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前回

洗脳ギルド 01:天才魔術師レナの場合

   冒険者の都市、『ザガン』。  王国に確認されている十箇所のダンジョン。その内の四つのダンジョンの中心に存在する、王都すらも凌ぐほどの大都市である。  そして、ダンジョンで取れた特異なアイテムや『ダンジョン農法』と呼ばれるダンジョン内世界の常に晴れて気温の一定した不可思議な世界観を活かして作られ...

 スペシュールド侯爵。

 五百年ほど前まで遡る王国建国、その日よりも前から王家に仕えてきた忠臣の中の忠臣。

 王家への忠誠とその冷酷さには定評があり、王族の臣籍降下によって生まれる公爵家を除けば、侯爵家第一位という、貴族の最上位に当たる貴き血筋。

 さらに、二代前の侯爵の下に生まれた長女は当時の王太子に輿入れして王妃となっており、現在でも王族との結びつきも強い。

 その忠誠心と実務能力を買われ、王都に次ぐ、いや、王都をも凌ごうという大きな都市となっている『冒険者の街』ザガンを治めている大貴族である。


「……よく来たわね、『黄金の軍』のギルドマスター、キモオ」

「ふひひ。これはこれは、ご健勝で何よりです、ステラリア・スペシュールド様」


 その侯爵家の直系の子女であり、現スペシュールド侯爵であるロック・スペシュールド侯爵の妻であるステラリア・スペシュールド侯爵夫人は、このザガンにおいてトップギルドである『黄金の軍』のギルドマスター・キモオとの面会に応じていた。

 並の貴族よりも強い影響力と資金力を持つキモオとの会談は、今のザガン領主としては重要な案件の一つ。その案件での話し合いとなれば、妻であるステラリアが現れるということはおかしなことではない。

 だが、その背後から背中を小さくしてロック侯爵が現れたとなると、これはおかしい。


「相変わらず、ギルド運営の方は好調なようね。良いことだわ……座りなさい」


 貴族らしく客人を待たせた上で、何の断りもなく上等なソファーに腰掛けるステラリア。それに続いてロックが無言で腰掛け、そして、そこでやっとステラリアがキモオへと着席の許可を出す。

 ステラリアはガチガチの血統主義者であり、貴族至上主義者であった。貴い『青き血』が流れる貴族と、ただの平民の間では確固たる格差があると信じて疑わない女である。だからこそ、父の名も母の名も知らないような、卑しい出身であるキモオのことを徹底的に見下しているのだ。


「これもスペシュールド侯爵家のご協力のおかげです、ふひっ」

「……そう。では、いつものように商談を始めようかしら」


 媚びを売るようなキモオの特徴的な笑みに対して、ステラリアは不快さを隠そうともせずに眉をひそめる。そんな不愉快な顔をしてもなお、ステラリアは美しかった。


 流れる銀糸のようなプラチナブロンドの長い髪を夜会巻きにまとめた上品な髪型。

 肌を晒すこと自体を下品と認識しているのだろう、首元から足首まで覆うようなドレスを纏い、高級だが派手ではないネックレスやブレスレットで身体を飾っている。

 コルセットで締め付けられた腰は異常なまでに細く、また、貴族の食生活によって培われた豊満な女性らしい肉体が強調されている。

 なによりも特徴的なのは、その美貌だ。

 鋭さを残した支配者の瞳、一度として地面に叩きつけられたことなどない高い鼻、赤く化粧を施された肉厚で柔らかそうな唇、全てが神に愛されたとしか表現の出来ないバランスで配置されている。

 その知能はもちろん美貌でも王国で名の知れた貴族夫人、それがステラリア・スペシュールドなのだ。


「では……おい、アンリ。ステラリア様と侯爵閣下へ失礼のないようにご説明しろよぉ、ふひひ」

「かしこまりました、キモオ様」


 ステラリアに対する不快なほどにへりくだった様子とは正反対に、キモオは横柄な態度で自身の秘書であるアンリに声をかけた。

 アンリは、ギルドマスター・キモオの自慢の美人秘書である。茶色の柔らかく膨らんだ髪を三編みにまとめて肩口から胸元に流している才女は、キモオの横柄な言葉遣いになんの否も示さずに忠実に命令を受け取り、そして、ステラリア侯爵夫人とロック侯爵へと資料を提出してから口を開いた。


