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 菅谷清太(すがやせいた)、中肉中背。容姿もいたって普通の中学二年生の彼は、最近自分が同性愛者だということに気付いてしまった。


 気付いたきっかけは、彼の叔父だった。


 彼の家は、いわゆる二世帯住宅というやつで、祖父母と両親、そして彼と彼の妹がひとつ屋根の下で暮らしている。そのせいもあって、正月なんかになると親戚一同が彼の家に、総出でやってくるのだ。おかげで親戚のみんなには、たくさん遊んでもらったようだ。その中でも特に彼の叔父は彼のことをとてもかわいがり、彼もまた叔父のことが大好きだった。


 叔父の名前は、菅谷大輔(すがやだいすけ)。職業は普通のサラリーマンだが、今でも現役でラグビーをやっていて、とてもガタイがいい。ぱっと見、髭がモジャモジャと生えたその顔は厳つく怖さを与えるが、笑うと可愛かったりする。仕事に行くときは背広をビシッと着ているらしいが、清太の相手をしているときはタンクトップに短パン姿が大半だ。

 清太は、そんな大輔の鍛えられた体が大好きだった。タンクトップがはち切れんばかりの胸板に、ボコッとメロンのように膨らんだ肩。丸太みたいに太い二の腕に、毛深い両脚。それに詰め物でもしているのかと疑いたくなるくらいにデカい尻と股間の膨らみ。小さな頃は、そんな彼を見て抱く感情を、清太は憧れだと信じて疑わなかった。


 しかし、そうではなかった……。大輔が酒を飲んで鼾をかいているときに、彼の短パンからポロッとこぼれたイチモツを見て、清太は自分が男に対して性的興奮を覚えるゲイであることに気付いてしまったのである。

 急いで自分の部屋に戻り、枕に顔を埋めてさっき見た光景を忘れようと彼は必死になった。だが、そのときの情景が何回も何回も彼の頭の中で繰り返し再生される。鼻の奥には大輔の残り香がこびり付いたように感じて、彼を苦しめる。彼はそんな自分を気持ち悪いと思った。


 結局、その気持ちにどう折り合いをつけたらいいのか分からずに、悶々としたまま正月は終わりを告げた。大輔本人だけでなく、父や母の前でも、彼は変わらず叔父のことが好きな普通の甥っ子として振る舞った。テレビゲームで対戦したり、キャッチボールの相手をしてもらったり……。苦労はしたものの、普通に大輔に接することができたと彼は自負している。これからも年に数回会う程度なら、このままやっていけるだろう。そう思っていた。



 だが突然の転勤で、大輔は県外の支社から、彼の実家近くにある本社に勤めることになってしまった。独り身の彼は、家賃を節約するためと言って実家──、つまり清太の住む家に同居することに決めたらしい。これで清太は、大輔と毎日顔を合わせないわけにはいかなくなってしまった。毎日のように叔父が、彼の視界に入ってくる。


 今まで見たことのなかった、スーツ姿のかっこいい叔父さん。かと思えば、これまでどおりのだらしない姿を見せる叔父さん。上半身裸で自分を誘惑してくる叔父さん……。どれも彼には性的興奮を催す材料となった。しかし、彼がゲイだとバレないようにするには、その想いを心の中に閉まっておかなければならない。頭がどうにかなりそうになりながらも、彼は今までと同様に生活を続けなければいけなかった。



***


 大輔が清太の家に住むようになってから二年。彼は高校一年生になっていた。二年の間に清太の身長はグンと伸び、平均的な身長の彼の父よりも、ガタイのいい大輔と並ぶくらいにまで成長した。顔つきも大人っぽくなり、クラスの女子から告白されたこともある。ゲイでなければ、彼も有頂天になっていたことだろう。しかし今の彼にとっては、見たくもない現実を突きつけられるだけで……


「はあ……」


「お?どうした清太。溜息なんか吐いて」


 まだ夕方だというのに、リビングのソファに寝転がって、ビールを片手にテレビを観ていた大輔が清太に声を掛けた。


「な、何でもないよ」


「そうか? 何か悩みでもあるなら俺に相談しろよ? な?」


 そう言って清太の頭にポンと手を置く。


(やめろよ、叔父さん。そんなことされたら、僕は……僕は……!)


「お、叔父さん!」


 清太は大輔の腕を掴んで、そのままソファに押し倒した。そして、彼の耳元まで口を近づけてそっと囁いた。


「僕が悩んでるのは、【恋愛】──のことなんだ」


 その言葉を聞くや否や、大輔の顔が見る見るうちに曇っていく。


「清太、お前やっぱりホモ野郎だったんだな……?!」


 大輔は体を起こし、蔑むような目で清太を見下ろした。幼いころから彼に向けていた、慈愛に満ちたあの目はどこにもない。


「ち、違う!僕はホモなんかじゃ……」


「黙れッ!! ……気持ち悪いんだよ!」


 清太の肩を押しのけ、そのまま立ち上がって彼を睨みつける大輔。


「俺はな、家族や親戚にはホモがいないって信じて生きてきたんだ。だけど、まさか今まで可愛がってきたお前が変態野郎だったとはな……」


 目の色の変わった大輔は、それから清太に捲し立ててきた。これまでラガーマンとして生きてきた中で、何度も男に言い寄られ、男の先輩に無理やりチンポをしゃぶらされたり、ケツを掘られたりしてきたこと。もううんざりだと何度も何度も思ったが、それでも誰にも相談できずに苦しんできたということを。


