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挿絵 DATE THE ROAR 様 リオナイラスト きんぎょにく様


「ふぅ…これで一件落着かしら。」

ミッションを終え、防衛隊基地へと帰隊するアルティマミレーヌの地球での姿『卯月メイ』隊員。

遠く離れた地方での怪獣出現の報に出動したメイであったが、現着した時にはその怪獣は海へと消えた後であった。

姿を海岸線に見せただけで大きな被害もなかったことから、その土地を管轄する支部に後詰を任せ、基地へと戻って来たのである。

「(昨日からお母様からの定時連絡が途絶えている…何かあったのでは…)」

今回の任務と並行して発生していた、中部地方・大寅山の火山活動に関して、メイは自らの母・アルティマソフィに調査を依頼していた。

しかしその母からの連絡が途絶えていることが、メイの心に影を落とす。

「卯月隊員!こちらへ!」

考え事をしていたメイに遠くから声が掛かり、そちらへと視線を向ける。

するとそこには、義姉のリオナの地球での姿『白鐘リオナ』防衛隊長官補佐の姿があった。


「おねっ…コホン…白鐘長官補佐!」

即座に姿勢を正し、敬礼するメイ。

一瞬お義姉様と言いそうになってしまった事を気付かれたのか、リオナは眉間にしわを寄せる。

「卯月隊員、お話があります。ちょっとこちらへ。」

人気のない通路に移動し、リオナは本題を切り出した。

「出動お疲れ様…あなたも気付いていると思うけど、ソフィ様との連絡が途絶えてしまっているの。これから私はその調査に赴くわ。」

リオナの口からもソフィの音信不通の件が飛び出し、メイは表情を曇らせる。

「なら私も…」

今日のこの後の予定は基地内待機…

長官補佐のリオナが指名してくれれば同行も難しくはないだろう。

そんなメイの思惑を察してか、リオナは目を伏せて首を横に振った。

「ダメよ。あなたには別の仕事があるわ…ソフィ様が調べにいった大寅山の麓の学園で、謎の存在に失明させられた生徒が出たの。今はこの基地内の医療施設で療養中よ。あなたはその子にあって、あそこで何が起きているのか探ってちょうだい。ちょうどその子はメイ隊員の大ファンだそうだから…」

メイはその美しさから老若男女のファンがたくさんついており、それゆえに広報的な活動に駆り出されることも少なくない。

「でも…」

今回も被災者を励ます『画』が欲しいということは理解できたが、ソフィを心配する思いが表情に出てしまう。

「そんな顔をしないの…守るべき市井の人々をほってこられても、ソフィ様は喜ばないわ。それとも私の捜索だと不安だっていいたいのかしら?」

メイを元気付けようと、少しおどけた様子のリオナに、妹の顔にも笑顔が戻る。

「わかりました!私はその子の慰問に行ってきます。白鐘補佐官も、お気をつけて!」

最後は笑顔で敬礼して別れる二人。

ソフィの行方がしれないことへの不安を抱えながらも、リオナとメイはお互いの仕事へと戻るのだった…


「ここね…失礼します!」

防衛隊の医療棟へとやってきたメイは、件の生徒が治療を受けている病室を訪れる。

ノックして中に入ると、目に包帯を巻きつけた『タカヤくん』が、ベッドの上で上体を起こしてメイを出迎えた。

「あら、タカヤ、防衛隊の卯月隊員が来てくださったわよ!」

ベッドの傍らに立っていた母親がタカヤに耳打ちし、メイに頭を下げた。

「こんにちは!タカヤくん具合はどう?」

憧れのメイがそばにいるのが気恥ずかしいのか、その姿を目で見られないもどかしさからか、タカヤはもじもじとするばかりであった。

「まったく…せっかく卯月隊員が来て下さったのに…」

あきれる母親に、メイも苦笑しながもらタカヤへと話しかける。

「ね、その目…事故に巻き込まれたって聞いたけど本当?大寅山は今、異常な状況になっていて、私もこれから調査に行くの。なにか知っていることがあったら教えてほしいな。」

