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 ――まもなく宅配便が届きます。

 部屋の片隅に置かれたスマートスピーカーが、鈴を鳴らしたようなアラーム音を立てる。女性的な合成音声を耳にして、少年は宿題を進める手を止めた。

 窓から忍び込む暑苦しい蝉の大合唱を背に、少年はリビングを出て廊下に出た。冷房の効いていない廊下は蒸し暑く、風が吹かない分だけ外よりも居心地が悪い。

 ぺたり、ぺたり。

 湿気を含んだフローリングを、裸足が進むたびにひたひたと音が鳴る。自分以外誰もいない家は気味が悪いほどに静かだ。廊下の縁に腰を下ろし、サンダルを履いた少年はぶらぶらと足を揺らしながら宅配便が来るのを待っていた。

 しばらくすると、家の前に車が停まった音が少年の耳に入った。車のドアが閉まる音がし、何者かが家の前に来る気配を感じた少年は、来訪者を出迎えようと腰を上げた。

 それとほぼ同時にインターホンが鳴り、少年はドアを開けた。夏の午後の生ぬるい風が少年の体を横切る。ドアを開けて外に出た少年の目に入ったのは、ダンボール箱を携えて立っている女性の姿であった。

 ――否、女性型のアンドロイドだ。

 少年は、彼女が人間でないとすぐに看破した。人間に似せて作られた人工皮膚は、触り心地こそほとんど人間と同じである。

 しかしながら、傷やシミひとつない彼女の滑らかな皮膚は「美しすぎる」点でわずかに不自然な印象を覚えさせることがしばしばだ。日常生活を営んでいればアンドロイドを至る所で見る機会があるため、現代人であればその差を容易に見抜くことができるのだ。

 何よりも、彼女が着用している制服は、およそ普通の人間であれば間違いなく羞恥心を抱くような代物であった。サイクルウェアや競泳水着と同程度に体に張り付き、ボディラインだけでなく乳房の輪郭すらもはっきりとわかってしまうような淫猥な服を身に纏っている。

 アスリートのように筋肉質であるだけでなく、かつ女性的な丸みを帯びるようにデザインされたボディ。性的興奮を喚起させる豊満な肉体を公衆の面前に曝け出しながら平然と仕事ができるのは、自我のないアンドロイドだからこそできることだ。

 キュっ、きゅィー……。

 ――眼球型カメラが少年にピントを合わせる。彼女の口角がわずかに上がった。

「宅配便です! 失礼します!」

 流暢な発音でにこやかに挨拶したアンドロイドは玄関に足を踏み入れると、先に荷物を廊下に置いた。自然な動作で膝を屈め、床を傷つけないように丁寧かつスムーズな動作で段ボール箱を下ろす。

 荷物の運送を取り扱うアンドロイドは、持ち手さえあれば100キログラム程度の荷物であっても持ち運び可能だ。中身の詰まった段ボール箱を運搬することなど造作もない。一日中稼働しっぱなしの彼女は汗ひとつかかず、プログラムされた通りに愛想を少年に振り撒く余裕すら見せる。

「少し重たいので、ここ置いちゃいますね〜」

 自分よりも頭ひとつ分大きい彼女を少年は見上げる。短い黒髪に大きな瞳など、顔立ちは中性的であるが、せり出した胸の膨らみはその肉体が「女性」として製造されたことを雄弁に物語っていた。

 ぱつぱつの水風船のような双丘が、彼女の動作に合わせてぷるぷると揺れる。黒と淡い青を基調とした半袖の制服は、体にぴったりと張り付くボディースーツのようなコスチュームだ。

 肘や膝から先は、小麦色の健康的な人工皮膚が露出している。一方で乳房や尻は、伸縮性と耐久性に優れた布地で覆われており、テカテカと艶かしい照りを放ちながら丸みのある女体の輪郭を見せつけていた。

「……」

 少年は口を半開きにしたまま、彼女の仕事を――否、成熟した女体を見つめ続ける。至近距離に突然現れたアンドロイドの体は、母親や同級生のものとは全く異なっていた。彼女の肉体を見るだけで少年の呼吸は荒くなり、股間が疼いてしまっていた。

 胸や尻が過度に強調された商品配達アンドロイドのボディは、第二次性徴が現れ始めたばかりの子供にとってあまりにも刺激が強すぎる。しかし、彼女たちはいたずらに性的にデザインされているわけではなく、荷物の運搬や移動の効率を上げるためであったり、耐衝撃性を向上させるためといった、合理的な設計をした結果の産物なのである。

