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絵を描くことについて勉強したこと、これまでの経験で役に立っていることをまとめました。 独学の知識なので専門的に学ぶ知識とは違うかもしれません。絵なんて無限なんでそれでいいと思うんですけどね。 ●シナリオ(脚本)教本 シチュエーションにおいて、なぜそのシチュエーションなのか、というのは、シナリオを勉強すると考えやすくなります。 特に印象に残っているのは、夕日は何故感動するか、というもので、夕日だから感動するのではなく、夕日で感動する体験があったから感動する、というものです。 シナリオの場合、クライマックスで、とあるシチュエーションを感動させたい、とした場合、一般的に夕日が感動するように、そのシチュエーションで感動するための体験を、それまでに構成しなければなりません。夕日は、別れや元の場所に戻る象徴ですが、夕日を見たことがないお客さんに向けても、そのシナリオは感動するか、というのは考えたほうがいいでしょう。 一枚絵においてこれはとても難しい問題ですが、逆に言うと、共通の体験があることをテーマにすると伝わりやすい、ということでもあります。あらゆるコンテンツが、架空の世界よりも現実にある場所を舞台にするのは、これらの説明が省けるからとも言えます。昼はアクティブ、夜は怖い、夕方はクライマックスというのは、日常体験してますからね。 個人的には、「かっこいいと表現したいものをかっこいいと言うとかっこわるい」という知識があると、深みのある表現ができるようになるかなと思います。比喩的な表現や小物や演技でそう思わせるようにしましょう。というやつです。 ●認知科学、認知心理学の入門書 「○○」 ときたら「○○○」にしたくなりませんか? でも 「○○●」 ときたら「おっ?」と思うわけです。 「○○●○○」 ときたら「○○●○○●」にしたくなります。 このように、脳が見たものにたいしてどうシステムが働くかを学べます。 認知科学がベースにあると、以下に挙げる資料が理解しやすくなるんじゃないでしょうか。 ゲーム製作でもとても重要な知識ですね。スーパーマリオのルールは認知科学の実験場のようです。 メイド三人組のイラスト『できますっ! できますわ』の絵はまさにこれですね。 「手を上げる、手を上げる、手をあげ…?」 4冊くらい入門書を読みましたが、大体同じことが書いているので、 読みやすいものを探してみるとよいのではないかと思います。 ●絵コンテ教本『富野由悠季 映像の原則』 必読書ですね。 映像を構成するには本能的な心のはたらきの理解が必要ですよ、みたいな話です。 心臓が左にあるから左にあるものは安心できるもの、右側は強いもの(舞台の上手と下手)といった、キャラクターの配置の原則、広い空間は埋めたくなる=映像に動きを求める→そのとおり動くと気持ちいい、といった、映像の流れの原則などが描かれています。 実際に心臓が左にあるからなのか、右利きだからなのか、文字が左から読むからなのかはわかりませんが、少なくとも映像作家はこのような原則をベースに制作していますし、映像作品を読む力が身につきますので、一般の方にもおすすめです。 ●構図の原則 カディンスキーという抽象画家が、点、線、面、地、図といった要素について研究しているのですが、カディンスキーの本がとても読みづらくて私も全部読めてません。ただカディンスキー自体を研究している人もいて、そういった方が短く論文にまとめているので読んでみると絵画の構図について理解が深まります。 http://s95540d04b5a56343.jimcontent.com/download/version/1450066169/module/10506667291/name/%E6%A7%8B%E9%80%A0%E7%90%86%E8%A7%A3.pdf 特に、映像の原則と同じように、人は中途半端な配置を、安定した位置に収めたくなる、という心理については、動きのある絵を描く基礎になるのではないでしょうか。 ●『巨匠に学ぶ構図の基本』、『巨匠に学ぶ配色の基本』 構図や配色から受ける一般的な印象が書かれています。シナリオのところでも話しましたが、感動というのはそれまでの体験に依存するので、書かれていることとは違う印象を受けることもあるかと思いますが、一般的な理解の仕方は頭に入っていると、意図した印象を与える絵を描きたい場合に参考になります。 ちなみにこんな感じで勉強しているものの、実際に描くとなると難しいですよね。私もまだまだです。ただ、これらを知っていると、絵が上手くなるという漠然とした目標ではなく、構図が上手くなりたい→構図とはなにか→構図の練習、というふうに、練習の仕方もある程度絞れるし、努力が実りやすくなるのではないでしょうか。

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