Home Artists Posts Import Register

Content

 ロープで覆われた、四角いリング。真っ白なマットの上では、人並外れた巨漢の男ふたりが組み合っている。力量差は互角と言っていいだろう。だが、ふたりには大きな違いがあった。それは歳の差だ。一方は二十代前半の青年で、もう一方は四十を過ぎた中年男である。


「どうした? 息が上がってるぜ、おっさん?」


 余裕たっぷりにそう告げたのは、若いほうの選手だった。身長も百九十センチを超えた、恵まれた体格をしている。対する中年男も負けないほどの大柄なのだが、若者と比べるとその身体の周りには、年相応の脂肪が分厚くまとわりついている。そのせいか動きにも鈍さがあり、とても若者についていけているように見えない。それでも中年男は諦めず、若者に向かって拳を振るったのだが──


「ぐっ……!」


 若者はそれを軽くかわし、逆に男の首元へラリアットをすると、大きな音を響かせてマットを震わせた。


「ワン……、ツー……、スリー……!!」


 ゴングの音とともに、会場内には数多くの歓声が響き渡った。



***


「大丈夫かよ、親父……? 親父が本気出せば、余裕でベルトに手が届くってのになんで……」


「バカ言うな、あれが俺の本気だ。ヒーローの力のことを言ってんならな、あれは別物だって何度も言ってるだろ。ヒーローの力ってやつは人を守るときに使うもんだ。消防士のお前なら分かんだろ?」


 四十代も半ばに差し掛かった現役プロレスラーの大岩拳聖(おおいわけんせい)は、悔しさを滲ませる息子を諫めると、トントンと親指で胸を叩いて笑った。息子の拳斗(けんと)はそんないつもの父の仕草に、複雑な表情を浮かべる。ヒーローの力を日常的に使うことがタブーなのは、拳斗もわかってはいるのだ。だが、父の雄姿を見たいと思うのも、息子としては当然で、もどかしい気持ちになるのはどうしようもないことだった。


 拳斗の父、大岩拳聖は現役のヒーローである。彼は生まれ持った異能を使用することで、通常の数十倍もの怪力を発揮する。通称、怪力系ヒーロー【ロックフィスト】と呼ばれている。幼い頃に母を亡くした拳斗を、ヒーローとして多くの人を救うかたわら、男手ひとつで育てた父を、拳斗は心の底から尊敬している。消防士という道に彼が進んだのも、少しでもヒーローである父に近づきたいと思ったからだった。


「おっと、ヒーロー協会から仕事の依頼だ。ちょっと行ってくらぁ」


「疲れてるのに大丈夫なのかよ?」


 不貞腐れつつも、自分の心配をする息子を愛おしく感じながら、拳聖は彼の頭をガシガシと撫でた。


「今さっき言ったばっかだろ? ヒーローの力は別物だって。心配してんじゃねえよ。お前は先に家に帰って、飯でも作って待っててくれや」


 料理の腕を妻から受け継いだ息子の飯は、何よりも拳聖の力の源だ。『もう、ガキじゃねえっての!』そう言って怒る息子に笑いかけると、拳聖は足早に現場へと向かった。




 長い間、人が足を踏み入れなくなり、寂れた廃工場。怪しげな雰囲気のなか、土ぼこりまみれの地面には、倒れた筋骨隆々の男と、顔に脳味噌を模したマスクを被ったでっぷりと肥えた男が全裸で立っている。倒れている男はこと切れているのか、微動だにしない。地面には怪人と男が撒き散らしたであろう精液が広がっており、イカ臭い匂いが辺りにぷんと漂っている。


「お前が怪人ブレイナーか? その男性は生きているのか?」


「ふふふ、さっきまで私の濃厚な子種をたっぷりと注ぎ込んでいましたからね。快感のあまり、昇天しているかもしれません。ここまで来て、確かめてみればいいじゃないですか」