 荷物を置いたアンドロイドは立ち上がり、ぐりんと首を機械的に回して少年の方を向いた。内心落ち着かない気持ちで彼女を見ていた少年は、突然見つめ返されて心臓が跳ね、視線を逸らしたまま固まってしまう。ボーイッシュな顔つきは親しみやすさを人々に抱かせるためにデザインされており、少年にとっては同世代の男友達のような溌剌とした雰囲気すら感じられた。

 キュ、キュぃい……。ジジ……。ぱち、ぱちっ、きゅゥ……。

 少年を眼球型カメラで認識したアンドロイドは、彼がデータベースに登録されていない人物であることを確認した。アンドロイドはプリインストールされた接客マニュアルに従って発話を生成し、少年に問いかけた。

「冨久西セイタロウ様のご家族の方で、お間違いないですか?」

「は、はい! え、と。冨久西、マサヒコです」上擦った声で少年は答える。その返答を認識したアンドロイドはにこりと微笑んだ。

「承知しました! 冨久西マサヒコ様ですね! では受領確認の前に、精液のご登録をお願いしま〜す!」

 アンドロイドは少年に一歩近づくと、少年に見せつけるように自らの滑らかな股間をぐいっと突き出した。日常生活ではまず目にすることのない距離で、女性の下腹部が見せつけられる。ユニフォームに浮き出た鼠蹊部のラインを辿れば、恥丘のなだらかな膨らみと、その中央にあるスリット、そしてその上に印字された“INSERT”の文字が目に入った。

 自分とは違い、陰茎の存在しない女性の体。たとえ人工物であっても、少年はその違いに自ずと興奮を覚えていた。

 アンドロイドはスパッツのように張り付く下半身の布地に指を滑らせ、股間部分に縦に入ったスリットを指で押し広げた。

 ぬちゃぁぁ……♡と卑猥な水音を立てて、女性器を模した精液回収ユニットが少年の目の前に現れる。その場所は既に人工愛液で潤っており、少年と交わるための準備が整っていた。

 少年はごくりと生唾を飲み込み、アンドロイドの股間に備わった淫靡な造形を食い入るように見つめていた。

「精液認証サービスのご利用は初めてですか?」

 ヒクヒクと蠢くサーモンピンクの粘膜を露出した待機姿勢のまま、アンドロイドは少年に問いかける。自らの股間に目が釘付けになったまま応対する少年に対しても、アンドロイドは嫌な顔一つせず、にこやかに応対し続ける。

「はっ、はいっ」

「承知しました! では初回ガイダンスを行いますね〜。ガイダンスプログラムを実行しま〜す」

 アンドロイドは直立姿勢に戻ると、自らの右手をおもむろに掲げた。そちらに少年が視線を移すと、どこからともなく小型のドローンが現れ、少年の視線の先にホログラムを投影し始めた。球状ドローンから説明用の映像を表示させながら、少年に目を合わせたままハキハキとした口調で説明を開始した。

「精液認証サービスは、商品配達アンドロイドに搭載された精液回収ユニットを用いてお客様の精液を採取・分析することにより、安全かつ迅速な本人確認を提供します」

 映像には彼女と全く同じ顔をした、つまり同型のアンドロイドが登場していた。彼女の下腹部は内部を見せるために透明になっており、膣を模した精液回収ユニットと、その奥に待ち構える子宮型の精液分析ユニットの存在が明らかになっている。

 うにうにと蠢いて肉棒を扱き上げる擬似膣の様子、そして放出された白濁液がダマ状になって膣奥に吸い込まれていく様子がアニメーションで描写される。そして分析ユニットに運ばれた精液に含まれる遺伝子情報と、データベース上の個人情報と照合される一連の流れが終了する。

 映像の中で、アンドロイドが少年に向かって微笑む。さらに微笑むだけでなく、映像のアンドロイドは自らの膣をくぱぁ♡と開いて見せつける。その奥にある子宮ユニットが開き、カメラに向かって子宮口が晒されたところで、アンドロイドが説明を再開する。

「ご利用の際は、以下の点に注意してください。まず、男性器を精液回収ユニットに挿入する際は、アンドロイドの指示に従って正しい位置、角度から挿入してください」

「精液の読み取り精度を高めるため、男性器は精液回収ユニットの指定された位置まで、しっかりと挿入してください。場合によっては、アンドロイドが体位を変更し、射精の介助を行うこともあります」

 デモ映像では、アンドロイドが後ろから成人男性に突かれる様子が映し出されていた。ぴっちりとした布地に包まれた乳房をばるんっ♡ばるんっ♡と揺らし、口の端から涎を垂らしながら営業スマイルを浮かべ続ける女性型アンドロイド。少年は食い入るように映像を見つめ、すでに勃起した肉竿をびくん、びくんと震わせていた。

