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ごあいさつ

新年あけましておめでとうございます。なかなか晴れやかな気持ちにならない一年の始まりですが、今年こそ色々落ち着いてくれることを祈っています。



質問コーナー

ありがたいことにご質問をいただきましたのでお答えします。


Q1. 性のお勉強が大好きな作品なのですが、作品で登場した小学校以降も中学高校と別のアンドロイドが性教育を行っている世界観なのでしょうか。アンドロイドでしか抜けない子の増加やアンドロイドとバレた後におもちゃにされることも増えそうで妄想が捗り夜も眠れません


A1. 正直に申し上げると、色々設定を膨らますタイプではないのであれは小学校内で完結した世界観に基づいて書きました。なので中学高校のことは全く考えていなかったというのが本当のところですが、たぶんアンドロイドによる性教育はあっても中学くらいまでだと思いますし、みんな性に目覚めてだいぶ自我も確立してきている頃だと思うのでロボットによる性行為の訓練とかは嫌う(エッチするならやっぱり人間とがいい!みたいな)子達もだいぶ出てくるのではないかなぁと思います。

イメージとしては小学校だけに存在した授業(生活科とか道徳とか?)のような位置付けで、アンドロイドを用いた擬似的なセックスを子供時代に経験しておくことが一般常識みたいになっているような状況下でのお話、みたいな感じです。



Q2. 筋肉感のステキな小平様のイラストは格闘ゲームのキャラが多いですが、闘う女の子はお好きなのでしょうか。(格闘ゲームキャラにもアンドロイドやロボットはそれなりにいるので)


A2. いわゆる格ゲーは全くやらないのでキャラクターがどうとか言えないのですが、筋肉がしっかりしているロボ娘はその見た目と中身のギャップが個人的に嬉しいので、鍛えられた肉体のロボ娘さんは大好きです。闘ってくれているとなお嬉しいです。

(本筋と外れますが、小平さんにイラストをお願いしたきっかけは、小平さんが出していたイラスト集に登場する競泳水着を着た女性がいたく気に入ったからです。ああいった肉体表現が素晴らしいイラストレーターさんで比較的お声をかけやすい方は希少なので、毎回大変お世話になっています。)



オムニバス本について

さて、かれこれ4ヶ月くらい前から出そう出そうと思っていたオムニバス本ですが、なんとか3月末までには販売しようと思っておりまして、挿絵も着々と準備できつつあります……!


今回は前回のようにBOOTHで"Assortment No.2"という形で販売させていただこうかな、と考えているのですが、加えてDLsiteの方ではオムニバス本①と②を合わせたものを販売しようと思います。DLsiteで販売するものに収録するのは以下の8作品です。

(※BOOTHの方は4~8を収録します)



1.人型自慰行為補助機械シリーズ(4エピソード・60000字・挿絵4枚)

2.人身御供(10000字・挿絵1枚)

3.automatism/automata(17000字・挿絵1枚)

4.coffee break(5エピソード・24000字・※FANBOXで投稿した短編集です)

5.世界の異常性癖図鑑(9000字+α・挿絵2枚・設定画1枚)

6.女子陸上選手型アンドロイドを騙して素股させたりフェラしてもらう話

(16000字+α・挿絵4枚・設定画1枚)

7.治安維持機関所属機械人形による性欲処理業務の一風景(17000字)

8.人形偏愛の俺・口の悪いアンドロイド(11000字)



ストーリーは100円プラン以上で支援してくださっている方であれば全てご存知かと思われますが、素晴らしい挿絵がわんさかついておりますのでぜひお手に取ってみてください。挿絵は小平様、そしてヤルク様にお願いしました。


価格はBOOTHで販売する"Assortment No.2"の方が660円、DLsiteで販売する方(No.1とNo.2の合本)が1210円となる予定です。発売開始しましたらまたお知らせしますので、今しばらくお待ちください🙇‍♂️





アンケート

オムニバス本という都合上、話の前後に繋がりがないのでエピソードごとに分けて販売することができそうなのですが、DLsite(もしくはBOOTH)で販売するときに、これまで通り一つのPDFにした方がいいか、それとも分割したほうがいいかをお聞きしたいと思います。現状はDLsiteは分割して、BOOTHはまとめて販売しようかなとは考えています。

コメント欄に投票所(?)を置いておきますので、二つの選択肢のうち良さそうな方に❤️をつけてもらえればと思います。


選択肢A.一つのPDFにまとめる

メリット:一つにまとまっているので一つのファイルを落とすだけでよい

デメリット:作品を探すのに手間取る、300ページのPDFは重い


選択肢B.エピソードごと複数のPDFに分割する

メリット:ファイル名からタイトルがすぐにわかるので作品を探すのが楽、一つ一つのファイルが軽い、個人的には編集作業が楽

デメリット:ファイルがバラバラなのでダウンロードした後の管理が面倒かも






趣味の話

かれこれ4年くらい続けている趣味に音楽ゲーム(音ゲーと略します)があります。スマホゲーの方は全然やらないのですが、ゲームセンターに行ってちょこちょこやるみたいな感じです。

