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※今回の話は、前回の話「乗っ取りガチャ」の続きになります

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──ドッパーーーン!!!


 畳敷きの柔道場内に、凄まじい轟音が響き渡る。


「……ぐはっ!」


 受け身を取り損ね、背中から床に叩きつけられた巨体の男子生徒が、顔を顰めて苦悶の声を漏らした。その光景を目にした、彼を投げた張本人である柔道部顧問の上重(かみしげ)は、落胆とも失望とも取れる深いため息を吐いた。

 彼はすぐに膝立ちになり、再び構えを取ろうとしたが、その表情には隠しきれない疲労の色が滲み出ていた。


「……もういい。今日はこれくらいにしておこう。お前はもう帰って休め」


 上重はそう言うと、佐々木義志(ささきよしゆき)に向かって手を差し伸べた。


「まだ、やれます!お願いします、先生っ!!」


 義志は頭を下げて懇願したが、上重は首を横に振ってそれを拒んだ。


「いや、駄目だ。お前ほどの選手なら分かるはずだ。これ以上続けても無駄だとな……」


 ムワリと香り立つような男たちの匂いが充満した柔道場内が、シンと静まり返った。室内には屈強な男子生徒たちがひしめき合っているというのに、まるで誰もいないかのような錯覚に陥るほど、張り詰めた空気が漂っている。

 そんな沈黙の中、義志は顔を伏せると、歯噛みしながら深々と礼をした。


「ありがとう……ございました……」


 悔しさで震えたような声色。語尾は、掠れて消え入りそうなほどであった。


「ああ……、気をつけて帰れよ」


 温かさを感じる上重の声音に、ビクリと肩を震わせると、義志は逃げるようにその場をあとにした。



***


(クソッ……)


 心の中で悪態をつく。

 自分の不甲斐なさに腹が立つ。

 己の力不足に苛立ちを覚える。


 なぜ突然、こんなにも弱くなってしまったのか? どうすれば、元のように体を動かせるようになるのか? 考えれば考えるほど、気持ちばかりが焦っていく。手早く着替えを済ませると、義志は足早に校内から立ち去ろうとした。だが、そのとき──。


「おっ、佐々木じゃないか。久しぶりだなぁ。もう部活は終わったのか?」


 背後から突然名前を呼ばれ、義志は思わず振り返った。そこには、懐かしい顔があった。


「蔵持先生……」


 久方ぶりに会う恩師の姿を目の当たりにし、胸の奥底から何かが込み上げてくる。それは抑えようのない感情となって溢れ出し、目頭を熱くさせ、気がつけば義志は涙を零していた。


「ど、どうした、佐々木?! どこか痛むのか?」


 急に泣き出した教え子を前にした体育教師──、蔵持謙介(くらもちけんすけ)は、慌てふためくようにして彼に駆け寄った。義志もまた、あたふたとしながら涙を拭うと、必死になって取り繕おうとした。


「いえ、なんでもないんす。気にしないでください!」


 蔵持は、義志が一年生だったときの担任で、今でも何かと世話になっている教師だった。


「本当に大丈夫なのか?無理してないか?」


(な、なんだ、この気持ち……?)


 心配そうに見つめる蔵持の顔を見た瞬間、義志の心の中にゾクゾクとするような、初めての感覚が生まれ落ちた。




 高校三年生に進級し、主将という立場になり、義志はこれまで以上に、着実に柔道の技術が身に付いていることを日々実感していた。だが、数日前から歯車が狂ったように、何もかもがおかしくなった。


 体が重く感じられるようになり、思うように技が出せなくなった。それだけならまだしも、ときおり技の返し方さえも思い出せなくなり、後輩にすら負けるようになってしまったのだ。日が経ってもその状況は変わらず、違和感は大きくなる一方だった。まるで、自身の肉体が別人のモノになってしまったような──


 それどころか、体に関して以外でも、違和感が襲い掛かるようになった。

 一番初めにおかしいと感じたのは、部活中に仲間の柔道部員と組み合ったときだった。彼らの汗の匂いが、頭の片隅にこびり付いて、離れないようになってしまったのだ。酸っぱいような、若さ溢れる高校生の体臭。厚い胴着の中で皮膚が汗ばみ、凝縮された濃い雄のフェロモン。最近になってなぜか、その匂いに対して異様に興奮するようになっていた。


