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挿絵 さーばーふぇいず様  ※冒頭部分 C-PULSE様


突如出現した怪獣に対応するアルティマミレーヌ。

しかし、倒しても倒しても新たな怪獣が現れ、ミレーヌは消耗してしまう。

エナジータイマーも激しく点滅する中、またも新たな怪獣が出現するのだった…



ピピピピピ…

真っ赤に点灯したかのような激しい明滅を繰り返すエナジータイマー。

「はぁっ…へぁっ…」

ミレーヌは倒れこむ寸前になりながら、なんとか上体を起こす。

目の前には倒した怪獣の亡骸が何体も転がっていた。

「おかしいわ…こんな何匹もの怪獣が一度に現れるなんて…うあぁ…」

力付き倒れ伏したミレーヌの背後に、新しく現れた『は虫類怪獣ゲトロン』が迫る。

ミレーヌ絶対絶命!

そう思われたその時、激しいミサイルの嵐がゲトロンを襲った。

「いけーっ!総攻撃だ!」

体勢を立て直した防衛隊が、陸と空からゲトロンを攻め立てる。

「み…みんな…ありがとう…」

ミレーヌは目を閉じると光の粒子となって消えていく。

「ああっ、そんな…」

「ミレーヌが…敗れてしまうなんて…」

女神の敗走に隊員たちから悲嘆の声が漏れたが、すぐに隊長の叱咤が飛ぶ。

「ミレーヌが倒れた時こそ我らの真価が問われる!全力であの怪獣を食い止めるんだ!」

発破をかけられた隊員たちは奮起し、再びゲトロンに攻撃を集中する。

ゲトロンは攻撃を受けながらも徐々に侵攻し、都市を守るための防衛線は、すぐそこまで迫っていた…


防衛隊の戦いが続く中、ミレーヌの人間としての姿・卯月メイ隊員は、意識を失って倒れていた。

しかし激しく響く戦いの音が、彼女の意識を引き戻す。

「いけない…早く立って戦わなければ…街がやられてしまうわ…」

ミレーヌが悲壮な決意を固めたその時、テレパシーが頭の中に響く。

「ミレーヌ…いけません…今もう一度変身したらあなたは本当に全てを使い果たして死んでしまうのよ…闘ってはだめ…」

その声の主は愛する母『アルティマソフィ』であった。

「お母様…いくらお母様のお願いでも…それは聞けないわ…今変身して戦わなくては、街が蹂躙されてしまう…」

母の声を振り切り、目をうっすらと開けるメイ隊員。

「もう少しで私が地球に着きます…それまで我慢なさい…」

説得を続けるソフィ。

しかしメイ隊員の目には、防衛隊の総攻撃を押し返して街に迫るゲトロンの姿が映ってしまう。

「ごめんなさい…私は…戦います!」

そういいながら起き上がったミレーヌの目には強い光が宿っていた。

「…くっ…わたしの身体…もう少しだけ保って…ミレーヌ!」

いつものような眩い光ではなく、淡い発光に包まれるメイ隊員。

次の瞬間、ゲトロンの後方にアルティマミレーヌがその姿を表した。

ピコンピコンピコン…

「はぁ…はぁ…」

現れたミレーヌのエナジータイマーはすでに赤く点滅し、彼女が本調子ではないことを告げる。

「この状態では長くは戦えない…せめて都市から気をそらせれば…ミレニウム光線!」

必殺の光線に賭けたミレーヌであったが、その威力は本調子には程遠く、ゲトロンの皮膚をかすめて消失してしまう。

「グアアッ!」

ミレーヌを殺すことを最優先に命令されているのか、ゲトロンは踵を返してミレーヌに襲い掛かる。

「そう…それでいいのよ…私が引きつけている間に一人でも多くの人々が避難できればそれでいいわ!」

ゲトロンをなんとか押しとどめようとするミレーヌであったが、全く力が入らないのか簡単に弾き飛ばされてしまう。

「あぐっ…はぁ…ぅ…」

地面に横たわる獲物を前に、ゲトロンが歩みを進める。

そのまま瀕死のミレーヌを引き起こすと、羽交締めの状態で拘束した。


「なにをしようというの…」

トドメを刺さない怪獣の意図が読めず、困惑するミレーヌ。

ゲトロンは長く二股に分かれた尾を操り、ミレーヌの眼前へと持ってくる。

その先端にはエネルギー吸収用の口が付いており、そこから出た舌がミレーヌの胸を舐め回した。

「あぁっ…ん…はぅ…いや…なんで…むね…ぇ…ばっかり…ぃ…」

もはや抵抗力を失っていたミレーヌの胸は簡単に乳首を露出させる。

「いけない…乳首が…やっ…あぁ…そこはダメ…ん…」


さらなる弱点をゲトロンの舌に責められ、悲痛な喘ぎをあげるミレーヌ。

じんわりと乳頭にエネルギーが染み出し、ゲトロンは嬉しそうにそれを舐めとっていく。

