コラム 思想編 その3 『SNSとの向き合い方』 (Pixiv Fanbox)
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昨今、SNSの普及が著しく、その影響力は計り知れないものがあります。昔だったら、絵を人に見てもらおうと思ったら、雑誌などに投稿して選考を通って初めて雑誌の隅の方に掲載されるってな感じでした。それが今や、絵が出来上がったらちょちょいのちょいで全世界の人に見てもらえます。それも何万人、何十万人といったくらいです。私みたいに、絵を描いたりすることしか取り柄がない人間でも、SNSの力を駆使すれば、人ひとり面倒を見れるくらいの稼ぎを得ることも可能です。いい時代になったもんです。
一方で、SNSを使って人生を狂わしてしまう人もいます。最近だと、日本で起こった、スシローの事件。特に今の中高生の子達は生まれた時からスマホやSNSがあるのが当たり前の時代でしたから、私の世代と比べると、ネットの向こう側の距離が近く感じるのかもしれません。それゆえについ出来心でやってしまうのでしょうが、一度ネットに流れたものは一生消せません。人知れず前科一犯とかの方がまだマシかも。それくらいネットというのは恐ろしい一面もあるのです。
承認欲求
最初に、私は承認欲求そのものは否定しません。当然、私も持っていますし、多分、他人より承認欲求は強いと思います。そうじゃなければ、わざわざ絵を描いて人に発表しようとは思いません。私にとって承認欲求とは
・人に迷惑をかけない。
・人を傷つけない。
この二つを守っていれば、そんなに気になりません。例えば、成り上がったYouTuberが、超高級車を買ったみたいな動画をあげても別に妬んだりしません。むしろすごいなと、素直に感心してしまいます。また、数字を求めてトレンドになってるトピックに乗っかるのも、別に良いと思います。もちろんたまに品がないなぁという輩はいますが。
ただ、迷惑YouTuberに代表されるような悪質な行為などはやはり良くありません。絵描き界隈ではトレパクやi2iを使った生成AIなどがそうです。
そもそも、ネットで承認欲求を満たす場合、私のように、生活や自分の夢のために活動するならともかく、ただ、“いいね”が欲しいだけみたいなのは正直なぞです。
はっきり言います。
“いいね”なんてびた一文にもなりません。
いいね稼ぎなんてしても人生は豊かになりませんし、懐も豊かにはなりません。通信費がかかるだけです。
絵描き界隈にはたまに、自分の絵の評価をいいね数で判断する愚か者がいます。いいねが伸びるかどうかはSNSである以上、運が絡みます。先月あげた、牛乳を注ぐアクアはGoogle Discoverにヒットしたおかげで、閲覧数とフォロワー数が爆伸びしましたが、そんなのただ運が良かっただけです。SNSにはいいねやフォロワーが少ないけどバチくそ上手い神絵師がたくさんいます。
もちろん、いいね数がムダとは言いません。いいねが増えれば増えるほど拡散されていき、世界各地から様々なファンを獲得するきっかけになります。私にとって大事な数字を強いてあげるとすると、それはファンの皆様がどれだけいるかということくらいです。もっともこれは可視化できる数字ではありませんが、デb…最近やたらムチムチしてきたアクア様のおかげで少しずつ増えてきたようには感じます。
しかしどこまでいこうとSNSはSNS。適度な距離感は大切だと思っています。
他人が妬ましい時
絵描きの人は、多かれ少なかれ自分の絵にプライドがあります。才能で飯を食っていこうなんて考えてる人であれば、それくらいがちょうどいいです。
しかし、SNSではうまさで数字が伸びるわけではありません。特にTwitterはコミュニティツールであるため、絵描きというのは一つのコンテンツ。コンテンツとして面白いものや、共感できるもの、親しみやすいものは数字がよく伸びます。絵の技量というのは、商業イラストレーターなど本格的なプロの世界で生きていくならともかく、SNSでは最重要なものではなかったりもします。また、フォロワーに影響力のある人がいてその人にリツイートされるだけでも、普段より全然伸びるなんてことはよくあります。Twitter内では絵描きさんのフォロワー数というのは芸能人やYouTuberに次いで多い人種と言えるでしょうからね。
そういうこともあって、実力は自分の方が上なのに他人の方がよく伸びていて妬ましく思うこともきっとあるでしょう。私もありました。そんな時、どうしたらよいのか。私なりの実践方法を少しご紹介します。
自分の絵に集中する
