うちの印刷がなぜ美しいか全部話します。 (Pixiv Fanbox)
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こんにちは!最近配信なんかでよく聞かれるのが
「紙の違いでそんなに綺麗さが代わるの?」
「良いプリンター使えばきれいに印刷できないの?」
答えから先に言ってしまうと
→「紙の違いでそんなに綺麗さが代わるの?」
はい。めちゃくちゃ変わります。紙の厚さ、素材(インクの染み込みやすさ)、コーティング(白色度など)でめちゃめちゃかわります。
特に、「染み込む速度」がめちゃくちゃ大事で、早すぎても遅すぎても色が沈むので、いい感じのところでバチっと染み込みが止まるように厳密にコントロールされています。これは紙も布も同じです。
RGBでプリンタに入力してもCMYKみたいに色が沈むのは紙の選択ミスです。私たちは現時点で世界最高のインクジェット用紙を使用しておりスペックを説明してもわからないと思いますが、25枚で3万円の紙を使っています。一枚あたり1200円ですね。Twitterだと「1200円のものを2万で売ってるのかよ!ぼったくり!」って言う人がいるのですがw 試し刷りや印刷ミス、僅かな汚れによる廃棄もありますし、入力、印刷、検査で一枚完成するのに20分程度の人件費もかかってますし、そもそもイラスト代、額装代がかかるので平均原価は15000~18000円になります。(販売数で原価は変わる)つまり2万円でもギリギリなのです・・・。
私達がこうした原価まで公開してしまうのは、別に隠すことでもないからですw
「良いプリンター使えばきれいに印刷できないの?」
できません。実は市販の業務用プリンターは家庭用よりも「プリント解像度」が低いです。意外ですよね。
実は家庭用の高画質プリンターは5,760×1,440dpiまで細かく印刷できるものもありますが、私達や超一流企業集英社さんが複製原画に使っているエプソンのプロ用プリンターでは2,880dpi×1,440dpiです。
印刷のDPI(dots per inch)は、プリンターの解像度を表す指標であり、一般的に解像度が高いほど印刷の画質が向上します。しかし、画質は単純にDPIだけで判断することはできません。他にもいくつかの要因が画質に影響を与えます。
インクの品質
インクの種類や品質も印刷の画質に大きく影響します。高品質のインクを使用すると、色再現性や耐久性が向上します。(うちのは暗所200年耐久です)
プリントヘッド技術
プリントヘッドの技術が進化することで、より正確で細かいインクの配置が可能になり、高画質な印刷が実現します。(DPI以上にこっちが大事)
媒体
印刷物の素材(紙や布など)も画質に影響を与えます。高品質の媒体を使用することで、より鮮明で綺麗な印刷が可能になります。
業務用プリンターは、家庭用プリンターと比較して超高性能なインクやプリントヘッド技術を採用しているので、DPIが劣っていても、業務用プリンターの方が高画質な印刷が可能になります。ちなみにうちのプリンターで、もしヘッドが故障したら修理だ28万らしいです😂
さらに言うと・・・
人間の目の限界解像度(視覚限界)では、300〜400dpi以上の解像度は区別できないとされています。 この300dpiを実際の写真用紙L版(127×89mm)で計算すると、1500×1051ドットとなり、これだけあれば十分きれいな印刷結果を得ることが出来るってわけです。
というわけで、媒体(紙)、プリンタ、インク、ヘッド技術などの合せ技で美しさを出しています。家庭用プリンターで印刷してもそこそこきれいには出ますが、比べたら別物です。(並べて比べないとわからないレベルのこだわりとも言えますw)
私達がこだわってるもの
まず見てください。
EriAru
IWで発表する新製品。アルミ合金に特殊な印刷をした超高耐久、高メンテナンス性を備えたアートアイテムです。
INTENSE
ご存知ジークレーです。
ApexThreads
究極のタペストリーです。
今後うちはこの3つがメインアイテムになります。
それはいいとして粒感見てください。
いずれも共通しているのは粒状感です。
デジタルデータには粒などありませんから、極力消したいんですよね。
ジークレーは最高のインクジェットプリンターと媒体(用紙)などで、潰せるのですが、布やアクリルへの印刷は解像度の低い「UVプリンター」を使うので、どうしても粒状感が目立ちます。
そこで、アリエルと究タペはUVを使わずに、粒状感を潰すことに成功してるんです。昇華転写を使うのですが、たぶん他社がやっても同じ品質にはなりません。
転写速度+転写温度+室温+転写職人の神業
これが揃わないと同じ品質にはなりません。
粒感にこだわってるなんて画像では全くわからないのでGWの連休はぜひ!IWに遊びに来て現物を見てほしい!超ほしい!(展示だけなら渋谷でもやるけどね)
補足事項
INTENSEに若干の粒感があるように見える人もいるかもしれませんが、これは印刷品質をアップさせるための意図的な表現です。100ミクロンまで拡大しているのでうっすら見えますが、原寸だと目ではわかりません。
拡大図(他社がここまで見せること無いよねw)
以上、印刷のお勉強でした!
アリエルはこんな感じです。
アルミ合金に特殊な印刷をしてまして、印刷面は濡れ雑巾で拭けます。(このあとTwitterに動画貼ります)
予定価格はA4で15000円 ポスカサイズで6500円です。額装するかスタンドタイプにするかまだ検証中です!額装にすると少し値段が高くなっちゃいます。
ちなみにこの印刷。A3までは安くできるんですが、B2サイズになるととてつもなく金額がアップしますw でっかいのはIWで展示すると思います。B2だと20万とかになります。これはプリンターから製法から全く別に鳴ってしまうのが原因ですw
こっちはぜんぜん買わなくていいのでぜひ見てね!
以上です!