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 強大な力と力のぶつかり合う衝突音が、小さな星の大気を震わせている。しかし、そのパワーは拮抗しているとは言い難い。胴着のような簡素な服を身に纏った男に対し、戦闘服を着た男は、一方的とも言っていいほどに攻撃を受け続けている。


──ミルグは、生まれながらの天才だった。言葉を覚え始めた幼少の時点で、すでに彼は自身の住む星の頂点に立つほどの力量の持ち主であった。

 どんな敵が現れようと、彼の手にかかれば瞬く間に撃退され、星を支配できるような存在は一つとしてなかった。


 突如として現れた侵略者──フリーザという者の手下たちが星の平和を脅かしに来た今も、彼にとっては大したことが起きたようには思えなかった。意気揚々として彼の目の前に立ちはだかり、奇妙なポーズを何度も見せつけてくるギニューと名乗った男には多少困惑させられたものの、いざ戦闘に入ってみればその力は彼の半分ほどであった。


 力の差は歴然だった。だが、ギニューはそんなことなど意に介さずといった様子で、その身を無謀とも言えるほどに投げ出し続けてくる。明らかにその行動は、常軌を逸していた。

 そして、それは彼の部下たちにも言えることだった。自分たちのリーダーが一方的に打ちのめされ続けているというのに、助勢に入るでもなく、ニヤニヤとその光景を眺めているのだ。ミルグはこの世界に生まれ落ちて初めて、得体の知れない恐怖のようなものを感じ始めていた。



「お前は私には決して敵わない。部下たちを連れて、早くこの星から立ち去れっ!」


 丸太のように太い腕を組み、転がった侵略者を見下ろすミルグ。その目線の先で地に伏したギニューの全身からは、おびただしいまでの血が流れ出し、腕は骨折しているのかダランと垂れている。しかし額に大量の脂汗をかきながらも、彼は薄気味の悪い笑みを浮かべて、なおも向かってこようとしている。

 その尋常ならざる姿にミルグが戸惑っていると、ギニューは狂ったように大声で笑い始めた。


「くくく……、ふふふ、はあっはっはっはっは!!」


「な、何がおかしい?! あまりの力量差に気でも触れてしまったのか?」


 ギニューの体は、すでに治療を要するほどの深手の傷だらけで、とてもではないが笑える状況ではない。それでも、彼の瞳は気味の悪いほどに爛々と輝き、口元は笑みを隠せないといった具合に歪み切っている。

 その不気味さに怯んだミルグを尻目に、フラフラと立ち上がった彼は、両腕をガバッと開くと耳をつんざくような大声を張り上げ出した。


「気に入ったぞ!! 貴様の超パワーを持ったその体、それにそのイカした顔も! 正に俺の求める理想の肉体だ!!!」


 瀕死とは思えないような唸り声を上げながら、全身からエネルギーを発するギニュー。大地が震えるほどのピリピリとした殺気に、その場にいる者たちは汗を滲ませる。それだけにとどまらず、その気迫に当てられたミルグの肉体は、金縛りにあったように身動きが取れなくなった。


「うおお゛お゛お゛ぉぉぉぉぉっ!!!」


「な、何だ……? クッ……、か、体が動かんっ……!」


「頂くぞ、その強い体をッ!! ぬおおぉぉぉぉーーー!! チェ……、チェーーーーンジッ!!」


 ギニューの叫びと同時に、二人の肉体が光に包まれる。ミルグの体の奥底が疼き出し、吐き気のような居心地の悪さとともに、何かが肉体から溢れ出しそうになっていく。頭の天辺から爪先まで、全身のエネルギーが口元に集まると、食いしばっていた歯が独りでに上下に開き、巨大な力の波がその開いた隙間から勢いよく飛び出した。

 向かい合った二つの肉体を覆う光が激しく明滅し、開いた口に真っ白な光の橋が架けられる。その橋を道筋に、ミルグの魂はギニューの口の中へ、ギニューの魂はミルグの口の中へと吸い込まれていってしまった。



「くっくっく……フハハハハッ!!」


 二人から発せられていた光がおさまり、シンと静まり返った空気の中、ミルグが声を上げて笑い出した。常に冷静で、感情を滅多に露わにしなかった彼の突然の変貌に、戦いを見守っていた星の住人たちは顔を見合わせている。


