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「……さて、この蛮行を働いた理由が何なのか。説明してもらわねばならんのう」


 スメール教令院ハルヴァタット学院舎、知論派古典ギミック工学研究室の旧実験場にて。

 長々とした正式名称に反して、つまりは"時代遅れとして凍結されたギミック機構の実質的な廃棄場"である場所に、苛立ちを押し込めた少女――――ファルザンの尊大な声が響いた。


 新たに運び込まれたと思しき実験台の上に大の字で拘束された状況。腕や脚を動かそうとしても拘束用の縄が軋むばかり。

 おそらくは若い学生から受け取った"差し入れ"の紅茶が良くなかったのだろうと状況を俯瞰で分析しながら、ファルザンは自分を見下ろす不気味な男――――仮面で顔の大半を隠した男に問いかける。


「これは驚いた。まさか説明が必要とはね。

 偉大なる先達を名乗っておきながら、この状況一つ分析できない無能とは」


 だが苛立ち混じりのファルザンの言葉を、仮面の男――――"博士"は冷淡に切り捨てる。

 認めるのは癪だが、スメールにおいて自らに比肩しかねないと考えていた智者—―――草神クラクサナリデビや書記官アルハイゼンに並ぶと目していた少女の問いに、彼は失望を隠そうともしない。


 そしてそんな失望を隠さない態度は、転じてファルザンの内側に怒りを駆り立てる。

 態度に敬意が欠片一つも存在しないこともそうだが、そもそも研究者として最低限の倫理すら持ち合わせていない男がスメール教令院の白衣を纏っている時点で、ファルザンからすれば認めがたいにも程がある。


「実験においては、被験者の同意のための説明がまず必要と教わらんかったか?

 被験者を眠らせ、強制的に実験台の上に拘束するなど研究者として言語道断。恥を知れ」


「……成程、結構。心底つまらぬ倫理観を振りかざすものだ。

 とはいえ私は貴様の意思など重要視してはいない。重要なのはその身体だけだ」


 だが結局のところ、ファルザンと"博士"はどこまでも噛み合わない。

 "学者"としての誇りを尊ぶか否か。双方同じだけの頭脳の冴えを持ちながら、その一点において対極を向いている二人。

 しかし二人はこの状況においてのみ、明らかな優劣の関係となってしまっている。


「…………儂に手を出すつもりか?」


「ああ、”キングデシェレト遺跡からの生還者”という貴重なサンプルとしてな。

 肉体と精神の著しい乖離と、その上での安定化—―――しばらく作るつもりもないが、新たな”断片”に応用できる真理に繋がっている可能性も捨てきれんのでね」


 言いながら“博士”は懐からボールギャグを取り出し、さも当然のような手つきでそれをファルザンに噛ませ、減らない口を強制的に封じ込めた。

 呻き声と共に翠玉の目が"博士"を睨み、けれどそんな抵抗にもならない抵抗を冷酷に切り捨てながら、”博士”はまず鋏を手に取り"被検体"を実験に適した形へと整え始める。


「んっ!?んんぅぅっ!んん――――っっ!!」


「暴れようとするな。被検体は完品の状態で実験を始めたい。

 加減してはいるが、刃が肌に滑っては裂傷になってしまう危険性もある」


 カチャカチャと音を立てて華奢な身体を彩る装身具を外し、それから清楚なワンピースに鋏の刃を滑らせていく。

 柔らかそうなボディラインを強調する薄手のシャツ部分と、ふわりと膨らむスカート部分。それらを等しく刃が断ち切り、やがてファルザンはまず下着姿にまで剥かれてしまった。


