Home Artists Posts Import Register

Content

挿絵 阿井上夫様


※今回のヒロピンパートは同時投稿の動画がメインです。そちらもぜひお楽しみください!


前話あらすじ


アルティマミレーヌをつけ狙う影の存在・アンチスパークル。

彼の命を受けた異星人・ナッコウは慎重にミレーヌの研究を重ね、最強の刺客・ブラッドキングを生み出すことに成功する。

愛する母・ソフィや義姉・リオナを侮辱する映像をばらまかれ、激高したミレーヌはブラッドキングとナッコウに挑むが、冷静さを欠いた状態では相手にならなかった。

激しい凌辱にさらされるも耐えるミレーヌであったが、自らのその姿に欲情をぶつける地球人を目の当たりにして心が折れてしまう。

そんなミレーヌの敗北を地球人たちに見せつけ、ナッコウは宇宙へと消えていくのだった…



地球の衛星・月の裏側では、ナッコウの宇宙船団がその闇に紛れて潜んでいた。

その一切光の届かない闇の中で、ミレーヌの亡骸は磔台に固定されて放置されていた。

もはや希望さえも潰えたのか…

このままミレーヌの死の旅が続くかと思われたその時、月の裏側へ急行する二つの光があった。

「ソフィ様!あそこにミレーヌが!」

駆け付けた光の一つ、ミレーヌの義姉・アルティマリオナがもう一つの光・アルティマソフィへと報告する。

ミレーヌの母・ソフィもそれを確認し、大きくうなずいた。

「あの状態では、自然に光のエネルギーを蓄えて復活することは不可能ね…」

ソフィは一つの策を思いつくが、それにはリオナを危険に巻き込んでしまう恐れがあった。

「ソフィ様、何か策があるならおっしゃってください。私はミレーヌを救うためならどんな危険をも厭いません!」

長年の師弟関係にある二人の間では隠し事は成り立たない。

師の一瞬の躊躇を見逃さず進言するリオナに、ソフィは信頼の微笑みを向けた。

「ふふっ…あなたに隠し事は出来ないわね…ごめんなさい、危険な賭けに巻き込んでしまうことになるわ…」

ソフィの謝罪に、愚問とばかりに首を振るリオナ。

たのもしく成長した弟子の姿にソフィは喜びながらも、これから行う賭けに巻き込むことを申し訳なく感じていた。

ソフィの策とは、二人がミレーヌのエナジータイマーので交差することで、強力な光の力を生み出しエネルギーを補充する「アルティマの星作戦」を実行するというものだった。

二人の戦士が亜光速で交差する時に生み出されるエネルギーは光の星のエネルギー源『スパークルフラッシュ』にも匹敵する。

しかし、その代償にアルティマの星作戦を行った二人のエネルギーは、そのほとんどを使い切ってしまう。

ナッコウの船団にどれだけの戦力が残されているかは不明であり、ミレーヌを救えたとしても二人が苦境にたたされるのは間違いなかった。

「あの伝説の『アルティマの星作戦』…ソフィ様とミレーヌを救うために挑戦できるなら、こんな栄誉なことはありません!」

力強くうなずくリオナに感謝しつつ、ソフィは作戦の決行を決める。

今なら敵の注意もこちらには向いていない…

好機と見た二人はミレーヌを挟む形で二手に分かれる。

「行くわよ!リオナ!」

「はい!ソフィ様!」

二人は光速に近い速度まで加速すると、ミレーヌの前でタイミングを合わせて交差する。

バチィ!

一回目の交差で月の裏側に閃光のような輝きが煌き、ミレーヌのエナジータイマーに光が注がれる。

ピコンピコン…

暗く消灯していたタイマーが赤く点滅をはじめ、ミレーヌの目にうっすらと光が戻る。

「もう一回!」

ソフィの掛け声で再度距離を取り、ミレーヌの前で交差する二人。

バチッ!ガキィ!