「クソッ、最悪だ!! 吐き気がする……! 清太、お前は病気だ! 兄貴にも義姉さんにも言って、病院に連れて行ってやる!!」


「……」


 清太は大輔の顔をじっと眺めていた。涙が次から次へと溢れ出して、止まらない。こんなのは嘘だ。信じられない。あの優しい叔父さんが、こんなことを思っているはずがないんだ。きっとこれは、何かの間違いなんだ──。


 だが、どす黒くなるくらいに耳や首を真っ赤にした大輔が、自分の腕を握り潰さんばかりの力で掴んでくる。その痛みが、彼の言っていることが真実だと告げているようだった。


(いたいっ、痛いよ叔父さん……!)


 怖くなった清太は、無意識に身に着けていたネックレスに手を掛けていた。いつかは忘れたが、クリスマスの日に枕元に置かれていた、剣の形をしたネックレス。それを大輔の背中に突き立てると、するすると刃が肉に入っていき、彼は清太にもたれかかってきた。




「がっ……」


 荒い呼吸を繰り返しながら、ゆっくりと清太の体に倒れ込む大輔。呼吸をするたびに彼はペラペラの皮になっていった。


──叔父さんが皮になってしまった。


 あのムチムチとした筋肉はどこにいってしまったんだとか、そんなことを考える余裕もなく、大輔の体はどんどんと薄っぺらい皮へと変貌していった。清太の手に残された、かつて大輔だった皮はぐにゃぐにゃで、その見た目はまるでウェットスーツのようだった。恐ろしくなった清太はその皮を胸に抱くと、自分の部屋に駆け込み、タンスの中に押し込んだ。


「う……ううっ、叔父さん……」


 彼はそのままベッドに潜り込んだ。布団の温もりを肌で感じながらも、大輔のことを思い返すと涙が止まらなかった。彼の身体が皮になってしまったという驚きも含め、どうして自分の想いを受け止めてくれなかったんだとか、なぜ自分にあんな酷いことを言ったんだとか、叔父に対しての怒りや悲しみが涙となって溢れ出る。清太はそのまま、疲れて意識を失うまで泣き続けた。



(どうしよう……)


 翌朝起きて、食卓につくと母が笑顔で彼に朝食を差し出した。父も特にいつもと変わらぬ様子で、焼きたてのパンを口にしている。大輔が昨日、彼の手によって皮になってしまったなんて夢みたいだった。


「どうしたの清太、顔色が悪いわよ? 昨日は夕飯に呼んでも来なかったし……」


「何でもないから、母さん」


 大輔のことを悟られないように、清太は笑顔を作ってそう答えた。


 彼の父も母も、大輔が一晩帰ってこなかったことには特に気にもしていない様子だった。清太のような子どもと違い、アラフォーの中年親父である大輔が、連絡もなく一日帰ってこなくとも特に不思議なことではないのだろう。


 朝食を食べ終えると、清太は部屋に戻ってタンスから叔父の皮を取り出した。裏返して背中を見てみると、ファスナーのようなものが付いていた。というよりもファスナーそのものだ。ジジジと音を立ててそれを引き下ろすと、皮の中身は空洞だった。

 これを着ればどうなるんだろうかと、そんな好奇心が清太の中で渦巻いた。服を着たままよりも、裸で身に着けたほうがきっといいに違いない。そう思った彼は、Tシャツとボクサーパンツを脱ぎ捨てて裸になると、大輔の皮に手足を突っ込んでいった。


 ヌメヌメとした触感が、彼の全身を覆っていく。最後に顔の皮を自分の顔に押し当てると、ぐちゅぐちゅと奇妙な音を立てながら、彼の身体が軋み出した。肉に押し潰されるような、全身が膨らんでいくような感覚を味わいながら、清太は大輔と同化していく。


「うぐううう!」


 体中の血が沸騰するような感覚の中、彼の手足はみるみるうちに大輔の皮の中で伸びていき、二回りほど太くたくましくなっていった。体中の筋肉が盛り上がる感覚は、例えようのないほどに気持ち良かった。大好きな叔父の身体と自分の身体が一体化していく感覚。身体の中から何かを放出したいという思いが彼の体内で溢れ返り、萎えていた股間のチンポが勢いよく反り返るくらい元気になった。


「おお……、んお゛っ……♥」


 野太い声が、清太の喉から絞り出されるように零れ出た。彼は胸を揉みしだき、腹筋を撫でさすりながら手を下ろしていくと、叔父の勃起したチンポをしごき始めた。


「お゛っ! ふぬおお゛ぉぉっ♥♥」


 めちゃくちゃ気持ちが良い……。これまで感じたことがないくらいに、清太の身体は敏感になっていた。オナニーなど比にならないほどに、その気持ち良さは尋常ではなかった。特に股間のモノがギンギンに硬くなっている感覚は、言葉では言い尽くせない。グチュリグチュリと淫らな音を立てながらしごき続けるうちに、全身から力が抜けていく。どこか他人の身体を弄っていたような感覚が、自分の肉体を慰めているという感覚へと変わり、心を満たしていく。そしていよいよ、股間からせり上がってくる熱のようなものを感じながら、彼は全身をガクガクと痙攣させた。


