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挿絵 らすP様


ダークバルタンの一件から少しの時が流れた。

時折、月の裏の特異点から現れる怪獣や宇宙人の対処はあったものの、概ね平和な日々を享受するアンナたち。

ルクリアはゴーデスの動きが読めないことに一抹の不安を抱えていたが、その足取りは露ほども見えなかった。

しかしそんなある日、平穏は簡単に破られる。

特異点を抜けた謎の宇宙人が、脅威的なスピードで地球へと迫っていた。

「アンナ、タイミングが悪いことに、宇宙警備隊の戦士の到着はもう少し先です。今は私たちで地球を守りましょう!」

地球が平和になったタイミングでほかの銀河での戦乱が広がり、宇宙警備隊もルクリアに地球を任せる時間が増えつつあった。

平穏な日々の中で、後任のアルティマレディが来る前の隙をついたような襲来に、一抹の不安を覚えるルクリア。

しかしアンナは、嬉しそうに気合を入れる。

「私たちの力なら、きっとできるわ!行きましょう、ルクリア!」

そう言ってスマホを構え、高く掲げるアンナ。

「ルクリアッ!」

掛け声と共に光に包まれ、空へと飛翔するルクリア。

その眼前には、謎の宇宙人が迫りつつあった…


「アルティマフィールド!」

空中で宇宙人を迎え撃つための空間を作り出し、中で構えるルクリア。

相手の出方を注視しようとした彼女の前に、宇宙人はすんなりとフィールドへと侵入する。

「お出迎えご苦労様です、アルティマレディ…」

慇懃無礼な挨拶をするその姿は、まるで球体…

謎の宇宙人は自らをリフレクト星人と名乗った。

「我が名はリフレクト星人…とあるツテから、この星に屈強なアルティマレディがいると聞きまして…お嬢さん、ご案内いただけますかな?」

自分達は眼中にないとばかりの態度に、ルクリアよりも先にアンナが激昂する。

「丁寧な地球語を話す割には随分な物言いじゃない!ルクリア、私たちの実力…見せてあげましょう!」

「…ええ。」

冷静さを失っている様子のアンナを気にかけつつ、臨戦態勢に入るルクリア。

「(このタイプの敵だと鎮静化は期待薄かしら…)それなら!」

一気に集中を高め、ルクリアはフレアモードへと変化する。

「テヤァッ!」

キックとパンチのコンビネーションでリフレクト星人へと攻めかかるルクリアだったが、球体状の身体に簡単に弾き返される。

「ふっふっふ…そんな打撃では傷ひとつつきませんぞ!そーれい!」

球体状の身体を分離させ、腕を伸ばして殴りかかるリフレクト星人。

「くぅっ!打撃が重い…それならこれで!」

バク転で一旦距離をとり、腕をL字に組むルクリア。

「ネイバスター光線!」

一気に最大火力の光線を放つルクリア。

両腕でスパークさせたエネルギーが一体となって、リフレクト星人へと襲いかかる。

「ほほぅ、これはなかなか…しかしこれくらいでは動じませんぞ!」

余裕の表情で光線を受けると、そのままルクリアに対して弾き返す。

「…!そんなっ!?」

最強の光線を反射され、焦るルクリア。

咄嗟にバリアを張り、跳ね返された光線を相殺する。

「ぐうぅ…ふ、防ぎきれない…」

なんとか受け止めたものの、その威力の前にバリアは掻き消えてしまう。

ピコピコピコ…

一気にエネルギーを消耗し、ルクリアのカラータイマーが悲鳴をあげる。

「はぁ…はぁ…まだまだ…」

上がった息を整えることもできないルクリアに、リフレクト星人はため息をつく。

「ふぅ…やはり君では不足ですな…ここまでにしましょうかね。」

完全に舐められていることに腹立ちながらも、状況を覆せない事に不甲斐なさを感じるルクリア。

「このまま行かせる訳にはいかないわ…せめて一太刀!ミックスアップ…アカリ!」

ルクリアは残された力をミックスアップに使い、腕にアカリのナイトブレスを装着する。

「ナイトブレード!たあああっ!」

ガキィ…

渾身の一撃をリフレクト星人へと放つルクリアであったが、その刃は簡単に装甲で受け止められてしまう。

「しつこいですねぇ…んん?」

ルクリアなど歯牙にも掛けない様子だったリフレクト星人が、上空に視線を向ける。

次の瞬間、フィールド内に一つの球体が飛び込んできた。

「イヤアアアアッ!」

雄叫びを上げながら、球体は女性の姿へと変化する。

滑り込みながら、リフレクト星人の前に到達すると、勢いそのままにキックを打ち込んでいく。


「ぐおおっ…これはなかなか!」

蹴り飛ばされたリフレクト星人はフィールドの端まで転がっていた。

「あ、あなたは…」

倒れ込んだルクリアはなんとか顔を上げ、新たな乱入者の顔を確認する。

そこには真紅のレオタードアーマーに身を包んだ、金髪の戦姫の姿があった。

「ふふふ…興が削がれましたね…出直すとしましょう!」

転がった勢いのまま、フィールドを後にするリフレクト星人。

そのままいったん宇宙空間へと退避していくのを見送ったのち、金髪のアルティマレディは倒れ込んだルクリアを振り返る。


リフレクト星人に突き立てたはずの刃は無惨に折れ、地に伏せるルクリアに、戦姫は腕を差し出した。

「初めまして…よね?私の名前はアルティマレディ・レオナ。地球の守護を仰つかってきたわ。」

その手を握り、ルクリアを抱き起こすレオナ。

「ありがとうございます…情けないところをお見せしてしまって…」

俯くルクリアに、少し思案する表情を見せるレオナ。

「そうね…まずは一息つきましょう。実は私も長旅でヘトヘトで…」

苦笑しながら促すレオナとともに、フィールドを解除したルクリアはアンナの家へと戻っていくのだった…


「さてと…2人とも初めまして。私はアルティマレディ・レオナ。出身は光の国ではないけれど、アルティマ姉妹に加えてもらっているわ。」

変身を解いたレオナは、地球でのアイドル・秋山リナに似た少女へと姿を変える。

「昔任務で過ごした星での姿だけど…ここでも違和感はなさそうね!」

なぜか上機嫌のレオナとは逆に、アンナは目に見えて意気消沈していた。

「すいません、助けていただいて…私がカッとなって先走らなければ、違う結果になっていたかもしれないのに…」

項垂れるアンナに、スマホからルクリアがフォローを入れる。

「いえ、私がきちんと戦いをリードすべきだったのです。アンナは悪くないわ…」

その様子を見ていたレオナは、笑顔でアンナに向き合う。

「まぁまぁ…反省は大事だけど、具体的にどうするかも考えないとね。ちょっといいかしら?」

そういうと、レオナはいきなりアンナの身体を弄りだした。

「へっ…え、あ…いやっ…ちょ…」

隅々まで触られて顔を赤らめてしまうアンナ。

「ふむふむ…なるほどね…」

得心がいった様子のレオナは、身体を離すとアンナを見つめて宣言する。

「こういう時にやることはひとつ…『特訓』よ!」

「「はい?」」

今日日の日常で聞くことのなくなった単語の登場に、ルクリアとアンナのリアクションが揃ってしまうのだった…


後編へ続く…

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Comments

syonnai_hito

このレオナだと厳しくはなさそうだけどえっちな特訓がありそうでそれはそれで恐ろしそうw