顎変形症で外科矯正手術を受けた話 (Pixiv Fanbox)
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お陰様で何やかんや無事に術後2週間が経過しましたので、
改めて顎変形症治療についてまとめておこうと思います。
ついでに治療覚書として残すことで歯列矯正に興味のある人の参考にもなればと思います。
とりあえず。
Q:最近の手術だ入院だって何してたん?
A:顎変形症の為口腔外科で上顎部歯槽骨骨切り+オトガイ形成手術を受けました
遡ること2019年、インカは重度不眠症に伴う肩こり倦怠感集中力低下により大層悩んでおりました。
いくらちょっと老化してきたとはいえ、この絶不調ぶりはやばいぞ、と。
やる気はあるのに身体と脳みそがついてこない、ガチでこのままだと遠くない未来に作家廃業では?と常に怯えながら原稿と戦っていました。
作業合間に自分なりに調べてみた結果、全てはわたくしの幼少期よりのチャームポイント・げっ歯類の如くの~出っ歯~ゆえの噛み合わせが悪さをしているのでは?とGoogle先生は示唆しました。
歯列矯正のイメージといえば、高額な治療費に数年間に渡る食事制限…
趣味・食べ歩き+料理のデブはこれまで矯正に興味がありつつもそれがどうしても嫌で避けてきました。
でも、整骨や漢方などお手軽対策は試し尽くしいよいよもって眠剤常習者か矯正かの二択になってしまった廃業寸前出っ歯デブ、背に腹は変えられません。
意を決し、矯正歯科の門を叩きました。
精密検査の結果、歯というかもう骨格が矯正の域を超えとる、と。
顎変形症という病気だと告げられました。
具体的には上顎前突症、オトガイ劣成長という名称のようでした。
上の歯はもはや骨ごと突出している為、普通のワイヤー矯正だけでは下げ幅が追い付かず、
そして下の顎はなさすぎる上普通の人より気道が狭く、そのせいで寝ている時に舌の肉により気道が圧迫されてしまい睡眠時無呼吸症候群となった結果不眠なのでそもそもワイヤー治療だけでは絶対に口の中のスペースが圧迫され不眠が悪化するだろうと言われました。
「でも外科矯正は保険適用だから普通の治療より料金安くはなりますけど、、、どうします、、、?」
「ア、、じゃあそれでお願いします、、、」
結構重めの結果を容赦なく叩きつけられグロッキー状態になっていたところに謎お得情報でちょっと優しくされたインカは無事あっさり手術することを選んだのでした。
めでたしめでたし。
そして2019年末より術前矯正としてワイヤーを使った治療を開始。
これは普通の矯正とやることほぼ変わらないです。
時々ワイヤーの締め付けによる歯の痛み・謎のかゆみ、親知らず抜歯でまさかの副鼻腔炎発症したり等ちょいちょい死亡イベントを挟みながらの作家業。
「あれ?何か今廃業秒読み状態を前倒しで体験しとらんか、、?」とちょいちょい心が曇る。
矯正治療によるデバフ、こんなにエグいって誰か先に言って???状態。
更に顎変形症の術前矯正では骨を切りやすくする為…?手術直前の矯正で出っ歯はより出っ歯に、シャクレはよりシャクレに調整を行うものらしく。
わたくしに至りましては術前、車力の巨人のような風貌になるまでの出っ歯になりました。
いや、噛み合わせも体調も何もかも悪化しとるが、、、??????
お陰様で4月、ほぼ夜寝れず実質廃業してました。
臨死!!
まあ、でも術前矯正も辛いことばかりでもなくてどんどん歯が動いていく経過を自分で撮り溜めたりするのは何か楽しかったし意外にお食事も食べれるものを美味しく食べてハッピーみたいな感じでした。
2021年に入って車力になるまでは不眠から解放されていた期間もあって、素直に寝れる歓びも久しぶりに享受できましたし。
全てはこの先不眠から解放されまた好きなものを食べまくる日までの我慢や、、、!というモチベーションで何とか耐えられました。
そして2021年5月、ようやく手術の為入院。
Q:上顎部歯槽骨骨切りって何するの?
