしてもらうために、手にした搾精器具を握りしめて、ぎゅぽぎゅぽとおもちゃのような音を立てた。


「ム……むぅぅ……」

その動作を繰り返していると、次第にヴェルデン氏の唸り声が変化していくのがわかった。


こちらから目を離そうとして、しかし視線をずらすことができずにチラチラと私の手を見つめている。

その視線は熱っぽく、表情からは柔和さが消えている。


どうやら捕縛された時の目眩く快感を思い出しているようだ。

まるで射精したかと錯覚するように、ヴェルデン氏の巨根が先走り汁を吹き出した。

「抵抗があるようならば私が器具を動かします、そのまま立ったままで結構ですよ。医療行為ですので迅速に終わらせましょう」


何もしなくてもいい、これはあくまで医療行為だ。

その提案は、彼にとって渡りに船の言葉だったのだろう。ヴェルデン氏の肉棒はググッと力強く勃起した。


「そういうことならば……頼む」

「はい、失礼します」

先走り汁がたっぷりと先端に溜まった肉棒に、私はオスツボミの搾精器をグッと押し当てた。


植物の柔らかで瑞々しい入り口が、彼の亀頭をねっとりと包み込む。かなり大型のオスツボミを用意してきたのだが、巨大な陰茎に合わせて限界ギリギリまで広げなければならなかった。


分厚い細胞壁の向こう側で、オークの逞しい肉棒の熱を感じる。

まるで直に握りしめているかのようだ。

「―――ンンンッッ」

彼は牙の生えた歯を食いしばり、大きな体をブルブルと震わせていた。


「我慢しなくていいですよ、男性として正常な反応ですから」

そう言うと、彼はゆっくりと腰を揺らし始めた。

彼としては控えめなつもりなのだろう。しかし、大柄の肉体から繰り出されるグラインドの動きは、一回ごとにオスツボミと私の腕にすさまじい衝撃を与えてくる。

失礼ながら、同じこの大地に住むヒトとは思えないほどのパワーだ。

彼の性格は私がココ数年触診してきた冒険者の中でも特に紳士的だが、その肉体は失礼ながら怪物や魔物に近い生命体だと思えてしまう。それほどに強く雄々しい腰振りだった。


「フッ……フゥッ……!!」

グポッ……グポッ……とオスツボミと肉竿が擦れあう。

欲望が膨れ上がり、オスツボミの内部がこれまで以上に圧迫される。少し亀頭を重点的に責めて見ると、「ぬぉぉ……」とくぐもった声が上がった。竿をしっかりと絞ってあげると「んっ、むぅっ」と嬉しげな声。

どうやらこれだけ大きくても、性感帯のつくりや感覚はそう違わないらしい。

いつの間にか私は、研究者としての悪い癖がではじめていた。

彼の症状の解決と同時に、彼の肉体や性器への興味が膨れ上がっていた。

妻という言葉が彼の口から出ていたが、これほど大きなものは果たして性交に使われたのだろうか

この控えめな腰振りは、遠慮をしているようでもあるが、ともすれば童貞のそれのようにも感じる。

答えなどわかるはずがないが、そのわからないことを探究するのが医学というものだ。

などと、いけない思考が頭を支配する。


「では、もう少し激しく動かしますね」

「ぬ!? も、もう少し――ま、……うむっ……」


彼は巫医である私に逆らうこともできず、とはいえ提案を歓迎することもできず、顔を赤く染めながらただただ私の与える快感を受け続けた。


「むぐぅうぅ――ッンンンッ」

裏筋を重点的に責めると、仰け反るように腰が浮いた。


「おぅ……ぉぅうぅ………ッ!!」

根っこから握りしめるに絞ると、声がひっくり返って大きくなった。

「グ――むぅぅぅッおぉぉ……」

玉のマッサージをしながら竿を扱くと、射精が近づきすぎるのが唸り声が強くなった。



なるほど、これは……オスツボミが3日で満足するわけだ。

私は一つの結論を得た。

彼の精力もそうだが、相性が良すぎたのだ。


「まだ結論は出せませんが――」

「ム!? な、んだろう、か……あぁぁッ!」

私は手を激しく動かしながら彼に語りかけた。

ハァハァという荒い息遣いを抑え、快感を表に出さないようにしながら、彼は生真面目に応答した。


「この絞る動きの際に、男性器が激しく反応しています。このように」

「ン――おぉぉ、ホォッ!」

「僅か3日でオスツボミが満足するほどの精液を提供したというお話ですが、それはきっとこの動作が主なものだったという理由もあるでしょう。最も基本となる搾精の動作がこれであるオスツボミは、通常……種を植え付けてくることは稀です。あくまでも、可能性の話ですが。もちろん後日、こちらの精液を持ち帰ってしっかり検査しないことには結論はでませんが」