「では……まずは探索の進捗状況を報告します。

 先月より支援をくださった回復アイテム及び魔術補助の効果を持った装備のおかげもありまして、『山脈』のダンジョンは十分な探索が進んでおります。

 また、新たに加入しましたレナ・ホープという魔術師の活躍もめざましく、来月には『山脈』は第三十階層の壁を超えることは間違いないと思われます。

 ただ、いわゆる古代文明の遺産、『アーティファクト』の新発見は生憎とありませんが、現状はこの三十階層に出現するモンスターと採取できる鉱石の数々の確認に力を────」

「待ちなさい」


 突然、ステラリアがアンリの言葉を遮った。

 戸惑うように顔を上げたアンリへと向かい、ステラリアはその冷たい美貌に見合った冷たい視線と冷たい言葉を投げつけていく。


「アーティファクトの入手が最優先だと伝えているはずよ。そのために貴様らに出資をしているのだから。『草原』と『沼地』の探索分も回してでも奥の階層へと向かいなさい、鉱石の調査はその後で良いわ」


 ステラリアは当たり前のようにこれからの『黄金の軍』の行動方針にとって口を出してくる。アンリはその乱暴ですらある態度にぐっと息を呑んで、言葉を選びながら反論していくしかない。


「ッ……お、お言葉ですが、侯爵夫人。もちろん、一度でも五の倍数の階層に到達したギルドパーティーは次からはその階層へとワープができます。できますが、冒険者の安全のためにもモンスターの調査が最優先です。そこからダンジョンの性質を推測して────」

「なにも調査をするなと言っているのではないわ、ただ、再来月に迎えようとしている、第一王女コーネリア姫殿下の御成人を記念するパーティーまでに新たなアーティファクトが必要とされるわ」

「す、ステラリア……確かにコーネリア殿下の成人記念パーティーは重要だが、長い目で見れば今は調査が最優先じゃ……」

「貴方は黙っていなさい、ロック。所詮、『純粋なスペシュールド』ではない、入婿の貴方にはわからない話です」


 王族への忠誠よりもダンジョンの探索こそを重視したロックの言葉に、ステラリアは苛立ちを隠そうともせずにべもなく叩き切る。

 婿養子であるロックはその言葉に弱い。

 元々、爵位こそロックの物だがこのスペシュールド侯爵家の事実上の当主はスペシュールド家純血のステラリアだ。

 また、このように夫を立てようともせずに『ロック』と呼び捨てにする様を見て、家臣たちもすっかりロックを軽視してしまっており、本人もその侮られた扱いに慣れてしまってきている始末だ。そんなロックに日々刻まれている負け犬根性も気づかず、ステラリアはアンリを見据える。

 支配者特有の威圧的な瞳に気圧されつつ、それでもアンリはなんとか探索優先の方針を維持できないかと口を開く。


「アーティファクトでなければいけないのでしょうか? 希少な宝石類なら、三十階層の鉱石の採取でも可能なのですが……」

「何度も言いいますが、『黄金の軍』への出資はアーティファクトのためよ。それが望めないと言うのならば、出資の打ち切り────とまでは言わずとも、大幅なカットを考慮しなければならないわ。

 我々スペシュールド家は『冒険者の街』を治める貴族、その我々が冒険者の存在意義とも言える『アーティファクトの発見と献上』を行えないなど有りえないことなのよ」

「ッ……!」

「……でも、そうね。例外はあるわ」


 アンリは言葉を返せなかった。

 理が向こうにあるから、というよりも、スポンサーには逆らえないという意味が大きい。

 だからこそ、その後に続く言葉もまた強引な要望であることをわかっていても、その言葉を聞くしかないとも思った。


「もしも、貴方達が『フォレスト大森林』の中にあるとされている『森林』のダンジョンの探索許可を取れたのならば、それは十分にコーネリア王女殿下への捧げものになるわね」

「し、『森林』!? あそこは、それこそ王国が出来る前から存在していた排他的な『エルフ』たちの住処なんですよ!? 『森林』のダンジョンだってエルフたちがその所有権を主張しており、近づくものはエルフの戦士たちに容赦なく殺されてしまうじゃありませんか!」

「だからこそ価値があるのでしょう? 王国建国から指を加えて見つめていたダンジョンの探索権を得られるなんて、これ以上とない王家への捧げ物になるわ」


 だが、ステラリア侯爵夫人の口からこぼれ出た言葉はアンリの想像の上を行くものだった。

 無理難題とはまさしくこのことである。

 見聞を深めるために旅をするエルフはヒュームに対しても好意的だが、それもあくまで旅人であるという自身を省みての言動に過ぎない。

 森林という領地で暮らすエルフは揃って排他的で保守的な性質を持っており、食物の対価交換ならまだしも、『森林に生い茂る木々を材木とさせてくれないか』などと取引を持ちかけようものなら、眉間に弓を打ち込まれた首を晒されることがわかりきっている。