「お゛っ♥♥ お゛ほぉぉぉぉっ♥♥♥」


 大輔の野太い喘ぎとともに、勃起した肉棒から白濁液がドピュドピュと飛び出した。ドロドロとした濃厚で臭そうな精液を放出する快感は、凄まじいものだった。呼吸が荒くなり、心臓が激しく動悸する。こんなにも気持ちの良いオナニーは初めてだ。ケツの穴がギュッと締まって、大輔の肛門が悦んでいるのを感じる。ああ、頭が変になっちゃいそう……♥


「ふ~~っ♥ はぁーっ……♥」


 しばらくして絶頂が終わると、清太は全身を弛緩させてベッドの上に転がった。俯せになってシーツを両手で握り締め、チンポをベッドに擦り付けて余韻に浸る。だが、すぐに彼を賢者タイムが襲った。今は彼が叔父の皮を着ているので、【菅谷大輔】という人間は存在している。しかし今度は彼──、【菅谷清太】という存在がいない状態なのだ。

 時計を見るととうに昼食の時間など過ぎており、針は午後七時を指していた。とりあえず食卓に向かうしかない。そう考えた彼は、タオルで汗と精液を拭って香水を体に振りかけ、大輔の服を着てから部屋を出た。




 食卓には、【菅谷清太】以外の家族全員が勢揃いしていた。両親、祖父母、妹の五人は心配そうな表情で清太を見つめてきているが、その真意はよく分からない。とりあえず彼は【菅谷大輔】の顔で笑顔を作り、今晩のおかずが何かを尋ねた。


「あ~腹減ったなぁ、今日の晩ご飯は何ですか義姉さん?」


「今日は清太の好きな唐揚げなんだけど、あの子どこに行ったのかしら? 部屋をノックしても返事がなかったのよ……。ねえ大輔君、何か知らない?」


「あぁっ、清太ね! え~っと……、あいつなら、そのぉ……今日は友達の家に泊まるって言ってましたよ、ハハハ」


「あら、そうなの? な~んだ、なら良かった。心配させるんだからあの子……」


 携帯に連絡しても返事がないんだから、とブツブツと独り言を言う母を含め、ホッとした表情を浮かべる他の面々の顔を見て、彼も胸を撫で下ろした。鏡で見たときも、叔父の皮を着た状態の自分は【菅谷大輔】そのものにしか見えなかったものの、多少の不安があったからだ。しかし今の彼は、大輔と血の繋がった兄である父や、両親である祖父母ですら、大輔と見分けがつかない状態なのだ。茶碗に山盛りになった白米を口に放り込む彼の背筋は、得も言われぬ快感でゾクゾクと震えていた。


 大輔の身体になった清太は、結局山盛りのご飯とおかずを平らげて、大輔の部屋に戻った。あれだけ食べてもまだ腹八分目といったところだったが、そんなことは置いといてとにかく今は大輔を元の状態に戻さないといけない。彼の部屋に入って、何の気なしに机の引き出しを開けた清太はギョッとした。どこからどうみても男のチンポの形をしたディルドが、蛇のように反り返ってこちらを睨んでいたからだ。しかも、その奥には他にもアダルトグッズがいろいろと揃っている。彼はそんな大輔の趣味嗜好については、これまでまったくもって知らなかったので、正直動揺を隠せなかった。


(あれだけゲイに対して偏見を持ってそうだった叔父さんが、どうしてこんな物を……)


 ごくりと喉を鳴らした彼は、ディルドにゆっくりと手を伸ばした。グニャリとした質感のそれが妙にエロくて、自然とチンポが硬くなってくる。


【これをケツの中にハメたい!!】


 大輔の身体がそう清太に訴えているような気がして、彼は耐え切れなくなった。服を脱いで素っ裸になると、先走りを飛び散らせながら、床に固定したディルド向けて、ゆっくりと腰を下ろしていった。ズボズボという音が鳴った瞬間、彼の全身に何とも言えない快感が走り抜けていく。


「お゛っ♥ お゛ほぉぉっ♥♥」


 喉仏を上下に揺らして喘ぎながら、彼はディルドをケツマンコに受け入れていった。異物を受け入れたことでアナルが広がっていく感覚が堪らない。体内が太い肉の塊で満たされていく。


「んおっ♥ お゛ぉっ♥♥」


 腸内を擦り上げるいやらしい音が、室内に響き渡る。清太はその淫らな響きを愉しみながら、叔父の肛門の中にディルドを抜き差ししまくった。一回引き抜くたびに全身の力が一気に抜けるような感覚があり、奥深くまでそれを強引に挿入すると身体がゾクゾクとした。床に固定したディルドに全身を預けるたびに、興奮度が増していく。


「うおっ♥ お゛っ♥♥ お゛ぉ~~ッ♥」


 野太い喘ぎ声を上げながら、彼はいつの間にかディルドの虜になっていた。もう床はザーメンでびしょびしょに濡れていて、辺り一面が雄臭い匂いに包まれている。ケツ穴をディルドに押し付けると、チンポからビュルッと白い液体が弧を描いて飛び散っていく。その解放感がたまらなくて、彼は何度も腰を上下した。度重なる激しい絶頂とともに、目がチカチカとなって頭が真っ白になる。中年親父の喘ぎ声が頭の奥でこだまするたび、まるで自分が大輔になっていくような気分になり、全身が蕩けそうだった。