とにかくこれです。自分が上手くなったかどうか、そこがまず大事です。ちなみに、最近、また少し上手くなった気がしている私です。他人を妬んでる時間があったら、とにかく絵を描きまくる。もちろん、最初のうちはそうそう伸びません。私を古くからフォローしてる人は知っていると思いますが、現すばなんて最初200いいねもいかないコンテンツでした。1000いいねをコンスタントに超えるようになったのも多分去年くらいからです。わりと泣かず飛ばずでしたからね。ただ、自分の絵が上手くなっていく感覚はとても楽しかったし、自分がやっていることに価値は感じてたのでいつかは評価されるなんて思ってました。また、SNSがなくなったとき、最近だとTwitterが無くなるのでは?とすこし話題になりましたが、そうなったとき、手元に残るのは自分の画力だけです。SNSの数字よりよっぽど価値のあるものです。
妬ましい人を視野に入れない
リアルでもやる処世術ですが、見てて自分の心が乱れる存在は視野に入れないことをおすすめします。SNSだとミュートするとかですね。最近はフォローを少し増やしましたが、一時期は結構少なかったのはこのためです。フォローを増やすと、フォローしてない人もタイムラインに出てきちゃうのですが、何でこれが伸びるの?なんてのはちょくちょく思ってたので。最近はSNSに慣れたので、その辺の感情は落ち着きましたが。こいつ、人間ちっちぇ!、と思われると思いますが、割と大事だと思ってます。自分は少し極端な人間なので、それ原因で仕事を辞めたところもあります。
神絵師と比べる
先ほどもいいましが、バチくそ上手くてもTwitterの数字は微妙なんて人は結構います。これは見る限り、すでに商業イラストレーターとして働いていて、SNSはあまり運用していない、もしくは運用が上手ではないというのがほとんどです。私の描く絵も最近、万いいねつくことも増えてきましたが、だからといって、昔からプロの世界で活躍している人より上手くなったとはお世辞にも言えません。調子に乗るなんてとんでもないです。私自身は自分の実力を絵描き全体で見た時、中の下くらいだと思ってますので、いくらフォロワーが伸びようが伸びなかろうが、画力向上という目的は変わりません。もともと現すばも画力向上の一環として始めたストーリーでしたしね。
愚痴は吐かない
この絵、もっと伸びると思ったのに・・・!なんてことは絵を投稿するたびに思うものです。大好きな釣りを我慢して描いたのに何でこんだけしか伸びないんだ!、とかね。
しかし、SNSでそういうことに関しては愚痴は吐かないほうが良いです。そんな暇があるなら1枚でも多く絵を描きましょう。また、ファンというのは自分に優しいものです。しかし、あまりこういっては何ですが、そこに甘えるのは禁物です。ファンの多くは絵を描かない方ですから、私たちのように専門家的な目線で絵を見てるわけではありません。画力を上げるためには専門的な知識や技術とはやはり向かい合わなければいけません。絵が伸びない原因はそういうところにもきっとあるものです。しかし、ファンの声は甘美なものです。ついつい気が緩んでしまいます。もちろん励みにすることは大事ですが、向かい合うべきはどこまでいこうと自分の絵です。あと、数字を意識しすぎてる人というのは見ていてあまり気持ち良くはないと思います。
自分の力ではどうしようもないことは諦める
絵を描く、絵が上達する、絵の投稿頻度を上げるなど、これは自分の努力でどうにでもなる問題です。しかし、その絵を評価してもらえるかは分かりません。少なくとも私の力で、皆さんにいいねを押させることはできません。いいねを押すのは絵を見た皆さんの意思でしか押せないのです。そういう、自分の力ではどうしようもないことは基本的に期待はしません。自分の努力に対し、自分が思う正当な評価を得られないというのが世の中というものです。魔女の宅急便にキキがずぶ濡れになりながら鰊のパイを届けたものの冷たい態度を取られてしまうシーンがありますが、まさにあんな感じです。伸びない絵に対し、もっと伸びてほしかったなぁと思ってしまうのは思ってしまいますが、そうなったらまた次を描けばいいだけです。私の場合、幸いなことにネタはつきませんし、なんなら時間が足りないくらいなので、その辺は運が良かったと思ってます。
私もまだまだSNS初心者ですが、SNSの良さを活かしてこれからも活動を続けていきたいと思います。そしてご報告。本日あげたSkebの途中経過画像が結構トリミングしたのにセンシティブに引っかかりまして(すでに削除済み)またもシャドウバン!なんでよおおおおおお!
ではでは、また。