再度まばゆい光が走り、その余波でミレーヌを拘束していた磔台も破壊されていた。

「たぁっ!」

ミレーヌのエナジータイマーは青い輝きを取り戻し、一旦ナッコウの船団から距離を取った二人へと近づいていく。

「お母さま!お義姉さま!」

愛する家族でもある二人に救い出されたことで少し気が緩んだのか、ミレーヌは涙目でソフィに抱きついていた。

「ミレーヌ…大変な思いをしたようね…」

地球での惨劇を慮り、ミレーヌを慰めようとするソフィ。

ミレーヌも完敗の屈辱とその後の凌辱を思い出し、うつむいてしまう。

「お母さま…お義姉さま…わたし…」

沈んだ表情のミレーヌに、リオナがそっと寄り添う。

「何があったかは聞かないわ…単純に力で圧倒されただけではないのでしょう…でもねミレーヌ、忘れてはだめよ。今もあの星の人々はあなたの帰りを待っているわ。」

リオナが指さす先には青く光る地球の姿があった。

意識を集中し耳を澄ませると、人々の声がミレーヌへと届く。

「ミレーヌ!いっちゃやだー!」

「お願い神様…ミレーヌを助けてあげて…」

「なんとかしてミレーヌの救助作戦の立案を…」

市井の人々や防衛隊の仲間たち…たくさんの人々が自分の無事を願う声が地球から聞こえてくる…

ミレーヌはその温かさに、さらに瞳を潤ませていた。

その頭をやさしくなでながら、ソフィが続ける。

「守るべき人々の中にも、時にひどい言葉を浴びせてきたり、信じられないような行動をとる人もいる…でも、たった一人でも私たちを信じ、希望を託してくれる人がいる限り、銀河守備隊員は悪に立ち向かわなければならないのよ。」

母の優しくも厳しい言葉に、大きくうなずくミレーヌ。

その曇り無き眼は、自らが守ると誓った星・地球へと向いていた。

「その様子なら大丈夫そうね…ここは私とリオナに任せて、あなたは地球へ…いまもあなたの帰りを待っている人々がいるわ。その声を耳にしたならば、立ち止まっている暇はないはずよ!」

ソフィの激励に、再度力強くうなずくミレーヌ。

「お母様、お義姉様、ありがとう!私、地球に戻ります!」

その瞳や表情に活力が戻ったことを確認したソフィは、笑顔で娘を送り出す。

「ナッコウ船団は私とリオナに任せなさい。あなたは地球を…」

「はい!…たぁっ!」

二人に軽く会釈をしたかと思うと、次の瞬間にはミレーヌの姿は月の裏側にはなかった。

地球へと飛翔する娘を見送り、息をつくソフィ。

「…っ…ん…」

ふらついたソフィをリオナが支えるも、リオナの表情も上気していた。

「くくく…ミレーヌを救うために大分消耗したようだな、お二人さん…」

何者かの不気味な声が、二人を取り囲んだ船団から発せられる。

これから起こる惨劇を前に、二人の表情は強張るのだった…



「…!あそこね!」

地球に戻ったミレーヌは、いまにも原子力発電所に迫ろうかというブラッドキングを発見する。

愛する母と義姉の力でエネルギーこそ戻ったものの、ブラッドキングとの実力差が埋まったわけではない。

「今持てるすべての力をもって、あいつを止めないと…たぁっ!」

上空からの落下の力を加えた飛び蹴りでブラッドキングを一撃するミレーヌ。

ドガァッ!

倒すまではいかないながらも、ブラッドキングは体勢を崩してよろける。


夕陽の採石場に呼び出された時とは違い、冷静さを取り戻したミレーヌは落ち着いてブラッドキングに向き合った。

頭の中で様々なシミュレーションを繰り返し、目の前の難敵への対処を探るミレーヌ。

両者互いに向き合ったまま時間が流れていく。

ピコンピコンピコン…

エナジータイマーが赤に変わってミレーヌに危機を知らせはじめた。

「負けないわ…だってこんな私を信じて見守ってくれている地球の人々、そしてお母様とお義姉様の思いがこの身体を支えてくれるもの!」

そういうとミレーヌは最後の一撃に全てをかける。

「アルティマガントレット!」

アルティマティアラを変形させ、右腕に手甲のように装着するミレーヌ。

「はぁあああああ!」

彼女が気合を入れると、その腕にはミレニウム光線のエネルギーがため込まれ、青白く発光し始めた。

ティアラの刃にそのエネルギーを纏わせて威力を増大させる…

「今私が出来る最大出力…でも、これでもあの固い皮膚には届かないかもしれない…だから!」

ミレーヌは意を決したようにそのまま勢いをつけて走り出し、ブラッドキングとの距離を詰める。

「ぐぅぅ…!アルティマリフト!」

態勢を低くして懐に潜り込むと、そのまま一気にその巨体を持ち上げた。

「とありゃあああ!」

気合を入れて担ぎ上げ、全力でブラッドキングを上空へと投げ飛ばす。

「グアアアア!?」

自らよりも圧倒的に小さなミレーヌに油断したのか、成す術もなく放り出されてしまうブラッドキング。

「私の最大威力の攻撃と、あなたの自重…それを最大限利用させてもらうわ!くらいなさい!アルティマハンドスラッシャー!!」

上空からブラッドキングが落下する力と、必殺のハンドスラッシュの威力が大きくなるところを狙って、ミレーヌ必殺の手刀が走る。

ドシュン!