 それだけではない。今まで意識すらしていなかった同級生の男子たちの体つきが、妙に色っぽく見えてしまう。特に普段から身近で接している、汗まみれになった柔道部員たちの体からは目が離せなくなっていた。筋肉質な太腿や、はだけた柔道着の隙間から覗くムッチリとした胸板、筋肉で盛り上がった二の腕を見ると、なぜかドキドキとしてしまう。


 時が経つにつれ、教室にいるクラスメイトたちに対しても、いやらしい目で見るようになっていた。


 義志たちの通う高校は、異能を発現させることを目的として集まった生徒が多いため、学業の面だけでなく、肉体的にも優れた者が多い。彼の所属する柔道部以外でも、野球部、ラグビー部、アメフト部、陸上部など様々な体育系の部に、大人顔負けの筋肉自慢の若者たちが在籍している。

 ここ最近は、やたらとそんな彼らに対して、義志は性的な魅力を感じてしまっていた。


 以前とは違う自分自身の変化に戸惑いを覚えつつも、義志は日々なんとか誤魔化そうと努力した。しかし、芽生えた性的欲求は日を追うごとに膨らんでいった。

 クラスメイトたちとは何事もないかのように会話を交わし、自宅に帰宅しては彼らの顔や体つき、匂いを脳裏に思い浮かべながら自慰行為に耽る毎日。豊富な筋肉をその身に蓄えたクラスメイトたちの、あの太い腕で抱き締められたらどんな気分になるんだろう? そんなことを考え、何度も彼らに犯される妄想をしては果てた。


 つい先日までは、女性に対して性的興奮を抱き、彼女たちとの甘い性交を夢見てオナニーに耽っていたというのに、今では自分と同じようなガタイの良い雄に、ケツの穴を掘られたいという願望を抱くようになっている。着替えの最中に何気なく見た、同年代の男たちのチンポ。皮を被ったものや、ズル剥けのもの、大きさも形も様々で、中には使い込まれていそうな淫水焼けしたグロテスクなものまであった。そんな様々な男性のイチモツを毎日目にする義志だったが、ここ数日、気になって仕方がない相手がいた。それがかつての恩師、【蔵持謙介】だった。




「冷蔵庫に買い置きの茶があるから、飲んでいけ。とりあえず、ソファーにでも座って……っと、うぉっ! すまん、今日は暑かったせいで、着替えたやつをほったらかしにしてたんだった……」


 薄暗い体育教官室。蔵持は、そそくさとソファーに脱ぎ捨てられたTシャツと靴下を拾い上げると、苦笑いを浮かべてソファーをパンパンと叩いた。彼に促されるようにソファーに身を預けると、義志は緊張をほぐすように大きく息を吐きだした。

 冷蔵庫を開けて、中を覗いている蔵持の背中を見ながらソファーの上で手を滑らせると、何かが手に触れた。蔵持のケツワレだ。


──ドクンッ!!


 心臓が大きく跳ね上がった。手に取ったそれを、まじまじと見つめる。汗がたっぷりと染み込んだそれは、まだ湿り気を帯びていて、股間の部分には陰毛が数本残っていた。


「う~ん、麦茶でいいか?」


 突然振り向いた蔵持と、視線が重なる。義志は、ケツワレを急いでズボンのポケットに突っ込むと、蔵持を見上げた。


「あぁ、はい。なんでも……、大丈夫っす」


 ぎこちない笑みを顔に貼り付けた彼は、冷たい麦茶をカラカラに乾いた喉に流し込みながら、蔵持と他愛無い会話に花を咲かせた。




「これが、先生のパンツ……?」


 家に帰り、自室の扉の鍵を後ろ手に掛けると、義志は蔵持が身に着けていたであろう下着を、ポケットから取り出した。気のせいに決まっているが、まだほんのりと温かいと感じられるそれは、じっとりと濡れた男の汗、それにかすかなアンモニアの混じった匂いを放っている。


「んぅ……♥」


 鼻先に近づけて、ゆっくりと匂いを嗅いでみる。頭がクラリとするほどの甘美な香りが、義志の鼻腔を満たしていく。蒸れて濃くなった雄のフェロモンが、鼻から脳天へと突き抜けていき、全身が痺れるような快感に貫かれる。ゴクリと生唾を飲み込むと、彼はおもむろに自らのトランクスを脱いだ。すでにギンギンに勃起しているペニスの先端からは透明な汁が溢れ出し、粘り気のある糸が引いている。