近所のゲームセンターが歩いて15分くらいのところにあるので、歩いて往復するといい感じの運動になるのでそういう意味でもありがたく、週に一回くらいは息抜きに通っています。


音ゲーやっている人なら分かると思うのですが、メイン機種というものがありまして、大体の人は一つか二つくらいの音ゲーを主にプレイするような形になります。

ゲームセンターに行くと、大きいところは10種類くらいの音楽ゲームが置いてあったりするのですが、有名どころで言うと太鼓の達人やDance Dance Revolution(DDR)などでしょうか。


私がよく遊んでいるのはチュウニズムとサウンドボルテックス(SDVX)という二種類のゲームです。メインはチュウニズムの方です。

どちらも指先を用いて、主にスライダーやボタンといった物理デバイスに触れてプレイしますが、チュウニズムの方はエアーやエアーアクションといった要素があり、音楽に合わせて腕をあげたりおろしたりという作業も発生します。

この「音楽に合わせて体を動かす」というところがやはり音ゲーの楽しさというか本質的なところではないかと思います。難易度が高くなるにつれて、一小節あたりに配置されるノーツの密度が増していくものですが、それらを正確に捌き切れた時の爽快感は凄まじいものです。他のものでこの気持ち良さを例えようがないので、上手く伝えられないのがもどかしいですが……。


音楽ゲーム自体の面白さもありますが、収録されている曲の魅力も同じくらい音楽ゲームの大事な要素だと思います。音楽ゲームをやらなければ絶対に知り得なかったであろう曲の中には、カッコいい曲がたくさんあります。このアーティスト/コンポーザーが好きだから、この人が書いた新しい曲が収録された!実際にプレイしたい!と思うようにもなるわけです。

楽しくプレイすることと上手くプレイすることは表裏一体の関係であり、上達することそのものが楽しさに直結しています。そのためにはいくらかの時間とお金を犠牲にする必要があり、ぶっちゃけ得るもの自体はそんなにありません。(「音ゲーが上手くなることのメリットは、音ゲーが上手くなること」と言われることすらあります)ですがやはり、曲に合わせて降ってくるノーツを自分の体を動かして上手に捌くことそれ自体が面白いので、より楽しくプレイするために練習し、上達していくということが音ゲーの目的だと個人的には思っています。


音楽ゲームをプレイしていると、あまり音ゲーをやらなさそうな人が隣で低難易度のスカスカな譜面をプレイして「なんだこんなもんか」という表情をしたり、逆に高難易度に特攻して「全然できない」となっているのを見るのが辛いです。

そういう意味でも、「こんな素敵な曲があるならプレイしてみたい」と思って、曲から好きになってもらうほうが断然音楽ゲームを楽しみやすくなると思います。まだ見ぬ素敵な曲を探してみたいという方は、是非音楽ゲームをプレイしてみることをお勧めします。


ただ、音楽ゲームで遊ばないという人は、往々にして自分の知っている曲をプレイするものです。私自身も進んで知らない曲を探そうというタイプではないので、既知の曲をプレイしがちです。そういう人が出会ったことのない素敵な曲に触れるためには、やはり関連する動画をYouTubeなりで見るのが一番手っ取り早いです。

例えば、去年開催されていたBEMANI PRO LEAGUE(BPL)というイベントがあります。これはbeatmania IIDX(弐寺と呼ばれます)という音楽ゲームのプロリーグで、おそらくこの規模で音楽ゲームがeスポーツとして興業されたのは初めてではないかと思います。

このイベントの動画はYouTube上で見ることができますが、プロのプレイヤーたちが上手なプレイングで魅せてくれるという要素の他に「音楽」の要素があります。そして実に様々な曲が選ばれるので、新しい曲に触れる機会が非常に多いです。例えば予選という立ち位置の1st、2ndステージはそれぞれ15試合あり、1試合ごとに6曲流れるので、単純計算で6*30=180曲がかかることになります。これだけあって琴線に触れない曲がないというのも逆に珍しいと思うので、是非一度視聴してみていただければと思います。


私自身は弐寺で全く遊ばないのですが、毎週楽しく見ていて新たに知る曲がたくさんありました。例えばDouble Dribble、Donkey Donk、Golden Palms、Level 2、ECHIDNA、Feel The Beatといった曲は実際に試合で選曲されていましたが、一回聞いただけで「ああ〜〜〜〜好き〜〜!!!」となりました。日常生活を送っている上で、全く意図していないところから自分が好きな曲に触れるのはとても難しいことですが、このイベントを視聴しているとプレイヤーも様々な想いを持って対戦する曲を選んでいるので、想いのこもった素敵な楽曲、そして白熱した試合が見られるのは必然と言えるでしょう。