「んぅぅっ!んむ、んぐっっ!!んんっ!んんんっ!」


「頭に響くほどには喧しいが……実験には被検体の反応も必要か。

 それに"羞恥"についてのデータも取れる。そのままわかりやすく喚き続けるように」


 晒された華奢な身体と、上下ともに純白で揃えられた下着。

 言葉を封じられたファルザンが必死に呻き、羞恥に顔を染め上げる中で、それでも"博士"はどこまでも冷酷に、興奮一つ見せることなく純白の下着を剥ぎ取っていく。


 ブラジャーの布地が断ち切られ、清楚なレースで華美にならない程度に彩られた薄布が、ホックを正しく外される事もなく奪い取られる。

 ショーツも同様に布地を不可逆に断ち切られて、一切の容赦も躊躇もなく奪い取られた挙句に、ただ実験台の下の床へと丸めて放り捨てられた。


 容赦も躊躇いも、それどころか興奮も欲情もない。

 実験動物に向けるのと同じ態度で全裸を晒されて、ファルザンは顔を羞恥で真っ赤に染めながら、可憐な顔立ちを必死の怒りに染めて”博士”を睨むしかない。


「ふ、ぅぅぅ……っ!!っ、うぅぅ~~~~…………っ!」


「ふむ……肉体年齢としては十代半ばから後半—―――否、発育が悪いだけか?

 乳房の平板さや陰毛の生え揃い方から見ると第二次性徴の最中のようだが、当時の教令院のしきたりと照らし合わせて考えるに、遺跡調査に同行できる年齢には達していなければ論理的整合性が失われる」


 だが当然、”実験動物”の羞恥や感情を慮るほど”博士”は有情ではない。

 続けざまにファルザンに与えられたのは、詳細に裸身を観察されるという羞恥で、全身を這いまわる視線の冷徹さにファルザンは慄きながら身を硬くする。


 コンプレックスでもあった小さな胸と、陰毛の痕跡すら生じなかった無毛の秘部。真っ白に透き通るような滑らかな肌。

 そして裸身に視線を這わされている事が理解できてしまえば、ファルザンの身体の奥底からはより深いコンプレックスがむくむくと這い出てきてしまう。


「ふ……ぅぅぅ……んぁ……っ!」


「……ほう、これは随分と異なことだ。触れてもいないのに乳頭部が勃起するとは。

 では折角だ。まずは生理的反応の実験として、少しばかり身体感度を引き上げさせてもらうとしよう」


 昔からコンプレックスだった、性感帯の異常なまでの敏感さ。

 自分で慰めるために触れる――――触れようと意識するだけでゆっくりと屹立してしまう程に敏感だった乳首や秘部。

 それらはこの屈辱的な状況でも一切変わることなくそそり立ち、あるいは内側から微かに潤みを帯びて媚肉を柔く蕩かしてしまう。


 薄く華奢な、それでも僅かながらに膨らみを確認する事の出来る真っ白な乳房。その中心で屹立する薄桃色の小さな肉芽に這わされる”観察”の視線。

 触れられもせずにピクピクと軽く跳ねる程にまでその感度が高められ、それから”博士”は薄紫色の溶液が入った注射を屹立しきった乳首へ注ぎ込んでいく。


「んぎ……っ!?ふ、ふぁ、ふ、んぅぅっ!?

 んぁ――――っっ、は、ぁうっ!んぅうぅんぐぅぅ――――ッッ!!」


 小さくも敏感な肉芽に細い針が突き刺され、その内側に冷えた薬液が注がれていく恐怖。

 無様な呻き声を響かせ、ビクビクと身を震わせ――――そして薬液の全てが華奢な右乳首に注がれ尽くしたところで、すぐさま華奢な身体が実験台の上で幾度か跳ねる。

 右乳首が異常なほどに熱く、猛烈な痒みを発するように疼いて仕方がなくなって、ファルザンの目が何かに弾かれたように大きく見開かれた。


「んぅっ!?ぅ、んぁぁっ!

 ぁ、んぁ、んぅうぅん゛っ!?ん゛んっっ!!」


 今まで感じた事のない強すぎる性感。

 それは”右胸の先端”というあまりに僅かな場所から瞬く間にファルザンの全身を駆け巡り、一瞬で思考の全てを"痒み"と"疼き"によって染め上げる。


 カタカタと震え、のけ反るように無意識に持ち上がってしまう腰。

 触れられてもいない筈の秘部がひくひくと蠢いて、その内側から浅ましく淫らな蜜を垂れ流してしまっている事が、ファルザンには感覚だけで理解できてしまっていた。


「ん、ぁ、んぅぅぅ……っ!は、ぁ、はぅ……っ!