「ん゛お゛っ♥♥ 叔父さん……、叔父さん、【俺】が、おっ……じさん……ッ!!!」


 ディルドがゴリゴリと腸内で擦れるたび、彼の心が大輔の肉体とひとつになっていくような一体感を覚えた。叔父さんと僕──、その境界が曖昧になっていき、意識が混濁していく。そしてついにその時が来た。


「ん゛お゛ぉッ♥♥♥ お゛っ!♥♥ うぐあ゛ぁ~~~~~ッッ♥♥♥♥」


 ディルドをケツマンコの奥まで挿入した状態で精液をドクンドクンと吐き出すと、清太は全身を激しく痙攣させた。足が攣りそうになってもなお、彼は下半身に力を入れて身体を前傾させていく。アナルをひくひくと震わせていると、不意に背中がムズムズと痒くなってきた。痒くて痒くて我慢ができない! 大輔の皮を今すぐ脱がないとっ……。


 肌を傷つけることを気にする余裕もなく、清太は両手の指を背中に突き立てると、サナギが羽化をして蝉になるように大輔の皮をガバッと剥ぎ取った。床の上、汗まみれで肌の表面がテカテカに光る叔父の背中が、彼の目に飛び込んでくる。さっきまで自分が着ていたモノ。大好きな叔父さんの皮であるにもかかわらず、なんだか少し不気味さを彼は感じた。


 息を整えながら、見ようともなくそれを見ていると、涎を垂らした口を想起させる、パックリと開いた背中の穴がゆっくりと閉じていった。そしてペラペラだった皮の生地が、少しずつ厚みを取り戻していく。肩幅は広く、そして背中全体が盛り上がっていって……、それとともに肉体に力が漲っていっているのが目で見て感じ取れる。


 やがてその現象が終わると、大輔がゆっくりと顔を上げた。夢うつつといった状態でキョトンとしていた顔は、徐々にいつもの精悍な顔付きに変わっていく。それと同期して目の光がハッキリしていき、清太は大輔が完全に復活したことを悟った。


「お、叔父さん。あの……」


「わっ、お、お前は誰だっ?! なんで俺そっくりの野郎が目の前に? ……もしかしてお前、清太なのか?!」


「うん。そ、その……僕、叔父さんを皮にして、さっきまで叔父さんのことを着てたんだけど、その……あの……」


「はァ?! 俺を皮にって、そんなバカなことっ……」



 清太は、大輔をネックレスで傷付けたこと、傷付けたことで大輔が皮の状態になってしまったこと、誘惑に負けてその皮を着てしまったこと、そしてついさっき大輔の背中に穴を開けて脱いだということを順立ててどうにかこうにか説明した。興奮冷めやらぬといった様子だった大輔も、清太の話を聞いているうちに段々と落ち着きを取り戻していき、最終的に納得したような顔になったが、再び怪訝そうに眉をしかめて清太を見つめた。


「お前が俺の皮を脱いだっていうなら、お前は元の姿に戻ってないとおかしくないか? なんで俺の姿のままなんだ?」


「えっ?!」


 大輔にそう指摘されて初めて、清太は自分がいまだに叔父の姿のままであることに気が付いた。掌を広げてじっくりと見つめ、体を捻って全身を観察してみたがどうやら大輔の言うとおり、清太の身体は【菅谷大輔】の姿のままのようだ。焦ってもいいはずなのだが鼻腔をくすぐる男臭い匂いや、ムチムチとした肌の感触に思わずうっとりして、一瞬意識が飛びそうになる。


「なんでなのかは分からんが……、連休は今日で終わりだから、とにかく早く元に戻らないとヤバいぞ」


「叔父さん……。何か解決策はあるの?」


「解決策というか……、そのネックレスで俺を皮にしたんなら、それをお前にも刺せば元の姿に戻るんじゃないか?」


「う~ん、そうかな……? そんな簡単にはいかないとは思うけど。でも、ほかに方法は思い浮かばないし……。じゃあ、その方法を試してみよう」


 というわけで、彼らはすぐに実行に移した。とにかく清太が元の姿に戻らないと、【菅谷大輔】の見た目をした人間がふたりいる状態が続いてしまうから。


 清太は叔父の姿で、裸のままピンと背筋を伸ばして目を閉じると、全身にグッと力を込めた。いくぞ、という大輔の声を合図に、剣の形をしたネックレスの先っぽが清太の背中にサックリと刺さった瞬間、彼の頭の中で強烈な白い光がスパークした。


「うっ……!!」


 股間が熱くなる。まるで大輔の姿のまま、射精しそうなくらいの快感だ。しかし叔父の目の前でイクのは、恥ずかし過ぎる。清太は下唇をギュッと噛みながら、必死に耐え続けた。そして数秒後、不意に全身の筋肉から力が抜けていく感覚が彼を襲った。