皆様もゲームセンターに立ち寄った際には、良い曲に合わせて楽しく体を動かす楽しみを味わってみてください。事前にゲーム(のシステム)や曲について色々調べていくともっと楽しめるようになると思います。このご時世ですので、マスクの着用とプレイする筐体の手元・手指の消毒をお忘れなく🧼😷





短編

書くつもりはなかったのですが、今月号の内容がちょっと寂しいような気がしてしまい、せっかくなので書いてみました。ロボ娘さんが勝手にぶっ壊れるみたいな話なのでがっつりエッチする感じではないです。色々実験的な感じで試行錯誤したのですが、楽しんでいただければ幸いです。後日Pixivに公開しますので、こちらでは先行公開という形になります。


全然関係ないですが、これを書いている時に「シンクロナイズドスイミング」が「アーティスティックスイミング」という名前に最近変わったことを初めて知りました。(?)



ネタ帳にのっけていた元々のアイディア

23.(2021/11/2)

保育用アンドロイドが誤作動でお漏らしする話とか読みたい 例えば幼稚園で何かお遊戯をしている時、動物の真似をするみたいなのを園児と交互にやっている時に目の前で突然お漏らししてしまったのを目撃して、替えの下着とか用意しないといけないのに誤作動が発生して次のターンが回ってきた時に実行する予定だった犬の真似と失禁が結びついてしまい、その場でにこやかに微笑みながら冷却水を排出して、当然服越しに尿(?)が滴って床を濡らして、それが終わると今度はまた児童のターンを待ち続けちゃうみたいな 成人女性を模したロボットが当たり前ですみたいな表情をしながら変態的な行為をするのが見たいね


意識したかったこと

・アンドロイドの行動に理由を説明しないようにする(全てを知っている神による説明的な文章を避けて、客観的な事実のみを書く。外側から観測できる範囲のことを書き、推測でしかないものはそう匂わせる)

・衆人環視の下で女性が恥辱的な行為を平然とした態度で行うという異常な雰囲気を作りたい






***********



幼児教育特化型アンドロイドの誤動作事例


 晴れ渡る青空の下、幼稚園では多くの園児たちが外に出て遊んでいた。外の世界から区切られた空間の中で彼らは自由の身になり、己の体に蓄えられたエネルギーを発散することで、心身共に健やかに成長していく。

 一方で、男の子がいれば女の子がいるように、外で遊ぶことを好む子供もいれば室内で遊ぶ方が好きな子供もいる。一クラス三十人の過半数が外で遊べば、中に残った子供たちはその分広くなった保育室でのびのびと遊ぶことができる。

「わお〜〜ん!! がるる〜! 食べちゃうぞ〜!」

 三人の子供と一人の大人が一緒になって円を描くように座り、その中心に立った子供が周囲に向けて働きかけを行う。「オオカミさんだぁ! 怖いよ〜」園児の一人がそう発言すると、中心の男児が「せいか〜い!」と言う。彼らは真ん中に立った人間の演じている動物が何であるかを当てるお遊戯をしているのだ。

 オオカミだと当てた男児の横に座った大人の女性が、子供たちに笑顔で拍手を送る。しなやかなボディラインが出る白い服に身を包んだ彼女――この幼稚園で教諭として稼働する「アヤメ」という名の女性型アンドロイド――は、人間女性と見分けのつかないほど精巧な容姿を与えられて園児たちの輪に溶け込みながら、彼らの一挙一動をつぶさに見守る役目を果たしていた。

 中央の男児は満足したかのように自分の椅子に腰掛ける。「次は先生の番ね」と言いながら、男児と入れ替わるように輪の中に入ったアヤメは、彼女の隣に座る男児が真似をしてから過去8ターンの中で一度も登場せず、かつメジャーな動物の一つであり、幼児たちにとって分かりやすいと想定される「犬」の真似をしようと身を屈めた。

 後ろでまとめた黒髪の束がはらりと肩にかかり、それすらも野生味溢れる無造作な様子を再現しながら、ごく一般化された「犬」の性質から形成された概念の模倣を今まさに始めようとしていた。しかしその刹那、彼女のアイカメラは目の前で脚をもじもじと擦り合わせる女児を捉えた。

 どうしたの、と問いかけるよりも早く、スモックを着た女児は体を震わせる。四歳児であれば、遊びに夢中になりすぎて尿意に気づかないことも少なくはない。この女児も同様であり、すなわち自分がトイレに行こうとするよりも先に生理現象が発生してしまった。透明な液体が彼女の座る椅子の真下の床に滴り、その水溜りが次第に大きくなる。

