イラストレーター職は厳しい世界 (Pixiv Fanbox)
Content
こんにちは!
先日、「絵仕事創造のため」転換を図ります!みたいな記事をアップしました。
その理由を今日は書きます。
---------------------------------------
うちのFANBOXは絵師さんもたくさん加入して記事を見てくださってるのでちょっと緊張するというか、上からに聞こえたらそんなつもりは1ミリもなく、そう聞こえたらシンプルに文章力の問題なので最初に謝ります・・。
---------------------------------------
男性向け美少女イラストに関しては(事実として)「絵をジークレー級の高精細な作品として観たことが一度もない」という方が大半だと思うのですが、【日本のイラストレーター人口】は世界一の規模数で、pixivの登録数で15万人近いイラストレーターさんがいるそうです。
萌え系以外も含めるとその数なんと80万人。とんでもない数です。そのうち、兼業も含めた商業イラストレーターは10000人弱。さらにイラストレーター単体で食べていける人は3000~5000人程度だそうです。(萌え系以外も含んでます)
ではユーザー数はどうでしょうか?
pixivのユーザー数は6800万人(海外が40%)だそうなので国内でおよそ3000万人います。
ちょっとまって
日本人に3人に1人がpixivユーザー?さすがにそんなはずないですよね。
企業が発表する数字は一般的に複垢や休眠も全部込みなので額面通り受け取るとかなり眉唾だと思います。
ちなみに美少女系イラストレーターで最もTwitterフォロワーが多いのは本日時点でよむ先生で130万人です。
うち、実際にお金を出す購買ユーザーは「多くて(重要)」1%なので1万人前後だと予測します。(この数字はきちんとした根拠もあります)
私たちは、コミケの男性向けデーの入場者数や、自社及び外部のデータを複合的に勘案した結果この業界でお金を出すユーザー数は15~6万人と推計しています。(これに至る計算はかなり複雑なので根拠は割愛します。話半分程度に)
あれれ?イラストレーターが15万人で購買客は15万人?
めちゃくちゃザックリ言うと、日本のイラストレーター業界は「観る人」と「やる人」がほぼ同数…というかなり特殊なバランスで成り立っています。
現実には15万人の大半を3000人のTOP層で分け合ってる感じだと思いますが。
==============================
ちなみにアパレル企業数は1億ユーザーに対して約10000社です。
==============================
これでは一部のTOP層の方以外成り立たないので、大半の専業イラストレーターさんはユーザーではなく企業との取引を主戦場とするわけですね。
はい。これがよく言う
フォロワーが10万人↑↑クラスの絵師さんでもファン向けだけで食べていける方ほとんどいません問題です。
その発注企業も奪い合いです。ソシャゲの衰退と海外絵師の隆盛、昨今はデジタル作画環境の低コスト化で、仕事を格安で請け負う新規参入絵師さんも激増しており、かなり厳しくなってきています。。
閑話休題
Twitterフォロワーの99%はかわいい絵を「見るだけ」のカジュアル層なので購買客となるとほぼほぼ歴戦のコアファン…といった感じです。
その構造や前述数字の是非は兎も角
何が言いたいかというと
少ないお客さんを絵師さん同士で取合ってるのは肌感でわかるし、現実もおそらくそうだよって話です。ここはざっくりとらえてください。
・・・で、現実としてそうなってるのに、何が起こってるかというと
絵師さんをフォローしまくり、Twitterを監視してる一部のコアファンを除いて、一般人が住んでいる下界には情報がぜんぜん降りてきてへんぞってことです。
野球なら(名古屋なら)ナゴヤドームでこの季節はほぼ毎日試合があることは小学生でも、おじいちゃんでも知っています。
「イラスト展って、どこで、いつやってるの?」「イラストレーターって、なんか難しそう…」というのが愛知県名古屋市名東区の小学2年生の本音です。
この状況を受けて、「もっとたくさんの人に届けよう」「もっとエンタメなイラスト展があってもいいじゃん!」と声を上げたのが私達、絵守未來です。
始めるにあたってざっとイラスト展示会を調べたのが5年前。
しっかり運営されてる老舗のイベント(100人のやつとか)は『除いて』
「運営」に関してはズサンもいいとこで、そちらに関して気になったのは
① 内輪ノリすぎる。
② イラストに興味がない人にも届けるのであれば「集客」をナメすぎ(=外への発信が雑&少ない。主催者や主催企業のフォロワー数が3桁とかザラ)
③額が水平ではなく傾いてたり、家庭用インクジェットで印刷したものをただ並べただけだったりで展示が雑すぎる。
の3点。
#ただし最近の展示会は表参道にギャラリーを構えたpixivさんの影響なのか、だいぶエンタメ的に洗練されものが増えてきた印象です。(秋葉原にギャラリーを構えなかったpixivさんの先見の明は本当にすごい!)
