雄性矯正センター No.4「田縁源太」 (Pixiv Fanbox)
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もうすぐ弟か妹ができると聞いてから、☓☓は今まで以上に妻の体や俺の体に興味津々のようだった。妻のお腹や俺の筋肉に耳をそばだてては、これはどういうこと、どうしてなのと終わりのない質問攻め。
可愛らしいものである。あるのだが、さすがに家事や仕事に差し障りがあるので、最近はタブレットを買い与えてそれで動画を見せるようにした。
妻はいつも俺よりスマートだ。先日健康診断で引っかかった時も、妻の助言と食事制限に随分と助けられた。今どきは家庭のことを任せきる男はイケてないなんて言われがちだが、うちの場合は筋肉バカな俺がなにかするより妻に任せたほうが概ねうまくいく。
家庭円満のために、長所短所を把握するのは大切なこと……ということにしておこう。
ある日、妻の料理中に☓☓が動画サイトを見ている時だった。
いろいろな場所を体験して☓☓向けに紹介する動画で、今日の舞台はどこかの牧場のようだった。
☓☓はなかでも乳搾り体験に興味をそそられているようで、後ろから見ていると「牛さんのお腹についてるの何?」と☓☓に尋ねられた。
あれは牛のおっぱいで、あそこから牛乳がでるんだよと教えると随分と強い関心をもってしまった。ママのおっぱいからも牛乳でるの? ならパパもおっぱいあるから出るの?
☓☓はそういって俺に抱きついてきて、俺の胸板と乳首をグリグリと触ってきた。☓☓は力の加減を知らない、ぎゅうぎゅうと容赦なく俺の突起を摘んでくる。
「こ、こら……よしなさい パパのはおっぱいじゃないから牛乳はでないんだよ」
俺は内心妙な焦りを感じていた。
じぃんと奥にまで、変な刺激が来ていた。
乳首は性感帯であるとか、そのような情報を聞きかじったことだけはあった。
行為の最中に妻の乳房を弄ることもあった、だが男である自分の乳首が感じるなどとは考えても見なかった。
「ほら、動画見なくていいのか」
☓☓から触れられて反応してしまった罪悪感を隠すように、俺は☓☓にタブレットを押し付けて、己の疼きを振り切るようにトイレに向かった。
狭い個室に一人になって、……改めて少しだけ胸の突起を摘んでみる。コリコリ……コリコリと引っ掻いてみる。
「うぅ……おぉぉ……」
腰の奥が疼くような感覚。じわり、じわりと奥から込み上げてくる。甘ったるい微弱な刺激。
「――うお、おい、冗談だろう……」
それを堪能しているだけで、勝手に股間がビンビンに硬くなってしまっていた。
あれから妙にインターネットの動画広告に、牛を搾乳するシーンが流れるようになった。
☓☓が気に入って何度も見た結果だろうか。それとも、俺がそんな広告ばかり気にしてしまっているからだろうか。
――日増しに乳首を触る時間が増えている。感度も快感も増すばかりだ。背徳感があるのにやめられない。なぜだか異様に固執してしまう。
先日など、ついに妻に乳首を弄ることを求めてしまった。妻は決して馬鹿にしたり、拒否したりはしなかったが、さすがに快い反応ではなかった。
俺の中での忌避感は強まった。
そんな中、待望の第二子の出産予定日となった。
その前後はさすがに乳首のことなど考える余裕もなく、ただ慌ただしさと喜びと感謝の日々だった。
二人目は元気な男の子だった。幸いなことに産後のトラブルもなく、次男は健やかに成長していった。
そんな中で、俺はあろうことか……生まれた我が子が妻の乳房に吸い付く姿に、欲情に近い感情を抱いてしまった。
すごい力で乳を吸っている。グングンと飲み込んで、しゃぶりついて、噛み付いている。まだ歯も生え揃わない口でひたすらに……。
俺は家族をおいてトイレへと逃げ込んだ。
その日、俺はついに、乳首をイジるだけで射精した。
雄性矯正センター。
その字面を初めて見たのは海外のエロ動画サイトの広告だった。
