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桜もよんさんが描いてくださったプリズムローズ。

この作品がいまの絵守未來のベースを作ったと言っても過言ではありません。


実はこれ。ジークレー初作品だったんですよね。

いえ、この作品を「最高にきれいな状態でファンに届けたい」と思ったのがジークレー開発のスタートでした。


イラストってなんだろうって思ったのだけど、映画みたいに「感動(泣かし)」に走らずに、情報量をグッと減らして、軽くして、“より”手にとりやすく、“より”ノンバーバルにしてみた集大成がイラストだと思うのです。


基本的には引き算だと思うんです。最小限の情報量でコミュニケーションをとる手段。


でも、桜もよんさんのイラストって徹底的に”足し算の美学”なんですよね。油絵的なんです。

もよんさんがたまにつぶやいてる「イラスト界」に対する違和感ってこの「引き算の絵」と「足し算の絵」の部分なんじゃないかと勝手に想像したりしています。(本当のところはわかりませんw)


じゃあ思いきり足して足して!描いて頂いたのがプリズムローズです。

もよんさんのすごいところは足し算なのにごちゃつかず、調和が取れているところ。仕上がった作品を見たら、これまでの作品と明らかに違う匂いが出ていて、なんだかメチャクチャ愛着が湧いてきたんですよね。


ここで最初に戻ります。


「これを最高の状態でファンに届けたいなあ」です。


当時はド素人でしたがいろいろ調べまくりました。複製原画とも呼ばれるジークレー印刷というものがあるらしい。ん?家のプリンター(高性能なやつ)じゃだめなの?って思ったのが最初。


とりあえず印刷して見ました。プリンターは写真用の超高画質モデルです。


うん。いいじゃない。きれいきれい。


コレ十分な気がするけど、何万、何10万円もするジークレーとどこが違うんだろう?


なるほど。印刷するだけではだめなのか。


①絵師さん自身が校正し

②サインを入れて

③製作数(エディション)を超えたらもう二度と作らない。


なるほど。お作法はわかった。あとは印刷だ。ちょっと複製原画なるものを見に行こう。

このとき行ったのが皆さんもよくご存知のあそこですね。30万~60万で販売してる有名なところです。


あれ・・なにこれ・・・ぜんぜん違う・・・どうゆうことだ・・・


素人目にもわかるほど印刷の深みが違います。発色が違います。精細さが全然違います。


家庭用高画質プリンターで出したものとは全く別物でした。


どうなっているんだ・・


それから約半年。プリンターを探す毎日でした。

たどり着いた現在のプリンターのエンジニアから聞いたのが


「複製原画の秘密ですね。あれ8割は実は紙なんですよ」


8割はさすがに謙遜だと思いますが・・3割位は・・紙ですね・・


教えてもらって取り寄せたのが「20枚で2万円」というとんでもない紙です。

※余談ですがうち日本で一番この紙を買っているそうですw


さっそく購入したプリンターで印刷してみました。


「やばい。なんだこれ・・」


輝くような「イラストのような別物」がそこにありました。絵守未來のジークレーが完成したときでした。


ここでちょっとだけ、ジークレーの秘話。


うちのジークレーはいくつか秘密があります。

まずインクの粒一つ一つに樹脂コーティングがされています。これが高い光沢感を実現しているんですね。

プリンタの「色数自慢」をしているジークレーを見かけることがあります。

うちのプリンターは8色顔料インクなのですが、これが10色になれば高画質ということはありません。


なぜかと言うと、8色の時点で184京色が出せるんですね。人間の目は超高性能で「100万色」の色を識別できると言われています。でもちのプリンターが表現&出力できる色は184京ですw はい。もう人間の目では知覚できません。だから8色インクより10色インクのほうがすごいということはありません。


それよりも大切なのは以下です・・


1 なめらかで色浮きのない、繊細で豊かな階調性。

2 偏りのないなめらかな色分布をもつ、広い色再現域。

3 徹底的に抑えられた粒状性。

4 光源依存性(カラーインコンスタンシー)の低減。


この中で「4」の光源依存性というのは実はめちゃくちゃ大事です。

そう、皆さんのご家庭がギャラリーのような「理想の光源」とは限らないからです。


絵守未來のジークレーはどんな光源でも同じ発色するようにチューニングされています。


これが絵守未來の「秘伝のタレ」なんですねw


絵守未來のジークレーはお金に糸目をつけず、闇雲に画質を追求したからではなく


購入者のご自宅がどんな環境でも最高の発色をする」ように作られているからなんです。


その結果、「どこで買ったものよりすごい」と評価いただいています。


「最高の技術で作る」という技術自慢ではなく、あくまでユーザー志向。

「”どのご家庭でも”最高に発色する」ことをゴールに作ってきたからこそ今の評価があるんです。


実は一度ジークレーを外注しようと思ったことがあったんです。国内にも数台しか無い8000万円のプリンターを持っている企業さんです。



結果は


「申し訳ございません。当社には御社ジークレーの品質は再現できないと判断しました」


あらら・・wというわけで今もシコシコ社内で制作しておりますw

プリンターに用紙を1枚づつセットして刷り上がりに10分~15分、乾燥に約半日、仕上げと額装に一時間程度かかるのでどうしてもお届けに時間がかかってしまいますが・・そこは本当に申し訳ありません。