「精液回収ユニットは多くのお客様にご利用いただくため、衛生的な問題が発生する可能性があります。しかし、ご安心ください。精液回収ユニットには自動洗浄機能が搭載されており、各使用後に自動的に清掃が行われ、衛生的な状態が保たれます」

「精液回収ユニット内部に異物を挿入しないでください。また、何らかの原因でユニットが正常に動作しない場合は、アンドロイド自身が判断し、直ちに認証作業を停止する場合がございます。その場合は、無理に精液認証を継続せず、他の認証手段をご利用ください。安全かつ衛生的にご利用いただくために、以上の注意事項を守ってご使用ください」

 アンドロイドはそう告げると、ホログラムの投影を停止して一礼する。そしてにこやかに言った。「ご不明な点がないようでしたら、精液の登録作業に移ります! 男性器を、当機の精液回収ユニットに挿入してくださいね〜」

 平たく言えばセックスをしろと言っている彼女を前にして、少年は自分が何をすべきなのか分かっていた。少年はぎこちなくズボンを脱いで、下半身を露出させた。既に硬くなっている肉棒を、アンドロイドのアイカメラは見逃さなかった。

 ぱち、ぱちッ。ジ……、ジジっ。きゅィ――

「男性器の露出を確認しました! それでは、当機の精液回収ユニットに射精をお願いしま〜す!」

 アンドロイドはくるりと後ろを向いて少年に背を向けると、ドアに手をついて尻を突き出した。内側から押し上げられてパツパツに張ったスパッツの布地にもう片方の手を滑らせ、アンドロイドは自らの股間に指を添える。

 くぷ……♡くち、くちっ……♡

 ほっそりとした女性の人差し指と中指がスリットを再び押し広げる。長い間焦らされて洪水状態の女性器が露わになる。サーモンピンクの粘膜がぐぱぁっと広がり、粘液を分泌させながら生物じみた動きでヒクヒクと蠢いて少年を誘う。少年がその淫靡な光景に目を奪われていると、ねっとりとした人工愛液がとろりと糸を引いて垂れ落ち、土間にいくつかのシミを作った。

 少年の眼前に聳える、豊満な臀部。人間よりも重いボディを支えるために、彼女たちの下半身には高出力の人工筋肉が搭載されている。筋肉質かつ女性的な丸みを帯びた尻、そして太もも。それらは荷物の運搬のためだけでなく、男性の欲望を十二分に受け止められるほどしっかりとした作りになっていることが伺える。

 少年はおもむろに手を伸ばし、滑りの良いユニフォーム越しに彼女のむっちりとした腰を掴む。分厚い尻たぶに、少年の非力で小さな手が沈み込む。そして爪先立ちになって、ヘコヘコと腰を振るわせながら陰茎を割れ目に擦り付けた。

 にちゅっ……♡ぷちゅ、くちゅっ……♡にちゅっ、ぬちゃぁっ……♡

「ん、しょっ……、あ、あれ? 入らない……」

 少年は熱りたった肉竿を押し付け、なんとか割れ目をこじ開けようとする。しかし背伸びをしているためか、上手くバランスをとることができない。肉壺の入り口に陰茎を捩じ込もうとしても、滑りのある液体のせいで亀頭が大陰唇の上をにゅるん、ぬるんと滑り、少年は挿入すら難儀していた。

 先端だけ亀頭が露出した小さな男性器が陰裂を上滑りする。その度に、ぷにぷにとした大陰唇の感触と、その内側の柔らかな人工の肉びらがペニスを甘く攻撃する。微かな吐息は熱っぽさを増し、少年の頭はクラクラしてきた。

 アンドロイドはさらに少しだけ膝をかがめ、少年が挿入しやすい体勢を作った。少年の視界を埋め尽くすほどに突き出される桃尻。スパッツの卑猥なテカりに興奮がさらに高まる。

 少年は荒い息をしながら震える手でペニスを支え、膣口に先端をぴったりと添えた。肉壺の入り口が捲れ上がり、これから肉棒が包み込まれんとする淫らな桃色の粘膜が少年の目に飛び込んでくる。

 ぬちゅっ、ぐにゅるるるるっ……♡

 ずぷぷっ、にゅぷぷぷッ……♡♡♡

「は、ぁああっ……、っ……、あっ……! な、なにっ、ぁ、あったか……ッ」

 人工の肉壺に、自らの最も敏感な部位がにゅるにゅると吸い込まれていく。人肌より温かい粘液で潤った精液回収ユニットの内部が、にち、にちと音を立てて肉竿全体に吸い付き、包皮をずるりと剥いて完全に亀頭を露出させる。