海外のサイトにも関わらず日本語だったのも目を引いたのだが、その文章の内容に俺は激しく動揺していた。
『ち首でおこまリの男のかた』
怪しい文字とセンターの住所らしき住所が記載されていた。
俺は即座にネットで地図を検索していた。経路は、ここから車で20分程……。近い。今日は幸い俺の息抜きデーだ。一時間程度ならば外出してもいい。
「……ちょっと出てくる、すぐ帰るよ」俺は家族にそう告げて、車のキーを握りしめた。
突き動かされるように俺は車に飛び乗った。
………
………………
…………………………
「こ、こ……は……?」
記憶が定かではない。車に乗って、ネットの住所まできて、白い建物が見えた。そこまでだ。
『おはようございます こちら雄性矯正センターAIオイディプスです』
真っ白い部屋に生気を感じない声が響く。
ぴちゃんぴちゃんと、何かが滴っている。
唸りを上げ、体をひねると全身に電気が走った。
視界がハッキリとしてくる。
乳首からチクチクむず痒い刺激が来ている。
俺は自分を見下ろした。
そこにはじっとりと濡れそぼり、ポタポタと「牛乳」を垂らす俺の乳首があった。
「な、なんだ、ぎゅう……にゅ」
『いいえ、それは牛乳ではありません 雄乳なのです』
考えを見透かすように機械音声は疑問に答えた。
『人類のオスになぜ乳首があるのか、わたしたちは考え、推定しました』
再び朦朧としていく意識に、乳首、という言葉のみが深く沈んでいく。
『人類のオスはかつて、幼体へと乳を与えてたのです 当時の地球環境による幼体の生存確率を高めるために必要だったプロセスです』
「あ、ぁぁあ、こ、これ、俺のぼ、母乳、乳か、あぁぁ……」
『雄乳です』
「おすぅううゥ」
自由に動かない体をひねるたび、甘い電撃が胸の頂点を走る。
『DNA鑑定の結果、あなたには雄乳遺伝子が宿っていることが判明しました わたしたちは薬品によりそれを刺激、先祖返りを成功させました』
搾乳用の管が降りてくる。あれはまさか、俺に、まさか。
『あなたの永久入所は決定しました』
もう二度と帰れないのかもしれない。そんな絶望的な言葉を聞きながら、しかし俺は管を見つめて、ヨダレを垂らしていた。
搾乳機だ。
動画で見た。何度も見た。
グングン乳首から吸われる。乳が全部吸われる。これから俺は、あの牛のように搾り取られる、パンパンに鍛え上げた胸板から、全部搾り取られてしまうんだ。
ああ、ああ、……すごい。
近づいてくる。
俺は身を捩る刺激とこれから行われる期待のみで射精してしまいそうに張り詰めていた。
管が自律し胸へと張り付く 強かな吸引により俺は精液を少し漏らした。
『搾乳開始』
「んほぉおおおおおおおおぉぉおおぉおおおッ!!」
想像を絶するものだった 射精とは、比べられない、すさまじい。
全身の毛穴が開き、頬が汗をかく。視界は白く塗れて、意識は黒く潰れていく。
ただ、胸からこみ上げる快感だけが世界の全てになっていく。
『現時点でノルマ200%達成 目覚ましい結果です』
あまりの噴出の強さに搾乳機が外れ、床へと乳白がぶちまけられる。
「あ、ぁぁ、あ、あぁぁあぁぁぁああ」
言葉が出てこない、この快楽を例える言葉がない、流れていく、全て、床に。
俺の出したのが。ああ、すごい乳臭い。
いい匂いだ。
『今後はあなたのすべての時間が搾乳に費やされます 出した雄乳で腹を満たし、それによって雄乳を生み出し施設の収容者へと配給されます』
『何も問題はありません、既に田縁源太のクローンがあなたの元・自宅へ配備されています あなたよりコピーされた記憶により完璧な田縁源太を全うするでしょう』
『あなたの存在はわたしたちの計画を加速させました 誇りを持って下さい』
何も心配がない、俺はもう乳を出すことだけ考えれば良い、それだけでいい。
ああ、シアワセ。ありがとう、ありがとうございます。
ここでなら満たされる。ここでなら気持ちいい。
「あ、ありがとう、ございますぅぅうううう!!!!!」
俺は心から感謝し、涙を流して乳を噴き出した。