 彼は感覚を確かめるように己の指先を動かすと、後ろを振り返り、朽ちかけた建物の方へと歩み寄っていった。そして、目指す先を阻むように立っていた人々を、彼はまるで雑草でも狩るように手刀で撫で切りにしてしまった。驚いた住人たちは、蜘蛛の子を散らしたように飛び退くと、恐怖に震え始めた。人々の間を縫って行った彼が足を止めたのは、今にも崩れ落ちそうな家の窓の前だった。


 侵略者によってヒビの入ったガラス窓には、紫色の肌をした巨体が映っている。己を磨くうちに手に入れた、目を見張るほどの筋肉に覆われた逞しい体。ツルリとした頭部には極太の血管が浮かび、二本の角が生えている。どこか知的な印象を与えていたはずの精悍な顔立ちは、今はなぜか冷淡な表情へと変わってしまっていた。

 ニヤリと口角を上げたミルグは、不意に身に着けていた胴着を引き千切り、その裸体を露わにしてしまった。ガラスには筋肉で盛り上がった鋼のような肉体が、あられもない姿で映し出されている。その磨き抜かれた体を見つめながら、彼はキレのある動きを繰り返し、珍妙なポーズを取り始めた。


「おおぉ……、すばらしい。素晴らしいぞぉ、この体はっ! 男らしいイカした顔に、紫色の肉体美!! この俺様が考えたポージングにぴったりの、ナイスなボディではないかっ!! もちろん肉体だけではなく、この股間のモノもなぁ! ヌフッ……、フハハハハハッ!」


 腰に手を当て、ガラス窓の前で子供のようにその太ましい肉棒をブルンブルンと振り回すと、ミルグはそれを満足気に撫で擦った。まるで喜ぶかのようにヒクヒクと震えるその竿からは、透明の雫がなみなみと垂れ落ちている。


「なぜ……私がそこに……? いったい……何が起きたんだ?!」


 息も絶え絶えといった様子で呆然と立ち尽くしたままだったギニューが、ようやく口を開いた。しかし、その口調はミルグ同様、先ほどまでの彼のものとはどこか違っている。


「くくく……交換させてもらったのさ……、貴様の体となぁ!」


「ば、バカな……、そんなことがっ?!」


 ギニューは掌を広げて見つめると、ガタガタと身を震わせた。戦闘中だったことなどもはや忘れ、冷や汗を垂らしながらキョロキョロと自身の肉体を見回すと、よりその震えは増してしまった。一回り以上も小さくなった体。肌の色までも変わっている。それは肉体が入れ替わったことを知らしめるのに、十分な証左だった。


 二人の肉体は、ギニューの必殺技【ボディチェンジ】で入れ替わってしまったのだ──。



「ギニュー隊長、新しい戦闘服とスカウターです」


「うむ……、いや、そのまましばらく持っていろ」


 ミルグの肉体を奪い取ったギニューの元へ、部下が新品の戦闘服を届ける。だが、ギニューは何かを思いついたかのように差し出した手を止めると、首を横に振ってそれを制した。不思議そうに見上げる部下をよそに、彼はゆっくりとミルグの方へ足を向けた。


「この素晴らしい体を頂いた礼に教えてやろう。新しい肉体に、より早く馴染む方法をな」


 ギニューの姿になったミルグの体がフワリと浮き上がると、吸い寄せられるように、先ほどまでの彼の肉体の方へと近付いていく。


「こ、これは私の能力……!」


 物体を自在に動かす能力、サイコキネシス。彼の肉体を手に入れたギニューは一度見たその能力を、あっと言う間に自分のモノにしてしまったのだ。これまでに幾度となく肉体を入れ替えてきたギニューにとっては、その程度のことは造作もないことだった。

 宙に浮かんだままギニューの目の前で静止するミルグに向かって、両手を構えたギニューは力を込める。すると、彼の指先に光が集まり始め、見る見るうちにその大きさを増していく。指先の光が弾けるように放たれたかと思うと、その光は徐々に形を変え、まるでエネルギー波のような形へと変貌していった。