 替えの下着、そしてズボンの用意。汚れた衣服の洗濯。幼児の下半身を清潔に保つこと。突如として発生した様々なタスクに対し、彼女たちはベテランの保育士や幼稚園教諭と同レベルのスムーズな対処が可能な、非常に優れた処理能力を有している――そういう触れ込みで導入された彼女は、目の前の失禁に対処することを優先しようとするかの如く立ち上がろうとする。しかし彼女は自身に搭載された機能を用いて速やかに女児を救うことをせず、ただ椅子から尻を浮かせただけの不自然な状態で硬直してしまう。

「アヤメせんせい……?」周囲の園児たちが不安げな様子で彼女を見つめる。ぽかんと開いた口や、高速に繰り返される瞬きから、彼らは自分が思考できる理屈を超えた異常な出来事が発生していると察知することができたが、あくまで「察知できた」だけに過ぎず、彼女がこれからどうなってしまうのかを固唾を呑んで見守ることしかできない。

 家族以外の人間が沢山いる環境に放り込まれた園児たちにとっては、人間の教員、そして彼らを見守るアンドロイドだけが母親や父親の代わりである。その信頼できる大人が突然彼らの知らない不審な挙動を取れば、彼らの心の中に不安が積もりゆくのも当然である。

 成人女性そっくりのロボットは、自らのバランサーを作動させたまま正確に二十秒間だけ中腰の姿勢を維持したのち、まるで逆再生するかの如く再び四つん這いの姿勢に戻ってしまった。

「じゃあ、先生が何のまねっこしてるか、分かるかな?」片膝、そして両手で自重を支えながら、彼女は周りを取り囲む園児たちに笑顔を振り撒き、ごく当たり前のようにゆっくりと片足を上げてゆく。――さながら犬が電柱にマーキングをするかの如く。

 ――しょわぁぁぁぁ……。

 どこからどう見ても尿としか解釈しようのない液体が、じわりと布を濡らしたかと思えばすぐさま太ももを伝って膝から床に浸食し、一方で耐え切れなくなった股布の部分からも蛇口を弱く捻った時のようにちょろちょろと透明な液体がこぼれ落ちる。アヤメはにこやかに微笑み続けながら、股間部分に取り付けられた冷却水排水弁を解放して小孔から液体を放出しているのだ。

 ただでさえ失禁して動揺している女児は、目の前で起こる初めてのことに戸惑いを隠せない。成人女性の形をしたモノがこちらを見つめ、犬の真似をしながら擬似的な放尿を行なっているのだから。

「な、なに……」

 戦慄きながら呟く女児を尻目に、アヤメは片足を上げて冷却水をじょろじょろと排出したまま「わん、わぉ〜ん! ふふっ、これで分かるかな?」と、犬の鳴き真似をしてみせる。幼稚園の敷地内から出たことがなく、当然生きている犬を実際に目にしたこともないのだろうか。彼女は吠えながら放尿する犬が多いか否かの妥当性を考慮することなく、「犬のように吠えてみせる」ことと「犬のように放尿する」ことを同時に行う。

 人間の女性が排尿するであろう液量以上に、たっぷりと股間の穴から冷却水を排出する女性型ロボット。彼女のズボンは誰の目にも明らかなシミができており、人間と同じように着用している女性用下着も当然ながら水浸しになっていた。

 服や下着が濡れて肌に張り付いていることに生理的嫌悪を感じない彼女は、自分の股間が異常な状態になっていることを全く気にせず「正解はワンちゃんでした。わんわん!」と女児に一方的に話しかける。幼児との積極的なコミュニケーションを取ろうとする機構はこの状況においても作動していた。

 アヤメは伏し目がちになって動かない女児の気を引こうとしているのか、自分の股間から漏れ出た液体で濡れた床の上を四つ足で這い回り、尻尾を振る代わりに丸い尻を揺らしてみせる。

 前脚代わりの腕を床につくたびに、彼女の乳房が服の内側で踊る。両腕の間に乳房が挟まってしまうのが邪魔くさいのか、はたまたブラジャーが内側でずれてしまったのかは判然としないが、彼女はしきりに胸のあたりを気にしているようであった。

 ――次は何のまねっこしよっか? 女性は股間を濡らしたまま笑顔で問いかける。壊れた保育ロボットに対して本能的に感じた異常性、そして恐怖に泣き出す女児。彼女たちのような保育ロボットは子供の泣き声に敏感だ。彼女は体内からモーターの音を静かに鳴らしながら、滑らかに四つん這いの状態から中腰の姿勢になる。