A:上の前歯を歯茎ごともぎちぎり、4番目の歯を抜き空いたスペースを利用し骨の位置を下げます
図にするとこう↓
①4番を抜く
何かしら刃物で骨をカットする
横から見るとこれが
こうなる
ハァ?こわ、、、、、、
って今も改めて思いますけど、意外にも術後まっっったく痛くならなかったです…。
むしろオマケ程度に思ってたオトガイ形成の方が痛みエグすぎて、手術当日は痛み止めの点滴と飲み薬投与されてても痛すぎて全然寝れなかったですね…
寝れなすぎて、電子書籍のウシジマくんを夜通し読んでいました…
ハードな気分の時はよりハードな創作に浸りたくなる…浸りたくならない?
ちなみにオトガイ形成の方は調べたら美容整形も含めて死ぬ程症例出てきて手っ取り早いと思うので気になる人はぐぐってね。
Q:術後はどうだった?
A:痛くはないけど色々めんどくさい
結構手術について大仰に書きましたけど、顎変形症手術の中では比較的軽めの手術ということもあり手術イベント自体は本当に割とあっさり終了したものでした。
初めての全身麻酔、意識を失う直前に「(朝に大が出てなかったので)麻酔で寝てる間に脱糞したらすみません、、、!!」と口走り看護師さんに苦笑いされたくらい。
意外な程あっけなく、わたくしの出っ歯人生は終止符を打ちました。
ちなみに術後の処置として、骨を固定する為に上顎の裏一面にシーネという薄いプラ+針金のついたギプスのようなものを、下顎の骨にはチタン製の固定プレートが埋まっています。
上顎の手術の痛みは大したことがなかったのですが、このギプスがちょっと厄介でどうやら固定用の針金が歯茎を貫通して留められている…?
ちょっと口が開くようになった時に鏡で口元を見てみたところ、歯茎のこれダメでしょって位置から針金が生えていて「ヒェッ、、」てなりました。
後、このギプスには小さな穴が8つ程空いているのですが食事後の歯磨きの度にこの穴に注射器のようなものを使って水を通して傷口を清潔にせねばならない!
これが本当に本当に面倒です。
食事を人生最大の楽しみとしてきた私が面倒過ぎて飯を食いたくねえと思う程度には、、
え、ていうかこれ外す時どうやってやるの、、、?
こわ、、、、、、
下顎のチタンプレートは半年後~1年後くらいに除去手術するみたいです。
また入院して食事制限かあ~と思うと憂鬱ですが、まあ、、今回の手術よりはずっと楽やろ、、、!!
ちなみにこの手術は割と軽めって書きましたけど、もう一つの手術の選択肢としてルフォーⅠ型骨切り術というものもありました。
検査後段階では気道が狭すぎるのでこちらがオススメと言われていたのですが、術前矯正で謎に気道が広がったことから身体への負担が少ない方の手術が採用されました。
ルフォーはガチで術後しんどいらしいです。
自分でも調べてみましたが、本当にこれを乗り越えた方尊敬します、、、、
Q:経過・近況は?
A:良好です
先日2週間後検診兼ねて抜糸をしましたが、大変よいらしいです。
顎の痛みも触らない限りはもうほぼないですし鼻血も止まりましたし骨切った直後はちょいちょい頭痛もひどかったですけどまあ落ち着きました。
顔の腫れも、術後1週間まではえぐかったですけど今はもうぱっと見わからんかも。
主治医曰く、まだ粘膜や骨は炎症起こしているので半年掛けてゆっくり落ち着くそうですが。
口の筋肉はまだ動かしづらいですけど訓練したらまあ徐々に戻るでしょう。
ただ、口の中の構造が変わってしまったのでしょっちゅう舌を噛んでますしギプスでずっと喋りづらいですし食事関係がめんどくさいだけですね。
歯磨き以外にも、術後2週間までは地獄の流動食生活を強いられ心が死にました。
入院中出てきた焼き鯖的なものをドロドロにしたメニューは特に、昔飼っていた猫のゲボを思い出し泣きながら食べました。
頼れるものはプロテイン、高タンパクヨーグルト、生卵、、、
抜糸が済んだ最近ではようやくメニューに少し自由度が出てきて食事もちょっとウッキウキですね。
特に、柔らかめならインスタント麺も食べられるようになったのはめちゃ嬉しいです。
カレーを始めとしたスパイス系料理をまだ一切食べられないのは辛いですが、6月には解禁していいそうなのでもうちょっとだけ頑張ります。
後、問題の不眠症なんですけど術前より寝れる日が増えましたね。
まだ口の中や骨が不安定なので寝てる間に舌噛んだり歯をガチンとやって痛くて起きてしまいそのまま寝れなかったりという日はあるんですけど、体感、マシ、、のような気はします。
このままなし崩し的に不眠がなくなってくれるとよいのですが。
体力と筋肉は入院期間中に死ぬ程落ちてしまったので、ぼちぼち運動強度を戻して行こうと思います。
追記:
ちなみにですが、骨が完全にくっつくとされる2ヶ月後にまた術後矯正も始まります。
俺たちの戦いはまだまだこれからだぜ!
