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LiverCity代表山本です。

まずは、あまたある中から絵守未來の商品を選んでくださり、またFANBOXでのご支援を賜り心からお礼申し上げます。


FANBOXは夏休みですが、少しだけ皆様にお話をさせていただきたいことがあります。これといったオチもない文章になると思うので、どうしても暇になった時にでも読んでください。


先週、「銀塩商品にILFORDの証明書が付属する」との記載をしたまま商品を販売していたことが判明しました。


当たり前ですが、これはおかしな話です。現在の銀塩プリントは富士フィルム様が80年間で培った技術の粋を用いて印刷を担当しております。


ILFORDの証明書は「ILFORDの高品質なファインアート用紙」を使用し、厳格な色管理のものとでプリントされたものに発行されているからです。


従いまして、銀塩プリントにはILFORDの証明書は発行できません。

ですが、それを見て購入された方が数十名おられました。


スタッフから報告がありました。


「お客様に記載ミスであることを一刻も早くお詫びをし、場合によっては返金交換対応をいますぐしたいです!すみませんでした!」


と。


僕は言いました。

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起こったことはもういい。それよりも、お客様は銀塩とともにILFORDの証明書がほしい方もいるでしょう。その連絡を受けたら渋々承諾はされると思いますが、とてもがっかりされると思います。少なくとももう二度とうちの商品を買おうなんて思わないでしょう。こうゆうときに私達がやることは一つしかありません。お客様の期待や思いを裏切らないことです。なるべく実現することです。こうしてはどうでしょうか?すでに購入されたお客様にはILFORDの用紙に印刷したプリントを一枚お付けし、それに対して証明書を発行する。銀塩に対しては発行できませんが、お客様には証明書は少なくとも渡ります。印刷代は私達のミスですから私達の負担としましょう。それで一度ご連絡をしてみてください。

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スタッフは「はっ」とした顔をして直ぐに行動をしていました。頼もしいではないですか。


誤解してほしくないのですがこの話は「スタッフが間抜けで、僕がすごい」という話ではありません。むしろその逆で、僕のこのようなお客様に対する思いがスタッフに浸透していなかった間抜けな僕自身の痛恨のミスです。きちんと僕が共有できていなかったことなので、スタッフは一ミリも悪くありません。


最近の僕は絵守未來のイベントではIWと光る展を主に担当し、他を圧倒する新商品の開発研究をしつつ、あまりにも経験不足なアリス社長(若いから当然のこと)を全国引きずり回して様々な社会勉強的経験をさせています。そんな中、作品作りや帝王学やマーケティングから、人事財務労務、果ては人との付き合い方や商売の基本まで「教育係」として毎日忙殺されています。僕にはそんなに多くの時間が残されていませんので、悠長なことは言ってられません。したがってアリス社長を3年でモノにすると伝えています。アリス社長が1人でも勇猛果敢に活躍し、誰かの役に立つ人間となるよう「知略も備えた一騎当千の武将」に育て上げなければいけません。(本人もやる気にあふれています。)


そんな状況ですから現場はすっかり頼もしい右腕となってくれた「えーさん」にある程度任せていました。これが僕のミスの原因です。


僕の考え方は一つの考え方にとらわれずに時代・・いや・・下手したら「月単位」で目まぐるしく流動するに「世間の空気感」合わせて頻繁にアップデートされています。必要なのは固定的な考え方ではなく、「鳥の目」「虫の目」「魚の目」で物事を推し量りフッ軽に行動することです。


『鳥の目』とは、大所高所から広い視野でもって物事全体を見つめていくことで、経営者においては、常に一歩引いてメタ的に全体をよく見て、把握しておく必要があります。


また、『虫の目』とは、足元を見つめ直すという意味で、虫の目のように低い位置から見てみると、上からは見えなかったことも見えてきます。つまり、一人ひとりのスタッフやお客様、絵師さんに対して、個々の行動を把握し理解することも必要になります。


『魚の目』とは、時代の流れを見極める目という意味ですが、魚は目では見ることのできない川の流れを「体全体で」感じ取っています。仕事の流れの中でその時々を頭だけでは無く、体全体でよく理解し、把握をすることも必要になってきます。これら3つの視点においては、個々に行なうのではなく、同時に、行っていくことが今の時代を生き抜くという面から必要になってきます。


この3つの視点によって頻繁に更新されたりアップデートされた考え方をスタッフにもっと伝えておくべきだったととても反省しています。アリス社長が合流したここ数ヶ月、経営者チームとスタッフの間にいつしか見えない溝のようなもの・・つまり情報の分断が生まれていたことに気づくのが遅れました。(ちなみにスタッフ全員仲はとてもいいです)


したがって、今回の件は「スタッフのミス」ではなく、情報の分断を生んでしまった僕のミスであります。大変申し訳ございません。



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これを読まれた方の中には「うわ銀塩を買った人いいなー!」って思った方もいるかもしれないです。「特別対応はしない」「すべてのお客様に提供できるサービスのみ実行する」が弊社のポリシーです。


ですがこれは「特別対応」ではありません。私達のミスの挽回策です。この対応でもお許しいただけない場合は違う対応を考えます。その際はお客様の立場に立って徹底的に考えます。