 ふ、ふーっ、ふーっ、ふーっ、ふー…………っっっ!!ぅぅぅ!」


 研究に明け暮れ、若い時分にキングデシェレト遺跡に封じられたファルザン。

 そうでなくとも人との関わりを不得手とする彼女は、その可憐で美しい容姿に反して恋愛というものを一度とて経験したことがない。

 ファルザンが知る”男性”とは『導かねばならない後進たち』か『権力を振りかざす爺ども』かで、彼女は異性と唇を重ねるどころか手を繋いだことすらもないのが現状だ。


「生理的反応は、およそ予想通りに常人と変わらんらしいな。

 ……だがデータは多く詳細であるほど良い。もう一方にも同じものを注いでみようか」


 徹底的に無垢な身体。生得的な感度の高さを有した華奢な肢体。

 それを興奮の様子一つ見せる事もなく、"博士"はあくまで被検体として嬲っていく。


 右の乳首に注入されたのと同じ、薄紫色の薬液が満ちた注射器。

 注射針が近づくごとに増していく悲痛な呻きを黙殺しながら、彼はゆっくりと小さな肉芽に注射針を差し込み、眼下で反応を見せる実験体の少女の様子を無機質に観察し続ける。


「く、ふぅううぅぅ――~~――ッッ!!か、ぁはっ!ん゛ッッ!!

 んぅっ!ぇ、ぁ、けふっ!!か、んぅぅっ!!んぉっ!む、うぅうぅ――――っっ!!」


 左乳首から注射針が引き抜かれると同時に、無垢な身体が大きく跳ねて、貞淑に閉じた秘部から淫らな蜜が迸っていく。

 雷に打たれたように痙攣する華奢な身体は、決して比喩ではなく内側から痺れに――――数倍に希釈された雷元素によって侵され、強制的に生理反応を励起され続けてしまう。


 ピリピリと内側から刺激を与えられ、小さな乳首は触れられもせずにぷっくりと屹立しきって、ひどく淫らにひくひくと打ち震える。

 華奢な乳房に違わない薄桃色の小さな肉芽は、けれど確かにその場所に存在している事を主張しているかのように喧しく性感を叫び続けてしまっていた。


「訂正しよう。生理的な反応それ自体は、どうやら一般よりも相当敏感であるらしい。

 となれば次に考察すべきは、これが遺跡に満ちるキングデシェレトの神威による変化なのか、それとも生得的な体質なのかだが……」


 実験台の上で両手両足を大の字に拘束され、必死に腰を持ち上げて痴態を晒す美少女。

 呻き、喚き、顔を羞恥と屈辱に染めて、それでも抗いきれずに無毛の秘所から断続的に潮を噴く有様を眺めながら、"博士"は冷酷に思考だけを巡らせる。


 口に噛ませたボールギャグを外し『敏感なのは生来か?』と問う方法はある。それは確かに最も簡便な手段ではあったが、相手は知論派の学者だ。

 問答でも挑まれれば鬱陶しいことこの上ないと思い直し、"博士"はあくまでデータとしてファルザンを分析することを決めた。


「んぁっ!ぁ、ふぐっ!ぉ、んぅぅおぉおぉ~~~~っっ!!

 は、ぁ、ぁがっ!かは、ぁあぁっ!んぁ、ぁ、ぁうっ!ふ、ぁあぁぁっ!」


「…………それにしても、先ほどから拘束が不十分だな。

 被検体の保管には注意を払っておけと、あれ程までに言い聞かせたというのに」


 媚薬によって全身を内側から責められ続け、唯一自由に動かせる腰を持ち上げて無様に叫びながら絶頂し続けるファルザン。

 "博士"はそれを鬱陶しそうに仮面の下から睨みつけ、それから片手でゆっくりと持ち上がった腰を台上に押さえつける。


「ふ……っ!っぁ、ぁ、ぁうっ!んぅぅぁあぁっ!