「あ、ああっ……、なんか脱げそう……」


 清太は先ほど大輔の皮を脱いだように、背中に両手の指を突き立てた。グッと力を込めると、まるで脱皮するようにバリバリと音を立て、再び皮が彼の全身から離れていって──。


「も、元に戻れた! やったよ、叔父さん!」


 裸のまま、パァッと明るい表情を浮かべながら彼が言うと、大輔は頭の上に疑問符でも浮かべたような顔で、清太の頭のてっぺんから爪先までをまじまじと見つめた。


「いや、お前、俺の姿のまんまだぞ? それとお前が脱いだ皮、俺のモノっていうよりなんかお前のモノっぽくないか?」


 困惑する二人をほったらかしにして、床の上でウネウネと不気味に蠢く皮……。どこからどう見ても、その皮は清太にそっくりだった──。




 俺の眼前に、清太そっくりの皮が転がっている。それを目にして、俺はゴクリと生唾を飲み込んだ。なんだかその皮を見ていると、それを着たくてしょうがなくなってしまうのだ。まるでその皮こそが、自分の肉体を覆うモノなのだとさえ思えてくる。


「あの……な、清太。ちょっとお前の皮、着てみてもいいか? なんかその皮を見てたら、無性に着たくなって……な」


 そんなことを俺に言われれば、俺の皮を無断で着た清太は断れないだろうなと思ったが、この掻き立てられた好奇心を抑えることができない。


「叔父さんの頼みだったら……、いいよ」


 少しためらいがちに返ってきた彼の返事に、俺はもう一度唾を飲み込むと、おずおずと清太の皮に触れた。見た目と同じで質感もかなりリアルだ。人肌くらいに暖かくて、触れているだけでなんだかドキドキとしてくる。目の前に広がる空洞は俺を不安にさせたが、エイヤと掛け声を発しながら、思い切って俺はその中に身を投じた。


「おッ……♥♥」


 清太の皮があまりにも気持ち良くて、思わず情けない声が出てしまう。全身を優しく包み込まれるような感覚。股間のモノがむず痒い感じもして、位置を変えようとしてみたものの、その前に下半身がキュッと締め付けられ、思わず意識がそっちに持っていかれてしまった。足の先から尻までを一気に覆われていくような感触に、全身のゾクゾクが止まらない。


「あ、ああ゛っ……♥♥」


 我慢しようと思っても口から溢れ出す声。自分の声に興奮させられているうちに、あっという間に背中のスリットが閉じられ、顔までもが清太の皮に包み込まれていく。俺の体よりも小さな清太の皮が、俺の全身を激しく、そして優しく締めあげる。他人に、自分の肉体の所有権を支配されたような感覚のせいで、頭がボーッとしてくる。まるで体の内側も外側も余すところなく愛撫されているかのような心地好さに、俺の全身の細胞が戦慄いていた。


 そして、ぐちゅぐちゅという粘膜が蠢くような卑猥で気味の悪い音を発しながら、俺の体が、顔が、チンポが変わっていく。強引に他人の肉体へと作り替えられているような感覚に、興奮と恐怖がごちゃ混ぜになって俺を襲う。苦しくて気持ち良くて、頭がおかしくなりそうだ。甥である清太に見られながら、痴態を晒しているという事実も興奮に拍車をかけていく。


「お゛っ……♥♥♥ お゛ぉぉ……ッ♥♥」


 喘ぎとも唸りともつかない声を発しながら、俺は清太の皮の中で激しく身を震わせた。身体の隅から隅までを丁寧に嘗め回されるような刺激に、多幸感で頭がいっぱいになる。ただ射精をするだけでは得られないような快感が脳髄まで染み渡り、俺の身体が完全に清太のモノへと作り替えられていっているのだ。俺は快感に身を任せつつ、とうとう我慢できずに俺の肉体になった清太に抱き着いた。




 二十年前。高校生になりラグビー部に入部した俺は、その恵まれた体格と顔立ちから男好きの先輩に目を付けられ、その毒牙にかかってしまった。練習を終えると、先輩たちにケツの穴を掘られる毎日。


 そしてそれが日常となってしまったことで、やがて俺の体はデカい野郎どもにアナルを蹂躙されないと満足できなくなっていた。男同士のセックスに激しく嫌悪しながらも、発展場に通ってはそこで出会った男と寝ることが日課になった。家に帰れば、極太の張り型をケツ穴にハメて極上の快楽を得る日々。自分よりも体格の良い男に犯されたいというのに、人並み以上のガタイになってしまった俺は、もう極太のディルドで自分を慰めながら妄想に耽るしかなかった。だが、今ならその諦めていた願いが叶うのだ。【菅谷清太】になったこの姿で、【菅谷大輔】になった目の前の男に犯してもらえれば──。


「清太、さっきは気色悪いだなんて言ってすまなかった……。お前には、俺みたいになってほしくないと思ったんだ。まだ若いお前ならまともな人間に生まれ変わって、兄貴みたいに美人の嫁さんもらって、お前みたいな可愛い子供のいる幸せな家庭を持てるようになるはずだって、そう思ったんだ……」


 清太に寄りすがりながら、俺は懺悔の言葉を吐いた。罪悪感で胸が潰れそうだが、それ以上に身体は正直で……。チンポは痛いくらいに勃起している上に、ケツの穴は身体がデカくなった清太に犯されたくて、ヒクヒクと蠢いている。今はその罪深さと、変態的な妄想の板挟みでどうにかなってしまいそうだ。