「…誰も信じてくれないけど…芋虫の化け物が出たんだ…」

メイの問いかけに、タカヤは消え入りそうな声で答える。

それを聞いた母親はあきれたようにそれを遮った。

「またそんなこといって!あんたがそんなこというからみんなで探したのに、痕跡すらなかったじゃない!」

ぷりぷりする母親を手で制し、メイは質問を続けた。

「もしかしたら隠れるのが上手な怪獣なのかもしれないね。詳しく聞かせてくれない?」

憧れのメイが自分を信じてくれたうれしさからか、饒舌に話し始めるタカヤ。

メイはその情報を整理する。

「最初はお野菜畑で作物を荒らしているのを見かけて、森へ追いかけたら動物の死骸があった…で、のぞき込んだら糸を吐かれて、目が見えなくなっちゃった…というわけね。」

タカヤは大きくうなずくが、母親はやれやれと首を振った。

前情報として医者から聞いていた話だと、その糸に関する証拠は特になく、何かショックなもの、例えばクマが他の動物を食べているところを目撃して、ショックで一時的に失明に近い症状になったのではないかということだった。

ただタカヤの証言も、気を引きたいだけにしては詳細に報告されており、メイには嘘だと断定することはできなかった。

「私がこれから大寅山に行って、その芋虫をやっつけてくるからね!もし、おっきな怪獣になっていたら、きっとアルティマミレーヌが一緒に戦ってくれるわ!」

メイに励まされ元気を取り戻したタカヤは、市内の病院に転院するといって防衛隊基地を後にするのだった…


その日は出動の報告書などに追われ、忙しく過ごしたメイ。

途中、リオナから大寅山で捜索を開始したというアルティマサインが届いたが、それきり続報はないままであった。

「お義姉様…お母様…どうかご無事で…」

母と義姉を思うミレーヌの祈りは、けたたましく鳴り響くサイレンの音に遮られてしまう。

「市内に怪獣出現!各隊員は即座に市街へ向かえ!」

こういった事態になった時、メイは単独での行動を許可されていた。

リオナがその権限で作ったルールであり、ミレーヌとしての活動をしやすくするための措置であった。

「こんな時に!ミレーヌッ!」

自室でミレーヌへと姿を変えるメイ。

そのまま不可視の光の玉となり、市内へと飛び去るのだった…


「カカカカカッ!」

市内では直立歩行して闊歩する芋虫怪獣『ケムジロン』が、街を破壊する。

人々が逃げ惑う中、一瞬の眩い閃光が空を走った。

「たぁああっ!」

次の瞬間、空中から姿を現したアルティマミレーヌが、上空から急降下キックをケムジロンに叩き込む。

「カカカッ!?」

もんどりうったケムジロンが転がり、見下ろすようにミレーヌが舞い降りる。

「アルティマミレーヌだ!」

「今のうちに逃げろ!」

逃げ遅れていた人々が蜘蛛の子を散らすように駆け出し、避難の時間を稼ぐためにミレーヌはケムジロンと間合いを取って構えた。

いきなり現れたミレーヌに困惑したのか、ケムジロンも距離を置きながら、口の鋏を鳴らして威嚇する。

「この怪獣…もしかしてタカヤ君が言っていた芋虫怪獣?なぜ町中に出てきたの?」

もしかして大寅山でリオナかソフィと交戦し、逃げてきたのかも…

「でもやることは変わらないわ!ここで食い止めます!」

足元に人がいなくなったことを確認したミレーヌは、一気に距離を詰めてケムジロンに打撃を叩きこむ。

所詮は丸々と巨大化しただけの芋虫…ミレーヌの勝ちは揺らがないと思われた…


「お母さーん!どこー!」

転院の為に市内の病院を訪れていたタカヤは、ケムジロンの出現による混乱で母親とはぐれてしまっていた。

目が見えないタカヤにはみんなが何かから逃げている状況しかわからず、怖くなってロビーにうずくまってしまう。

すると、怪獣の闊歩する地鳴りのような音が止まり、同時に澄み切った女神の掛け声がタカヤの耳に届く。

「あ!アルティマミレーヌだ!」

大好きなミレーヌの声に釣られるように、ふらふらと歩き出すタカヤ。

周りの人間はあらかた避難してしまったのか、誰も止める人間もなく、タカヤはミレーヌの声がする方向へ歩いていく…


「たぁっ!やぁ!」

ミレーヌがケムジロンを翻弄し、優位に戦いを進めていく。

「だいぶ動きが鈍ってきた…いまなら!」

スッと懐に入り込み、ケムジロンの腕を取るミレーヌ。

このまま背負い投げで巨体を地面に叩きつければ、ブクブクに太った芋虫怪獣は動きを止めるはず。

「ふんっ…!?あ、あれは!?」

ケムジロンを投げ飛ばそうとした瞬間、ミレーヌの目線の先にはふらふらとこっちへ歩いてくるタカヤがいた。

「このまま投げたら、タカヤくんが!」


ミレーヌは咄嗟に身体を盾にし、背中越しにケムジロンを押さえ込む。

「ぐぅ…っ、大人しく…してぇ…」

劣勢の中、いきなり不可解な隙を見せた獲物に、ケムジロンは困惑しながらも、このチャンスを逃さなかった。

パシュッ!パシュッ!