(オレ……、先生の匂いで、こんなに興奮しちまってる……)


 彼の右手は自然と下半身に向かって伸びていた。硬く反り返った陰茎を握り締めて上下に扱く。弾力性のある肉棒。驚くほどに熱いその先端からは、絶えず我慢汁が滴り落ちている。グチュッ、ヌチャァ……。卑猥な音を立てながら、義志の手の動きは次第に激しくなっていく。


──もっと、この人の匂いを感じたい。


 憧れの体育教師の体臭が、義志の頭を支配していく。目を閉じた瞼の裏には、【蔵持謙介】の全身像が浮かび上がってくる。汗まみれになったその肉体。むせかえるような体臭。坊主頭、細い眉に鋭い目つき。がっしりとした鷲鼻に、薄い唇。体毛は薄く、鍛え抜かれた分厚い筋肉の上には、うっすらと脂肪が乗っていて──。そこまで思い出したところで、義志は違和感を抱いた。


(な、なんだ? 何かが、おかしい気がする。でも、止まらねえ……! チンポ扱く手が止められない。勝手にどんどん早くなって……)


「先生……、蔵持せんせぇっ……! あっ、あぁぁぁぁっ♥♥」


 野太い喘ぎ声を漏らしながら、義志の体はビクビクと痙攣していた。大量の精液を吐き出した彼の身体は、まるで電流が流れたかのように硬直する。足先までピンと伸びた爪先が、小刻みに震えた。やがて射精が終わると、義志は深いため息をついてベッドに横たわった。



 なんだろう、この気持ちは? 初めて味わうような、不思議な感覚。自分が自分ではなくなったような、今まで感じたことのない喜びにも似た、高揚感と多幸感。そして、心の底から湧き上がる不安感。だがしかし、一度覚えてしまった快楽は、そう簡単に忘れられるものではない。結局その夜は、蔵持の下着を何度も鼻に当てて彼の股間の匂いにうっとりしながら、膨れ上がった玉の中身を空っぽになるまで吐き出し続けた。




 あれから、何度蔵持のことを思って射精しただろうか。相も変わらず、下着に沁み込んだ彼の股間の香りは、媚薬のように義志の性欲を刺激し続ける。【蔵持謙介】に再び会えば、何かが壊れるのではないか──? 義志の脳内で、警鐘が鳴り続けている。

 しかし、それでも会いたいという衝動を抑えることができない。学校にいても、家にいても、蔵持のことばかりを考えてしまう。高校生のモノとは思えない、真っ黒に淫水焼けしたグロテスクな巨根が、彼のアナルを犯したいという欲望で、はち切れそうに太く硬く猛り狂うのだ。



「よお、久しぶりだな。元気だったか、佐々木?」


「あ、うっす……、先生……、お久しぶりっす」


 一週間ぶりの再会。義志の目の前には、いつもの爽やかな笑顔を浮かべた蔵持の姿があった。相変わらずの、ノースリーブにジャージ姿。盛り上がった大胸筋、膨れ上がった僧帽筋や三角筋で、汗ばんだシャツが悲鳴を上げている。


 蔵持の顔を見るだけで、義志の鼓動が激しく高鳴っていく。義志は相談があると告げると、蔵持とともに誰もいない体育教官室の中へと再び足を踏み入れた。


「どうした、ぼーっとした顔して。そんなに俺の身体が気になるか?」


「えっ!? い、いや……、そういうわけじゃ……」


「はははっ、遠慮するな。俺はな……、久しぶりにお前に会えて嬉しくて堪らんよ」


 そう言うと、蔵持は義志の肩に腕を回して引き寄せた。彼の汗の匂いが鼻腔をくすぐる。明らかに蔵持の態度はおかしい。だが、そうなってしまうと、もう……。


「先生……、オレ……!」


──もう、我慢できないっ!! 脳味噌の中が、性欲で満たされていく。ついこないだまでは、女が好きだったのに、今は男のチンポをしゃぶりたくて仕方がない。


「先生……、オレ、先生のことが……好き……、みたい……っす」


 義志は蔵持を押し倒すと、彼の履いていたケツワレをずり下ろして、ギンギンに勃起したペニスを口に含んでいた。


「ん……、じゅぷ……。はぁっ……♥ 先生の……、デケェ……♥」


 これまでの彼にとってであれば、鼻の曲がるような強烈な悪臭を放つはずのそれは、間違いなく嫌悪の対象だっただろう。だが、今の彼にとってそれは、不思議と甘い蜜のような匂いを放っているように思えた。舌の上で転がすと、口の中にじわりと塩気を含んだ苦味が広がる。それが、たまらなく美味かった。