これは主催者だけの問題ではなくて、イラストレーター界…もっというと、伝統芸能の世界が患っている病だと個人的には思っています。
「展示はこれぐらいでいいでしょ」「発信はこれぐらいでいいでしょ」が癖になっていて、ライト層にリーチできておらず、コアファンに業界を支えてもらう…という悪習です。
べつに内輪ノリ(身内やコアファンだけ)で末代まで走り抜ける気ならそれでいいのかもしれませんが、私達は「たくさんの人に届けたい!」「もっとエンタメにしたい!」が企画の根本にあったので
「だったら、そんなナメたことしてちゃダメっすよ」と。
「集客は私達がやり、キチンと運営のプロと展示のプロをチームに入れよう(その方が結果的に安くつくから!)」と決めました。(お金がなかったので時間はかかりましたが)
そして、大変遅ればせながら『#TOKYOILLUSTRATIONWEEK』でそれが結実しました。
#プロの仕事ってすごい
IWでは資金が不足して実現しなかったのですが、ライト層にリーチするための施策・・たとえば、渋谷駅前の大型ビジョン広告や、表参道駅広告ジャックの案はありました。
実は、光る美少女展京都では御存知の通り京都駅を一部ジャックしてポスターを張り出しました。結果それを観た家族連れや高齢の方が多く訪れていただけました。
そんなこと絵師さんにできます?
いや無理でしょうって。
絵師さんは絵を描くことが仕事。
それを届けるのは私達が責任を持って担おう。
届けるといった以上
「ライト層にもリーチさせよう」
「ライト層でも楽しめる展示会にしよう」
という方針を打ち立てています。
現在支えてくださってる「コアファン」に心から敬礼しつつ、しっかり楽しめるようにした上で、「15万人という現状の天井」をライト層にリーチすることで「高くあげよう」と日々死にものぐるいで努力しています。
イラストをもっと多くの方々に届けたい。
それはつまりコアファン以外のライト層にもしっかりリーチするということです。
これが私達の裏目的の一つです。
絵仕事創造!というのは「ライト層へのリーチ」による「天井の引き上げ」がしっかり含まれています。
#ニホンゴが下手くそで理路整然としておらず、読みづらい文章でごめんなさい・・
閑話休題
以前、開催一ヶ月前に展示内容のダメだしをして180度企画内容を変えた光る美少女展京都のイベント施工会社さんから「力不足で一ヶ月前に内容を変更することになり本当にすみません!」と謝罪のLINEが届きました。
私達に謝っていただかなくて結構です。
施工会社さんが謝らなきゃいけないのは、「展示とかは…まぁ、これくらいでいいでしょ」という妥協をチラつかせたことです。そこは、これまで命をかけてイラストを作ってきた絵師さんや、応援してくださっているファンの皆様に本気で謝った方がいいと思います。
絵守未來の社員やスタッフも「印刷や展示はまあこれくらいでいいんじゃね?」と妥協したらボロクソに怒鳴られます。
#最近はそれを知ってる業者さんがそもそも妥協しないので助かっていますがw
#実際に妥協を少しでも見せた業者さんは秒で取引停止してきました。
#値引き交渉は絶対しないから、絶対品質に手を抜かないでくれと言ってます。
鬼舞辻無惨のパワハラ会議の場のような・・鬼の棲家たるエンタメの世界に身をおくなら、「クオリティーで殴る」の一択です。
どれだけ理解されなくてもクオリティーで殴りきれば正解だし、全員に理解されてもクオリティーで殴りきれなきゃ存在できない世界です。
「これくらいでいいでしょう」は即・・死を意味します。
IWをぶち上げてしまったので、今後はあれが最低レベルになります。
もう本当に1秒も気を抜けません。我ながらやっちまった感やべぇです。
でもみなさんとともに
「いろいろ大変だったけど、やって良かったね」という『未来』に着地できるといいとおもってます。
以上!!!
支援者の皆様への情報の共有とでした。
現場からは以上でーす。