 そんな中、「アヤメせんせい」と周りに座っていた一人の男児が声をかけると、彼女はぎこちなく女児から男児へと視線を移し、「なあに?」と柔らかな声音で問いかけた。

「せんせーおもらししてる」

 彼女はその言葉の意味を理解したのか、大洪水の股間をゆっくりと見下ろす。「おきがえしなきゃ」「おきがえするのー?」と、周囲にいる子供たちも同調して発言する。壊れた機械に正常な判断は下せない。「そうだね、お着替えしなきゃ」と頓珍漢な発言をして、アヤメは自らのズボンに指をかけた。

 そのままするりと濡れたズボンを脱ぐと、何の装飾もない純白のシンプルな下着が露わになる。性に目覚めていない男児女児にその光景が及ぼす影響は少ないが、かといってゼロという訳でもない。三十歳程度の外見年齢の彼女は、ショーツだけを下半身に纏うというただそれだけの行為で、その年齢相応の肉感を持った下半身を曝け出し、幼児教育に適した空間に決して溶け込まない淫靡な雰囲気を醸し出している。

 脱いだ脱いだと、人間が衆人環視のもとでは普通しないであろう行為自体に嬉々として騒ぐ男児もいれば、女性が普段衣服で隠している場所がどうなっているのかと興味津々に凝視する男児もいる。失禁して椅子から動けなくなってしまった友人に対する心配や同情といった雰囲気は消え失せ、幼児たちの興味は幼稚園で初めて目にする女性型アンドロイドのストリップショーに全て流れてしまった。

 アヤメはそのまま、なんの躊躇いもなく下着までも脱いでしまう。外見的な性別を問わず、保育用途の備品として製造された彼らの股間には外性器が備わっていない。鼠蹊部を下っていったなだらかな丘の下にあるのは、正面からは見えないように設置された冷却水排出口のみである。

 子供が触っても不自然さを感じないように設計された、女性そっくりの柔らかく色白な下肢を丸出しにしながら、アヤメは何かを考えているようにしばらく佇んでいた。標準的な東洋系の顔から各パーツに多少のランダム性を付与されて人間らしく製造された彼女の顔は、じっとしていても不自然さを感じないようにニュートラルな微笑みを湛えている。

「えーっと、着替え……」

 アヤメは教室の中を見回すが、彼女の着替えが置いてある訳などない。彼女たちは校舎に併設されたメンテナンスルームで衣服を着替えており、幼児たちが生活する場と彼女たちが管理されている場所は明確に区別されている。

 ぼんやりしていた彼女だが、何を思ったのか突然幼児たちのロッカーに歩み寄る。一人の女児のロッカーの前でしゃがみ込むと、女児の鞄を開けて無造作に手を突っ込み、その中をゴソゴソと弄り始める。彼女が発見したものは女児用の替え下着、そして体操着のズボンであった。

 彼女はそれを手に取ると、その子の母親がくるんだであろう下着をぴらりとほどき、全体像を把握。そして慣れた手つきで、自らの腰のサイズにどう考えてみても合いそうにない大きさの下着を脚に通そうとする。正常に動作しているように見えるが、やっていることは異常でしかない。しかし今の彼女は客観的な自己分析ができていないのか、その異常性に気づく様子がまるでない。

 片脚すら苦労しながら通し、両足の足首までで手が止まる。そのまま股間まで一気に上げようとするが、女児用下着は人間の成人女性同様に成熟した太腿に耐えきれる訳がない。彼女は必死に下着を穿こうとするものの、ウエスト部分のゴム紐は簡単に弾け飛び、お尻の布も耐えきれずに破れる。

「あっ……。うーん……」

 彼女は人間らしく失敗した時のリアクション、つまり驚きと困惑の表情を浮かべ、それから何か代替案を思案するかのように唸りつつ、破けた下着を脱ぎ捨てる。

 そうして再び、今度は隣のロッカーの女児の鞄から下着とズボンを取り出す。そんな彼女に一人の男児が近づいていた。先ほどのお遊戯の輪の中にはいなかった男児が、彼女が一人で動きはじめたことに気がついたのだ。

 普段の彼女であれば確実にしない「失禁」という異常行動をしたことを全く知らない彼は、彼女の普段とは違う挙動に関心を持つ。露わになった彼女の股間に興味が向く前に、そのまま慣れた手つきで彼女に抱きつき、よじ登るようにしてアヤメの乳房に服の上から触れた。

「あん、ねむ君。ダメだよぉ」アヤメは男児の行動を柔らかな口調でたしなめるようにするが、男児は右手で彼女の胸を弄り続ける。その後も彼女は「先生困るなぁ」「くすぐったいよ、痛いよ」と嫌がるようなことを言う。彼の執着ぶりやそのたびに彼女が発言する言葉から、普段から母親や女性型の保育アンドロイドの乳房に触れる癖があると分かる。