「おいおい、いきなりこんなデカマラしゃぶるとか、どんだけ飢えてんだよ……。そんなに【前の自分のチンポ】、しゃぶりたかったのか、佐々木ィ?」


「へっ……?」


──前の自分のチンポ? 何を言ってるんだ、先生は? だって、これは……。


「うわあああっ!!」


 ぼんやりとしていた思考が、一気に覚醒していく。義志は慌てて蔵持から離れると、その場に尻餅をついた。目の前にいる人物の、頭のてっぺんから爪先まで、穴の開くほど見つめる。違う、この人は先生じゃない! そうだ、こいつは【蔵持謙介】じゃなくて……。


「なっ、なんっ……! お、オレ?!」


 目の前には、義志自身の姿があった。


「ど、どういうことっすか?! なんで、オレが目の前に……? なっ、なんで、先生がオレになって……?」


「どうやら佐々木は、精神を汚染するスキルに耐性があるみたいだな。ラッキーだぞ、佐々木ィ♥ なんてったって、そのおかげでお前は【かつての自分】がオナニーするところを、たっぷりと堪能できるんだからなァ」


 精悍な顔を歪め、ニヤリと笑みを浮かべた蔵持は大股をガバッと開くと、節くれだった太い指で尻の穴にローションを塗りたくった。そして、ゆっくりと義志に見せつけるようにして穴を広げると、自らの肛門を背後から取り出したディルドで犯し始めた。


「ふぅうう……、くぉおおッ……♥ き、気持ちいいぜぇ、佐々木ィ♥ ほれ、よく見てみろよ。これが、懐かしのお前のマンコだぜェ♥♥♥」


──ぐちゅっ、ぬちゅっぬちゅっぬぷぷぅ……♥


 卑猥な水音を立てながら、蔵持は激しく腰を振り下ろした。ピンク色に塗られた極太の張り型が、男のケツの穴に出入りしては、腸液とローションが混ざり合った粘液が泡立ち、周辺に飛び散っている。鍛え上げられた肉体は、まるで痙攣でも起こしたかのように小刻みに震え、厚い胸板の両端に鎮座した乳首は二つともピンとそびえ立ち、義志のことを誘惑し続けている。


「ダメだっ!! やっ、止めてくれよっ、先生っ!」


 目の前で繰り広げられる【かつての自分】の痴態に、義志は悲鳴を上げた。しかし、蔵持はそんなことはお構いなしとばかりに、極太ディルドでケツを犯し続け、左手でビンビンに勃起した肉棒を扱いては、熱い吐息を漏らしている。


「何言ってるんだ、佐々木。お前もその【蔵持謙介】の体で、この【佐々木義志】の体のこと想像しながらオナニーしたんだろ? なら、俺にもこのチンポでオナニーする権利は当然あるよなぁ? お前のチンポ、最高なんだぜ? 嫁のマンコにお前のチンポ突っ込んで童貞卒業したときなんて、気持ち良すぎて頭がおかしくなりそうだったしなぁ♥ それに、こっちのケツも悪くねえんだ。ケツの穴が裂けそうなくらいデカいディルドぶち込んで、奥の奥までグリグリすると、脳味噌が蕩けそうになるくらい気持ち良くてなぁ……、うひぃっ、イクっ……、あぁあぁぁぁぁぁっ……、イクゥウウッ!! イッちまうよォオオオッ!! 佐々木のチンポで俺、俺ぇ……。おっ、おほっ、ほぉおおっ♥♥♥」



 獣のような雄叫びを上げ、全身を硬直させた蔵持は、義志の目の前で大量の白濁液をぶち撒けた。濃厚なザーメンが、びゅるびゅると天に向いたチンポの先っぽから飛び出し、辺り一面に飛び散っていく。


「はぁあああ~っ……♥ はぁあああぁあぁあぁあぁ……♥♥♥ ……ははっ、スゲェ量だな……。さすがは高校生の竿と玉だ。昼休みにもオナニーしたってのに、もう溜まってんだからな。体は大人顔負けなうえに、金玉の中身はそれ以上にザーメン製造機ときたか……。なぁ、佐々木ィ♥ お前の身体、最高だよ……、たまんねぇ……っ♥」