 あぁぁっ!あ゛っっ!!んぅうぅぐぅぅ――――ふ、ぐ……ぅうぅっ!!」


 気休め程度にでも快楽を逃がすための動作。冷酷にそれを封じられ、ファルザンはその表情に明らかな絶望を宿しながらそれでも果て続けてしまう。

 だがそれでも、その程度の事は”絶望”には程遠い。”博士”は華奢な腹を片手で台に押さえつけながら、もう片方の手に握った"機構"をひくひくと蠢く秘所へと近づける。


「ふ、ぁ、ぁぐっ!?ふ、ふぅぅっ!んぐっ、んんぅ!」


 スメール各地に群生する茸類か、それとも生物の雄性個体が有する男性器か。

 ともかくそのような形状をした器具が濡れそぼった秘部に押し当てられると、くぐもった中でそれでも示される抵抗の呻きが一層激しさを増した。


「んむぅぅっ!んぐっ!ぅうぅぅぅっ!んぁっ!ぅ、うぅぅ――――っっ!!」


「暴れるな。抑え込むための労力が無駄になる。

 ……まったく、次はもっと拘束具の多い実験台を使うべきだな」


 目を潤ませ、いやいやと首を振り、抑え込まれた腰を必死で跳ね上げようとするという、あまりにも哀れましい必死の抵抗。

 けれど"博士"はそんな抵抗を一顧だにする事もなく、ただただ実験のためのデータを得るべく、濡れそぼった秘所に押し付けた機構のスイッチを押し上げた。


「んぁっ……!は、ぁ、んぅぅっ!んぐっ!ん、んぉっ!

 ――――ぁ、あ、ぁ、ぁ、あ、ぁ、あぁんぅっ!!んぅうぅぁあぁぁぁ――――ッッ!!」


 ブブブブブブ、と虻や蜂の羽音のような低い振動音が響く。

 けれどそんな音は瞬く間に絶叫で埋め尽くされ、機構を握る”博士”の手を、華奢な秘部から噴出した潮の飛沫が勢いよく濡らした。


 微弱な雷元素を内側に宿し、機構の先端を高速で振動させる”拷問具”。

 "富者"だとか"淑女"が捕虜の女を拷問するのに好んで用いる器具だったが、"博士"は初めて用いたそれの効果に『なるほど確かに』と少しばかりの納得を得て頷いた。


「"拷問"などという下劣な手段に用いられる道具と思って、少しばかり侮っていたが。

 確かにこれは使い勝手がいい。生理的反応を強制的に容易く引き出すことが出来るとは」


「ふ、ぁうっ!んぁあぁぁっっ!!んぐっ!ぉ、あぁあぁぁぁっっ!!

 ふ、ぁ、ぁうっ!んぐぅうぅぅうん゛っっん゛んぅうぅぅ――~~~~~~――ッッ!!」


 だが"博士"の言葉は、ファルザンの耳にはもう届いてすらいない。

 そもそもが敏感な身体を媚薬で更に鋭敏化させられ、その状態で秘部を振動によって嬲られる。そもそもが"拷問"でしかないそれを受けて、ファルザンは機も狂わんばかりに叫び続けるしかなかった。


「ふ、ふぁっ!?んぅっ!んゃっ!!ぁ、あ、ぁうっ!うぅぅぐっ!

 う、ぁ、ぁ、うぅぅっ!んぅぅっ!ん゛ッッ!ふ、ふぁ、ぁ、んぅぅぁあぁっっ!!」


 台の上に抑え込まれた腰が、どうにかして快感を逃がそうとビクビクと跳ねる。

 けれど見目通りの少女同然でしかないファルザンの力では、強く腹部を抑え込んでくる"博士"の手を跳ねのける事など出来るわけがない。


「ふぐ……ッッ!!ん、んぁっ!

 ぁぎぅっ!は、ぁ、あぁぁっ!あ゛……………ッッ!!」


 そうしている間にも、低い振動音の中に淫らな水音が混ざりだす。

 貞淑に閉じていたはずの秘部は終わりのない振動の中でひくひくと蠢き出し、内側の媚肉の蠢動を微かに晒しながら、淫らな飛沫を噴き出すまでに至っていく。


「生理的反応そのものについては、さほど問題があるわけではなさそうだ。

 ……とはいえ、やはり異常な感度の良さは気に掛かる。今少し実験に付き合ってもらうぞ」


 そしてそこから更に、当然のように続けられる"実験"。残酷に強められる、秘部に押し当てられた機構の振動が一層深くまで少女の心身を嬲る。

 響く呻き声がより甲高くより哀れましい響きへと変わり、勢いよく噴出する潮の飛沫が饐えた実験室の空気に"雌のにおい"を刻み付けていった。


「ふ、ふーっ、ふーっ、ふ、ぅ、ぁうっ!んぅぅぁあぁぁっっ!!