 母親同様に先生が好きで、一緒にいると安心できる存在であると認識して甘えているのか、男児は一心不乱に彼女の体にべたべたと触れ、乳児の頃に戻ったかのように胸に顔を埋めて、彼女が身につけている白い服の香りを鼻いっぱいに吸い込んで深呼吸をする。およそ十五キログラムの存在が自らの体にへばりついても直立姿勢を保つアヤメ。彼女は最終手段として男児を脇の下から抱え、地面に下ろした。

 狂った着替えを一時的に中断された彼女は、冷却液が滴る股間を隠すことなく男児の方に自らの体の正面を向ける。そうすれば、男児の興味の対象は目と鼻の先にある女性の陰部に向くのは当たり前のことだ。しかし彼女は、自らののっぺりとした股間を凝視する男児を全く気に掛ける様子がない。

「ちょっと待ってね。先生、今お着替えしてるから」

 乳房に触れてこなくなった男児の様子を把握した彼女は、それにしても幼児の前で下半身裸であるという優先して解決すべき事柄を脇において不相応な言葉をかけ、手に持っていた女児用の下着を穿こうと無駄な努力を再開する。

 男児は彼女の言葉など気にせず、女性器があるはずの場所を鼻息荒く見つめ続ける。自分の股間にあるはずのものがない女性の滑らかな股間に、男児は本能的に興奮を覚え、手を伸ばそうとする。

「あっ、ダメだよ」アヤメは少し驚いたような声音で、男児に注意をした。子供が胸や股間に触れようとする時には注意がいくように設定されているのか、アヤメは一旦しゃがんで自分の股間に触れようとする男児と目を合わせ、にこやかに微笑む。

「他の人のおまたに触ったら、ダメでしょ?」

「……」彼女の注意に黙りこくる四歳児。このくらいの年頃の男の子にとって、異性の体は興味の対象になりうる。それは成人男性が女体に対して抱く下心といった類のものではなく、授乳の延長線上にある乳房への執着や、自分とは異なる身体構造を持つ存在に対する関心である。

 先生の注意は聞かなくてはならないという意識が男児の中にあるのだろうが、その視線は彼女の股間を捉えて離さない。豊満な太ももの肉や、しゃがんだことによって深くなった鼠蹊部の陰影、そしてその先にあるふっくらとした無毛の恥丘。とくにつるつるの股間は、毎日一緒に風呂に入る母親のそれとは全く異なる異質さを孕んでいる。

 男児が固まって動かなくなったのを了承と捉えたのか、アヤメは再び立ち上がって男児に背を向け、手に持った水玉模様の水色の下着を穿こうと身を屈める。彼女の背後に回った男児は、今度は自分の方に突き出されたアンドロイドの臀部を観察した。脂肪が乗って丸みを帯びた典型的な女性の尻たぶ、そしてその中央に備わる尻の割れ目に彼の目線は釘付けだ。

 彼は抑えきれなくなった疑問を発散するかの如く「せんせい、せんせい」としきりに彼女を呼ぶ。振り返った彼女に「ちんちんは?」と、興味を持ったことを拙い言葉でそのままぶつける。アヤメは再びその場で高速に瞬きを繰り返しながら硬直する。

「え、……あっ? ちんちん……。『ちんちん』、とは……。んー……、えーと……。あ、あ、ふふっ。ちんちん、ちんちんね、ワンちゃんはね、こうやってするんだよ?」

 アヤメは膝まで上げた女児用の下着を一旦脱いで手に持つと、速やかにしゃがむような姿勢をとり、前足がわりに腕をそろえて上げた。男児のことはもはやどうでも良くなったのか、彼女は明後日の方向に向かって微笑みながらその姿勢を数秒維持し、犬の「ちんちん」ポーズをデモンストレーションしてみせると、彼女は何を思ったのか再び先ほどのような四つん這いの姿勢をとる。

 今度は腰を丸めて前脚を突っ張るようにし、まるで犬が排便をするように下肢をぶるぶると震わせる。肛門が備わっていないので排出できるものは当然ない。しかしその代わりなのか、アヤメは短く勢いのある排液を行い、床に放尿する「じょろろっ!」という下品な音が教室に響いた。そして前脚で地面の砂を後ろに撒き散らすような真似をすると、手に握りしめていた女児の下着を後方に投げた。

 力の制御ができていない上にあまりに前のめりの姿勢だったため、思い切り床に手をついた瞬間、まるで跳び箱を飛ぶようにして前方の棚に向かってアヤメの体が飛ぶ。当然受け身も取れずに思い切り頭をボックスの中に突っ込むようにぶつける形になり、彼女はその反動で背中から床に倒れ込んだ。