 拳聖は精悍な顔に、心底不快そうな表情を浮かべ、地面に唾を吐き捨てた。


「お前は洗脳系の怪人だろう?だが、俺には洗脳技は効かん。大人しく捕まったほうが身のためだぞ」


 冷静を装ってはいたが、目線を怪人の股間に釘付けにされていた彼は、怪人の罠に気付くのに遅れてしまった。突然耳元でじゅるりという音が聞こえると、反応するより速く、彼の耳の中に白いナメクジのようなものが侵入する。急いで掴もうとしたが、遅かった。

 ナメクジの正体は、ブレイナーの精液で彼の分身だった。精液は拳聖の脳をあっという間に包み込むと、彼の肉体の指揮権を容易く奪ってしまった。


「洗脳系というのは、私がわざと広めたブラフです。実際の私は、脳操作系怪人。あなたが持っているような洗脳系の抵抗力など、私にとっては無に等しいのですよ」


「ヌオオォッ!!!」


 拳聖の意思とは関係なく、ヒーロースーツを彼自身の武骨な両手が引き裂き、ムチムチとした中年男の裸体が怪人の前に晒される。ボロンとまろび出る淫水焼けした黒いイチモツ。ノシノシと壁際まで歩いていくと、彼は釣り下がっていた鎖に自ら足を掛け、まるで自分の肉体を怪人に捧げるかのような開脚ポーズをとってしまった。


 そんな彼のチンポを、愛おしそうにしゃぶる怪人。必死に抵抗しようと彼は試みたが、更に脳を操作されたことで、首や手足に電流が流れる幻覚を見せられ、動くことがかなわない。ブレイナーは指一本も動かせない拳聖の、縮れ毛に覆われたアナルをジュルジュルと舐め回し舌で解すと、精液で濡れた勃起チンポを彼の奥へと挿入していった。


「何をするっ?! やめろっ、ウグゥオオッ!!」


 拳聖の口からは苦悶の声が漏れ出し、瞳からは悔し涙が流れ落ちる。頭の中は怪人に対する恨み言で溢れているにもかかわらず、肉体は快楽に従順で、竿の先からはトロトロと先走りが滴ってしまっている。怪人はそんな拳聖の乳首を摘むと、ギュウッと捻り上げた。

 怪人の巧みなピストン運動。腸内や前立腺に受ける未知の刺激。その初めての感覚に、拳聖はビクビクと全身を痙攣させてしまった。普通であれば痛みや不快感を伴うはずのそれらの刺激は、彼の脳を包み込むブレイナーのザーメンによって、全て快感へと変換されてしまっていたのである。


「あぁ……クソ……、なんでこんな……。ぐぅ……俺は、ヒーローは……負けん……絶対に……!」


 拳聖の心は折れかけていた。いくらヒーローとして鍛えていようとも、所詮は人間。怪力とは言っても、ただそれだけなのだ。怪力系ヒーローである彼は、圧倒的な力を使用して、これまで多くの人を助けてきた。それ故に彼は勘違いしていたのだ。ヒーローの力を使えば、敵を倒すことなど造作もないと。怪力系ヒーローは、ヒーローの中でも特別に強靭な身体を持っている。だから彼は無意識のうちに、その力に頼り切っていたのだ。しかし現実は非情であり、彼は今こうして怪力系ヒーローとしての誇りを汚されている。息子に『ヒーローの力は別物だ』などと、恥ずかしげもなく教鞭していた、彼の自尊心が崩壊していく。だが──



「俺には、帰るべき場所がある!愛する家族がいる!貴様のようなやつに、負けてたまるかぁっ!! 」


 怪人ブレイナーの洗脳は強力だった。だがどれだけ心が打ち砕かれようとも、大岩拳聖は最後の一片までヒーローだった。鋼の肉体を持つ彼は、己の心に鞭を打つ。全身からは、ぶわりと汗が噴き出す。筋肉はミシミシと音を立てるが、身動きはいまだとれない。それでもなお、拳聖は諦めなかった。


「ははははは! 素晴らしい!! まだ抵抗できるなんて驚きですよ。ますますあなたに興味が湧いてきましたよ。だがもう遅い。私はイきますからねえ゛っ♥♥」


「うおぉおおおっ!!!」


 現状を打破するべく、辛うじてブレイナーの顔面に、拳聖の拳が叩きつけられる──寸前だった。


──ドクドクッ!! ドクンッ!ビュルルルルーーーー!!!