 だから、フォレスト大森林の中にあるとされる『森林』のダンジョンの探索許可などエルフから勝ち取れるはずがないのだ。

 ダンジョンの内部から材木や草木を採取することなど、エルフが許すはずがないのだから。

 それをわかった上で、ステラリアは『黄金の軍』へとふっかけているのだ。


「ふひひ、なら、構いませんよ」

「マスター!?」

「……へぇ?」


 なのに、その無茶振りを『黄金の軍』の最高責任者であるギルドマスターがあっさりと了承をしてしまったのである。


「『森林』のダンジョンですかね? 僕たちはまだ本格的な探索へは手を回せないでしょうけど、その探索権ぐらいなら楽勝ですよ、ぶひっ!」

「……大口を叩いたわね、いいわ、もしも『森林』のダンジョンの探索権をエルフから引き出せなければ、黄金の軍の財産の半分を献上してもらうわよ」

「半分っ!?」

「いいですよぉ」

「了承っ!?」


 アンリはキモオとステラリアのやり取りを大口を開けて悲鳴のような叫びを上げて、動揺をあらわにしてしまう。

 大商会の娘であったアンリでも見たこともない大きな契約が、こんな売り言葉に買い言葉といった体で交わされてしまっている。

 むしろ卒倒して失神しなかったアンリを褒めるべきだろう。


「商談は成立ね。基本の契約は続行、ただし、来月の半ばまでにエルフが所有している『森林』のダンジョンの探索権利を手に入れなければ『黄金の軍』が蓄えた財産の半分をこちらに捧げる。

 ……ロック、契約書を用意しなさい」

「あ、ああ。わかったよ」

「は、はは……黄金の軍、終わっちゃった……絶対無理よ……」


 ステラリアの言葉に従って扉の向こうで控えていた部下に契約書の作成を伝えるロックと、放心して天井を仰ぎ見るアンリ。

 そんな二人を尻目に、キモオとステラリアは嬉しそうに笑うだけだ。


「ぶひひ! じゃあ、これで会談は終了ですかね?」

「……何を言ってるのかしら?

 全く、これだから平民は困るわ。数秒前の言葉すら思い出せないのかしら?

 私は、『基本の契約は続行』と伝えたはずよ?」

「ぶひひっ! そうでした、そうでした! じゃあ、おい、アンリ、お前はさっさと別室で契約書にサインをしてくるんだっ!」

「わかりましたぁ……でも、マスター……今回ばっかりはさすがに無理ですよぉ……」

「い、いいから行けよっ! お、お前は僕のことを信じられないのか!?」

「うっ、そ、そういうわけでは……そ、そうですよね……わ、わかりましたっ! サインをしてきますっ!」


 キモオのその言葉は言葉尻こそ強いが、それは威厳のある声というよりも駄々をこねる子供のような声であった。

 だけど、アンリはまるでキモオの言葉にカリスマを感じたように、暗かった顔をキリッと引き締めて、丁寧に礼をした後に客間を出る。

 残されたのは、キモオとステラリア、そしてロックであった。


「……まったく卑しい女ね。貴方のような醜悪な男に侍って、脚をあんなにも露出させて」


 ステラリアは商家の娘を、つまりは平民であるアンリを蔑む。そして、上品とは言い難い、アンリの大きな尻の形がはっきりとわかるタイトなミニスカート姿を見て眉をしかめた。


「では、今月もやらせていただきますねぇ」

「ああ。そもとして、これほどの好条件の支援をしているのは黄金の軍の成果はもちろんだけど……」


 ステラリアはそこで言葉を区切り、キモオへと向けていた視線をジロリとロックへと移す。

 その視線に怯えるように、ロックは恥ずかしそうに肩を丸めて縮こまってしまった。



「『我がスペシュールド家に平民ながら一大で財産を築いたキモオの優秀な種を組み込む』ことなのだから」



 そう、ステラリアとロックはすでに『奴隷ギルド帳』にサインをしているのだ。


「ぶひひっ! そうですよね、僕の子種をお貴族様であるステラリア様に植え付けるのが出資の条件ですもんね!」

「あ、ああ……そういうことだよ……」


 スポンサーとの契約という体で、本人たちの同意の下にアンリがステラリアとロックの名前を書き込んだ。そうすると、キモオが後からギルド帳へと都合のいい暗示を書き込めば、洗脳貴族の完成である。