 蔵持は、震え続ける勃起チンポから目を離せない様子で、張り出した胸板を揉みしだいている。荒々しく呼吸を繰り返し、舌なめずりする彼の顔からは、教師としての威厳は微塵も感じられない。義志は思わず後ずさりして、壁に背中をぶつけてしまった。



「おい、逃げんなって……。感謝してくれよ。今日からお前は、お前の大好きな【蔵持謙介】になれるんだからよぉ♥♥」


 薄い唇の端を吊り上げた蔵持は、義志には見えない何かを両手で破り捨てると、宣誓するように高々と右手を挙げた。


「【立場強奪】! 対象は【佐々木義志】ッ!!!」


 その瞬間、蔵持と義志の身体が眩い光に包まれ、彼らのいた位置が一瞬で入れ替わった。


「えっ、えっ?? 【俺】、どうなって……?! あ……、ああああぁぁぁぁあああ♥♥♥」


 瞬時にして蔵持が着ていたはずの衣服に身を包むことになり、ケツの奥深くまでディルドを咥え込んだ義志は、エビ反りになって悶絶した。脳味噌の中が真っ白になっていく。何も考えられない。ただひたすらに、下半身が疼いて仕方がないのだ。


(なんだこれ……、あぁっ♥ チンポが……、チンポが熱くて……♥♥)


 真っ黒に淫水焼けした竿が、暴れまわりながら辺り構わずに精液を撒き散らしていく。あまりの快感に、頭がおかしくなりそうだ。


「あひぃいいいっ♥ イイッ、気持ちいいィィィィィィ♥♥♥ 【オレ】の頭の中身が、【俺】になっていくぅううっ♥♥♥ んほおぉおおっ、イクッ、イグゥウウッ♥♥♥ おおっほお゛ぉお゛ぉおぉおおおぉおぉお♥♥♥」


──どぴゅどぴゅどぴゅどぴゅどっぴゅーーっ!!! ビュルルルルルーーーッ!!



 ザーメンがチンポの先から飛び出せば飛び出すほど、脳味噌の中から大事な何かも一緒に抜け落ちていく。そして、そのたびに義志は【蔵持謙介】という存在に生まれ変わっていく。その感覚は、義志にとって何よりも甘美なものだった。




「あへぇえ……♥ しゅげぇ……、気持ちいいよぉ……♥♥♥」


 体内に極太のディルドを挿入したまま、【蔵持謙介】はヨダレを垂らしながら、幸せそうな笑みを浮かべていた。そんな彼に覆い被さるように、【佐々木義志】が抱き付き、硬く反り返った蔵持の肉棒を自身のアナルへと招き入れた。


「あはぁあぁああっ、先生ぇ……♥ すっごいっすよォ、先生のチンポォオオ♥♥♥」


 ぶちゅぶちゅと淫猥な水音を周辺に響かせながら、たくましい二つの肉体が徐々に合体していく。


「あぁぁああっ♥ チンポっ、チンポッ、チンポォオオッ♥ 【俺】のチンポが、【佐々木】のケツの中にィ……♥ 佐々木のケツマンコッ、たまんねェエエッ♥♥♥」


 蔵持は、ゴリゴリと己の体内を擦り上げるディルドを感じながら、義志の固く窄まった尻の穴を貫いた。雄臭い顔をした二人は、互いに顔を抱き寄せると、舌を絡め合ってドロドロの唾液を貪り合い、喜びを享受し続けた。


「ちゅぷ……れろぉお……、じゅるっ……♥ くぅうう……、イっちまう、佐々木ィ……、イクッ! イクイクイクゥウウッ♥♥♥」


「あはァアッ♥ 出してっ、中にいっぱい出してくださいっ、蔵持先生♥ オレも……、もうダメっす! イグゥウウッ♥♥」


 ──ドピュッドピューッ! ブビュッ、ビューッ、ビューーッ!!!


