同人誌『放課後の迷夢』の話 (Pixiv Fanbox)
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こんにちは、しらこです。
8月に原稿が一段落して「フリーダムだヒャッハー!!」とか思っていましたが、あっという間に9月になってしまいました。
そろそろ次回作に取り掛からないといけません😇
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今回は先生×教え子シリーズ前日譚『放課後の迷夢』について語りたいと思います。
相変わらず長文です。ご容赦ください。
文章は何度も見直していますが、読み辛い箇所などがあったらすみません。
◆放課後の迷夢(夏のメガ超同人祭発行)
メロンさん:https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=1074887
FANZAさん:https://www.dmm.co.jp/dc/doujin/-/detail/=/cid=d_210005/
シリーズ過去作の裏話記事はこちら↓
#1『三月の雨』
fanbox post: creator/16541647/post/1036259
fanbox post: creator/16541647/post/1039078
#2『Sunshower』
fanbox post: creator/16541647/post/1111520
#3『梅雨、夏服、アパートにて』
fanbox post: creator/16541647/post/1809967
以下、『放課後の迷夢』のネタバレを含みます。
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目次
1.登場人物について
ヒロイン:大塚宮子
主人公:二川孝太
キャラ設定画
2.今作を描くにあたって
前日譚が出来上がるまで
ネームが進まない
テーマについて
3.内容補足・裏話
空想内での出来事について
「気付かないフリ」とは
越えてはいけない一線
天気について
その他小ネタ解説
タイトルについて
4.さいごに
extra『三月の雨が降る前の話』
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※本文中の画像はクリックで拡大できます
※『三月の雨』の内容も踏まえてお話するので、『三月の雨』未読だと分からない部分があるかもしれません。ご了承ください。
1.登場人物について
過去作の裏話記事にもプロフィールが掲載されていますが、改めて内容を整理したものを載せます。
年齢などは『放課後の迷夢』基準です。
◆ヒロイン:大塚 宮子(おおつか みやこ)
ぼっちJK時代の宮子ちゃんのプロフです。
先生の前ではニコニコしている彼女ですが、自分のクラスでは誰にも心を開いていないので常に無表情です。
◆主人公:二川 孝太(ふたがわ こうた)
ヒロインをなかなか襲わない、エロ漫画の竿役では多分珍しい現実的思考タイプ。
そのぶん宮子ちゃんが超積極的なので釣り合いが取れてるかも。
漫画ではムスっとした表情が多いけど笑う時は笑います。
宮子ちゃんが先生を困らせてばっかなのでそういう表情になりがちです。
◆キャラ設定画
トーンアシスタントさんに送った画像なのでトーン濃度などが書かれています。
合服のデザインが『三月の雨』の時とは若干違います。
単行本か総集編を出す時に過去作のほうを直すつもりです。
2.今作を描くにあたって
◆前日譚が出来上がるまで
なぜ前日譚を描こうと思ったのか。
ネタを思い付いたきっかけは以下の落書きツイートでした。
(2年前に描いたので絵柄が古いです)
twitter post: 1183015960539619328
https://twitter.com/calmwhite_r18/status/1183015960539619328
この絵を描いてから「先生を性的に挑発する生意気JK宮子ちゃんを脳内で懲らしめる漫画を描きたい!」と思うように…なんてこったい。
時系列は必然的に『三月の雨』以前になるので、前日譚という位置づけでプロットを書き始めました。
また、前日譚を描くなら『三月の雨』で描けなかった日常や人物の心情も補完しようと考えました。
思い付きがこんなノリだったので最初期のプロットはエロ全開コメディでした。
しかし書き進めていくうちに、違和感に気付いたのです。
二川の性格からして、そう簡単に宮子で抜くとは思えない。
リアル思考で慎重派な彼が生徒(宮子)で抜くのは余程の事が無いとしないだろうなと。教師のプライドが邪魔をしそうですし。
WEB用の短編ならその辺無視してサクッと脳内で懲らしめて終わり!でも良いんですが、1冊の本なのできちんと筋の通った漫画にしたかったんです。
余程の事って何だろう…と色々アイデアをひねり出し、
当時の2人の心情を考えるとコメディよりシリアスが妥当になり、
エロ重視の懲らしめ漫画ではなくストーリー重視の脳内セックス漫画になりました。
180°方向転換をしましたが、『三月の雨』のしっとりした雰囲気を踏襲しつつ補完も出来ている気がするので、前日譚にふさわしい話になったかなと思います。
◆ネームが進まない
今回はネーム(※漫画の設計図みたいなもの)だけで3か月弱かかっています。
ストーリー重視になった結果エロ要素が減ってしまったため、エロを少しでも増やそうと四苦八苦していたからです。
ツイッター(日常垢)でも呟きましたが、
男性向け18禁は抜けるものでなきゃいけないと頭の片隅で思っていて、
それが足枷になってネームが全く進みませんでした。
おまけに今回は妄想オチなので、「この作品を発表したらどう思われるんだろう…」と怖くなることが度々ありました。
それでも前日譚を没にしなかったのは、
やはり単純にこの話が描きたかったからだろうなぁ…と。
先生と宮子ちゃんの物語をどうしても具現化したかったんです。
最終的にいろんな方の励ましや応援に背中を押され、何とか期限までにネームを完成させることが出来ました。本当に感謝しています…!