 ブレイナーは全身を震わせると、拳聖の拳が届くより一寸早く、熱い精液を彼の体内に注ぎ込んでしまった。一瞬で脳まで到達したブレイナーの精液は、再び拳聖の自由を奪ってしまった。


「ふはははは! 惜しかったですねぇ。しかし、これで終わりではありません。互いが射精すれば、肉体が入れ替わる。それが私のもう一つの怪人能力なのです。くくく、私はもうイッてしまいましたよ! あとはあなたがイけば、その体は私のモノだ♥」


「そんな能力が……。クソッ……、ヒーローは決して悪に屈したりしない……。屈したりなどっ! ん゛お゛っ、だ、はんん゛っ♥ ダメだッ! 出る、出ちまう゛ぅっ!!」


──ドクッ、ドクンッ♥♥


 拳聖の肉棒から勢いよく放たれる白い液体。それは彼自身だけでなくブレイナーの顔にもかかり、拳聖は白目を剥きながら絶頂を迎えてしまった。その姿を見届けた怪人ブレイナーはニヤリと笑うと、拳聖と同様にガクンとその肩を落とした。



 目を覚ました拳聖は、驚きのあまり声を上げようとした。自らの姿が半透明になり、その下には鎖に繋がれたままの己が白目を剥いて意識を失っていたのだ。そしてその対面には、同じようにブレイナーがうつぶせの状態で項垂れており、その上に半透明になった彼がフワフワと浮いている。


(これは、『幽体離脱』というやつか?まさかこのまま俺の身体を奪うつもりか、そうはさせんっ!!)


 幽体になった拳聖は勢いのまま、白い歯をこぼすブレイナーに掴みかかろうとしたが、それはかなわず、彼の拳はブレイナーの体にズプリと呑み込まれてしまった。そしてその勢いは落ちることなく、二人の唇が重なり合い、舌が絡み合う。筋肉質な拳聖と、だらしないブレイナーの上半身がくっついて混ざり合うと、股間に垂れた拳聖の太い肉棒と鶏卵ほどもある二つの精巣の中に、ブレイナーの包茎チンポと睾丸がヌプヌプと沈んでいく──。


(んむ゛っ!んんん~~!!)


 二つの魂はぐちゅぐちゅと音を立てて同化し、一つの大きな塊になってしまった。


(んおお゛お゛♥ なぁ、なんだこれはブレイナー♥ おひぃ♥ 俺、おれの体が変にィ……、あ゛あ゛あ゛あ゛♥♥♥)


 一つの塊となった魂は、一時間近く空中で捏ね繰り回され続けた。


 そして一時間後、ズプッという音とともに、塊から怪人ブレイナーの形をした魂が飛び出し、残された塊は拳聖の姿へと変わっていった。半透明の彼はニヤリと笑みを浮かべると、微動だにしないブレイナーの魂を強引にブレイナー自身の肉体に押し込め、彼自身は拳聖の肉体の中へと身を沈めていった。




「う~ん、良い……、良い身体だ……♥」


「くそっ! 戻せ……、それは俺の身体だっ……」


 地面に跪き、苦悶の表情を浮かべる【ブレイナー】を他所に、【拳聖】は鎖に掛けていた足を地面に下ろすと、愛おしそうに腹を撫で擦った。ゴツゴツとした掌でなぞるその腹には、ハートマークで構成された、ピンクの紋様が淡い光を放っている。


「残念ですが、すでにこの体には淫紋が浮かび上がってしまいました。これは使役した肉体と私の魂が深く繋がらない限り、浮かぶことはありません。私の能力で、私の魂は【大岩拳聖】の、あなたの魂は【怪人ブレイナー】の魂へと変換してしまいましたからね。つまり、この哀れなヒーローの肉体も魂も完全に私の──、いや俺のモノになったってわけだ、くっくっく……」


 ガチムチの拳聖にショックを与えるために、わざわざ前もって、醜く肥えた男と肉体を交換していた怪人ブレイナー。その思惑通り、筋肉隆々であった肉体の本来の持ち主は、絶望に打ち震えている。