8000万のプリンターでも再現できなかったのは、絵守未來が込めている「愛」が足りなかったかもしれませんねw


今のノウハウを育ててくれたのが桜もよんさんのプリズムローズだったというわけです。


というわけで、絵守未來ジークレーは実は、桜もよんさんのプリズムローズが生みの親だった!というお話でしたw どこで何がつながるかわかりませんねw


うちが、今ももよんさんに「特別に肩入れw」している理由をわかっていただけたでしょうか?w


「絵守未來ってどうやってマネタイズするんだろうね・・」と2年間悩んで答えが出なかったときに「ジークレー販売」というマネタイズのきっかえを与えてくれた。シンプルに「大恩人」なんですよ!恩には恩で返さないと・・というわけです。




それでは最後に、プリズムローズジークレーを発売当時に桜もよんさんにしたインタビュー記事を載せて終わりたいと思います!3年前時点のインタビューですので、一部今とは違う内容もあるかもしれません。そこは割り引いて楽しんでくださいね!



プリズムローズ完成記念 桜もよんロングインタビュー



・絵師になったきっかけ

ボーカロイドのPVイラスト依頼からです。

(うたたPさんの楽曲歌詞を担当されている、モノガタリスト鳥居羊さんから声をかけていただきました)


・どんな試行錯誤がありましたか

自分のタッチだとどんなテイストが好まれるのか、客観と主観が一致するのか試行錯誤しています。

仕事上「今まで描いたことがないもの」を描くので、それも勉強になります。


・いちばんつらかったことは?

描く事が「本当に好きな事」か分からなくなった時…と思っていましたが

利き手をケガし、物理的に「描けない」事でした。


・いちばん楽しかったこと、好きなところ、手ごたえを感じたこと、気に入っている、思い入れのある点?

サイン会などでファンの方と直接触れ合えたことがいちばん楽しかったです。

喜んでもらえたり、感想や反応をいただけるのも含め好きなところですが

誰かに「描いてほしい」と言われることに価値を感じます。


・とくに力を入れたのは? こだわり。なぜこだわっていますか?

線画や細部の塗りはこだわっていると思います。

自己満足の域ですが、きれいな絵を描きたいからです。


・思い出ぶかいこと、時期、作品、エピソードは?

徒波(※絵守未來初個展)に来てくれた保護者同伴の女の子が、サインのあと泣きだしてしまった事です。楽しみに来てくれだのだと思うと嬉しくて…私も泣いてしまいました。

ヒカルエの「プリズムローズ」は思い出深い作品になりました。


・伝え方、魅せ方で気をつけたところはありますか

テーマを自分なりに持つと、それを伝えやすい気がします。

魅せ方ですと逆光やエフェクトなど「光の表現」に気を付けています。

顔は可愛くしたいなと思っているので、仕上がったあと何回か整形する事もあります。


・絵を描く上で最も気をつけていることやポリシー、またこれまで苦労した点や今の課題、今後の目標も教えてください。

絵を描く上で最も気をつけていることは「色の印象」ですが、

ポリシーは自分が納得するレベルまでクオリティに妥協しないことです。

そのぶん無駄に時間をかけてしまったりするので、もっと手を早くしなければと悩んでいます。

イラストの課題ですと、躍動感やパースがついた構図を練習したいです。

複数キャラクター、男性キャラなどはあまり描いていませんので、背景を含め今後の課題です。

目標は過去の自分より上達することです。





・何を描いていて、何を描いていないのか

主にTCG(トレーディングカードゲーム)、ソーシャルゲーム等でお仕事をしております。

企業キャラクターの制作、書籍の装丁、ライトノベル等はまだお受けした事が無いので、お受けしたいですね。コンシューマーゲームやアニメ原案、メディアミックスに携わりたいです。



・名前、ネーミングの由来、意味について

「もよん」は本名をもじり「桜」は好きな花とキャラクター(カードキャプターさくら)から拝借しました。

意味は特にないです…もよもよ(笑)


・自分で考える「らしさ」とは?

絵に繊細やキレイという感想をいただくので、そこが「らしさ」なのかなと思っています。


③桜もよんさまにとって「絵」とは一言で言うと?