 ぱっ……、ちゅんっ♡

 弱々しい音を立てて、少年の腹がアンドロイドの大きな尻たぶと衝突した。手足を震わせながら全体重をアンドロイドに預け、転びそうなほど前のめりの姿勢で陰茎を人工粘膜に押し付ける。

 後ろからプレスするような構図は男の征服欲を満たすものだが、この状況では圧倒的にアンドロイドの方が格上だ。少年がどれだけ体重をかけようとも、彼の体重の二倍以上の重量のボディを日頃から支えている両脚は凄まじい安定感を発揮し、ミニチュアサイズのペニスを突き刺されても平然としている。

「はぁっ、はぁっ……」

「挿入を確認しました! 男性器を分析しますので、しばらくお待ちくださいね〜」

 ――ヴぅぅ……んッ♡♡♡

 アンドロイドの体内でモーターが稼働を開始するような音が鳴る。少年は何か嫌な予感がするとともに、僅からながらの期待を覚えていた。得体の知れない音と共に、甘ったるい刺激を与えていただけの擬似膣内がにぢり、にぢりと蠢き出す。それが少年の下腹部に与える快楽をどんどん強めていく。

「えっ……、う、うわぁぁあっ!!」

 うねうねと蠢き出したのは肉ヒダだけでなく、精液回収ユニットの構造全体だ。ペニスの全長や直径といった情報を元にして、子種を搾り取るためにユニット内が最適な形状へと変化する。精液回収のために密着した膣壁が四方八方からペニスを、にちにち♡にちゅにちゅ♡と擦り上げる。

 にゅちっ♡にゅち♡くちゅっ……♡♡

「男性器のサイズ、硬度、快感耐性――全てEランクですね〜。射精促進のためのオプション機能は、適用の必要性がないと判断します! それでは、可能な限り精液回収ユニットを縮小させちゃいますね! そのまま動かないでくださいね〜」

 少年の耳には彼女の言葉は届かない。溌剌とした声音で丸められてはいるが、その内実は「貧弱なペニス相手には小細工する必要もない」という彼女の無慈悲な宣告だ。しかしそれも、股間から聞こえるぎゅちぎゅち♡ぬちぬち♡という卑猥な水音でかき消されてしまう。

 ウぃぃん、キュッ、キュィッ、キュキュっ♡

 解析された男性器の情報に基づいてユニット全体が収縮し、それと同時に子宮型の精液分析ユニットの入り口もグググ……と下がってくる。子宮口を模した柔らかな輪っかが、亀頭にぷにゅりとぶつかるまで。そうして肉竿の先端が、自動的に稼働するリング状の構造物にぱくりと咥え込まれる。

 はぁむっ♡はむっ、はむ♡

「う、くっ、あ、あっ、あっ♡やぁっ、だめっ……!」

 亀頭を甘噛みされる未知の刺激に、少年は半狂乱で叫ぶ。肉竿をぐっぷりと根本まで咥え込んだ精液分析ユニットが、ずりずり♡にゅりにゅり♡と磨き上げる。少年を気持ち良くさせ、絶頂に導くための動作ではない。精液回収ユニットを小さな肉棒にフィットさせるというただそれだけの動作に、少年はあっさりと負けてしまう。

「精液回収ユニット内部の調整が完了しました〜。じゃあ今から搾精に……」

「あ、あ、で、出るっ、出ちゃうっ!」

 びゅっ……♡ぼぴゅぅっ、どぴゅるる……♡♡びゅくッ、ぴゅく……♡

 ぴュ、ぴゅうぅ〜ッ……♡

 少年は必死でアンドロイドの腰にしがみつく。脳天から稲妻が落とされたような凄まじい快感の渦の中、背骨が折れそうな程背中を仰け反らせてびゅくびゅくと吐精する。つま先をピンと伸ばし、しがみつくようにしながら腰を突き上げ、本能が子宮に子種を届かせようとして腰をぐりぐり尻肉に押し付ける。

「はぁっ、ぁ、ぁあ〜……」

 恍惚と疲労の入り混じった表情で、少年はアンドロイドの柔らかな尻たぶに全体重を預けてへたり込んだ。肉厚なヒップの感触を堪能しながら、濃厚なゼリー状の白濁汁をぶびゅっ、びゅるびゅると放出し続ける。

 人工の肉体は妊娠することなどなく、ただ単に遺伝子情報をもとに本人確認を果たすための装置として存在している。検査に使われた精液は全て廃棄されることなど知らずに、少年は無意識のうちにオスとしての役目を果たそうとする。