 ふぁ、ぁ、や、ぁ、ぁうっ!ん、んぁっ!ぁ、ぁあぁっ!んぅぅぁあぁぁっっ!!」


 厳格ながら聡明で理知的な先輩。ファルザンとはそのような存在である筈だった。

 けれど現状の実験台の上で嬲られる少女の姿――――淫らに腰をくねらせるように嬲られ続ける姿には、"厳格"も"聡明"も"理知"も何一つとして見つけられない。


 潤んだ目を蕩かし、触れられてもいない筈の乳首をそそり立たせ、口端から垂れる涎を意識の端に乗せることも出来ずに狂ったように果て続ける有様。

 それはファルザンという女が持つ可憐な容姿を、可憐であるがゆえの淫靡に染め上げて、その娼婦のような惨めさをより強調するようだった。


「んっぅっ!むぐっ!むぅぅぐぅぅぅっ!!

 ふ、ぁ、ぁうっ!ん、んぅぅぁあぁっ!あぁあぁぁぁぁっっ!!」


 内側から勃起しきるまでにされてしまった乳首が、掻き毟りたく掻き毟りたくて気が狂わんばかりに疼き、ファルザンの精神を焼いていた。

 何度も何度も何度も何度も秘部を振動させられて絶頂させられるたびに、内側からこみ上げてくる性感が意識の首座までを突き抜けてきて仕方がなかった。


「んぅっ!ぅ、ぅうぅぅ~~~~……ッッ!!

 ふ、ぁ、ぁぐ、ぅ、んぅうぅぅ…………ッッ!!ん、んんぅぅ……!」


 身を硬くして絶頂に備え、けれど無機質な機構による責めにはその程度の備えは何の意味もない。

 そもそもが"人の意思とは無関係に動く"からこその機構なのだ。内部に仕込まれた雷元素が尽きるまで――――機構の動力である雷水晶が割れるまで、それは理論上は無限に稼働し続け、華奢な身体を”博士”には何の労力も感じさせぬまま嬲っていく。


「――――っっ、っ、ふ、ぅぁ、あ、あ゛ぁぁああぁぁぁっっ!!

 ふぐっ!お゛…………ッッ!!ぉ、ぁ、ぁうっ!ん、ぐぅぅううぅぅ~~~~っっ!!!」


 機構の振動が零れた愛液を掻き回し、”じゅぶぶぶぶぶ”と粘ついた音を奏でた。

 本能的な嫌悪感を煽り立てるその音に聴覚を侵され、ファルザンはぎゅっと目を閉じて必死に嫌々と首を横に振り、汗ばんだ頬に艶やかな浅葱色の髪を貼り付ける。


 可憐な少女の頬に貼りつく乱れ髪の有様は、それこそ男ならば誰しもが欲を煽られるようなコケティッシュな風合いを放つ。

 先遣隊の脳無し共なら一も二もなく飛びつきそうな淫靡さではあったが、"博士"はそのような様子には目線一つとて寄こそうとはしない。


「んぅうぅぁあぁっ!ひぎゅ、ぃ、ぃぁ、ぁうっ!ぁあぁぁぁぁっっ!!

 ぐ、ぇぁ、ぁうっ!あ、あ、あ、ぅぅぅうぅんんんぅうぅぅぅ――――――――ッッ!!」


 ぶぶぶぶぶ、じゅぶぶ、ぴちゃぴちゃぴちゃぴちゃ。

 無様で惨め、それでいて本能をくすぐるような痛烈なまでの喘ぎが混ざった呻き声を響かせながら、ファルザンは思考の隙すら無い快楽の奔流によって翻弄され続ける。


 ただただ生理現象の"確認"のため。その身がヒトと同じかどうか確かめるため。

 ただのデータ採集のためだけに、ファルザンの身体は徹底的な快楽の中で揺さぶられ、果てさせられ、本能によって理性と知性を焼き切られていく。


「くぁ、ぁ、かは……っっ!!ぁあぁぁぁやめ、これ止め――――止めろぉっっ!!