 キモオが施した暗示設定は三つ。


『キモオは一代で『黄金の軍』を設立した優秀すぎる男』

『たとえ平民でも優秀な血は取り組むべき』

『だから、ステラリアはキモオと子作りセックスをするし、ロックはそれに同意している』


 細かい調整は実際の面会で行ったが、大まかなルールはこの通りである。


「ええ……我が夫のロックは、我がスペシュールドに劣る新興の伯爵家の出ではあるけど……精が薄いし能力も並。なら、縁を結ぶ以上の価値はないわ。

 結婚という家同士の繋がりはロックと結びますが、このスペシュールド家に混ぜるべき血は、キモオ、優秀な貴方の血であるべきなのよ」

「あ、ああ……そ、そういうことなんだ……キモオくん、その、よろしく頼むよ」


 そう解釈したステラリアは、キモオを平民と見下しながらも、優秀な子種を植え付けてくる種馬として認識して蔑んだ目を向けてくる。

 ロックは己の美しく強気な妻が醜悪な平民に抱かれる屈辱と、自身の性欲が雄として蔑まれるほど弱いと言われる羞恥に落ち込みながらも、平民であるキモオへと妻を抱くように自ら頼むのだ。

 キモオは面白くてたまらなく、ふひひ、と気味が悪く笑った。

 それが不快なのか、ステラリアは眉をひそめる。

 それでもやはり、ステラリアは不機嫌な顔でも美しかった。



 ◆



「うーん、相変わらず大きな寝室ですねぇ」

「こちらの準備は出来たわ。キモオ、早く貴方も準備しなさい」


 スペシュールド夫妻の寝室にて、キモオは下着姿でどかっとベッドに腰掛けた。

 中年太りをした大きなお腹がパンツの上に乗っかかり、ズボンの裾が肉で隠れてしまうようなだらしない肉体である。

 他人の夫婦の寝室でくつろいでいると、バスローブ姿のステラリアが現れた。


「ふひひ、湯浴みをなさったんですねぇ!」

「ええ、子作りをするのに体を清めるのは当然のことでしょう? 香油なども使って、侍女たちに徹底的に磨かせたわ」


 高貴な人妻がわざわざ夫でない平民の男に抱かれるために湯で身を清め、香油で体を整える。

 キモオはその事実を噛みしめるだけでムクムクとチンポが大きくなってしまった。


「では、ステラリア様……ほら、そんな無粋なバスローブなんて脱がしてくださいよぉ!」

「…………」


 一瞬だが、平民であるキモオへと素肌を晒すことにためらいを覚えたのだろう。

 バスローブに手をかけるものの、手が止まってしまったのだ。


「ぶひっ、どうしました?」

「わ、わかっているわ、今、脱ぐわよ……」


 だが、キモオが催促をすればすぐにそのためらいが消え去る。

 パサリ、とバスローブを脱ぎ捨て、床へと落とす。

 晒される、ステラリアの下着姿。


「おお……!」

「ぶひぃっ! 相変わらず最高の変態下着とドスケベボディのコンボでぶぅ!」


 今まででは見ることもなかった下品な下着姿を見て興奮の息を漏らしてしまうロックと、ステラリアの下着と同じぐらいに下品に鼻を鳴らして喜ぶキモオという二人の男。一方で、未だに慣れないのか、ステラリアはその高慢な顔立ちを羞恥で真っ赤に染めていた。

 ステラリアの下着とは純白の下着であった。

 その上下は豪奢なレースで煽られているが、肝心な部位が切り抜かれていた。

 すなわち、ブラジャーならば隠すべき乳房を丸出しにした下乳だけを支えるもので、パンツならば秘所と尻穴が丸見えとなるような、股間と臀部に逆三角形になるように紐が通っているがその間を塞ぐ布という概念の存在しない紐だけパンツである。

