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東洋の武器「刀」を扱う冒険者といえば、一番に名前が上がる程の人物が俺の先輩だ。鋭い眼光、鍛え上げられた肉体、冴える剣技。無愛想な態度も相まって”鬼人”なんて呼ばれたりもするけど、ただ不器用なだけで、本当は優しいってことを身近で見てきた俺は知ってる。 日頃の感謝を込めて、最近倒した魔物から作った防具をプレゼントすることにした。先輩は体毛が濃いのを気にしていて、着替えや水浴びの時は一人でこっそり済ませることが多い。そういう”恥ずかしい”時間が少しでも楽しくなるように、下着型の防具「褌」を贈ろうと考えたのだった。 俺が倒したのは人型の魔物で、コウモリのような翼を持っていた。その皮膜は魔力が宿り丈夫で汚れにくいものらしく、これを素材にして作れば洗いやすく長持ちする褌が作れるはずだ。魔物の元々の模様も悪くない。ハートを模してあって、先輩には少し可愛すぎるかもしれないけど。 プレゼントの感想を聞くと、バツが悪いような顔でそっぽを向かれてしまった。やっぱあの模様は可愛すぎたかなぁ。褌自体は洗濯する時にたまに見かけるから、使ってくれてはいるみたい。まぁ、喜んでもらえたと思って良さそうだ。 それはそうと、最近先輩の入浴時間が長い。長い時は3時間くらい入ってる。日中なんかもぼーっとどこか遠くを見ていて、行き先も告げずにいなくなることも増えた。何か悩み事でもあるんだろうか? 俺が力になれることなら何でもしてあげたい。そうだ、今度背中でも流してあげようかな。先輩の背中、広くてカッコ良いんだ。

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