口から粘度の高い糸を吐き出し、ミレーヌを拘束していくケムジロン。


「ああっ…くっ…うでが…」

ケムジロンはミレーヌの手首を、手錠をかけるように糸で固めてしまう。

攻撃の手段を封じられたミレーヌであったが、なんとか身体を押し付けてケムジロンを行かせまいと踏ん張った。

「なんとか耐えれば…防衛隊のみんながタカヤくんに気づいてくれるはず…あんっ!」

先程まで痛めつけてくれた礼と言わんばかりに、ミレーヌの身体を背後から殴打するケムジロン。

タカヤくんの存在を気づかせないために、ミレーヌは甘んじてその攻撃を受け続ける。

「あっ…ん…くぅっ…やめ…てぇ…」

ミレーヌのリアクションから弱点を感じ取ったのか、ケムジロンの攻撃が胸に集中し出す。

何発も打撃を入れられたり、締め付けられたミレーヌの胸には、ピンクの乳首が浮き出てしまった。


ピコンピコンピコン…

エナジータイマーも赤く点滅し、ミレーヌの窮地を知らせている。

「うぅっ…どうすれば…」

なんとかタカヤの方にいかせないことには成功しているものの、このままではやられてしまう…

考えのまとまらないミレーヌをいいように責め立てるケムジロンは、ついにその首に糸をかける。

「かはっ!…く…くるし…ぃ…ぅぁ…」

ついに力尽き、地面へと引き倒されるミレーヌ。

しかし運悪く、膝をついたその先にはタカヤの姿があった。

「だ、だめぇっ!」


ミレーヌは何とか腕を体の前に投げ出し、倒れ込んだ体と地面の間に隙間を作る。

不幸中の幸いか、タカヤの身体はちょうどその間に収まってケガはないようだった。

「タカヤくん…少しじっとしていて…いま、たすけるわ…」

腕を首から離してしまったことで、直に糸による締め付けを受けていたが、なんとか耐えながらタカヤに話しかけるミレーヌ。

「その声、ミレーヌなの?ぼく、目が見えないんだ…助けてよぉ…」

泣きながら手を振り回すタカヤ。

しかしその行為が、ミレーヌを追い詰めることとなってしまう。

何かにすがろうとしたタカヤの手がつかんだ物…それはピンクにぷっくり膨れ上がったミレーヌの乳首であった。

「あ、なんか固いものにつかまれたよ!」

自らを支えるものを手にして喜ぶタカヤであったが、一生懸命しがみつこうとするその手の刺激で、ミレーヌは甘い快感にさいなまれてしまう。

さきほどまでいいようにケムジロンに刺激され、こんどは懸命にしがみつくタカヤに何度も抱き着かれる。

もはやミレーヌの乳首は限界に近づいていた。

「あ、あれ、これ、なんか湿ってきてる!たすけてミレーヌ!濡れて滑って持っていられないよぅ!」

ミレーヌの乳頭は度重なる刺激でエネルギーの排出…すなわち母乳が漏れ出す寸前になっていた。

ケムジロンの糸による窒息で意識がもうろうとしていたミレーヌには、それを自らの意思で止めることは不可能であった。

「ア、アルティマ…ボール…」

窒息と会館で薄れ行く意識の中で、なんとかタカヤをエネルギーのバリヤーでボール状に包むことに成功するミレーヌ。