 その上でニーハイまでの純白のストッキングをやはり純白のガーターベルトで吊るして、首には下着と同じ材質で出来たチョーカーターが締められている。


「ふひひ、す、ステラリアぁ!」

「きゃっ、い、いきなりっ!」


 そんな姿の美女を見て我慢できるような男は不能かゲイだけである。

 キモオはステラリアへと襲いかかり、ベッドへと押し倒す。

 ステラリアは悲鳴を上げながらも、一切の抵抗はせずに柔らかなベッドへと沈み込む。

 そして、仰向けに倒されたまま、キモオの拙い愛撫を受け入れる。


「んんっ……♥」

「はぁ、はぁ……す、すげえ柔らけえ……! デカさならリンだけど、この癖になる柔らかさは最高だぜぇ……ふひひっ!」

「あぁ、や、やめて、そこ弱っ、んひぃ♥」

「な、なんだこれ、肌が甘いぞぉ……!」


 キモオはステラリアの形の良い美乳へと向かってしゃぶりつく。

 高級な食生活で培われた均整の取れた美しい身体は一級品で、それは視覚だけでなく味覚でも男を楽しませる。指を埋めればしっとりと沈み込み、舌を這わせばまるで果実のようなほんとりとした酸味と甘さが伝わってくる。

 キモオは言葉遣いを正すことも忘れてステラリアの身体を貪る。


「んっ……あぁ……そ、そこ……もっと、中心を、ひぃぃ♥」

「ぶひひ、乳首をしゃぶってほしいのか、この変態貴族めっ!」


 何度も言うが、キモオの愛撫は拙いものである。己の動きたいように動く、相手の女性がどう感じるかなどまるで考えていない自分本意な愛撫、いや、接触だ。それでいて乱暴な言葉遣いをステラリアへと浴びせかける。

 だが、ステラリアは顔を紅潮させ、背中を震わせ、腰を浮かし、キモオの行為の全てを受け入れている。これもまた洗脳の効果である。ステラリアはキモオの全ての言動を受け入れ、人一倍に感じてしまうような身体と頭になってしまっているのだ。


「れろれろぉ……ぷはぁ、うめえ……! 貴族様のおっぱい、うめえ!」

「ふわぁ、き、キモオよ、アソコが切ないの……ど、どうか、触って……♥」

「んんぅ~? アソコってどこでぶか? 僕は平民だから貴族様の上品な言葉だとわかんないことが多くて、ぶひひっ」

「お、オマンコよっ、オマンコにそのぶっとい指をいれてぇ……♥」


 下着についた白いフリルを揺らしながら、腰を上下に振ってマンコへの指マンをねだるステラリア。

 上品な女とは程遠いその姿に、キモオはぶひひと笑みを漏らし、その太く短い指を突っ込んだ。


「おっ、おおぉぉ……♥ んっ、ああ、いい、いいわぁ♥」

「ふふ、激しくしますよぉ!」

「あっ、あっ、ああぁぁぁぁぁっ♥」


 ぶしゅぅ、と。

 ステラリアは仰向けの体勢のまま指のつま先をピンと立てることで腰を浮かして、そのオマンコから潮を吹いて絶頂に達した。

 その時間、まだ数分である。

 高貴で高慢なる貴族夫人は、完全にキモオにとって都合のいい女の身体へと変貌していた。


「はぁ……はぁ……♥」

「ぶひひっ、僕もすっかりガチガチになっちゃいましたよぉ!」

「あぁ……す、すごい……ふっとい……♥」


 ぐったりと身体を寝かせている中で、ステラリアの手がキモオによってチンポへと導かられる。すっかり黒光りしたヤリチンチンポへと変わった、キモオのデカチンを触ってステラリアは淫靡に笑ってみせた。

 それは、娼婦の笑みであった。

 キモオはその笑みを見て、やはり嬉しそうに笑った。


「ぶひひ、でも、このままだと浮気になってしまいますからねぇ……ステラリア様はともかく、僕みたいな平民がお貴族様のご夫人とセックスをしたら打首待ったなしなんだなぁ」

「あ、ああ、そうね。でも……安心しなさい、キモオ。ほら、ロック、いつものとおりにしなさい」


 何度もセックスをしているくせに、勿体ぶるように言うキモオ。

 それを見てステラリアはじれったさを隠そうともせずに、快感によって蕩けていた瞳を一転させてロックへと冷えた視線を向ける。ロックはといえば、その冷たい瞳にビクリと身体を震わせ、ゆっくりと口を開いた。