今回の一件で、
好きなものを表現するのが同人だから、まずは自分が描きたいものを描こう。
そのうえで読者に楽しんでもらえる工夫をしよう。
…と改めて思いました。
今作も楽しめる工夫はしたつもりですが、やや癖の強い作品になった気がするので、本当に楽しんでもらえたか不安ではあります…
お気に入りのシーンやコマなどが1つでもあったら嬉しいです。
過去にも似たようなことで何度も悩んでいるため、創作活動を続ける限り付きまとう問題なのかもしれません。
上手く躱すか折り合いをつけなきゃいけませんね。
◆テーマについて
今作の目的は『三月の雨』の補完です(懲らしめ要素は消えたので…笑
2人の過去の様子、出会った頃のこと、心理描写etc…色々詰め込みました。
その中で一番表現したかったこと(テーマ)は、
「二川先生の葛藤」です。
『三月の雨』では描き切れなかった先生の苦しみをとにかく描こうと思いました。
宮子のことは放っておけない。けど自分の立場も大事。
そんな彼の心情が少しでも伝わっていたらいいなと思います。
3.内容補足・裏話
◆空想内での出来事について
今回のセックスシーンは全て二川の夢と妄想です。
つまり少なからず二川の願望が混ざっています。
前半の夢セックスは「宮子にしたいこと」を主体に明るいセックスを。
後半の妄想セックスは「宮子への怒りやどうしようもない気持ち」を前面に出して、ひたすらフラストレーションを発散しています。懲らしめの名残があるかも。
後半が二川の独白や過去回想を交えながらのセックスだったので、テンポが悪くならないように描くのがとても難しかったです…
難産でしたが、過去回想が混ざったページは結構気に入ってます。
宮子をまるで物扱いするようなセックスはかなりレアです。
(そもそも妄想ですからね…)
そういえば夢&妄想シーンではコマ枠がギザギザしています。現実と妄想の違いをコマで表現しました。
表紙絵の宮子も二川の妄想という体で描きました。
つまり紐パンは二川の趣味…(表紙なのでインパクトを与えたかったのもあります
◆「気付かないフリ」とは
後半セックスシーンの一幕
「大塚が告白しなければ、気付かないフリをしていられたのに!」
この独白には二重の意味が込められています。
「”大塚の好意に” 気付かないフリをしていられたのに」
という意味だけでなく、
「”自分の気持ちに” 気付かないフリをしていられたのに」
という思いも含まれています。
宮子が自分(二川)を好きなのは告白される前から気付いていました(宮子はすぐ態度に出るので)
そんな彼女と関わるうちに、次第に特別な感情が芽生えてきました。
フィニッシュシーンで二川が宮子の手を握っているのは、宮子に教え子以上の感情を持っている事を示唆しています。
二川は心のどこかで宮子に惹かれているにも関わらず、それを認めようとしません。
自分の気持ちに気付きつつありますが、先生と教え子の関係だからと蓋を閉めました。
それもあって、作中ではあからさまに宮子に惹かれているモノローグは入れないようにしました。
二川が宮子を拒めない理由は
「宮子に惹かれている」
「同情」
どっちとも取れるように描写したつもりです(正解は前者です)
◆越えてはいけない一線
『放課後の迷夢』と『三月の雨』では2人の挙動が若干違います(下図参照)
『放課後の迷夢』では、二川は口先だけの拒絶でズルズルと宮子のペースに呑まれています。宮子もかなりやりたい放題です。
しかし今作でひと悶着あったお陰(?)で、その後の『三月の雨』では互いに譲歩しつつ一線を越えないようにしています。
『放課後の迷夢』の内容は『三月の雨』と辻褄が合うように考えました。
何故このようなややこしい流れにしたかと言いますと、
二川の性格的に、最初から宮子の行為を受け入れていたとは思えないからです。
流されてしまったとしても、多少なりとも反発するはず。
それに宮子のほうも、
告白~卒業の約2ヶ月間(※)フェラ&手コキだけで我慢できるはずがないし、
二川の理性が崩壊するのを待っているだけというのも違和感があったので。