 ぁ、あぁぁだめだめだめいやだっ!ぁ、あぁぁいやっ!ぁ、あぐっ!あ゛ッッ!!あぁあぁぁっ!!」


「被検体としてお答え願おう。その身体の異常な感度について。

 これは生来の感度の良さか?それともキングデシェレト遺跡の時間流に伴う変化か?」


 異常なほどの感度の良さの正体――――それは本来ならば無視してもいいだろう問題だ。

 だがそれでも"自分に知り得ぬ事柄がある"という事に”博士”は歪んだプライドを逆撫でされて、苛立ちのままに口枷を解いてファルザンへ問いかけた。


「うぁ、ぁ、知ら、知らぬっっ!!ぅぁ、ぁ、やめ、止めろと言って……ッッ!!

 あぁぁっ、あぁぁいやっ!!これだめ、本、当にぃっ!!ぁ、う、んぅうぁあぁああぁぁいやっっ!!いやだ、ぁ、あぁああぁ――~~~~――――――っ!!」


 けれど膣口を掻き回されている状況では、答える事など出来るわけもない。

 『止めろ』と口調だけは強いままで懇願を重ね、一定の周波数のまま与えられ続ける振動の刺激に涎まみれの口を大きく開いて、ファルザンはただ無惨な喘ぎ声を響かせる。


 目の焦点は最早あっておらず、口は半開きで小さな舌が突き出している。

 顔は涙と汗と鼻水と涎で惨めなほどぐちゃぐちゃに染まり、表情には常の自信も不遜も失われて、そこにはただ無情な快楽に打ち壊された哀れな少女の貌しか存在しない。


「ならば所感でも構わん。年齢から考えるに自慰行為程度は行った事がある筈だ。

 自分の身体の感度がどのように変化した、あるいは変化しているのかをなるべく詳細に答えろ。学者ならばデータの重要性程度は理解できるはずだ」


 言いながら"博士"は、強くファルザンの腹を実験台の上に抑え込み、僅かな抵抗すらも封じ込めたうえで機構の振動強度を"最強"にまで押し上げた。

 振動音が明らかな程に強く響き、同時にファルザンの口から悲惨な絶叫が迸る。


「うぁ、ぁ、あ゛ぁああぁぁああぁぁ――――――ッッ!!!

 いや、ぁ、やめ、やめてッッ!!!ぁ、あ、ぁ、ああぁぁあああぁぁっっっ!!いや、いや、いや、いやぁあああぁぁぁああぁぁあああああああっっ!!」


 焦点の合わない目がぐるりと裏返るように白く染まり、抑え込まれた身体が痙攣する。

 振動音に粘つく水音が混ざり、噴水のように勢いよく潮の飛沫が噴き散らされ、拘束の末端に存在する小さな手足の指が藻掻くように蠢きながら空を掻いた。


 ファルザンという女を構成してきた"知恵"も"発想"も、全ては怒涛のように押し寄せる性感の前では何の意味も成すことはない。

 ただそこに在るだけで、彼女はただ被検体として全ての尊厳を貶められ尽くすしかない。


「いや、ぁ、やめ、やめてっっ!!や゛ぁ、だっっ!!

 も、もぉ、ゆる――ぇうっ!ぁ、あぁぁあぁやめ、も、やぇえぅぅぁあぁぁっっ!!」


 尊大な口調も、不遜な表情も、敬われるべき思考力も。

 全てを奪われ尽くした華奢な少女として、ファルザンは限界を迎えるまで貶められる。


 痒くて痛い乳首。蕩かされ尽くした秘部。茹るように汗ばむ全身。

 言葉すら満足に紡げぬまま、けれど忍び寄るように迫りくる"限界"だけが鮮明に感じられて、ファルザンは理解できない恐怖に何度も何度も首を振って、せめてもの慈悲を乞う。


「あぁあぁぁっっ!!あぁぁっ!やめ、だ、だめっ!