~総括~
とりあえず一山越えたというところで一安心です。
入院前や期間中は辛くてTwitterでヘラってたりもしましたが、思ったよりも沢山の方に励ましのお言葉をいただけたお陰でかなり精神的に助かりました。
2020年から思うように動けない、無理をしたくても出来ない、食・睡眠という本能が満たされず心に余裕がない状況が続いた為Twitterに絵を載せる頻度も減り商業案件も何件も見送りフォロワーも作品への反応も減り
「自分が忘れられていく」「必要ではない人間になっていく」という感覚に囚われぶっちゃけ軽めに病んでいたと思います。
今も、山は越えたものの「がむしゃらにやっていた頃の自分」にちゃんと戻れるか不安で、深く考えると頭がおかしくなりそうになったりもします。
なので、病みそうになったら術前や術後にいただいた「お疲れ様です」「待ってます」等の温かいリプやいいねを見返したりして己を鼓舞していたりします。
多分、誰からも気にされてなかったら結構ガチめに潰れてたんじゃないかなと思います。
本当にありがとうございます。
ちなみに退院後はガチで絵の描き方忘れちゃったんでデッサンばっかりしてました
暫くはデッサンやったりちょい古くなってきたPC買い替えたりして環境整備したいですね。
蝶子Ⅳも元気な時に進めて何とか6月中に配信出来るようにしたいです。
コロナで色々潰れちゃったのもあるとはいえ同人即売会もライブもリアルイベントは手術のスケジュールの問題で見送ったりしたりしてたので、今後完全回復したらそっちもまた参加出来るようになればいいなあと思います。
胸を張ってただいまと言えるように頑張らねば、、
前までは歯のこと話しすぎるのは己の内面というか弱点を晒すみたいで気が引けるし病気ネタ構ってちゃんかよみたいに思われるかな、、という気持ちで支援サイトの有料の範囲でだけ書いてたんですけど、色々手術の情報収集してた時に検索しても情報なさすぎ、、!!と困ったんで同じ悩みをお持ちの方の参考になればとちょっと長々まとめました。
クソ長お気持ちするとちょっとスッキリしますわね❤
はい、そういう感じです。
いっぱい寝ていっぱい食べていっぱいシコる健康生活、大事!
皆、歯磨けよ!!!!
追記②:
Q:いくらかかるの?
A:トータルどれくらいになるか現段階でわからん
参考に、、と言いつつ肝心な治療費の記載を忘れておりました。
通常歯列矯正は自費診療であり表側ワイヤー矯正で70~100万円の治療費が必要です。
しかし、私のように顎変形症の診断が降り外科矯正を選択すると保険が適用されます。
(この辺、矯正歯科にもよるそうなのでその限りでない医院もあるとは聞きます)
そういう訳で、これまで掛かった料金をざっくり公開すると、
術前矯正費用(検査代抜歯代等含む):15万円強
手術入院費用:20万円強
大体これくらいです。まあお得!
ただ、矯正費用は調整の都度支払っている状態なので最悪この後始まる術後矯正がめちゃくちゃ難航すると結局トータル70万近くになっていた…みたいな未来もありえるかもしれないですね。ふふ。
ちなみに入院期間は5泊6日でした。
入院や手術をされる際は高額医療費制度を予め知っておくと安心だと思います。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3020/r151/
医療機関や各自の収入により前後する部分はあるかと思いますが、費用面である程度の参考になれば幸いです。
こんなところでしょうか。
多分まだ書き漏らしている部分は色々あると思います。
何か気になることがありましたら、可能な範囲内であればお答えしますのでもしよければご質問ください。
それでは。