お客様の意見を聞くのが正しいのか (Pixiv Fanbox)
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こんにちは!
お客様のご意見を募った翌日に、こんな煽るようなタイトルにしてしまったのはちゃんと意味があります。
それは、お客様の意見は真摯に聞くことはとても大切だけど「ありもしない問題に向き合う」ことはしません、というのをきっちりお伝えしておかないといけないと思ったからです。
2つの事例を(ざっくり)紹介します。
昔、マクドナルドが「お客様の声を聞こう」と、アンケートを取った所「ヘルシーなハンバーガーを食べたい」とか、「マックはヘルシーじゃないから行かない」という意見がめちゃめちゃ多かったんです。
これは!となった経営陣は「サラダマック」というヘルシーなハンバーガーを開発しました。知ってる方もいるかな?😁
ところがこれ
びっくりするくらい売れなかった。
慌てた経営陣。
「いやお前らが食いたいって言ったんちゃうんかい!!!」
って気分だったと思います。
そこで、再度「本音を探る」形式の慎重なアンケートをしたら
「いや、俺らはギトギト、コテコテのハンバーガーが食いたいからマックに行ってるんで。ヘルシーとかいらねっす」
だったんですね。つまり先に行ったアンケートは
ヘルシーなハンバーガーあったらいいんじゃね?(俺は食わんけど:本音)
だったんですね。
(一部の火力を突き詰めた脳筋オタクを除いて)現代の人って「なんとなく」商品を選んでいる人が多いです。
コンビニで買うお茶の銘柄なんてなんでもいい人が大半です。
でもアンケートをすればきっと「(あえて聞かれたら)綾鷹が好き(こだわりないけど)」って答えるはずです。
※銘柄はたとえなので、ここで言ってる「綾鷹」は「爽健美茶」でも「伊右衛門」でも何でも良いよ。
この「綾鷹が好き」というのを「意見」だと真に受けると結構ひどい目に合います。まさいそれがサラダマックです。
#マクドナルドさん、悪い事例として出してしまってごめんなさい。
以前、ビール会社が「好きな銘柄はなんですか?」とアンケートをしたらアサヒスーパードライが一位だったんですが、「ではこの一ヶ月の間に飲んだビールの銘柄を教えてください」って聞いた所スーパードライ「だけ」を飲んだ人は5%しかいなかったそうです。
そりゃそうですよね。
飲みに行って、そのお店の生ビールがサントリーモルツだったらそれ飲みますもんね😁
2つ目の事例は自動車です。
昔フォードというアメリカの自動車会社が「顧客の声を聞いて」車を作った所、全く売れず3500億円もの損失を出したことがありました。
理由はいくつかあります。
アンケートの意見を全部取り込んだら、闇鍋みたいな車になって逆に特徴がなくなった。
開発中に、経営陣や役員の意見もガンガン取り入れてしまった。
大会社のため、稟議と承認に時間がかかり、アンケートから、販売まで時間をかけて需要が変化していた。
アップル創業者のスティーブ・ジョブスさんは生前マーケティング嫌いだったことで有名です。
「どんなマーケティングでも、駄作をヒットさせることはできない。」
「ベルは、電話を発明する前に市場調査などしたか?」
今では時価総額340兆円(トヨタ自動車の約9倍!)のアップルも一時期業績が傾いて、ジョブスが追放されてしまいますが、その当時を振り返って、ジョブスはこう答えています。
「マーケティングの病と呼ばれるものに、Appleが陥ってしまったからだ」
「マーケティング部門が自分たちの成果を過度に高く自己評価し、結果、事業の根幹となる製造・エンジニアリングが疎かになること。その結果、事業が伸びなくなることだ」
「とてつもなく偉大な製品を打ちだせば、マーケティングなどする必要もなく、世に浸透するのだ。」(商品にはエンジニアリングがもっとも重要だ)
これらを踏まえて私たちは日々いただくご意見を拝聴しつつ