私は彼に伝えながら、ずっと手の動きを続けていた。

彼はそんなシチュエーションに恥ずかしがってか、それとも気持ち良がってか、常に雄声を上げながら腰を振り続けていた。


「僅か3日でオスツボミが満足するほどの精液を『ムホォッ!!』提供したというお話ですが、それは『オォォそんな、満足などッンホォッ!』きっとこの動作が主なものだったという理由もあるでしょう。最も基本となる搾精の動作がこれであるオスツボミは『オォォン、ホォォ、そ、ソコはぁぁ……♪』、通常……種を植え付けてくることは稀です。あくまでも、可能性の話ですが。『ほ、本当です、かアァア、ヌホォォ♪』もちろん後日、こちらの精液を持ち帰ってしっかり検査しないことには結論はでませんが『オォォンッ、あ、ありがとうぅございまンホォぉ♪』」



彼が礼儀正しく振る舞おうとすればするほど、喘ぎ声の間抜けな響きと、激しい腰振りが強調されている。

生真面目というのは、時として愚劣なよりも卑猥になるのだということがわかる。


「おぉぉぉ――すご……おぉぉ♪♪」


おそらく寄生はされていない、という情報に安堵したからなのだろう。

彼は明らかに最初よりも大胆になっていた。

もう射精が近いのは、彼の喘ぎ声からもよくわかった。そこで私は敢えて、激しく絞るのをやめてゆっくりと手を動かしていた。

より多くの精液を採取するために、堪えて貰う必要があるのだ。


「ホォ……おぉぉ………ッ!!」

最初の控えめだったのはどこへいったのやら、彼は焦れったそうに腰をオスツボミに打ち付けている。


もっとだ。もっと。


睾丸がせり上がる。竿が持ち上がる。筋肉が膨れ上がる。

「ああ――すみません、も、もう……私は――ッ!!」

ついに言葉にして、懇願がやってきた。

私はヴェルデン氏の顔を見つめ返した。


「申し訳ありません、あと少しだけ我慢をお願いします」

「!! ――ああ、し、しかし……く、その動きが……ああぁぁッ!」

射精したい、しかししてはいけない。

この状態がもっとも精液の質を高める。

「たっぷりと、余すところなく出してもらわなくては、より正確な結果を出すためにご協力お願いします」


「う―――おぉぉ――」

彼はこれまで以上に顔を赤面させて、力強く踏ん張るように足をプルプルと震わせた。


それから扱くこと一回、二回、三回―――


私にとっては研究と治療のためのわずかな動き。

彼にとっては、拷問にも近い快感の長い長い時間。


喘ぎ声とオスツボミのグチョグチョという音だけが少しの間つづいた――私の主観的には、だが。



「はい、もういいですよ」

「オオオオオオオォォォォ、―――オホオォオォッ♪」

私の許可と同時に、彼は命令されたかのように激しく肉棒を突き上げた。

オスツボミを突き破らんとするかのような、激しい一撃。

卑猥な声を上げ、顔を歪め、オーク種の粘っこく匂いの強い精液がオスツボミの『袋』の中いっぱいに注がれていく。

「おぉぉおもうしわけないこんなおぉぉぉおぉむぉぉぉきもちぃぃぃぃい♪」


彼は自らの痴態を恥じ、詫びながら、しかし快感を貪ることもやめれずに精液まみれのチンポを何度も何度も打ち付けつづけた。


その量は、私の予想を遥かに超えていた。オスツボミのたっぷりと広い袋からはみ出るほどの精液が、彼の工房の床に白く濁ったいやらしい水たまりをつくってしまった。



私は彼の精液をまとめると、後日結果を伝書鳩で送ると伝えて工房をあとにした。


念のための精子虫下しの薬と、万が一様態が急変した際に対処するためのオスツボミホールをいくらか処方させていただいた。

睾丸に異常が出た際、このホールをつかって精液を吐き出すことで応急処置ができるというものだ。


招き入れる際はとても丁寧だったヴェルデン氏は、恥ずかしさと快感でまともに私の顔が見れないのか、先生ありがとうございますという言葉を何度も口にしながら肉棒を――チンポをヒクヒクとさせていた。



こうして私の診察は終わった。


万事無事終了。そう言いたいところだったが、帰りの場所の中で、私はひとつの過ちに気がついた。


彼の紳士的な性格を信じて、オスツボミを処方したが……あれはまずかったかもしれない。

あの快感に夢中になり、不必要にオスツボミに手を出してはいないだろうか。あの肉棒を、突っ込み、腰を振り、打ち付け、射精しすぎていないだろうか。



……いやよそう。あれほど高名な鍛冶師に、そんな心配をすること自体が無礼に当たるかもしれない。


………欲望に負けて、まさかオスツボミに夢中になりすぎるということが、なければいいのだが。


★後日着せ替え用立ち絵ファイルを公開致します!

 I will release the file of standing picture for dress-up file at a later date!

ヴェルデン診療f

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