出会いです。

文字通り「絵」は「糸」と「会う」が合わさったもの。

沢山の方と絆を結んでくれました。


・過去の経験が活かされたなと思うところは?

少しですが宝石店で働いていたので

アクセサリー類は描いていて楽しいです。


・どうしてこんなふうに?笑

転職しまくっていたので、非社会的要素があるのではと…。

その為twitterで巨乳JKと嘘をついたり

近所の人や宅配のお兄さんにニートだと思われています。


・イラストレーターとなり、ほかのことをしなかったのはなぜ?

根本にクリエイティブなこと、表現することが好きなんですね。


・自分の価値観や思想が反映されている、フィットするなと感じるところは?

道徳的だったり漠然ときれいなものが好きなので

美しい表現、透明感やキラキラ感はフィットしていると感じます。



プリズムローズのコンセプト、思いについて教えてください。


・構図、ポーズ、色、シチューションはどのようにして決めていったのか

シチュエーション(モチーフ):絵守未來の黒バラの下着で「白バラが見たいな」という発想がスタートです。下着は露出が高いのでドレスにしました。

構図:引きとアップで迷ったものの、「白いバラのレース部分」を描きたいので人物を大きめに決めました。足やお尻もレースが見えるよう寝る構図にしました。

ポーズ:肌面積が多くなったので、セクシーになりすぎないよう手足がきちんとそろった「おすましポーズ」にしました。

色:最初は全体も白いイメージだったのですが、ヒカルエで発光感が映えるよう青に変更しました。


・どのような順番で決めていったのか

シチュエーション(モチーフ)→構図→ポーズ→色 

(今回はそうでしたが、順番は作品によって違います)


・製作時間はどれくらいかかったか

構想自体は制作完了の1ヵ月前ぐらいからできていましたが、右手のケガもあり制作は無理をしないように描きました。トータルすると5日ぐらいだとおもいます。


・何か特別な思いは込められましたでしょうか?

「神聖な美しさ」をイメージしていました。

細部まで見てもらえたら嬉しいな、と思いを込めました。


・苦労した点、楽しかった点などありますでしょうか?

髪の毛とレースのしわが細かく、一番大変で一番楽しかったです。

悩んだのは全体が青色なので、青の中でどう色味に変化をつけるかでした。




今後について


・いま振り返ってみて、いかがですか

絵を描くのは何度かやめようと思いましたが、続けていて良かったです。

そう思わせてくれたファンの方や、優しいクライアント様に感謝しています。


・いま、あるいは今後、どういう未来であってほしいですか。

コンテンツ、業界全体が盛り上がってほしいですね。

心身共に健康で、できるだけ長く絵を描きたいです。

イラストレーターとして飛躍したいです。


・今後の展望は?

アナログのイラストにも力を入れようと思っております。

またサイン会などのイベントに招待していただけるよう頑張りたいです。

夢は海外進出です!



⑤外部からの視点も含め、絵守未來プロジェクト(中の人に対してではなく組織として)にどんな印象を持っていますか? 驚いた事、不思議に感じた事など・・・。

最初はなんだかよく分からない、謎の組織と思っていました。(すみませんw)

掲げる理念が素晴らしく、それを実際に体現しているので尊敬しております。要約すると「ぐう聖クライアント組織」です。驚いた事は偉い人の過去、不思議に感じることは資金源です(笑)



⑥ ファンの皆様にメッセージをお願いします。

twitterのコメントなど沢山元気をもらっています!!

皆様のおかげで、絵を描くことが更に好きになりました(*'▽'*)°˖✧本当にありがとうございます♬




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Anonymous

この利き手を怪我して、というのがそれに当たるかどうかは分かりませんが、愛しのプリン君が勢いでもよんママの手に怪我をさせてしまいしばらく描けなくなってしまったときはとても心配でした。プリン君も決して悪気はなかったので責めることもできず、腕が使えないというのは堪えたのではないかと推察します。 何度か筆を折ろうと悩んだという話も伝え聞こえています。その都度ほにゃさんを始めスタッフの皆さんの言葉が心の支えとなっていたということも。 「プリズムローズ」がそれ以降の絵守未來の方向性を決定づけたということでもよんさんが絵守未來の功労者であるならば、同時に絵守未來はもよんさんを支え大きく羽ばたかせてくれた功労者であって、双方にとって本当に素晴らしい御縁・出会いであったのだと思います。 おかげさまで我々は素敵な作品を高品質で手元に迎えることができています。 もよんさん・絵守未來両者のたゆまぬ努力に敬意を表し、心より感謝を申し上げます。

nanoha084

大変興味深く面白いお話でした。