 止め、これ、とめ、てぇぇええ――――っっ、う、ぁぐっ!は、ぁあぁ、だめ、だめ、やだ、やぁ、だぁぁ……ッッ!!」


 けれど、"博士"はどこまでも被検体としてファルザンを使うだけだった。

 実験材料のモルモットが最期を悟って鳴いているのを眺めるように、彼はどこまでも冷酷に機構の振動をファルザンの秘部に押し当て続け、その限界点を引きずり出していく。


 必死に耐えようと身を強張らせ、込み上げる喘ぎを堪えようとして。

 それでもファルザンの身体は鋭敏な感度を持って蕩かされ、既に彼女が試みられる抵抗如きでは収まらないほどに、その身を快楽の内側に浸され尽くしてしまった。


「うぁ、ぁ、ぁ、あ、ぁ、ぁぐっ!ふ、ぁあぁ…………っっ!!

 ぅ、ぁ、やぅっ!?ぇ、ぁ、だめっ!これ――――ぁ、あぁぁだめ、だめぇっっ!!」


 そしてそのまま、どこまでも冷淡に"その時"が訪れる。

 ビクビクと痙攣する身体。抑え込まれた腹の奥で浅ましく疼き蠢く子宮。涎のように秘部から滴り落ちていく愛液。荒くなっていく息。潤んでいく目。

 全てがファルザンという少女が"雌性生物"として限界を迎えている事を示してしまう。


「い、いやだ……っ!ぁ、あぁぁいや、だめ、待っ――――てぇっっ!!

 ぁ、あぁぁだめだめだめだめだめ……っっ!!ぁ、あぁぁだめ、出ちゃ……っ、ぁ、あぁぁっ!!や、や、やめ、ぁぐ――――――ッッ!!!!」


 そしてそのまま、一言とて言葉を掛けられることもなく。

 ファルザンは意識を押し流す粘つくような快楽の奔流によって、その意識を闇へと閉ざされる。


「あぁぁ―――――ぁああぁだめだめだめやめ――――ッッ!!!

 ぁ、あぁぁいやっっ!!だ、ぁ、いや、いや、いやぁあぁッ!!!――――~~~~――ッッッぁ゛あああああぁぁあああああぁああぁぁぁ――――――ッッ!!」


 少女そのものの甲高い悲鳴と共に、勢いよく秘部から噴き出す潮の飛沫。

 痙攣する華奢な身体の有様は、ただそれを眺めるだけで、ファルザンが徹底的に快楽に屈服させられたことを端的に示してしまう。


 「うぁ」「ぁう」「ぃッ」と意味も成さない呻き声を漏らす口。潤んだまま焦点の合っていない目。汗ばむ頬に貼りつく浅葱色の髪。浅く繰り返される必死の呼吸。

 そそり立ったままふるふると打ち震える桃色の可愛らしい乳首も、絶頂にひくひくと蠢かされて、それでもなお止まらない振動によって嬲られ続けている秘部も。


 何もかも――――全身全霊で屈服を示しながら、ファルザンは被検体へと貶められ尽くした姿を、実験台の上に晒し者にされていた。

 逃げ場はなく、救いもなく、ただただ暗い部屋で貶められ続けるファルザンは、ただただ慈悲もないままに使い潰されて狂い果てていく。


 "博士"がキングデシェレト遺跡から興味を失うその時まで――――つまりはいつ訪れるかわからぬ未来のその時まで。

 ファルザンはその身と心をどこまでも深い淫らの深淵に堕とし込まれ続け、その叡智と智慧を乾いた性感に塗り替えられていくしかなかった。


≪了≫



お読みいただきありがとうございました!


次回は1月20日に投稿予定。

内容は『FE風花』より、「紅花ルートif、王国の捕虜になったイングリットが、シルヴァンによって快楽尋問される話」です。

男女ともにそれぞれ地獄の話。個人的には結構気に入ってます。


次回も楽しみにお待ちいただけると嬉しいです!


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