「射精を確認しました! 精液を回収して、情報の分析と登録をしちゃいますね〜。しばらくお待ちください!」

 まだ一往復すらもしていないにも関わらず射精してしまったことを、アンドロイドは朗らかに宣言した。その声音には、憐れみといった感情の類は一切込められていない。快感によがる女性の反応をエミュレートすらしない女性型の機械は、不気味なほど整った笑顔を浮かべながら淡々と認証作業を実行し続ける。

 ヴィぃぃぃぃ……ん。ぐちゅ♡ぐちゅっ♡ぐちゅぐちゅぐちゅ……♡

 少年の腹に伝わるほどの唸りを立てて、豊満な臀部の内側で振動が開始し、精液が機体の奥へと回収されていく。アンドロイドは精液回収ユニットをうねうね動かして精液を回収しながら、少年の情報を登録するために精液の分析を開始する。

 ――進捗率22%……、47%……、76%……、82%……。

 射精直後のペニスに襲いかかる快感は相当なもので、少年は逃れようとするが力が入らない。それだけでなく、精液を搾り取るために膣内が絡み付いて引き抜けないのだ。ずにゅり、ずにゅりとまとわり付く柔肉に舐めまわされ、少年の意思に反して股間が再び硬さを増していく。

「96%……、100%。ピピッ……、はい、DNA分析が完了しました! 冨久西セイタロウ様との血縁関係が確認できましたよ〜。冨久西マサヒコ様をデータベースに登録しますね〜」

「はぁ、はぁ……、お、終わった……」

 アンドロイドの下半身にへばりつき、彼女の尻に頬擦りするように伏していた少年は安堵の思いで腰を引こうとする。しかし大量に吐精したためか、脚と手が痺れてうまく力が入らない。それどころか、アンドロイドは尻をぎゅっと締め、少年のペニスが簡単に抜けてしまわないようにがっちりとホールドしたままだ。

「……受領確認に必要な量の精液を回収できていませんね。必要量は、残り5.1ミリリットルです。受領確認作業を続行しますね」

 ぎゅううぅうっ……♡ぐちゅ、ぐちゅ……♡ずにゅにゅっ♡

 にゅるるるっ、にゅぽ、にゅぽッ♡にゅっ、ぱぁ……♡

 再び絶頂に導くべく、肉ヒダがうねうねと肉棒を舐め回す。くったりと倒れ込んで動けない軟弱な少年の代わりに、精液回収ユニット自体がうぃん、うぃん♡と前後に往復し、擬似的なピストン運動を実行する。

 どぽどぽと分泌される人工愛液がヒダの一つ一つに絡まり、それらは全て少年の陰茎を苛烈に舐めまわす。少年はどっしりとした尻に体重を預け、天を仰いで情けなく喘ぐことしかできない。

 通常状態でもぴっちりと密着し、肉竿を隙間なく包み込み搾り取る形状になっていた精液回収ユニット。しかし今となっては、少年サイズに合わせて調整が完了している。もっと精液を放出せよと主張せんばかりに、その締め付けは一層強くなる。

 浮き出た血管一本一本すら把握済みであるかのように、肉ヒダの凹凸がよりくっきりとする。人工粘膜のつぶつぶとした突起が亀頭全体を刺激し、張り巡らされたヒダヒダが鈴口を、カリ首を、そして竿全体をマッサージする。

 ずにゅっ♡ぎゅちゅっ……♡きゅん♡きゅううんっ♡♡にゅちにゅち♡

 女性との性行為を模倣した偽りのピストン運動によって、あっという間に再び睾丸から精液が出口を求めて上ってきてしまう。

 きゅぅぅうっ♡とさらに締め付けがキツくなる擬似膣に、為す術なく絶頂を迎えようとする少年。亀頭がぷっくりと膨らみ、大量の白濁液が尿道を駆け上り始める。当然、彼女はそれを把握済みだ。再び降りてきた子宮型の先端ユニットが、いまか今かと手をこまねいているかのようにぱく♡ぱく♡ぱくぱくッ♡と収縮を繰り返し、一滴残らず雄汁を回収する準備をしている。

「ぅ、あっ、も、もうダメ、また来ちゃうっ……、く、ぁあっ!」

 ぶぴゅっ♡びゅるるるっ♡♡どぴゅ、びゅくびゅくっ♡

 ぴゅるるっ♡♡ぴュ、ぴゅく、ぴゅくぴゅくッ……♡

 先端から精液が飛び出したことを察知した瞬間、ユニット内部の肉ヒダの蠢きが更に激しくなる。人工愛液と精液が混ざり合い、白濁した液体が精液認証ユニットを満たしていく。射精中であっても少年の性感への刺激を怠らないアンドロイドは、カリ首に引っ掛けられた輪っかをぐにゅる、ぐにゅると回転させ、尿道内に残った精液を外へと搾り出そうとする。