「ぐぅおぉおっ!!」


 エネルギー波を受けたミルグの身に纏っていた戦闘服が張り裂け、露出した全身が快感に打ち震える。これまで経験したことのなかった快楽が、脳から足先まで駆け巡っていく。あまりの気持ち良さに低く喘ぎ声を上げてしまうが、それでも必死になって抵抗しようと、彼は歯を食いしばって耐え続けた。しかし肉体だけでなく脳まで揉み解されているかのような感覚に、体中に張り巡らされた神経が刺激され続け、ついさっきまで自分のモノではなかった肉棒が猛々しく屹立してしまう。


「なかなか良い能力だな。これは使えそうだ」


 力を放った両の掌を満足そうに見つめるギニューの足元で、倒れ伏したミルグは肩で大きく息をしながら、ビクビクと痙攣している。その姿は紛れもなく情けない敗北者だった。天才と呼ばれていたはずの自分が、なぜこんなことに……。

 肉体を入れ替えるなどという反則まがいの能力を持っている相手に対して、何もできなかった自分に歯噛みするが、そんなことを考えていても仕方がない。彼は悔しげな表情を浮かべながらもなんとか立ち上がり、ギニューの目を盗んでその場から離れようと、足を引きずりながら歩き始めた。


「くくく、逃がすわけがないだろう?」


 背後からかけられた声と同時に、再び肉体の自由が利かなくなる。ズリズリと地面を引きずられるミルグは、なぜか仰向けに寝転んだギニューの元へと引き寄せられていく。彼と向かい合うように膝立ちの状態にされると、ギニューは突然、自分のモノになった尻穴を太い指で解し始めた。初めての肉体でのその感触があまりにも衝撃的だったのか、うっとりとした顔付きで、喘ぎ声を漏らしながらヨダレを垂らしている。


 かつての自分の肉体の、情けない姿を見ていられずに目を逸らしたミルグだったが、その彼の未だ勃ったままの股間の竿は、ギニューの方へと吸い寄せられてしまう。その先にあったのは、彼のイチモツを受け入れるように開いた雄穴だった。その暗い穴の中へ、ミルグの──先ほどまでギニューのモノだったピンク色の肉棒が、メリメリと音を立てて侵入していく。


「ぐっ! うあ゛ぁぁぁ、やめてくれぇっ!! 私のモノが……、私の中にィ……!!」


「フハハハハ!! 貴様のケツ穴も喜んでいるぞ、自分のイチモツを飲み込めてなぁっ!!」


 ズブブッと太い男根が根元まで飲み込まれると、筋肉質な男の股間と尻タブが激しくぶつかり合う乾いた音が辺りに響き始める。しかし彼らのそんな性行為に及ぶ音を搔き消すように、周りでは星の住人たちがギニューの部下たちによって次々と倒され、街は崩壊し瓦礫の山と化していく。天才と呼ばれた男は、その様を眺めていることしかできずに、無様な姿で腰を前後させながら、かつての自分の肉体に種付けし続けた。


「貴様のおかげで、肉体がドンドン馴染んでいくぞっ! パワーの使い方もこの通りだ」


 ギニューはサイコキネシスの能力を巧みに操り、ミルグの竿に力を漲らせて硬くする。一方で、自身の臀部と腸内の筋肉を駆使して、相手の肉棒から子種を搾取しようとしている。

 どうしようもなかった。快楽に耐えようとするたびに、新しい場所を刺激される。そして耐えれば耐えるほど、新しい場所に刺激を受ける悪循環に陥ってしまう──。


 やがて、ミルグは抵抗することなどすっかりと忘れ、虚ろな瞳のまま喘ぎ声を上げてギニューとの性交に夢中になっていた。彼自身は同性とはおろか異性とも性行為の経験は無かった。だが今の彼の肉体はギニューが使用していたものだ。その肉体はセックスの味を覚えていたのだろう。自然と体が動き始める。以前の自分の顔に唇を近付け、キスをし、舌を入れて唾液を交換し合う。そして大きく盛り上がった胸元に手をやって揉みしだく。鍛え上げられた雄胸は柔らかく、乳首が摘まむたび硬くなる感覚もまた堪らない。ボリュームのある尻も、揉み応えがあって素晴らしい。全身から放たれる汗の匂いと体臭も、癖になるほどに芳しい。