「ふざけやがって……、許さんぞっ!!」


「はっはっはっ! 威勢が良いなぁ。だがもう遅い。お前はもうヒーローでもなんでもない。デブでゲスな怪人野郎だ。そんな奴に、俺が負けるはずがないだろ?」


 拳聖は立ち上がると、目の前の怪人を蔑むように口角を上げた。


「くっ……。だが俺は、絶対に諦めたりはしねぇ! 必ず貴様を倒してやる!!」


「そうか、ならまずはその身体に慣れないとなあ♥」


 床に跪いて身動きできずにいるブレイナーに近づくと、拳聖は彼の顔面に、股間をグリグリと押し付けた。男の──、ましてや先ほどまでの自分の股ぐらなど嗅いでたまるものかとブレイナーは抵抗したが、ずっと息を止めていることなど到底できるわけがない。拳聖が真っ白なショートタイツをずり下ろし、そこから太いペニスがボロンとまろび出た瞬間、ブレイナーは大きく息を吸い込んでしまった。


 途端に、鼻腔に強烈な匂いが広がっていく。試合のあと、着替える間もなくこの場に来たため、湿ったままだったショートタイツ。その中で蒸れっぱなしだった極太の肉棒からは、汗の匂いを含んだ雄臭い香りが放たれている。ヒーロー特有のフェロモンが含まれているのか、思考力を根こそぎ奪っていくような、強烈な吸引力を持つその匂いに、ブレイナーの脳味噌は蕩けそうになってしまう。


「ああああっ♥♥ やめろおおおぉ!!」


「いい声で鳴くじゃねえか。怪人であるお前の身体は、ヒーローの俺のチンポを欲しがってるぞっ♥♥」


 その言葉通り、腹肉に埋もれていたブレイナーの包茎チンポは痛くなるほどに勃起し、脂肪の山からひょっこりと顔を出していた。


「これは俺の身体じゃ……。ふぐむぅううッ!!!」


 否定するブレイナーの口の中に、拳聖の巨根が捻じ込まれる。喉の奥まで突きこまれた剛直によって呼吸もままならず、吐き出そうと舌で押し返すものの、それがかえって亀頭を舐める形になり逆効果だった。


「おらぁ! もっと、しっかりしゃぶれよ!」


 拳聖は腰を振り始め、同時に両手で揉みほぐすように胸筋を撫でさすってくる。そのたびに肥大したブレイナーの乳首はビンビンに立ち、それを拳聖が捻り上げるせいで、ブレイナーは気が狂いそうになってしまう。


(こんな……男相手──、しかも自分のチンポに興奮なんて……)


 頭ではそう思っていても、肉体は性欲を満たすために仕立て上げられたブレイナーのモノであり、体は貪欲に快楽を求めてしまう。全身を巡る血流は、興奮から明らかに異常をきたしており、心拍数はどんどん上がっていく。

 戸惑うブレイナーを他所に、拳聖は太く逞しい下半身をぶるりと震わせると、嬌声を上げた。


「オラァアアッ!! 出すぞ、変態怪人ブレイナーっっ!!!」


──ドクッ、ドクン♥♥ どぷっ♥ どぷっどぷぅっ♥♥


 口腔内に否応なく、脈動するチンポの中身が吐き出される。ヒーローの濃厚なザーメンは大量の子種を含み、熱湯のように熱い。それはまるでマグマの奔流を思わせる勢いで、直接胃の中へ注ぎ込まれていく。

 ブレイナーは飲み込むまいと耐えようとしたものの、ヒーローの肉棒から放たれた精液の勢いは凄まじく、結局そのすべてを腹に収めてしまうことになった。


「ゲフッ、オエェ! ハアッ…ハアッ…、くそお……、貴様は絶対に……ひぐぅ!!」


 涙目になり、えずくブレイナーのことなど気にも留めない拳聖は、厳つい顔に笑みを浮かべると自分の精液を塗りたくった指を、ブレイナーの肛門に穿った。骨太のヒーローの指が腸壁を押し広げる刺激に、痛みよりも先に、圧倒的な高揚感が襲ってくる。