「……??? おもらし、しましたしましたね? トイレに、行きます……行こっか。トイレ、トイレトレーニに、ニング? 補助、開始、かいーーーーーーー、ししししし」

 アヤメは目を見開いたまま天を仰ぎ、ピクピクと指を不随意的に動かす。駆動音を大きく立てながら腕を動かし、床を手で触って立ち上がろうとしているかのようだ。眼球が左右バラバラに動きながら、焦点を合わせるかのように忙しなくレンズが収縮する。人間的な動作の自然さのエミュレートが優先されなくなったことによるものなのか、機械特有の直線的かつ妙に機敏な動きで彼女は全身を動かし始める。

 恐怖より好奇心が勝っていた一部の子供たちも、大きな音を立てながら棚に激突して倒れた彼女の姿を見て動揺し、その場に硬直して彼女の一挙手一投足を追いかけることしかできなくなる。

「あ、あれ……。えっと……。うーん……。えーと?」

 困ったような声音で適当なフィラーをバリエーション豊かに呟きながら、すらっとした美脚をまるでアーティスティックスイミングの演技のように伸ばし、仰向けになった状態で背中からの反動をつけて立ち上がろうとする。しかし前方は棚なので、伸ばした脚が棚にぶつかっていつまで経っても立ち上がれない。彼女の脚がぶつかるたびに、がたん、がたんと音を立てて棚が揺れ、お道具箱や鞄が彼女の体の上にどさどさと落ちる。

「あ、あ、あ……そっかぁ痛っ。ふふふっ。直立姿勢からふふっ? ふふっ。うーん……、はや、はやく仕事が給食? お歌で着替えないといたっ、痛いっ、痛い。変更完了。所定の、座標、う……」

 アヤメは何かを思いついた人間のようにほくそ笑むと、ブリッジのように背中をく、くくっと緩やかに浮かせ、顔を逆さまにした状態で四つ足で歩き出す。眼球型のカメラの上下がぐるりと反転すると、彼女はいつも子供を呼ぶときの声のボリュームを喉奥から発しながら、両手と両足を器用に動かして部屋の隅にあるピアノの方へと這うように向かっていった。

「お歌! みなさん! 時間時間みん、な時間、あ、あ、犬、犬のの犬の!」

 数分前に失禁した女児は涙目になりながらも、非人間的な挙動をする女性型ロボットから目を離すことができない。その女児の前をアヤメが奇妙な姿勢で通り過ぎる際に、二人の視線が交錯してしまう。

 四つ足の状態で無毛の股間を曝け出しながら、アヤメは腰や尻をふりふりと揺する。それが彼女が直立姿勢をしている時の何らかの動作の代替であるのかは分からないが、彼女はしきりに下半身を上下させ、女児に優しい声音で話しかける。その首には、おそらく先ほど棚に激突したことによるものであろう裂け目が生じおり、人工皮膚の内側から得体の知れない白い液体がとろりと溢れている。

「ね〜! 犬! 犬、十時四十おはよう七分ふふっ。ワンー、ンン????」

 顔に浮かんだ穏やかな笑顔は、子供を警戒させないようにデザインされたものだった。しかしそれが上下逆さまの状態で這いつくばるという、通常の人間であれば絶対にしないであろう姿勢で繰り出された時の女児の反応は、悲鳴にもならないほど小さな怯えた声を上げただけであった。全高1.6メートルほどの人型ロボットが四つ足で迫ってくる様を間近で見れば、大人であっても恐怖を感じるであろう。

 そんな女児を尻目に、時には駆動系のエラーに関するメッセージを思い出したように吐きながら、アヤメはブラジャーが浮き出るほど胸を反らせた姿勢で、目的の場所へとまっしぐらに向かう。

「み犬のおまわ、りさん! さぁ、『所定の座標に到た』元気に歌い歌い歌い歌いいいいいい」

 ピアノの場所まで四つ足のままたどり着くと、その状態のまま椅子に上ろうとしているのか、椅子の足や床にずりずりと体を擦り付けている。「位置情報が不明です」「脚部関節がロックされています」「不正な操作が行われました」と自分の身に降りかかった様々な不具合をブツブツと呟きながら、女性型アンドロイドは自らの顔を椅子の脚に押し付ける。

 長く艶めく黒髪は乱れ、彼女の優しげな雰囲気はもはや影も形もない。痙攣を繰り返しながら狂ったように背中を反らせたり、脚をぐにぐにと軟体動物のように動かしたりすることしかできず、保育室には壊れた機械が人間性を失って稼働し続ける音だけが響き渡る。各部関節から通常より大きな音を立てて鳴るモーターの音。ノイズ混じりに垂れ流される、不自然に途切れたり繰り返したりを繰り返す声。人間の肉に似た柔らかさのシリコンが、床や障害物に幾度となくぶつかる鈍い音。