「お、お願いします……キモオ様……このスペシュールド家に相応しくない種の持ち主である私の代わりに、ステラリアの子宮を蹂躙してお子をお授けください……」



 言い終えると、ロックは絨毯の上で座り込みながら、ベッドに腰掛けるキモオへと向かって頭を下げる。

 土下座であった。

 新興とは言え立派な貴族であるロックが平民のキモオへと、妻を抱いてくださいと懇願してくる。

 歪んだ興奮がキモオの背筋を駆け上がり、脳はその興奮をチンポへと伝える。

 ビキビキと、これ以上勃起しないのではと思っていたチンポがより強く勃起した。


「ぶひひ、お貴族様に頼まれたら断れませんよねぇ! わかりました、この卑しい平民の遺伝子をステラリア様のお腹へと植え付けちゃいますよぉ!」

「あぁ……早く、早くきなさい、キモオ! もう我慢ができないのよ!」

「くぅぅ……」


 ステラリアもまたベッドの上で大きく足を開いた。淑女教育では絶対に許されない、オマンコを男へと見せつけるその動作はキモオによって仕込まれた動作である。

 陽に当たることを良しとしない貴族だけが持つ白い肌が快感によって真っ赤に染まっており、さらにはプラチナブロンドの髪の毛と同色の陰毛が汗で濡れた様子さえも淫靡な、最上級の娼婦であった。

 夫であるロックが土下座をしている姿を見下ろしながら、妻であるステラリアがオマンコを広げながら自身を求めている。その光景こそが何よりもの精力剤となると言わんばかりに、キモオの自慢の逸物チンポはビキビキと固く勃起をするのであった。


「よ、よしっ、挿れる! 挿れますよぉ、ステラリア様!」

「早く、挿れなさいっ……ぉぉぅっ♥ おぉぉ、ほぉぉぉっ♥」


 ずぶずぶずぶずぶぅぅぅう……ずぶずぶ、にゅぷぅぅう、ずぶぅっ!


 キモオが自慢のチンポを挿入していくと、侯爵夫人という高貴な女性であるはずのステラリアはその真っ白な喉をさらけ出して無様なオホ声を漏らしだす。

 当然、数年前までは夫のロックであっても一度として聞いたことのなかった声である。

 それを『キモオの優秀な血統を受け入れるための子作りセックス』をするようになってからというもの、常に聞くようになってしまった。

 完全な政略結婚であったロックとステラリアだが、ロックという男は苛烈ではあるものの高貴というものを形にしたようなステラリアを愛していた。

 その妻が、どこの馬の骨かもわからない平民に抱かれてしまっている。

 絨毯の上で跪いているロックは、その屈辱を感じて性的な興奮を覚えてしまっていた。

 『自分ではない男に愛する妻が抱かれていることは何よりも屈辱であるが、同時にどんなセックスよりも気持ちいい』のだから当然である。


「おぉぉっ♥ い、良いっ♥ いいわっ♥ こ、このぉ……わ、わたくしのオマンコをミチミチと開いていく平民デカチンポぉ♥ ち、力強さを感じて……お母様譲りのスペシュールド産オマンコがじゅくじゅくと疼いて悦んじゃってるのぉ♥♥♥♥♥」

「ふひひ、相変わらずステラリア様の年増オマンコはキツキツですねぇ♪ ねえ、ステラリア様? どうしてステラリア様のオマンコはこんなに狭くてきついんですかぁ?」

「そ、そんなの……そんなのぉ……♥」


 チラリ、と。

 視線を蕩けた瞳で床に跪く建前上の夫を見つめる。

 無様に下半身だけを露出されたことでむき出しになった、勃起しているはずなのに親指ほどしかない粗末なチンポの大きさを見て、ステラリアは残虐なまでに美しい笑みを浮かべる。


「そんなのっ、そこの男のオチンチンが粗末な短小雑魚チンポだったからよっ♥ わ、わたくしのオマンコの半分にも届かずに、処女膜をなんとか破けたことを自慢にするような、平民以下の雑魚チンポっ♥ そ、そんな雑魚チンポとしかセックスしていなかったから、私のオマンコはこんなにも未開発な、せっま~いキツキツオマンコなのよぉ♥」

「おぉっ! それは失礼しました! 侯爵閣下は短小粗チンだったとは……いやいや、何度も聞いているというのに、この大都市を治める大貴族様の姿からは想像もできずに、いつも忘れてしまうのですよ♪」

「そ、そんな貫禄なんてあの男にあるわけないじゃない♥ 三年前に政略結婚で私と結婚して、未だに子供を孕まされる事もできない雑魚チンポっ♥ 大きさも粗末な精力だってない、雄失格の男なのよぉ♥」

「それはそれは……ステラリア様はこんなにも感じやすく、興奮して子宮が降りてきやすい体質なのに、三年も子供を孕ませられないとは……ぷっ、くっははっ! ザマア! 貴族ってだけでこんないい女と結婚できるなんて生意気なんだよ、この粗チン野郎!」