「叔父さん……」


 そんな俺を、清太は優しく抱き締め返してくれた。久方ぶりに自分よりも大きな人間に抱きすくめられる感覚。なんだか、身体全身が包み込まれているような感じがする。心地好い温もりに包まれていると、不思議と心が落ち着いてきた。


「叔父さんは、いつも僕のことを考えてくれてたんだね」


「清太……、ごめんな……」


 俺が呟くように言うと、清太は厳つい顔に笑みを浮かべた。


「そんなに謝らないでよ。それにそんなに僕のことが好きなら──、これからは【俺】がお前のことを愛してやるからよぉ!」


「えっ……?」


 次の瞬間、俺は清太にキスをされていた。軽いやつじゃない。舌を絡ませ、口の中を隅々まで味わい尽くすような濃厚なやつだ。


「んっ♥ ……んんんっ♥♥」


 思考が鈍り、徐々に理性が奪われていく。いやらしく響く水音で耳を犯されながら、俺はすっかり清太とのキスに夢中になってしまった。舌を絡ませながら、同時に甥の手が俺のケツの穴をまさぐっている。突然のことで頭がパニックになるが、それでも快楽を求める俺の肉体は悦んでしまっていた。

 上の口と下の口の両方を同時に犯され、暴力的なまでの快感に脳天まで貫かれるような感覚に陥り、なぜだか俺にはその快楽に抗う術が思い浮かばなかった。


 清太の皮を着ているせいで、思考能力まで幼くなってしまっているのだろうか? 清太の目を見つめると、その瞳は自信に満ち溢れていた。俺よりもデカく、たくましく、頼りがいのある【叔父さん】の姿に胸がキュンとする。

 【僕】は自然と自分からも舌を絡めると、そのまま【叔父さん】に身を任せるように、完全に身体から力を抜いていた。


「あっ……♥♥」


 唇を離されると、思わず名残惜しそうな声が出てしまった。濃厚なキスですっかり欲情しきった僕は、もう快楽に抗うことはできなくなってしまっていた。

 叔父さんの舌で口の中を犯されながら、同時にお尻の穴を指で拡げられる感触に酔いしれる。キスなんてこれまでの人生で数え切れないほどしてきたというのに、まるで童貞だったころに戻ったみたいに新鮮な感覚が襲ってくる。立っていられないほどの快感に身体が痺れ、まるで幼児のように叔父さんに抱きかかえられたまま、抵抗もできない。

 情けないという想いもあるが、それより今は学生時代以来に与えられた、強い男に身を委ねる快楽を貪っていたかった。


「はあ゛っん……♥♥」


 一瞬、甘い吐息が漏れたかと思うと、それはすぐに喘ぎ声へと変わっていった。キスですっかり敏感になって突起した乳首に舌を這わせられながら、僕のアナルが叔父さんの太い指でぐちゅぐちゅと搔き回されている。全身が性感帯になったような気さえした。自分がどうなっているのかすらよく分からないほど、すべての感覚が鋭敏になっていて、ただひたすらに身体が気持ち良い。体を優しく愛撫されるたびに、硬くなった若い雄チンポがヒクヒクと震えながら、みずみずしい我慢汁をたらたらと垂れ流している。


「叔父、さんっ……♥」


 堪らなくなってそう言葉を漏らすと、叔父さんはにっこりと優しい笑みを浮かべ、僕にキスしてくれた。さっきまでの乱暴な舌遣いとは違う、愛情のたっぷりとこもったとろけるような口付けだ。

 大好きな叔父さん。【僕】の初恋の叔父さん。ずっと叔父さんとこういう関係になりたかった──。


「清太……♥」


 優しい眼差しを向けた叔父さんが、僕に囁いた。同時にケツの中で暴れていた指が抜かれると、物足りなさに尻の穴がヒクつくのが分かった。【叔父さん】の熱いチンポが欲しくて、身体の奥がキュンキュンと疼いて止まらない。


「叔父さん、お願い……っ」


 僕は媚びた声で甘えながら瞳を潤ませると、自分から足を開いて尻の穴を拡げてみせた。【俺】の肉体になった甥に屈服させられているという、倒錯的な状況に興奮せずにいられない。一方では羞恥心で頭がどうにかなりそうだったりもするが、それでも今は目の前のたくましい雄チンポが欲しくてたまらないのだ。早く目の前が真っ白になるくらい、強烈な快楽に突き落とされてしまいたい。


「叔父さん……♥」


 もう一度猫撫で声で求めると、叔父さんはごくりと喉を鳴らしてから声を上げた。


「清太──、好きだ!」


 その一言だけで身体中に電流のような快感が走った。柔らかい笑みを浮かべたまま、叔父さんはゆっくりと腰を沈めてきたかと思うと、僕の尻の穴に熱いモノの先端をあてがい、そしてそのまま──、


「ふあああ゛ぁぁっ♥♥」


 ずぶぶっと一息で、硬い男根が尻の穴に突き込まれた。叔父さんの大きな身体に全身をすっぽりと包み込まれるような快楽に、僕は思わず甘い呻きを漏らすしかなかった。


(き、気持ち良すぎる……ッ♥♥)