ヒュー…ズドン!

ちょうどその時、防衛隊が街に到着しケムジロンへの一斉攻撃を開始する。

しかしそれは、ミレーヌの我慢の限界と同時であった。

「あああっ…だ、だめっ!」


プシャッ…

ついに乳首からは母乳状にエネルギーが漏れ出し、タカヤの入ったアルティマボールを濡らしていく。

「彼を…おね…がい…」

ミレーヌは優しくボールを防衛隊の方向へと押し出した。

「むっ?あの玉の中に子供が!撃ち方やめ!」

防衛隊の指揮官が攻撃を停止し、飛び出した隊員たちがタカヤを保護するのを確認し、ミレーヌは薄れいく意識の中でホッと胸を撫で下ろす。

しかし、防衛隊の攻撃が止んだということは、ケムジロンの攻撃が再開するということであった。

「カカカッ!」

ミレーヌを嬲ることを邪魔された怒りから、強引に立ちあがらせて攻撃を繰り返すケムジロン。

ミレーヌの乳首から漏れ出す母乳のエネルギーを嗅ぎつけたのか、もっと出せとばかりに胸を揉みしだいていく。

「んああっ!やめて!さっき、いっ…たばかり…なのっ…んぁっ…乱暴に…しな…いで…ぇ…」

もはやされるがままのミレーヌに、二度目の絶頂が訪れる。

「ああああっ…やぁあっ…!」


プシャアアッ!

またも盛大に母乳を撒き散らしてしまうミレーヌ。

ピピピピピ…

急激なエネルギーの消耗に、エナジータイマーが悲鳴をあげる。

その上質なエネルギーに目が眩んだのか、ケムジロンはミレーヌを放り出して地面に落ちた母乳を舐め始めた。

「い…いまなら…」

尽きそうなエネルギーを腕にかき集め、必殺のミレニウム光線を放とうとするミレーヌ。

しかしその時、絶望の影が空から舞い降りた。

「ウェアアアアアアアアッ!」

巨大な嘴に鋭く伸びた爪を光らせて、真紅の羽を羽ばたかせるその姿は、不死鳥を思いおこさせる。

襲来した『火炎怪鳥バードラ』を前に、ミレーヌとケムジロンは互いに後ずさることしかできなかった。

三つ巴の戦いとなるのか、それとも…

ミレーヌに最大の試練が訪れようとしていた…


続く…


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Comments

yukimi

今回は見事な母乳の撒き散らしでしたね。 しかも市内で、さらに保護対象の少年もいる状態でと言う所なのがドキドキものですね。 それはそうと、タカヤくん、メイがミレーヌである事を声で察してそうな気もしますが… 視力を失ってる分、聴力はその分敏感になってそうですし…

syonnai_hito

今回はタカヤくんを救おうとしてピンチになるミレーヌの描写が素晴らしい。実に皮肉な展開でした。 タカヤくん、ナイスアシストw そのアシストもあっておいしい思いができた?ケムジラ・・・ではなくケムジロンも次回はおいしく😿

ガチピン@ご支援感謝

た…タカヤくんは必死なだけだから… ケムジロンくん、実は元エピとは違う展開を見せる予定です。 ぜひお楽しみに!