次の瞬間、これまでどんな攻撃もはじき返してきたブラッドキングの皮膚が見事に切断され、その首が身体と泣き別れとなっていた。

「はぁ…はぁ…やった!」

喜ぶミレーヌの後ろで人型の影が巨大化し、ナッコウの姿と変わる。

「ウワアアアア!」

切り札だったブラッドキングを失って錯乱したのか、冷静さを失って飛び込んでくるナッコウ。

しかし、今のミレーヌにとって、それは飛んで火にいる夏の虫と同じであった。

「よくも散々な目に…って言いたいところだけど、もういいわ…これで最後よ!ミレニウム光線!」

アルティマハンドスラッシャーの余剰エネルギーがまだ腕に残っており、ミレーヌはそれを十字に構えてナッコウへと打ち出した。

ズゥウウン…

必殺の光線の直撃を受け、大きな爆炎を上げて絶命するナッコウ。

「やった…お母さま、お義姉さま…」

難敵を倒し胸をなでおろしたミレーヌが二人のいる月の方向を仰ぎ見たその時、月の裏側でも大爆発が起きていることに気付く。

「ナッコウの船団が…主が死んだら自爆するように設定されていたのかしら…なんにせよ、二人が無事ならいいのだけど…」

ミレーヌのタイマーは早鐘のように点滅を続け、これ以上の変身維持は難しい状況であった。

「近くの基地に救難信号を…」

二人の救助を依頼する為、アルティマサインを放つミレーヌ。

そこでエネルギーが尽きたのかミレーヌの身体は掻き消え、その近くには防衛隊の卯月メイ隊員が気を失って倒れていた。

体中傷だらけではあったものの、救助された際にはその顔に微笑みを浮かべていた…


「…というわけで任務完了、と。」

月の裏側でナッコウの船団が爆発したその時、一隻だけそのどさくさに紛れて消えた船があった。

その船内では、ミレーヌに倒されたはずのナッコウがモニター前でほくそ笑む。

ミレーヌが倒したナッコウは彼に見せかけた偽物…レプリロイドであった。

「ブラッドキングはおもったよりいい出来だったな。今回使い捨てるには惜しい…設計図を高く売って一儲けといこう。ミレーヌとの戦いの映像でプロモーション効果も見込めそうだ…」

ナッコウの目の前に映し出されたもう一つのモニターでは、捕えられたソフィとリオナが宇宙人たちに輪姦されている映像が記録されているところであった。

「こっちもこっちで裏サイトで捌けばいい儲けになるだろう。今回もちょろい内容のわりにはいいバックの仕事だったといえよう。」

今回のナッコウに課せられた任務…

まず第一の任務はアルティマミレーヌを研究し、開発した怪獣をもってその心を折った上で敗北させること。

そしてもし『復活してくるようなら』、彼女を勝たせた上で地球を去ること、であった。

「しかし『あの方』もいい趣味をしていらっしゃる…わざと与えた窮地とその克服による成功体験…それは彼女を強くし、さらなる成長をもたらすだろう。そして強く美しく育ったその時、自らの手を持って彼女の芯を手折る…ミレーヌもそうとは知らず、今日の勝利を喜んでいるだろうよ。なぁ、ソフィ…リオナ…」




画面内で犯されるソフィとリオナの姿を見ながら、独りごちるナッコウ。

これからもミレーヌには様々な『あの方』による苦難が待ち受けているだろう。

「また依頼が来るようならお目にかかろう。その時までさらばだ、アルティマミレーヌ!」

こうしてナッコウの計画は秘密裏に幕を閉じた。

正義の勝利を信じて戦いを終えたアルティマミレーヌの未来には、未だアンチスパークルの影が落ちる。

果たして彼女はいつの日かその闇を晴らし、この宇宙の平和を守ることをできるのだろうか…


Files

Comments

yukimi

ミレーヌの逆転劇も仮初めの勝利に過ぎず、代償も大きかったですね。 今後もアンチスパークルがどんな陰謀を仕掛けるか(そして、どんなヒロピンが見られるか)、目が離せませんね。 それはそうと、ソフィとリオナがお互い向かい合った体勢でバックから犯されてる構図がツボですね。 お互いの犯されてる姿を目の当たりにしながらも、どうする事も出来ずといった感じがドキドキものです。

ガチピン@ご支援感謝

きっと最初は励ましあっていたのに、感じすぎて喘ぐことしかできない感じがいいですよねぇ… これからの展開にご期待ください!

ジャック

この勝利も仕組まれたものとは…恐ろしい

イースト

ソフィとリオナも可愛い!

syonnai_hito

今回の戦いはミレーヌたちは戦術的勝利を、ナッコウ側は戦略的勝利といった感じでしょうか。 ミレーヌを復活させさらに強くしてから、再びへし折っていくであろう今後の展開が、えぐいですが楽しみ。 アンチスパークルの底知れなさがいい感じでした。 ソフィとリオナはこの後完全に「壊される」かと思うと(((( ;゚Д゚)))