 ぶぴゅっ……♡びゅるっ……♡♡にゅぐっ……♡にゅぐ、にゅぐっ……。

 くちゅぅ……♡にちゅっ……♡♡にゅちちちっ……♡♡きゅん♡きゅんっ♡♡

 絶頂の高みから降りることを許さず、更に上へと突き上げるようにぎゅうぎゅうと精液を搾り取る。射精中ですら絶頂へと誘おうとするかのような肉ヒダの蠢きに少年は身悶えし、睾丸で生産された精液を吐き出し続ける。

 しばらく続いていた射精が止み、少年の脚はガクガクと震えている。睾丸の中に溜め込まれていた精液を残らず搾り取られ、脚に力が入らなくなってしまっているようだ。

 流石の少年もペニスを復活させるのに時間を要していた。擬似膣がフィットする限界を超えて小さくなったために隙間ができてしまい、少し後ろに重心を傾けたらぬぽんっ、とペニスが抜けてしまった。後退りするようにして、少年は廊下にへたり込む。

「……受領確認に必要な量の精液を回収できていませんね。必要量は、残り1.8ミリリットルです。受領確認作業を続こ――男性器が抜去されました。認証を続行するために、男性器を精液回収ユニットに挿入してください!」

「はぁっ、はぁっ……」

 甘えたオナニーなどでは決して体験できないほどの快感に、少年は頭がクラクラしていた。こちらに向けて尻を向けたまま待機するアンドロイドを、少年は肩で息をしながら眺めることしかできない。

 一定間隔で「認証を続行するために、男性器を精液回収ユニットに挿入してください!」を繰り返しながら、アンドロイドは少年に向けて尻をふりっ♡ふりっ♡と微かに揺らす。その様子は、彼女が性行為を目的としている人間ではなく、精液を回収して認証作業を行うための人型搾精マシンであることをまざまざと示していた。

 精液回収ユニットに一定時間ペニスが挿入されなかったため、アンドロイドは後背位の姿勢を止めて直立した。キュイ、と駆動音を立てて振り返り、下半身を露出したまま廊下に座り込んだ少年を認識する。アンドロイドは認証作業を続行するために、自ら行動を開始した。

 うぃん。きゅっ、きゅィぃっ……。

 一歩ずつ、少年に近寄る女体。彼女が一歩を踏み出すたびに、水風船のような乳房がぷるん、ぷるんっ♡と揺れる。股間から人工愛液を垂れ流したアンドロイドは、張り付いた笑顔のまま少年に顔を近づけた。

「ぁ……。な、に……?」

「円滑な認証のために、当機がお客様の射精を介助いたしますね! お客様は動く必要がございませんので、当機にお任せください!」

 にっこりと笑ったアンドロイド。脳を焼き尽くすような快感をもう一度耐えなければならない――そう思った少年は、無意識に拒絶の言葉を口走っていた。

「ぁ……っ。ゃだ……。ゃ、ぁ……」

 アンドロイドの顔が近づく。桃色の肉厚な唇が近づいてくる。キスされる。吸い付くされてしまう。――少年は顔を背けた。その動きをアンドロイドは見逃さない。滑り止め用の手袋をはめた両手で少年の頬を優しく包むと、少年の瞳から一度も目を逸らさずに唇を重ね合わせ、濃厚な口吸いを開始しようとする。精液認証を続行するという、ただ一つの目的のために。

「あむっ♡むちゅるるっ♡ちゅうっ、ちゅううっ♡れるっ、れるれるぅ♡」

 ふわふわ、且つぷるぷるの唇が覆い被さった瞬間、その内側からにゅるりと這い出た長い舌が少年の口をこじ開けた。

 無味無臭の人工唾液が絡んだ舌が、少年の口腔内をのたうち回る。それだけではない。弾力に富んだ唇が、少年の小さな唇をはむはむ、ちゅっちゅっと甘く食み尽くす。

 アンドロイドはごく自然な流れで自らの豊満なボディを密着させた。人間と変わらない触り心地の乳房が、少年の胸にふにゅんと押し当てられる。

「ぢゅるぢゅるっ♡んむっ♡はぁむっ♡れろれろれろ♡ちゅっ、ちゅるっ♡」

 しなやかな舌が少年の口腔内をくまなく這いずり回り、唾液を流し込んでマーキングする。荷物を配達するために作られたアンドロイドには到底似つかわしくない、あまりにもドすけべな濃厚ベロキスの応酬が襲い続ける。

