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薄く光が差し込む、何もない白い部屋。監房を思わせるような無機質な部屋の隅に、「それ」はあった。 見た目はケモノのようなキャラクターを象った造形で、強めの光沢のあるボディはまるでゴムのオモチャを連想させた。それだけを伝えると特に異質なものとして思いうかばないかもしれないが、「それ」には異質な部分があった。手足が無かったのだ。 「それ」はキャラクターを模したスウツを着せられた少年であった。手足は肩とふとももの先からが消失しており、それぞれ先端についている青い留め具のような部分に、まるで収まるように無くなっている。股間には性器のようなものは見当たらず、代わりに穴が一つだけ空いていた。 口の中は奥までピンク色の柔らかな肉で包まれており、半開きになっている。声を出せないのか、呼吸音だけが部屋に響いていた。目の部分は黄色のアクリルのようなものがはめ込まれている。彫り込まれた瞳は、無機質に遠くを眺めていた。 部屋のドアが開き、男が一人入ってきた。少年をここに閉じ込めている張本人だ。 まるで人形を抱きかかえるように少年を持ち上げ、部屋の中央にある白い台座の上にうつ伏せに載せた。 「ここに来てからそこそこ経ったけど、新しい体は気に入ったかな。」 男はそういいながら少年の背筋をなぞった。少年はモゾモゾと体を動かし、逃れようとするが四肢のない身体ではまともに動けなかった。 「さて、今日からたっぷり遊んであげようと思うんだが…。まずは主人認証からだね。」 そう言うと男は少年の腰を掴んで、手前に引き寄せた。 これから玩具としての長い長い日々が始まることを、少年はまだ知らない──。

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