「あっ、あふっ! はひぃいぃ~」


 彼の心は反射的に拒絶しようとするが、セックスを最大限にまで味わえるよう開発されているうえに、脳操作も加えられた怪人の身体は肉欲を求め、逆に尻を振って悦んでしまう。

 腸内と脳内を同時に掻き回される感覚。極限まで過敏になった前立腺を刺激され、ブレイナーの怪人チンポからは先走りが垂れてくる。

 やがて、彼は自らの意思で腰を動かし、ヒーロー・ロックフィストの──、かつての自分の肉棒を受け入れる準備を整えた。


 その姿を見て、満足そうな表情を浮かべる拳聖。そして、ついにそのときが訪れた。


 ズブリという音とともに、ヒーローの剛直が怪人の中に入り込んだのだ。それだけでブレイナーは小さな包茎チンポから、透明の汁をピュッピュッと撒き散らしてしまった。


「ああっ……太いぃッ♥♥」


「クククッ、これが俺様──【ロックフィスト】のヒーローチンポだ。自分のチンポを咥えられるなんてラッキーだぞ。くく……、誰も味わったことのないような快楽を与えてやるぜ。そらっ!!」


 怪人となった彼のアナルを、先ほどまで彼の股間にぶら下がっていた巨根が蹂躙し始める。その刺激は凄まじく、彼は一瞬にして屈服してしまいそうになった。

 怪人のイチモツで、ヒーローの肉体が──、いや傍目にはヒーローのイチモツで、怪人の肉体が犯されている。その倒錯的な状況に、拳聖だけでなくブレイナーも興奮を抑えられない。


 ブレイナーの肉体は、拳聖のピストンに合わせて腰を振り、より深く受け入れようとしていく。そのあまりの激しさで、二人の身体中に互いの汗が飛び散る。拳聖はブレイナーの顔を掴み、マスクの隙間から何度も舌を差し入れると、ぐちゅぐちゅとディープキスを繰り返した。


「ああ、気持ち良い……。ダメだぁ頼む、もっとハメてくれ……♥ くそっ、違うっ! 止めてくれぇっ!」


「何言ってんだよ、まだ始まったばかりだろ? へへっ、これからたっぷり可愛がってやるからな」


 拳聖の太い肉棒が、使い込まれた怪人アナルに激しく出入りするたびに、ブレイナーの口からは喘ぎ声が漏れてしまう。


「あんっ、あんっ、ん゛っ、んほぉおお゛お゛っ♥」


 すっかり蕩けてしまった顔で、自ら乳首を弄り始めたブレイナー。開発された乳首は触れるだけでも、脳が痺れるほどの刺激を彼に与えてくれるのだ。



「ああっ!! イイ゛ッ!すげぇ、こんな……ッ♥」


「へっ、すっかり堕ちたみたいだなぁ。だがヒーローチンポは、まだまだこんなもんじゃねえぞっ!」


「あああっ!!!」


 拳聖は、ブレイナーの肥大化した玉袋に手を伸ばすと、グニュグニュと揉みしだいた。


「ん゛おっほお゛ぉ♥♥」


「おっ、ここが弱いのか……なんてな。自分の体だから、感度の良い場所は丸わかりだ。どれ……」


「ああ゛ぁっ♥」


「へへっ、よがり声ばかり上げやがって。さっきまでの威勢はどうしたんだ?」


 拳聖の言葉を聞いて、ブレイナーは絶望するしかなかった。だが、一度火のついた性欲は抑えきれない。ブレイナーは理性を捨て去り、本能に従い拳聖のチンポを求め始めた。

 怪人の姿になってしまった彼の肉体は、【ヒーローのチンポ】に犯されるためなら、どんな屈辱にも耐えられると叫んでいる。それほどまでに、彼の心は怪人の脳味噌に呑み込まれてしまっていたのだ。


 拳聖はそんな彼を嘲笑うかのように、玉を揉みつつピストンの動きを早めていった。激しいストロークによって、ブレイナーのピンク色の肛門は捲れ上がりそうになるが、拳聖はそれを無理矢理押し戻して、更に奥へと突き進む。