 少年の全身の筋肉は弛緩し切っていた。息絶えたカエルのように四肢をだらりと投げ出し、アンドロイドのなすがままになっている。舌と舌が絡み合う淫猥な音が廊下に響き渡り、少年の耳はその音で犯し尽くされていた。

「ぴとっ♡ぴとんっ♡れろえろっ、ちゅるっ、ちゅっ♡ずるるるっ、ちゃぷっ、ぷちゅっ♡♡」

 そんな濃厚な口吸いを数分間も続けられ、どろどろに蕩けきってしまっていた少年の口からは涎が垂れ流しになっていた。少年の口腔粘膜から細胞に浸透しそうなほど濃厚なマーキングが止み、アンドロイドの唇が少年から離れていく。しかし最後まで人工舌は少年の舌に名残惜しそうに絡みついている。

 にゅろろろっ……、ぬぽっ……♡

 ようやく解放された少年は、口を半開きにさせたまま深い呼吸をした。とろんと粘度の高い唾液が二人の唇の間で橋を架ける。少年の体は火照り、萎えかけていた陰茎もすでにビンビンに復活し、先端には精液混じりのカウパーの玉がぷっくりとできていた。

 少年はぼうっとした頭のまま、アンドロイドの顔を見つめた。呆けている少年が慌てふためく隙も与えずに、アンドロイドは頬に添えていた手を少年の背中に回し、ひょいと抱き抱えてしまった。機械部品が詰まった彼女のボディは総重量が80キログラムを超えるため、子供一人が抱きついたくらいではびくともしない。

 幼少期に母に抱き抱えられていた記憶が蘇る。自分の全てを受け止めてもなお安定した女体の包容力に、少年は恍惚とする。ぴっちりとした衣服に包まれた瑞々しい乳房が、少年の薄い胸板に押し付けられる。ふにょんとしたクッションに身を預け、少年はこの安全な場所から離れないようにと、本能的にアンドロイドの首に回した腕に力を込めた。

 ――うぃ、ん。

 少年の腕が自分を抱きしめたことを確認すると、アンドロイドは背中に回した腕を尻に移動させた。少年の体型データを元にしてどの程度腰を下げれば良いかを演算すると、アンドロイドは膝を器用に屈め、膣口を肉棒の先端にぴたりと触れ合わせる。

 ……つぷっ♡♡

 亀頭の先端が人工粘膜に触れた瞬間に、アンドロイドは少年の尻を両手でぐっと持ち上げる。40キログラムにも満たない少年の体は簡単に持ち上げられてしまい、精液回収ユニットに肉棒が勝手にずぷずぷと入っていってしまう。

 にゅぷっ♡ずにゅるるるるっ♡ずりゅりゅりゅっ♡♡♡

 肉ヒダをかき分けて、勃起したペニスが押し込まれていく。少年の肉茎を再び迎え入れた偽物の女性器は、子供サイズのモノに完全にフィットするように調整済みだ。

 根本まで咥え込めば、陰茎の先端がぷにゅんと精液認証ユニットの入り口にぶつかる。少年のために誂えられた肉壺は、一ミリの隙間も与えずに肉竿にぴったりと張り付いて離れない。

「……安全のため、お客様は当機にしがみついたまま、動かないでくださいね〜」

 アンドロイドは両腕で少年の尻を支え、彼の体を上下させ始めた。少年は無理やりピストン運動をさせられ、陰茎が精液回収ユニットで擦られる。アンドロイドはむちむちの太ももに力を入れながら、ぱっちゅ、ぱっちゅと一定のリズムで少年の体を持ち上げては降ろす作業を繰り返す。成人男性以上の出力が発揮可能な彼女にとっては造作もないことである。

 ずっちゅ♡ずっちゅ♡ぱんっ♡ぱんっ♡ぱんっ♡ぱんっ♡

 うぃん、うぃんと体内から漏れ出る駆動音。アンドロイドに手加減の概念はない。なぜならば素早く搾り取ることがこの場では求められるからだ。擬似的な性行為によって得られる満足感よりも優先すべき事項があるから、フルオートのピストン運動で無慈悲に、そして無感情に精液を搾り取ろうとする。

 にゅぷっ♡ずちゅぅっ、ぬぢゅっ♡ぱちゅん、ぱちゅっ♡♡

 ぐいぐい吸い付いてくる擬似膣、そして口腔内を蹂躙する舌の快感。アンドロイドに内蔵された機能により、陰茎の硬さは本人の意思とは無関係に刻一刻と増していく。アンドロイドはピストン動作を加速させていく。両腕の力だけで上下させるだけでは飽き足らず、腰をグラインドさせながら少年の体を上下に揺さぶる。

