素体を描く際に気をつけていること【手編】 (Pixiv Fanbox)
Content
今回はタイトル通りのことについて少し掘り下げた解説をしていく記事になります。
素体といよりラフを描く時と言った方が近いかもしれませんね。
【比率を考える】
早速ですが、上の図の絵、どちらの方が自然に見えますか?
…好みなどを除けば通常はBの方が自然に見えると思います。
絵においての手の比率というのは絵自体の印象に大きく関わってきますので
素体を描く時に気をつけている部分です。
手でなくとも、いくら顔がよく描けたからといって、どこかの比率が通常の感覚よりズレてしまうとそれが違和感となり、そこばかりが気になってしまう=上手くない印象に繋がる要因となってしまうからです。
実は私、この失敗をよくやっておりまして、
細かい部位を描くときにその箇所をアップにして描いてしまい、全体から見てのバランスがおかしくなっているケースというのが間々ありました。
しかもこれ描いてる時にはなかなか気づかないので厄介なのですが、
別モニターに同じ絵を映したり、ちゃんと全体を見ながらラフを進めるしか現状対策は無いのでそれをやりつつ、バランスをとっています。
結構プロの方でも、特にバストアップ時になってるな〜というのをお見かけするのでやはり自分で気づくのは難易度が高いのでしょう。
ここでよく参考にされるのが「手と顔の比率」というものなのですが、
検索をかけると「手は顎から髪の生え際まで」などいろんな画像がでてきますが、もう少し詰めて言うならば
男女でも若干比率が変わってくることです。
身長はどうあれ、女性は男性より一回りほど顔に対しての手の比率が小さくなります。
これって結構重要でして、
男性をよく描いてる作家さんはたまに女性を描くと手が大きく描きがちだったり、その逆もしかりですので、キャラクターの書き分けの際にも、このことを知っているだけで少し意識も変わるかと思います。
リアル調の絵柄でもより漫画的な絵柄でも先ほどの比率に当てはめれば
大体絵として違和感のない範囲に収まるのではないかと考えています。
【イメージに準じてデフォルメをする】
さて、前述しました通り人体には大体の比率というものがございますが、
なんでもきっちり当てはめりゃいいというものではございません。
デザインとして比率を大まかにいじる事も多々あります。
SDキャラだったり、子供っぽい・可愛らしい印象を強くする際には
手足はより小さめにデザインしたりします。
何故かといえば「可愛いから」
人間の脳は小さくて丸いものを可愛い、守ってあげたいと思ってしまうプログラムがあるらしいので(赤ちゃんとか・小動物とか)
そう感じてもらえる様に「絵の嘘」をつくのです。
逆に、スタイリッシュやかっこいいイメージにしたい場合は
手足を大きく描写し、少し角ばった安定感のあるデザインにします。
この辺りは「自分の描きたいものはどういう絵なのか」というものに
合わせていけばいいと思います。
比率を知ることは必要ですが、それを必ず守ればいいというものでもないのです。
全部比率で測った絵は固くなってしまいますよね…ですが断然知っていた方が有利になる知識です。自分に必要だと感じた段階で学ぶと良いかと思います。
さて、
散々言い散らかしましたが簡潔にまとめますと
男性の手は大きめに描く(無骨さやかっこよさを出したい)女性の手は小さめに描く(繊細さや可愛さをだしたい)様に気をつけていますというお話でございました。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
少しでも何かの気づきになれば幸いでございます。
おまけ↓
タバコ(みたいなもの)を持つ男性の手ってなんであんな良いのか…最あんど高。
中性的な子は描きたい絵の雰囲気で女子寄りか男子よりの手か選んだりもします🤗
ではまた次回。