「んほぉお゛お゛っ♥」


「どうだ?そろそろイキそうだろ?」


「ま、まだだ……。俺は、ヒーローだ! 負けて……たまるものかぁっ!」


 辛うじて残ったヒーローとしての矜持が、怪人に必死に抗おうとしている。


「強情だねぇ。なら、もっと激しくするぞっ!!」


「ぐぅっ……!?」


 拳聖の激しい動きに、ブレイナーは翻弄される。だが、それでも彼は必死に耐えた。ヒーローが怪人に屈するなど有り得てはならない。そんな彼の顔を見た拳聖は、再び笑みを浮かべると、ブレイナーの耳元で囁いた。


「お前はもうすぐ、俺の奴隷になるんだ。そうしたら毎日、気持ち良くさせてやるぜ? どうだ、怪人ブレイナー?」


「ふざけるなっ! 誰が貴様なんかに……!!」


「そうかよ。なら、これで終わりだな」


──ドチュッ!ドチュッ!ドチュゥッ!!


 拳聖の亀頭がヒーローパワーで膨れ上がり、ブレイナーの前立腺を怒濤の如く打ち付ける。その瞬間、彼の中で何かが弾けた。


「あ゛ーーーっ♥ イ゛ッグゥウウ゛ッ♥♥♥」


 絶頂を迎えたブレイナーのチンポから、怪人の精液がドプドプと噴き出していく。同時に、彼の頭の中では快楽物質が大量に放出され、脳内を侵食し始めた。そして、それは拳聖も同じであった。彼の脳味噌に存在していた【怪力系ヒーロー・ロックフィスト】、そして【大岩拳聖】としてのありとあらゆる記憶が蘇ってくる。


「なるほど。俺には、ヒーロー候補生で消防士の息子がいるのか。俺とはまた違った魅力があるな、息子の拳斗は♥」


「や、やめ……ろ。息子には、手を……出すな……」


 僅かに残った理性が、父親としての願いを絞り出させる。だがその言葉とは裏腹に、ブレイナーの体はさらなる快楽を求め、腰を振り続けてしまう。


「何を言ってるんだ、お前は怪人ブレイナー。怪人に息子がいるわけないだろうが。そしてお前は、ヒーローの俺に負けて性奴隷になったんだ、もう忘れたのか? 脳操作系怪人だからって、自分の脳を弄ったらダメじゃねえか、ワハハ」


「せ、性奴隷……? お、私……は怪人ブレイナー……なのか? ちがうッ!! ……いや俺は、私は……」


 ヒーローの記憶に同居するように、怪人ブレイナーの記憶が彼の脳味噌の中に巣食っていく。それはまるで寄生虫のように、彼の人格を蝕んでいった。そして、ついに彼は怪人としての自我に支配されてしまった。


 怪人として生まれ変わったことに対する悦び。そして、これから行う悪事への期待感に、ブレイナーは心の底から震えた。そして彼の体内では、先ほどまで自分のモノだった雄々しい男根が脈動しながら、煮え滾るように熱いザーメンを放出し続けている。


 ブレイナーは、その熱さと量の多さに酔い痴れた。


(凄まじいっ……♥ これが、ヒーローの本当の力なのか?)


 やがて長い射精が終わると、【ヒーローのチンポ】が【怪人のアナル】からズルリと音を立てて、引き抜かれていく。そして、完全に抜け落ちると、そこにはぽっかりと開いたアナルが残されていた。

 そこから溢れ出た白濁の粘液を、ブレイナーは自分の指で掬い取ると、口に運んでいく。口内に広がった、生臭いヒーローの子種の味に、彼は思わず身震いしてしまった。その行為を見た拳聖は、ニヤリと笑うと、再びブレイナーに問いかけた。


──さて、お前は誰だ?