 いつしか彼は快楽を貪る獣になり果て、互いの顔を何度もぶつけ合い、激しい接吻を交わし続けていた。自分が犯しているというのに、犯されているのは先ほどまでの自分の肉体という倒錯的な状況に、彼はより一層興奮し、欲情するようになっていた。


「ヨ~シ、出すぞォッ! 新しい体になったギニュー様の、記念すべき一発目だ!!」


 ギニューの叫びと同時に、ミルグの口から甲高い声が上がる。その顔からは、もはやプライドというものは一切消え失せ、羞恥心と快楽によって、なんとも情けない表情へと変わってしまっていた。

 そんなミルグの肉棒が、ギニューの絶妙な尻肉の締め付けに悲鳴を上げる。ドクンドクンと脈打ち始めたそれはギニューの腸内に向けて濃厚な精液を吐き出し、その中を蹂躙していく。同時にギニューもまた真っ白な子種汁を勢いよく発射した。余程新しい肉体が気に入り興奮したのか、精子のたっぷりとつまった睾丸は忙しなく上下し、張り詰めた肉竿からはビュルビュルと止め処なく精液が飛び出し続けている。


「ハアッハアッ……、くっくっく。超パワーを持った天才戦士の尻が、淫乱なケツマンコに仕上がったみたいだなぁ」


 顔を上気させ、ほくそ笑むギニューのアナルは、雄のチンポの形に合わせて大きく広がり、そこからはかつての彼のモノだった精液がドロドロと流れ出している。


「それではこの素晴らしい肉体は頂いていくぞ。これは俺からの置き土産だ!」


 部下から受け取った戦闘服に身を包むと、ギニューは全身にエネルギーを漲らせた。その超パワーは凄まじく、地面には大きなヒビが入り、周りの石や瓦礫が弾け飛ぶ。大きな掌でミルグの首根っこを鷲掴みにした彼は、右の拳に強烈な力を込めると、一気にミルグの腹を貫いた。

 ゾブリという鈍い音とともに彼の腹部には巨大な風穴が開き、中身を失った空洞からはドッと血が溢れ出す。その様子を邪悪な笑みを浮かべながら見つめると、ギニューは壊れたおもちゃを捨てるように、以前の自分の体を地面に放り投げた。


「じゃあな」


 冷たく吐き捨てると、ギニューは逃げ惑う住人の方へと向かっていく。


「フハハハハ、貴様ら覚悟しろ! 今度の俺様の体はさらに強いぞッ!!」


 間髪入れずに連続で発射されたエネルギー弾が、建物や人々に次々に命中し、一瞬にして跡形もなく消えていく。

 肉体を奪ったギニューが、先ほどまでの自分の姿で星を蹂躙する様を、涙で滲んだ目に焼き付けながら、ミルグは意識を手放すのだった。


(了)



以下、戦闘服を着ていた場合の差分イラストです





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Comments

黒竜Leo

入れ替わりの代表キャラ、とてもエロいです!

ムチユキ

ありがとうございます! 「入れ替わり」と言えば、ギニューですよね!

時計台

素晴らしかったです!奪った身体の能力を使って見せて相手を絶望させる所が最高です。イラストのギニューの表情が身体を奪う場面を思い出させるもので良かったです。 アニメ版のオリジナル展開に時間がたって身体に慣れてきたと悟空が言っていましたが、新しい身体に馴染んでいく展開ってエロいですよね。チェンジ前の胸を傷つけるシーンやら奪うところやら何度お世話になったことか。ギニュー自体もエロくて好きだったので更に性癖が歪みました。イラストは戦闘服を着た状態での射精シーンがすきです!

ムチユキ

ありがとうございます! 自分は、もう「新しい身体に馴染む」って言葉だけでも興奮してしまいます 笑 それとやっぱりギニューは戦闘服着ている方が、ギニューらしくて良いですよね~。戦闘服に覆われてない、肌が露出した部分が絶妙にエロく見えてしまいますね!

brilliantcat87

I love ginyu and body swap stories!! Please keep it up and do more Ginyu stories.

tesshy

このポーズ、特にワキと上腕二頭筋が好きです! この通りの構図をナッパで見てみたいです。