「ホントはこれが欲しかったでしょ?」
「ほんとはこんな絵が好きでしょ?」
を日々追求しています。
もちろんしょっちゅうスベることもあるのですが、特大ホームランになるときもあります。#精度を上げていきたいと思っています。
気をつけないといけないのはご意見を聞いてはいけないではなく、一旦冷静に評価して、真に受けてしまってはいけないということです。
絵守未來に以前、「イラストを投稿するときは絵師名を必ず併記してください」という意見がしつこく寄せられたことがあります。(約1名からw)
その理由は
1.「絵師を応援すると謳っているのに併記しないのは言動不一致」
2.「初めてその絵を見た人が絵師さんにたどりつけずに困っている」
という理由でした。
なるほど、一理あるように思います。
1について
私たちは「最初の投稿」では必ず併記しています。(やったー!誠実だね!w)
2回目以降の投稿では併記はルール化していません。(しないことのほうが多い)
これは「一回目は絵師さんの紹介」「2回目以降は、絵守未來の紹介」と用途が違うからです。イラストは「2回目以降」は「絵守未來の広告宣伝として」CMに使わせていただきますよってことですね。
CMと同じです。CM中にいちいち出演者の名前がアナウンスされてますか?
その人が知らないだけで、紹介しているので、言動不一致というのはお門違いな指摘です。
2.について。
「初めて絵を見た人」が「元絵師に辿り着こう」とするのっていつ?
「困っている人」誰?です。
です。
初めて見たなら最初に思うのは「この絵守未來っって人が書いたのかな?」だと思います。なんで初見で「元絵師」がいるはずって思うんでしょうか?エスパー?
困っているならリプ欄というのがあるので「この絵師さん誰ですか?」って聞けばいいだけです。実際99.9%の方はそうしてますしすぐにお答えしています。
そもそも論を言うと、絵守未來は税金で運営されているわけではないので、どこの誰かわからない通りがかりみたいな人の「僕が考えた理想の絵守未來」にならないといけない合理的な理由がありません。
そんなに絵師さんの名前を広めたいなら、自分で絵師さんにお金出して、自分で宣伝をやればいいと思います。
その際に「まあそんな尖らずに2回目以降でも、一瞬で終わることなので絵師名を書いてあげても良いんじゃないですかw」という横槍をもらったこともあります(削除済み)
絵師さん名をつけるのは一瞬だけど、それまでのプロセスが完全にスルーされています。何ヶ月も前から絵師さんと交渉し、報酬をお支払いし、Twitterで拡散し、グッズを生産し、出荷をし、ファンの方にも喜んでいただいて・・・・の2回目のCM的な使用です。絵守未來という活動を広めるためのCMです。
「ただなんだからそれくらいやればいいじゃん」は、とてもずるい指摘なんです。なぜなら「やらない」って言ったら「ケチくせーw」って言われるから「やる」以外の選択肢がない指摘なんです。「儲けたなら寄付しろよ」と同じで、相手に対する思慮と愛が足りないんですよね。
このように・・
本当に困っている人がいるのか?
それとも、指摘した人が、実際には存在しない「困っている人」を創造したのか?
「ありもしない問題」に応えると、そういう「誰も求めていない解決策」を出すことになって、そこに、会社や店の工数が割かれてしまう。なので、「お客様が創造する問題」には要注意ですという話です。
反対に、昨日聞いたように「あなたが困ってることを共有してください!」は「困っている人が実際にいる」ので絶対に聞かなければいけません。
ここの耳を閉じてしまうと、独りよがりな「俺TUEEEE」したいだけのサービスになって応援者がいなくなると思います。
「俺が困っている」という貴重なご意見はこれからもどんどんお寄せください。
「(誰も困ってないけど)俺が気にいらないからこうして欲しい」はフルシカトします。
そんな感じでこれからもよろしくお願いします😁