大きな企業であるならば「元々ついてなかったんだごめんね。何かあれば返金するよ」で、突っぱねる話かもしれません。


今の時代、品質は高くて当たり前です。どこでも良いモノを作っています。つまり、何を買うかではなく「誰から買うか」の時代です。


そんな厳しい時代、圧倒的なクオリティは当たり前。でも、素晴らしい技術を持った老舗の職人が次々と廃業しているようにクオリティだけでは殴れない時代に私達がすべきことは「体温の感じるサービス」「血の通った行動」だと思っています。


2016年の頭にはじめた絵守未來が、#IWとしてひとつの形に結実したのが2021年の5月。構想を練っていたのが2013年なので、そこから数えると、一つの「作品」を生み出し届けるまでに、本当にデタラメな時間が流れました。


ただ、ここに来るまでに、僕は一度も寄り道をしていません。

「やらなきゃいけないこと」を決して後回しにはせず、全速力で走り抜いた結果がコレです。「戦(いくさ)に参戦する為の作品作り」は、土台(予算やビジネスモデル)作りから始めなきゃいけませんし、なにより、厳しいこの界隈を力でねじ伏せるだけの世界観作りは一筋縄ではいきません。IWのあの日まで毎日毎日結果の出ない賽の河原のような日々でした。


「すぐに結果が出る仕事(※これはこれで凄いこと!)」を見るのがツラくてたまらなくて(羨ましくてたまらなくて)、YouTuberやVtuberを見なくなったことを思い出しました。


「イラストレーターさんの活躍の場を創造」するという企業理念はまだ0.1ミリくらいしか実現していません。


ただ、残念ながらこれは来週、再来週に終わるものではなく、この界隈を選び続ける限り、来年になっても、再来年になっても、5年後も、10年後も終わりません。

どれだけ走ったところで、ゴールが無いんです。


ただ、一個だけ今でも「よかったな」と思うことがあります。

メガネ屋の二階でやった初のイラストイベント徒浪です。





当時の「将来の姿やご立派な理念なんて見越さずに過ごしたあの時間」がとても楽しかったことを思い出しました。


「イベント」と呼ぶには、あまりにも文化祭感の強い内容で、

「仕事」と呼ぶには真面目に働いている人に失礼な悪フザケ。


開場から大混乱。僕のイベンターとしての不甲斐なさをメガネ屋の社長の奥様に呼び出されてこっぴどく叱られ、それを見て社長が笑いながら「僕がやるから大丈夫だよ」ってフォローしてくれて、列が伸びすぎて近隣のお店の店主様から怒鳴り込まれ、必死に頭を下げて謝りに行き、誰のミスかもわからないものを違う人が笑いながらフォローして、ついにはお客様に列整理をしてもらい、それでも「なんで僕が列整理してるんですがw勘弁してくださいよーw」と笑いながら許してくれて、初めて会うフォロワーさんや大遅刻した絵師さんと笑い合って。終演後は、そのままスタッフ全員で安い焼肉屋に流れて、互いのミスをイジリ合ったあの日。


あの頃は勢いだけ、その日暮らしの活動で、一歩も前に進んでいないし、進めるつもりもなかった。そんな時間が、とても楽しくて、とても愛おしかったことを思い出しました。憧れはありますが、今、僕があの時間を取り戻すべきではないことは重々承知しています。


もっとも、この道を選んだのは自分で、嫌なら辞めて田舎に帰ればいい。

辞めていないということは、この道が好きなのでしょう。


ゴタゴタ言ってないで、もっと多くのクリエイターさんが輝ける、ファンが感動するような圧倒的な作品・・イベントを作り上げて、「たくさんのクリエイターさんの役に立ったこと」で、この世界に爪痕を残すことが先です。



だけど、僕にいつか時間ができたら、少しでいいから、また、あの時間を皆様と過ごしたいです。あのメガネ屋の二階で。




それまで頑張ります。





メンヘラおじさんのオチも笑いもないポエムを最後まで読んでくださってありがとうございました。




追伸


今年の光る美少女展のコンセプトアートを皆様だけにお見せします。近々日程も発表されますのでお時間のある方はぜひお立ち寄りください。










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Comments

Anonymous

お疲れ様です。 ミス、とくに取り返しができないものの対応と言うのは正解も無いですし難しいですね。 それはともかくコンセプトアート、天と地の輝きが強くて、映り込んでいるようなのもありますし、今までの壁やスタンドでの展示以外にも何かあるのかな?と楽しみになりますね。

Anonymous

お疲れ様でした ずっと以前から、色々な事に誠実に対応し続けて下さってる事、とても素敵だと思います 私も、対応してくださったことを覚えていますし、それが今でも応援し続けてる理由の一つとなっています もっと素晴らしい所に羽ばたけることを応援しています そしてコンセプトアート、物凄く美しいです 更に更に楽しみになります こちらも応援しています

Anonymous

懐かしいですね。メガネ屋でのイベント。絵守マシマシをY氏に言ったらめっちゃ笑顔でかしこまりーって言われたあのイベント。北海道から仕事のついでに初めて行った名古屋…。またメガネ屋の2Fでイベントする時には是非とも参加したいです。(他のイベントも行きますけど)