 今までの表向きは丁寧な言葉づかいがついに取れてしまい、堪えきれないようにロックへと罵声を投げかけるキモオ。

 だが、ロックもステラリアもそんなことは気にしない。

 『キモオが発する汚い罵声はセックスを盛り上げるための、平民が貴族に向ける献身の言葉だから、それに怒りを示すのはむしろ恥ずかしいこと』なのだから当然である。


「そ、そうよぉ♥ スペシュールドの女は、性欲の強いド変態な牝なのにぃ……♥ 婿入りしてきた男は、ずっとうまく子供を孕ませられないのよ♥ わたくしの、ぅぅんっ♥ お父様も、お母様に支配されている雑魚雄だった、わぁっ♥」

「ぶひっ! ど、どうせお前」

「おぉぉぉぉぉぉっぉぉっぉぉっっ♥♥♥♥♥♥♥♥」


 ずぶぅ、じゅちゅぅぅ、ずぶずぶずぶぅぅぅぅぅ…………ドンッ!


「そ、そうでしゅぅぅっっ♥ わ、わたしたち、変態女、だからぁっ♥ ちゅ、ちゅよい男に抱かれるとしっぽを振って支配されたがるマゾ牝だからぁ♥ わ、わざと雑魚雄を選んで婿にしてるんですぅっ♥ 最低の変態マゾ女でも支配できるような雑魚雄じゃなきゃ、お家が乗っ取られるからビビってたんでしゅぅぅっっ♥♥♥♥」

「ス、ステラリア……」


 勢いよく子宮へとチンポを突きつけると、ステラリアはアヘ顔を晒しながらそんな言葉を口にする。

 政略とは言うものの、それはお前が雑魚雄だったから選んだという事実を明かされて愕然とする夫のロックだが、それでも股間のチンポは粗チンなりにそこそこの固さを増していくのだった。


「で、でもっ♥ でもでもぉっ♥ あ、あなたのチンポでその変態マゾが目覚めちゃったのぉっ♥ ぜ、絶対に出しちゃいけないのにっ♥ お母様もお祖母様も、そんな予感を抱きながらも必死に我慢してマゾを隠して生きてきたのにっ♥ あ、あなたのチンポでわたくしだけが変態マゾに目覚めちゃったぁ♥」

「でも、気持ちいいんでしょう?」

「ええっ♥ ええっ、そうよっ♥ 気持ちいいっ♥ オチンポに負けるの、すごく気持ちいいっ♥」


 スペシュールドの牝がマゾ、これは事実である。

 生来の性質というもので、どうしようもないほどに牝としての性的な強さが貧弱なのだ。

 それでいて男好きするような豊満な体つきと、男を見下すような冷たい美貌を持っているのだから、まさしくチン負けするために存在するような血筋である。

 歴史の中では実際にチン負けをしてしまった女が多く存在するが、そう言った牝は人知れず『病弱』になってしまい、僻地に『療養』に行ったものの、『病死』してしまうのだが。


「オラオラぁ! こ、こんな爆乳ぶるんぶるん揺らしときながら、母乳が出せない牝失格の女がっ! そ、そろそろぼくの子種で孕みやがれ!」


 それを隠して繁栄してきたのだが、キモオが持つ特殊なアーティファクト、『奴隷ギルド帳』にスポンサーとして記入してしまったことによって、数百年の歴史を持つスペシュールド侯爵家のマゾの秘密が解き明かされてしまったのだ。


「あぁっ♥ チンポ硬いっ♥ 太いっ♥ わ、わたくしの高貴なオマンコが平民に耕されている♥ わ、わたしくしのぉっ♥ 500年に渡って繋いできた、尊いスペシュールドの子宮がっ♥ へ、平民ザーメンの下賤な種で孕まされてしまうぅぅぅっ♥♥♥♥♥♥」

「うおぉぉぉ、孕めっ、孕めぇぇぇ!」

「きてっ♥ 睾丸の中身が空っぽになるまで、わたくしのオマンコの中に注ぎ込んでぇ♥ 平民だけど超優秀な、最強ギルドのマスターザーメンで孕ませてぇぇぇぇ♥♥♥♥」


 びゅるるうぅぅぅ! どびゅっ! どぶびゅるるるぅぅ! びゅびゅぶぅぅぅぅぅぅぅぅうぅぅぅぅ!