 真っ白な欲望が、義志の腸内を満たしていく。蔵持は、自分の肛門に突き刺さっているディルドを味わい尽くすように腰をグリグリと動かしては、義志の直腸に大量のザーメンを流し込んでいった。


「ふぁああ……、あったけェ……。ケツの中、ザーメンで満たされてる……。んぁああぁ……、チンポからまた出ちまう……。高校生のチンポ、何発でも出そうだぁ、やべぇ♥ あぁあぁぁっ♥♥♥」


 義志は、蔵持のザーメンで腹の中をパンパンに満たされると、身体を震わせながら射精を繰り返した。若者の性欲は底なしだ。巨根と言っても差し支えのないサイズのペニスは、いまだ衰えることなく天を向いて忙しなく上下運動を繰り返し、濃厚なザーメンを垂れ流している。


「んはぁああ~っ♥ もっとぉ……、もっかいシてくれよぉ、蔵持センセ……」


 ダラダラとヨダレを滴らせる舌を、蔵持の口元に差し出す義志。二人の舌が触れ合うと、電流のような刺激が彼らの全身を突き抜けた。


「くっそ……、ふざけるな、佐々木ィ……。【オレ】の身体、返しやがれ……!!」


「でへっ♥ 先生ももう、オレのこと【佐々木義志】だって認めちゃってるじゃないっすかぁ♥ 【俺】の身体になった先生、めっちゃエロいっす♥♥ あぁあぁぁ……♥ 好きぃ……、大好きだよぉお……、先生ぇえ……♥♥♥」


 蔵持の胸に、義志は頬を擦り寄せた。【佐々木義志】のすべてを手に入れた悦びは、【蔵持謙介】のすべてを手に入れたときと同等か、それ以上だった。脳幹が焼き切れるような快楽に、心の底から震えが止まらない。もはや【蔵持謙介】のチンポ専用になったケツの穴で、蔵持の剛直を締め付けながら、義志は彼の唇を貪り続けた。



***


「すまんな、佐々木。もっとお前のこと犯してやりたいんだが、中年親父の身体じゃあ、もう勃たねぇんだよ。俺の身体が、お前の身体と同じくらい若かったらいいんだけどなあ……」


 お辞儀するように、萎えて下にカーブを描いた股間を見つめながら、蔵持は寂しげな表情を浮かべている。そんな彼の言葉に、義志は首を横に振った。



 結局、【かつての佐々木義志】は精神耐性の優秀さゆえに以前の記憶を保持したまま、新たに【蔵持謙介】として生きていくことになった。最初のうちこそ、柔道部主将としての自分の人生を義志に乗っ取られたことに憤っていたものの、今ではすっかり【蔵持謙介】としての生活を受け入れてしまっている。何よりも他人の肉体と入れ替わってから、たびたび味わうようになった快感が、肉体を奪われたという屈辱を圧倒していたのだ。

 皮膚が衣擦れを起こすだけで感じてしまう敏感な乳首。尻の奥深くにまでディルドを食い込ませないと満足できないケツ穴。


 筋肉質な男たちを目にするたびに、得も言われぬほど激しい劣情に襲われる。雄臭い彼らの汗の匂いが、彼らの精悍な顔つきが、蔵持にとって最高のオカズになって仕方がなかった。


 男に欲情するなんて──、そう思いながらも、彼は毎晩のようにネット通販で取り揃えた大人の玩具を使って、自分を慰め続けるようになっていた。今では、以前にも咥えたことのあるディルドなど比べ物にならないほどの太さのモノも、尻の穴で受け止められるようになってしまっている。

 それに、何よりもかつての自分──【佐々木義志】が、狂おしいほどに愛おしい存在となってしまっていた。



「それなら、ちょうど良かったっす! オレ、スキルのレベルが上がって、【ガチャ】が他人と共有できるようになったんです。先生、なりたい体の条件ないっすか?」


「そうだなぁ……。やっぱり若返りかな? 今の俺の身体は四十過ぎのおっさんだし、できれば二十代前半くらいの身体になりたいな。ガチムチの体で、包茎チンポだとギャップを感じられて最高だな♥」


「オッケーっす、任せてください! ちょうどこないだ、期間限定のピックアップガチャでゲットした双子の現役ラガーマンが、顔も体もエロくてカッコよくてキープしておいたんす……♥ あぁ、あの身体になれるって想像しただけで、チンポがビンビンになってきちゃいましたよ♥♥♥」


 義志は、自身と蔵持の肉体のスロットに、双子の現役ラガーマンそれぞれのカードをセットすると、空中に浮かんだステータス画面の【Yes】ボタンをタップした。


「いくっすよ、先生……、【全身強奪】!!」


 瞬間、二人の肉体が眩い光に包まれ、別の肉体へと入れ替わっていった。肌は日に焼けた赤銅色へ、贅肉の付いていた体は筋肉の密度を凝縮させながら、より強靭なものへと変化していく。顔も精力的な印象を与える彫りの深いものになり、髪も短く黒々としたツーブロックヘアーとなった。そして、やはり何よりも大きな変化があったのは、二人の下半身から垂れるイチモツである。