 ブレイナーは、躊躇うことなく答えた。自分は怪人ブレイナーであると……


 怪人ブレイナーとなった男は、自らの股間をまさぐりながら、被り直したマスクの下で下品な笑みを浮かべ、舌なめずりをした。ヒーローであったときの記憶は、微かに残っている。しかし、その記憶を包み込むように、脳味噌に巣食った怪人ブレイナーとしての記憶が、彼を興奮に導いて憚らない。怪人に身体を奪われた絶望と、ヒーローの身体を支配した悦びが綯い交ぜになり、皮を被った亀頭が顔を見せる。そんな彼の表情には、隠しきれない欲望の色が滲み出ている。


「いいぞ。それでこそ、怪人ブレイナーだ♥」


 愉快そうな声でそう言うなり、拳聖は彼の身体を押し倒した。そのまま、覆い被さると、拳聖はその剛直をブレイナーのケツマンコへと挿入していく。


「んほぉお゛おお♥」


「へへ、元ヒーローの心はすっかり、その怪人ボディーに馴染んじまったみたいだなぁ。だが、それも一時の間だ。面白いことを思い付いたからな。怪人になったお前の身体を、お前の息子の拳斗の身体と交換してやるんだ。尊敬する父だと思っていた男に陥れられ、怪人の姿になった父親と肉体を交換される息子。そしてその息子に、父親の姿になった俺と、息子の姿になったお前の二人が、濃厚な親子セックスをするところを見せつけてやるんだ。わはは、どうだ最高だろう? 考えただけで俺のヒーローチンポが、疼いちまうぜ♥♥」


「な、なんだと?! そ、それは……」


 それは、なんて素晴らしい計画なんだろう! 先ほどまでの──、入れ替わる前の大岩拳聖の姿のままであれば、悍ましいその計画を笑いながら告げる怪人の口に、武骨な拳を叩き付け、頭蓋を吹き飛ばしていただろう。

 だが、怪人ブレイナーとなってしまった彼の見つめる先にあるのは、脂肪が付いてクリームパンのようになっただらしない自分の拳だ。肉体が変異してしまった絶望は、ヒーローとしての彼の記憶を急速に蝕み、更にはブレイナーの脳で思考することで、心はもはや悪に侵食されてしまっていた。


 息子に対する情愛は、ほんの数分の間に薄れ、屈強な雄の肉体を好むブレイナーの身体は、若く逞しいヒーロー候補生である拳斗のことを考えるだけで、歓喜のあまり身悶えしてしまう。散々、大量射精したチンポも再び元気を取り戻し、ヒクヒクと痙攣しながら、透明の我慢汁を垂らしてしまっていた。


「ああ、良いぞ♥ 最高の気分だ♥♥ 一緒にイクぞっ、怪人ブレイナー!」


 ヒーローの分厚い胸板が、怪人のでっぷりとした身体に覆い被さり、二人の肉が密着する。鍛え上げられたヒーローの筋肉が、駄肉を孕んだ怪人の全身を擦り上げる。そして、二人は同時に絶頂を迎えた。

 ブレイナーは、己の体内に注ぎ込まれる熱い精液を感じながら、かつてない幸福感に満たされていくのを感じていた。ヘラヘラと笑う彼は、元の自分のチンポをアナルに突っ込まれ、今の自分の肉体とかつて己の息子であった男の肉体が入れ替わるのを想像しながら、空撃ちするまで射精をし続けた。


「ふぅ……♥ 気持ち良かったぜぇ♥ じゃあ早速、息子の拳斗に──、いやお前の新しい身体に会いに行くとするか♥」


「はいッ♥♥ 怪人ブレイナー、早く息子の体になって、ロックフィスト様と親子セックスしたいですぅぅ♥♥♥」


 こうして意見の一致した二人──、【ヒーロー・ロックフィスト】こと【大岩拳聖】と【怪人ブレイナー】は不敵な笑みを浮かべると、彼らの愛する息子の元へと向かうのだった。


(了)

Files

Comments

chirondestiny

I am wondering what his hero' suit look like

黒竜Leo

ヒーローと入れ替わった怪人、とても面白かったです! 息子の番も読みたい!

ムチユキ

この話の続き、僕も書こうかなと思ったのですが、親子間のセックスは規約に引っかかって削除されるかもしれないので、困っちゃってます😣

黒竜Leo

あ、確かに... 本当に面倒な規約になったな...

しろくないたき

入れ替わっていく様子と、息子さんのことで二人が結託する展開が最高でした! ムチユキさんの作られる作品が大好きです!