「イクぅぅぅぅっぅっ♥ へ、平民ザーメン受けて、オマンコが悦んで、受精したくて子宮がキュンキュンうねってイッちゃうぅぅぅぅぅぅ♥♥♥♥♥」

「くぉおぉぉっ! お、オマンコが締め付けてっ、射精チンポをつつんできてぇ……た、たまらん!」


 キモオは腰を震わせながら一番奥へと精液を流し込んでいく。

 その震える腰へとステラリアのむっちりとしながらも肉付きのよい脚を回して、『だいしゅきホールド』を無意識にしてしまうのだった。


「ふぃぃ~~……♪ えがった、えがった♪ やっぱり貴族のオマンコはリンやアンナ、レナみたいなのとは違うなぁ~♪ それに、イイものを食べてる上で運動不足なのか肉がたっぷり載ってるのもたまらんね♪」

「おほぉぉ……ほぉぉ……♥ ざ、ザーメンいっぱいぃ……♥ ぜ、絶対、孕んだぁ……♥ こ、このオチンポ、しゅごしゅぎるぅ……♥」


 ステラリアの先程までの冷たい美貌は快楽で蕩けきっており、アへ顔を晒しながら間抜けな声を上げている。

 キモオはそんなステラリアからチンポを引き抜くと、その美しく、侍女たちから毎日丁寧に手入れをされている艶やかな髪を手にとって、愛液とザーメンで汚れたチンポを拭っていく。


「おっ、おっ♪ 貴族様の上等な髪でチンポの汚れを取るのたまんね♪ ふひひ♪ それでは侯爵様、奥さんのオマンコ、ゴチでした~♪ 今回は孕ませるんで他人の棒と種で生まれた赤ちゃん、きちんと育ててくださいね~♪」

「あ、ああ……ありがとう、キモオくん。感謝の証として、これはスポンサーとしてではなく個人から……ポケットマネーだから少ないが……」

「ありがとうございま~……うわ、マジで少ないじゃん。こんなのじゃ一日のカジノで遊ぶ金にもならんし……マジで使えんな、この雑魚雄」

「す、すまないね……」


 愛する妻をそんな風に粗雑な扱う醜男に対して、侯爵という王国においては絶対の権力を持っているはずのロックは、『犯してくれてありがとうございます』と頭を下げた上で、さらには自身の懐から報酬を出す始末。しかも、その報酬を少ないと毒づかれているにも関わらず、それを本当に申し訳ないという様子で謝罪までしているのだ。

 ロックという男は、『奴隷ギルド帳』とそれに並ぶほどに強力な洗脳能力を持つアーティファクトによって認識を歪められた上で、マゾヒズムというものを植え付けられている。

 端的に言うならば、この情けない雑魚雄はキモオには絶対に逆らえない上に常にご機嫌を伺わなければ怖くてしょうがない負け犬になっているということだ。


「さてさて、スポンサーについてもらって半年が経ちますし、ギルドとしても次の段階にも移るし、貴族オマンコから王族オマンコに繋がれそうだし……そろそろ『避妊をやめて孕んでもらおう』かなぁ♪」


 そんな情けない男のロックと間抜けにアへ顔失神を晒しているステラリアを尻目に、キモオは怪しげな言葉をひとりごちる。

 キモオは『奴隷ギルド帳』によって、『ステラリア・スペシュールドの体はキモオの許可がしなければ妊娠することは出来ない』と記入しているために、これまでステラリアは子を孕むことはなかった。

 だが、この王国の第一王女であらされるコーネリア殿下成人記念パーティーがある。

 そこにスペシュールド家お抱えのギルドとして近づき、黄金の軍が所有する幾つもの『アーティファクト』を用いて王族を洗脳することも現実的に可能となっているのだ。

 ようやく、ステラリアを孕ませて、ボテ腹プレイを楽しもうという気になったキモオは『ふひひ♪』と不気味で不細工な笑顔を浮かべる。


「お、おほぉぉぉ……♥」

「ス、ステラリア……」


 そんな醜悪な怪物の様子を『認識できない』ようにされているロック・スペシュールド侯爵は、愛する妻のステラリア・スペシュールド侯爵夫人の無様なアへ顔を見ながら、ぴゅるぴゅると情けない負け犬射精をしてしまうのであった。


(続く)


次回

洗脳ギルド03:剣聖ダイドウジ・リンの場合

前回    これは冒険都市ザガンに存在する訓練場の中の一つでの出来事である。  背丈、服装、顔立ち、装備。   そこに集まった人間は数十人という大規模な人間が大きな円を描くように、何一つとして共通点のない六人の男たちが、一人の美女を取り囲んでいた。  普通ならば、美女が野蛮な男たちに襲われてしまうこと...


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