 全身をデカいガタイで覆われ、内側を雄々しい肉の杭に貫かれている快感は凄まじかった。これまでたくさんの男根を咥えこんできたはずなのに、その記憶はどこか朧気で、今まさに初めて雄に貫かれたような気さえする。


「はぁっ♥ はぁ……ッ♥♥」


 呼吸が苦しくなって、荒い吐息が漏れる。全身の血が沸騰しているように体が熱い。チンポからは我慢汁がだらだらと垂れ流しになっているのを感じるし、尻の穴ももっとめちゃくちゃにされたがっていてヒクつきっぱなしだ。快感を堪えようとなんとか叔父さんの胸にしがみつくが、それでも際限なく身体は昂っていくばかりだった。

 きっとこれが【菅谷清太】の肉体だからなのだろう。叔父である【俺】──、【菅谷大輔】のことを清太はこんなにも愛してくれている。その想いが、今の僕にダイレクトに伝わってくる。


(叔父さんっ♥ 叔父さぁん……♥♥)


 【清太】の皮と、【俺】の魂が一体化していくような不思議な感覚。全身を叔父さんに犯されていることが嬉しくて、涙が溢れそうだ。

 腹の奥まで叔父さんのチンポが挿さっている。硬くて熱い叔父さんの肉棒で、自分の尻の穴を貫かれているという事実だけでイキそうになってしまいそうだ。腹の中を埋め尽くす圧倒的な雄の存在感と熱量に、雌にされる悦びと被支配感で胸がいっぱいになってしまう。


「気持ち良いぞ、清太ァっ……♥」


 叔父さんは僕を抱くように覆い被さりながら、腰を激しく動かし始めた。下から突き上げられるたびに、腹の奥から快感が湧き上がってくる。痛みともつかない強烈な感覚だったけれど、決して嫌な感じはしなかった。むしろその逆だ。圧倒的な質量の肉杭をねじ込まれるたびに生まれる、初めての気持ち良さで身体がビクビクと痙攣してしまうほどだ。 


(ヤバいっ……♥♥ チンポ最高だッ♥♥♥)


 叔父さんの力強いピストンによって、ケツの穴がめくれ上がるほど激しく犯される快楽。初めは圧迫感と異物感しか無かったはずなのに、いつの間にかそれは完全に快感に変わってしまっていた。ヌプヌプという淫らな水音とともに、尻穴を押し拡げられる感覚で背筋がゾクゾクする。指では到底届かないところまで太いチンポが出入りしているというだけで、頭の中が馬鹿みたいに真っ白になる。


「ん゛むっ……♥♥」


 叔父さんは腰を振りながらキスしてきたかと思うと、今度は僕の口を貪るように吸い始めた。もちろんその間も、下半身は激しく動いている。上と下の口の両方で粘膜同士が擦れ合い、蹂躙される快感に意識が飛んでしまいそうだ。あまりにも硬くなった肉棒でゴリゴリと腸壁をほじくられ、前立腺を潰されんばかりに亀頭を押し付けられた瞬間、僕はたまらず射精してしまった。


「んっ♥ ん゛ぅっ……♥♥」


 ビクビクと体を痙攣させながら、叔父さんの大きな身体の下で青臭いザーメンをぶちまける。精液を吐き出すたびにケツの穴がキュッと締まって叔父さんのチンポに吸い付いてしまい、その圧迫感だけでまたイきそうになるほどだった。

 全身が痙攣しておかしくなりそうだ。いや、もうおかしくなっているのかもしれない。僕のことを愛してくれる叔父さんは、【俺】の【甥】で、僕はそんな叔父さんの【叔父】で──。頭の中がフワフワとして、何が何だか分からなくなっていく。


「はぁっ……♥ イクッ♥♥ イクぞ、清太ッ!! 好きだっ♥♥♥」


 叔父さんが叫んだのと同時に、腹の一番奥で熱いものが爆ぜたのが分かった。どろりとした濃いザーメンが腸内を満たしていく感覚に鳥肌が立つほどの快感を覚えながら、僕は夢中で叔父さんのキスに応じていた。精液を吐き出す叔父さんのチンポが脈打つたびに、僕の尻の穴がその形に合わせて拡がっていく。愛する人に合わせて、自分の体が変わる感覚。それがどうしようもないほどに幸せで、嬉しくて──。


「あっ……♥ ああ゛ぁっ♥♥」


 僕はまたイってしまった。雄臭いキスをされながら腸内にザーメンを流し込まれ、盛大にアクメを迎える。身体中がビクビクと震えて、僕の肉体はもう完全に叔父さんに屈服していた。射精してもなお硬いままの叔父さんのチンポは、僕の腹の中を精液でいっぱいにしていく。僕は金玉の中身を何度も何度も空っぽになるまで吐き出すと、潮を噴くかのように透明な液体を噴水のように噴き上げていた。


「気持ち良かったぞ、清太……♥」


 長い射精を終え、叔父さんはようやく唇を離すと僕を見下ろして言った。ぐったりとした僕の身体を抱きしめるように密着したまま、大量の汗で濡れてしまった髪を撫でてくれる。飽きるほどに見慣れてしまっていたはずの顔。だが今は、そのヒゲ面のむさくるしい顔が愛しくて仕方がない。このままこれからもずっと、叔父さんに愛されたい。【菅谷大輔】を愛し続けたい──。