「あっ…くぅ…もう…イっちゃう…乳首で…ぇ…あああっ!」


ブシュッ…タパッ…

ミレーヌの絶叫と共に、その乳首からはエネルギーが母乳状に変換されてはしたなく溢れる。

ピピピピピ…

ただでさえ枯渇していたエネルギーを排出してしまい、悲鳴をあげるエナジータイマー。

ジュプッ…レロォ…

十分にエネルギーを堪能したゲトロンは、用済みとばかりにミレーヌを突き放した。

ズゥン…

ミレーヌは仰向けに倒れ、空を仰ぎ見る。


「もう…ダメ…」

ミレーヌは僅かに動く手を、エナジータイマーの上に被せる。

もはや死は決定事項であり、無意味に見える行動だったが、最後まで生に執着してでも時間を稼ごうとするミレーヌの意地でもあった。

ピ…ピ…ピー…

ついにエナジータイマーはその輝きを失い、暗く消灯する。

ミレーヌの目からも光が失われ、その命の灯火が失われたことを表していた。


「グアアアオゥ!」

ゲトロンは勝鬨を上げるように咆哮し、次なる目標都市部へと侵攻し始める。

「本当にミレーヌが負けてしまった…もうおしまいだ…」

市民からも悲鳴と落胆の声があがり、その場にいる全員が絶望に打ちひしがれたその瞬間、意気揚々と歩いていたゲドロンの首がストンと地面に落ちた。

ゲトロン自身も自らの首と身体が泣き別れたことに気づいていないのか、グアア…と首だけがか細く吼える。

「一体誰が…ああっ!?」

防衛隊員が空を見上げると、そこには眩く輝く光球と、その周りを目にも止まらぬスピードで飛び回るミレーヌの武器・ティアラッガーの姿があった。

「ミレーヌ、生きていたのか?」

隊員が顔を向けると、そこには絶命したミレーヌの姿がそのまま残っていた。

しかし、その額からはトレードマークのティアラが消えている…

「ミレーヌ以外にティアラッガーを使えるのは…」

隊員の疑問に答えを指し示すように、光球が一人の女性の姿を形どっていく。

そこにはミレーヌの母・アルティマソフィの姿があった。

ソフィは手元へとティアラッガーを戻すと、とある変化に驚く。

「これは…今回の敗北でまた、『起動』できる状態に至ったのね…それじゃあ…」

ソフィはミレーヌの亡骸のそばに降り立ち、その頭にティアラを戻した。

「少しの間借りようかと思っていたけれど…これはあなたが持っていなさい。」

そして頭をそっと撫でると、ミレーヌの身体を淡い光で包んでゆく。

「アルティマテレポート!」

ソフィの声に合わせて光に包まれたミレーヌは、何処かへと転送されていった。

ふぅ…と一息ついたソフィは、背後で一部始終を見守っていた防衛隊へと向き直る。

「地球の皆さん…ご覧になった通りミレーヌは傷つき、治療を必要としています。今しばらく地球を離れることをお許しください。」

その場の全員の頭の中に声が響き、防衛隊員たちは銘々に言葉を口にする。

「そんな…ミレーヌなしで地球はどうなってしまうんだ…」

「ソフィが残ってくれれば…」

そんな声を耳にしたソフィは優しく首を横に振った。

「私もこれからやらなければならないことがあります…みなさんがあの怪獣を止めるため、全力を尽くされたことを思い出して…地球の平和は皆さんの手で勝ち取ることができるのです…」

ソフィの言葉に先程の戦闘を思い出す防衛隊の面々。

「そうだ!俺たちだってあいつの足止めくらいできたんだ!やってやろうぜ!」

「ソフィ!ミレーヌにゆっくり休むように伝えてくれ!」

隊員たちの士気が上がったことを確認したソフィは優しく頷く。

そしてゆっくりと光の球へと形状を変え、上空へと登り始めた。

「地球の皆さん、その意気です。きっとミレーヌは元気になって帰ってきます。それまで頑張って!」

空へと消えていくソフィに、隊員たちはいつまでも手を振るのだった…

傷つき倒れたミレーヌの運命や如何に…

地球を離れ、戦いの舞台は宇宙へと移ってゆくのだった…


続く…


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Comments

Addition2

Love this chapter, and her defeat scene. It is also nice to see her corpse in full body. Looking forward to the next chapter.

syonnai_hito

傷だらけになっても戦おうとする健気さと、触手に嬲られて果てるシーンが実にマッチしていて、屈指のヒロピンです。