(※告白したのは12月下旬頃、卒業式は3月1日です)
上記を考慮してお話を考えた結果、お互いに「越えてはいけない一線」が今作の出来事でハッキリと決まった感じにしました。
◆作中の天気について
『三月の雨』の前日譚らしく、お天気要素を取り入れました。
序盤からラストへ向かうにつれ、天気が「晴れ→曇り→雨」へと変わっていきます。
人物の心情や話の展開が段々シリアスになっていくのに合わせて天気が悪くなっています。
また『三月の雨』へと繋がる感じにしたかったので雨の中で幕を閉じています。
どうでもいいですが、先生×教え子シリーズの舞台は比較的温暖な地域でほとんど雪が降らない設定です。
雪が降ったら宮子ちゃんは寒いと言いつつはしゃぎそう。
先生は「運転できなくなるからやめて欲しい」と文句を言いそうです(※車通勤)
話が逸れましたが、ラストの雨の暗い雰囲気がとても気に入っています。
結ばれる前の2人にはやっぱり雨が似合いますね。
◆その他小ネタ解説
・宮子の敬語について
基本的に宮子は二川に対してタメ口ですが、出会った頃はさすがに敬語で話していました。
『三月の雨』を描くときに敬語かタメ口で迷って、タメ口のほうが宮子ちゃんっぽいなぁと思ったのと、2人の特別な関係を表すためにタメ口にした覚えがあります。
二川が生徒と距離が近い(生徒に舐められている)設定だったのも相まってそうなりました。
なので出会った頃の敬語を使っている宮子を見ると新鮮な気持ちになります。
よそよそしかった時代もあったんだなぁ…と(笑
・宮子「同情?性欲?それとも…本当は…」
この「それとも…」は宮子の淡い期待を表しています。
二川が宮子を拒まないどころか優しくするので、「自分に気があるの?」みたいな事を言いたかったようです。
◆タイトルについて
今回も全然良いのが思い浮かびませんでした。
「仮想現実」「雨の前の静けさ」「妄想と葛藤」など、エロ漫画とは到底かけ離れた文学的タイトルで内容も想像しにくいものばかり考えてしまい、最終的に知人に単語のアイデアを出してもらいました。
いくつかの単語候補の中から選んで、『放課後の迷夢』に無事決定。
★迷夢…夢のような、とりとめのない考え。また、心の迷い
今作の二川先生にピッタリじゃないですか?
本当はラストシーンと重ねて『夕時雨の迷夢』にしたかったのですが、あまりにも詩的すぎてエロ漫画っぽくないのとタイトルから全然学校感が出ていないので「放課後」に変更しました。
★夕時雨…夕方に降る時雨。《季 冬》
まさにラストシーンの雨ですね。
出来れば使いたかった…!
4.さいごに
前日譚、ものすごく難産でした。
シリアスと空想セックスの組み合わせは二度とやらん…!と思ったくらいです(限定的すぎてそんな機会多分もうない)
でも久々に付き合う前の2人が描けて楽しかったです。
いつもより尖った作品でしたが、ほんの少しでもお楽しみいただけたのなら幸いです。
全ての始まりである『三月の雨』発表からもう2年以上経ちました。
今見ると絵が古いし宮子のおっぱい一回り小さいし二川は別人だし…
絵柄と好みの変遷を感じます(いつか総集編や単行本で描き直したいです)
元々単発の作品だったので、まさかシリーズ化して続くとは思いませんでした。
もちろん自分が描きたいから描いているのですが、皆さんの応援があるから挫けずにここまで描いてこられました。
今回は特に心が折れそうだったので応援やコメント本当に嬉しかったです。
作品を読んでくださって、そして応援してくださって本当にありがとうございます。
今後もシリーズは続くので、引き続きお読みいただけたら嬉しいです。
ちなみに次の本はこんな内容になります↓
fanbox post: creator/16541647/post/2272293
オマケ漫画を投下して今回の記事は終わりにしたいと思います。
今回も物凄く長文ですみませんでした。
それでは、お読みいただきありがとうございました!
extra『三月の雨が降る前の話』
pdf版はこちら↓