 柔らかな人工粘膜がねっとりと竿を扱き上げ、甘い痺れが腰に集まっていく。アンドロイドは小刻みに少年の体を持ち上げては落とす。竿全体がぶるぶると震える様は、まるで子宮口とキスするのを待ち望んで背伸びをしているかのようだ。一瞬たりとも逃さずに刺激を受けるように、少年は朦朧とした意識の中、必死にアンドロイドの体を抱きしめる。

 ずちゅんっ♡♡びゅぷっ、びゅるるるっ……♡♡

 ぴゅるるぅ……、ぴゅ、ぴゅ、ぴゅぅ……♡

 そうして何度目かの上下運動の後、とうとう少年は限界を迎えてしまう。全身から力が抜け、背中だけをガクガク痙攣させながら、ぴゅるぴゅると精液を放出する。壊れた蛇口から漏れる水のように垂れ流しになったザーメンは、全て精液回収ユニットの奥へと吸引されていく。

「ぢゅるるるるっ……♡ぢゅっ♡ぢゅっ♡ぢゅううううっ♡にゅむにゅむっ♡れりゅれりゅれりゅ♡にゅぷりゅうぅっ♡」

 アンドロイドは少年の舌を貪る。じゅっこ♡じゅっこ♡と音を立てながら、長い舌を少年の舌に巻き付けて扱く。痙攣する背中をぎゅっと抱きしめ、陰茎をぐにゅぐにゅと揉みしだきながら精液を搾り取る。肉厚な女体に抱きつきながら腰を弱弱しくヘコヘコさせる虚ろな目をした少年は、濃厚なディープキスによって魂を吸い取られているようにも見える。

 ぶしゅううっ……♡ヴィィィィン……♡♡ヴイィ――ん……♡

 ユニット内の微振動が始まり、陰茎のマッサージを加えながら尿道に残った精液を掻き出す。波打つように肉竿を愛撫され、残り汁がぴゅ、ぴゅうっと弱々しく漏れ出る。それすらも一滴残さず精液認証ユニットは回収した。

「……受領確認に必要な量の精液を回収しました! 認証作業を終了しますね。お疲れ様でした〜」

 ずりゅりゅりゅぅ……っ、ぬぽんっ♡

 精液回収ユニットの内圧が次第に弱まり、ペニスが自動的に抜ける。潤滑液でぬるぬるになった肉竿を曝け出しながら、少年は後退りしてへなへなと廊下に座り込んだ。アンドロイドは少年の目線と合う高さまで腰を落とす。桃色の唇が再び迫ってきた時、少年は何をされるのかを悟って目を瞑った。

「ちゅっ♡ちゅぷぷっ……♡ぴちゃっ♡れるれろっ……♡♡んちゅっ、ちゅぷっ……♡にゅるっ……ぢゅうっ♡♡」

 アンドロイドは少年の唇を奪うと、躊躇なく舌を突き入れた。滑る舌が口の中に入り込み、唾液を絡み付けてくる。そのディープキスはあまりにも情熱的で、少年は唾液を飲み込むことも忘れ、ただされるがままに唇を貪られていた。そうしてたっぷりと口内を蹂躙した後、アンドロイドは顔を離した。

「レロぉ……♡♡」アンドロイドの舌と少年の舌が唾液の橋で繫がっている。濡れた舌から落ちる唾液がぼたっ♡と床に落ちる寸前に、アンドロイドは再び少年の顔に自らの顔を近づける。

「ちゅっ……♡んぢゅうぅ……♡♡じゅるるるっ♡むちゅっ♡んむっ……♡」

 蕩け切った顔の少年のペニスから、残り汁がぴゅるっと飛び出てアンドロイドの太ももを濡らした。濃密なアフターケアを終え、機械的な笑みを浮かべて唇を離したアンドロイドを、少年は虚ろな目で眺めている。彼女は柔らかな胸を揺らしながら立ち上がり、別れの挨拶をした。

「ありがとうございました! またのご利用をお待ちしておりま〜す!」

 アンドロイドは営業スマイルを浮かべて礼をすると、軽やかな足取りで去っていった。その口元には先ほどのキスで吸い込んだ少年の唾液が付着しており、ピンク色の肉厚な唇に光沢を与えていた。その唇から舌がにゅるんと這い出てきて、付着した粘液を速やかに拭った。すくい取った唾液を嚥下すると、アンドロイドは車に乗り込んで次の配達へと向かった。

Comments

炎髪

無慈悲に搾り取られるの良きですわ・・・.