「ワン! ワン! お尻、綺麗にしましょうね! まいごの、まいごの。こねこちゃ、あっ、アンナ先生! おもらし、私? おもらし、できたんですよ! おっぱい触って本当に偉いですよね〜……お歌、おもらし? 犬のおまわりさん、さんは字の練習をしましょう、上手だね? いつもありがとうござお世話になっており、います。『不適切な語彙のため制限が』ちゃんは今日もおりこうさ今日も今日もきき、です」

 誰かが目の前にいるかのごとき会話をそらんじる彼女の股間から、残存していた冷却水がまるで噴水のようにぷしゅっと飛び出した。腰をガクガクと震わせながら、アヤメは優雅な手つきで床に両手の五指を乗せた。

「先生? ピアノ。楽曲リスト2、第、134、予想そうーー……時間。『冷却水残量が僅少です』ふふふっ。おしっこ。犬、ああ、ちんちん、ね……。ご存知ですか? じゃあみんなで! 毎日の排尿、行動。まいごの、お迎え歌! まいごの、まいごの、まいごの」

 仰向けのまま背中をのけぞらせたアクロバティックな姿勢で、彼女はまるでピアノを弾くように指を床の上で踊らせている。十本の指が床を弾く乾いた音を立てながら、アヤメはどうにかして椅子に座ろうと無様に脚をジタバタさせる。誰も終わらせることのできない時間が永遠に続くかと思われたが、閉め切られたドアを開けて現れた一体の女性型アンドロイドにより、それはあっけなく終焉を迎えた。

 アヤメと同じ白い服の上にエプロンを身につけた、ボブカットの小柄なアンドロイドは、口から人工唾液とノイズを垂れ流しながら床を這いつくばる「女性の形をした何か」を目視した。アヤメは自らの異常な認識のもと、引き攣った奇妙な笑顔を浮かべて童顔のアンドロイドに話しかけようとする。

「あ〜、あ〜、あ、《ValueError》先生! 喉が乾きちょっと困った困った立ち上がろうことガガッ!? ピギュィ……あ、ヴ……ヴ、ゥゥン……」

 アンドロイドはすたすたとピアノの側まで歩み寄ると、同僚をまるで物でも扱うかの如く髪の毛を持って乱雑に引き倒し、その拳で手加減なく首筋に一撃を喰らわせる。すると間もなく、床で蠢いていた女性の体が動作を停止した。あたかも強制停止スイッチが首のあたりにあり、衝撃によってセーフティが作動したかのように、壊れたロボットは一瞬のうちに静かになった。

 下半身を露出したまま停止する、自分より大きなアヤメの肉体を無造作に担ぎ上げると、小柄な女性型アンドロイドはその能面のような無表情を全く崩すことのないまま、幼児たちに目もくれずにその場を立ち去った。床には女性の人工毛髪が、地肌から引き剥がされたように白い柔らかなシリコン状の破片と共に散らばっていた。

 さらに男性型ロボットと女性型のロボットが一体ずつ保育室に続けて入り、一体は水浸しになった床の掃除を、もう一体は外でのお遊戯の誘導と、最初に失禁した女児の着替えの補助を行った。おもらししてしまった女児が救出されるまで実に十分弱を要した。



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ここまで読んでくださってありがとうございました。来月号は創作に関わることを色々書きますので、ご興味がございましたら来月もよろしくお願いします🙇‍♂️



Comments

oto(於菟)

選択肢B.エピソードごと複数のPDFに分割する メリット:ファイル名からタイトルがすぐにわかるので作品を探すのが楽、一つ一つのファイルが軽い、個人的には編集作業が楽 デメリット:ファイルがバラバラなのでダウンロードした後の管理が面倒かも

oto(於菟)

選択肢A.一つのPDFにまとめる メリット:一つにまとまっているので一つのファイルを落とすだけでよい デメリット:作品を探すのに手間取る、300ページのPDFは重い

morny

支援、始めさせて頂きました。上の立場の役割を持たされたアンドロイドが、自覚なく異常な動作をする様子が魅力的に描写されていて、たまりません……!!新年早々、素晴らしい作品をありがとうございました!

oto(於菟)

ご支援くださりありがとうございます🙇‍♂️ 去年の記事も閲覧可能ですので是非ご覧になってください。 今回の短編を書くにあたって、衆人環視の下であっても誰も助けてくれない状況を描くにはどうしたら良いだろうかということに頭を悩ませていましたが、子供が多い空間というのが上手くハマったようで個人的にも満足いく仕上がりになりました🙂

Anonymous

質問にご回答下さりありがとうございました。 小学生までの授業のほうがよりこじらせるような気がしてきました…!! 筋肉質な女性がさらにロボットであるギャップの素晴らしさもハヅキちゃんのイラストを拝見して実感しております Assortment No.2も楽しみにしております。

oto(於菟)

ありがとうございます🙇‍♂️ フェチ全開の依頼にしっかり応えていただいたので新刊はご期待ください