「叔父さん……♥♥」


 僕はうっとりとした声でそう呼びかけると、尻の穴から引き抜かれて精液まみれになった叔父さんのデカマラを口に含んで優しく奉仕し始めた。



***


「お待たせ、叔父さん!」


 脱衣所ですでに全裸になった大輔が、遅れてやって来た清太に恨めしそうな視線を浴びせかけた。その股間は一足早くこれからのお楽しみに期待して、雄々しくそそり立っている。


「遅いぞ、まったく……。ほら、さっさと始めるぞ!」


 興奮を隠しつつ、呆れる振りをしながらそう言うと、彼はそそくさとバスルームの扉を開けて中へ入っていった。そして桶ですくった湯を体にかけると湯船に浸かり、清太が【脱ぐ】のを今か今かと待ち構える。

 あの出来事があってから、ますます叔父のようになりたいと思った清太はラグビー部に入部し、そのせいもあって同年代の男子とは比べ物にならないほどにガタイの良い立派な肉体になっていた。顔付きもますます男臭く精悍な印象になった清太。それでもいまだ、大輔には及ばない。


 そんな清太は、泥で汚れたスポーツウェアを脱いで全裸になると、最後に背中に両手の指を立てて【皮】を剥ぎ取った。


「ぷふ~~ッ! あぁ~、この暑苦しい皮を脱いだときの爽快感は、いつ味わっても格別だぁ……♥」


 ようやく【皮】を脱いで素の肉体に戻った清太は、湯煙の中で大きく伸びをした。ムチムチとした大きな筋肉に覆われた偉丈夫。【菅谷大輔】の肉体である。それを待ち構えていた大輔は湯船から飛び出すと、待ってましたと言わんばかりに飛び掛かり、その大きな体に覆いかぶさった。


「あぁ~~♥ 清太──、いや大輔ェェ♥ 早くそのデカいチンポ、俺のおマンコの中にぶち込んでくれぇ♥♥」


 大輔は鼻息も荒く、そう清太に囁きかけた。彼の目の前には、双子のように自分と瓜二つの男の裸体がさらけ出されている。全身を包む厚い筋肉と、運動でたっぷりと掻いた汗を纏った中年親父の体臭。そして一番に目に付く、男としてこれ以上はない雄々しさとエロさを兼ね備えたぶっとい巨根。それがバキバキに勃起して腹筋につくほど反り返っているのが、最高に淫らで堪らない。

 見慣れたチンポ、見慣れた体、そして見慣れた顔。まるで鏡の中から出てきたように自分そっくりの男──。大輔はボディーソープを全身に塗りたくると、自分の肉体に清太の肉厚な体を重ね合わせた。そして互いの全身で相手の肉体を愛撫するかのように、ぬるぬるとしたボディーソープまみれの体を擦り付け始める。腹と腹の間で同じ形をした亀頭が擦れ、そっくりの竿がおしくらまんじゅうをする感触は、眩暈を覚えるほどに心地好い──。


 清太もまた夢中になって、自分の肉体を大輔の肉体に擦り付けていた。巨漢体型である叔父そっくりになった、雄臭い体つきや毛むくじゃらな肌。自分よりも大きな人間に犯されたいと願う大輔と違い、清太は清太で、こうして叔父の姿で叔父の肉体を蹂躙することこそが何よりの快楽になっていた。


「おう、分かってるって。俺も待ち切れなかったからな、大輔……♥」


 もはや興奮を隠し切れない様子で、清太は大輔の体を抱きかかえると洗い場のタイルの上へと押し倒した。そして鼻息も荒く覆い被さり、上から伸し掛かるような姿勢で己の剛直を待ち構えるように開いたアナルへとあてがう。すでに先走りでビショビショに濡れた肉棒は、抵抗なくズルンと叔父のケツの穴に吞み込まれていった。


「あぁっ♥♥♥ いいッ……、最高だァッ♥♥」


 肉欲の瞬間を待ちかねていた大輔は、野太い声を上げながら清太にしがみついた。


「さすがは俺のマンコ。慣らしてもないのにすぐ緩くなったぞ♥」


 ずっぽりと根本まで挿入しきったところで、清太は小刻みに腰を揺すり始めた。体格に合った極太の陰茎が腸壁の襞を擦るたびに、大輔の口から情けない喘ぎ声が上がる。


 同じチンポ、同じ体、同じ顔。双子以上にそっくりな彼らは、こうしてケツの穴にチンポを突っ込み突っ込まれ、感じている顔を見合いながらセックスをする──。その倒錯的な背徳感は清太と大輔の精神を侵し、ますます二人の情欲を掻き立てるのだった。


(了)

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Comments

黒竜Leo

途中で成り代わりのバッドエンドだと思いますが、両想い?エンドになったので何かほっとした。 叔父さんと甥子両方の願いが叶えたいいアクセサリーですね。

ムチユキ

コメントありがとうございます! かっこいい叔父さんには幸せになってほしいので、ハッピーエンドになりました 笑 アクセサリーはサンタクロースからのクリスマスプレゼントで、最強アイテムです(小説内で一切説明がない!)