「おおぉっ♥ マジっすかコレ……。こんなでかいガタイなのに、オレたちのチンポ、皮被ってるじゃないっすか! しかも、超小さくて可愛い♥」


「ぐふっ、ぬふふっ♥ そうか、これが新しい俺たちの姿なのか……♥」


 二人の視線は、互いの股間に釘付けになっていた。そこには、同じ形をした可愛らしいサイズの包茎ペニスがぶら下がっている。威圧感を与えるほどの体格でありながら、そのサイズはまるで子供のように小さい。それが恥ずかしく、それでいて肉体とのギャップから、たまらなく興奮を掻き立てられる。


「あはぁああっ♥ これいいなぁ……、このおチンポ、すげぇ興奮するぅうう♥」


「ああぁ……、オレもっす。見てるだけで、イキそうになってくるっす♥♥」


 鏡合わせのように向かい合った二人は、相手のチンポと自分の股間を見比べながら激しく息を荒げた。興奮しきっているというのに、短小包茎のそれはほんの少し大きくなっただけで、亀頭の先端も露出していない。


「うひひっ、ぜってー俺たちのチンポ、チンカスが溜まってるぜ……。ああぁっ、お前のチンポ舐めてぇっ♥」


「くぅううっ、オレも我慢できねえよ♥♥♥」


 まったく同じ姿をした瓜二つの二人は、抱き合って床の上で絡まり合うと、シックスナインの体勢でお互いの股間を貪り始めた。


「んちゅっ……れろぉ……、じゅぷ♥ んんっ、うめぇぞぉ、義志のチンポぉ♥♥」


「ううぅ……、兄貴ィ♥ もっと吸ってくれよォ……、オレのおちんちん、兄貴にいっぱい可愛がってほしいよぉお……♥♥」


 舌を巧みに動かし、包皮の中に隠れた先端を刺激すると、義志はたまらず声を漏らし、蔵持の口内に大量のカウパー液を吐き出していった。蔵持は、喉を鳴らしてそれを飲み下すと、腰の動きをよりいっそう加速させていった。


「ぬおおぉぉっ♥ ダメだぁ……、義志ぃ……もう出ちまうっ♥ 俺もう、イク……、イッちまうよぉお♥」


「出してくれ、兄貴っ! 俺も一緒に、イクゥウ゛ウ゛ゥッ♥♥」


──ドピュッドピューッ! ブビュッ、ビューッ、ビュクッ!!


 双子になった二人は、同時に絶頂を迎えた。寸分違わぬタイミングで、蔵持は義志の口に特濃のミルクのような白い液体を流し込み、義志もまた蔵持の口内へと思い切りザーメンを解き放った。二人とも射精の勢いは凄まじく、あまりの量の多さに、二人の口元は溢れ出た精液でベトベトになっていた。



 他人の肉体を奪った悦び、若返って得た、有り余るほどの性欲の解放。それらは、蔵持と義志の心の奥底にある欲望を刺激してやまない。彼らは、飽きることなく何度もそっくりの身体を重ね合わせると、互いの身体を狂ったように貪り続けるのだった。


(了)

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Comments

黒竜Leo

前回の続編のようで、今回もとても美味しかったです! もう一度読み返すと、最初の所で「佐々木」はただ違和感を気付いただけで、四十代の「蔵持」の外見で柔道の練習したり、元の自分の匂いで興奮しオナニーしたりして、本当に楽しかった! 最後で、きっと違う場所で四十代体育教師と柔道部主将の「双子ラガーマン」が体の影響でお互いに段々欲情になるだろうね。 違う視点の人も興味深いので、もしシリーズになればいいだなっと思います。 お疲れ様です!

ムチユキ

コメントありがとうございます! Leoさんのコメントを読むまで気付かなかったのですが、「前回のあらすじ」も「乗っ取りガチャ」についての説明も今回の話に書いてないので、前回の話の内容を覚えてない人や、この話から読み始めた人は訳が分からないですよね……、致命的なミス! 「双子ラガーマン」の話、いいですね! 双子なのに遺伝子も見た目もまったく違う二人に変えられ、変化した肉体の影響で男が好きになってしまった挙句に兄弟に欲情する……。エッチですね~ 笑