アルティマミレーヌ 「怪奇!雪男の叫び」 (Pixiv Fanbox)
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挿絵 べろす様
強烈な吹雪がスキー場を襲い、大きな被害をもたらす事件が発生する。
その前兆として謎の毛むくじゃらの男の影を見たという噂が、地元の集落に広まっていた。
地元の猟師たちが真相の究明に山に入るものの、一人を残して全滅してしまう。
生き残った一人は「雪男を見た…」とうわ言を発するのみであった…
事の重大性を鑑みた防衛隊は、アルティマミレーヌの人間体・卯月メイ隊員を現場の調査に派遣する。
到着したその日も毛むくじゃらの男が現れたと、集落は戦々恐々としていた。
意を決して山へ入っていくメイ隊員。
しかし次第に吹雪が強まり、視界が悪くなっていく。
「このままでは遭難してしまうわ…一度どこかに避難を…」
周りを見渡したメイ隊員の瞳に、一軒のホテルの明かりが映った。
急いでホテルへ避難すると、そこには沢山の観光客や地元民が避難していた。
素性を明かして協力を仰ごうとしたメイ隊員だったが、これが裏目に出てしまう。
「防衛隊ならわしらをまもってくれ!」
「お前たちが来たから毛むくじゃらの男が怒って吹雪を起こしたんじゃ!」
不安に駆られた避難者たちがイライラの矛先をメイ隊員に向け、罵倒が始まる。
中にはメイ隊員に当たっても仕方がない、とやり返す人々も出始め、ホテル内は険悪な雰囲気が支配し始めていた。
「みなさん、落ち着いてください!私は装備を整理したらすぐに雪山へと向かいます。争いあってはいけません!」
必死に避難者を説得し、場を収めようとするメイ隊員。
その様子に、罵声を浴びせていた住民たちのトーンも落ち着きを見せ始めた。
このままではみんな参ってしまう…
早急な解決が必要だと察したメイ隊員は、すぐに山へと向かう決心をしていた。
ホテルを後にし、再び雪山へと向かうメイ隊員。
しかし、このままではまともに前には進めない事を理解し、メイ隊員は意を決して意識を集中する。
「ミレーヌ!」
光に包まれたメイ隊員は本来の姿・アルティマミレーヌへと姿を変える。
まだ敵が見つかっていない状態で変身することはリスクであったが、現状を打破するための苦肉の策であった。
「この寒さではエネルギーの消耗が早まってしまうわ…時間をかけてはいられない…アルティマアイ!」
ミレーヌたちアルティマの戦士は、寒さに弱いという弱点を抱えていた。
短期決戦を挑むため目に力を集中し、吹雪の中を探るミレーヌ。
すると山の中腹で、吹雪の発生源になっている巨大な人型の反応を見つけ出した。
「あれがこの事件の黒幕ね!タァッ!」
ミレーヌは吹雪の中を跳び上がり、目標へと飛翔する。
「この寒さ…消耗が激しいわ…長時間の戦闘は避けなくちゃ…」
寒さに弱いミレーヌたちにとって、この吹雪は身体の維持だけで体力を大きく消耗してしまう。
これ自体がこの凶獣を送り込んだラポールの罠の可能性もあったが、人々の消耗を目の当たりにしたミレーヌにとっては一刻の猶予もない状況であった。
「…いた!そこねっ!」
吹雪の中を闊歩する毛むくじゃらの影に、そのまま体当たりを仕掛けるミレーヌ。
不意を突かれた吹雪の元凶・雪男凶獣フブギロロは、近くの山肌へと激突する。
「フハハハ…現れたな、ミレーヌ!この吹雪の結界が貴様の墓場となるのだ!行けぇ、フブギロロ!」
どこからともなくラポールの声が響き、それが闘いのゴングとなる。
不意打ちに怒り心頭のフブギロロは、凄まじい形相でミレーヌへと襲いかかった。
「くっ…はぁっ!」
猪突猛進な凶獣に、最小限の動きで攻撃をいなしていくミレーヌ。
消耗を避けたい思惑があったことも事実であったが、その作戦が裏目に出てしまう。
「くっ…え?…しまった!」
一直線に見えたフブギロロの攻撃は、巧みにミレーヌを近くの岩肌へと追い詰めていた。
気がついた時には、ミレーヌは逃げ場を失ってしまう。
「くっ…まだまだ!」
ミレーヌは垂直に飛び上がると、空中で回転して得意のスワローキックを繰り出した。
しかし命中の瞬間、フブギロロの頭部が怪しく光る。
ビカッ!
頭についた発光体からフラッシュビームが放たれ、キックの態勢に入っていたミレーヌを直撃してしまう。
「ああっ!!」
空中でフォームが崩れ、地面に倒れ込むミレーヌ。
「うう…目が…」
ミレーヌはフラッシュビームをまともに浴び、霞む目を押さえて立ち上がる。
「凶獣は…どこ?…」
ゴォッ…
次の瞬間、今までの吹雪とはまるで違う冷気がミレーヌに浴びせかけられた。
「きゃあああっ!」
背後に回ったフブギロロが放つ冷凍ガスが、ミレーヌの身体からエネルギーを奪っていく。
ピコンピコンピコン…
エナジータイマーが悲鳴を上げるように点滅を始め、ミレーヌは絶対絶命のピンチを迎えていた。
「ああっ…だ、だめ…エネルギーが…」
フブギロロが背後からミレーヌの肩を掴み、その身を拘束する。
「くくく…お前たちの弱点など研究済みだ!この吹雪の中で戦って勝とうというのが甘かったのだ…」
ラポールの勝利宣言が響きわたるものの、当のミレーヌはすでに意識が朦朧としてそれどころでなかった。
「息も絶え絶えではないか…それではトドメを刺してやろう。やれ!フブギロロ!」
命令を受けたフブギロロは、股間の逸物を屹立させ、ミレーヌの秘所へと背後から突き刺していく。
「はぁ…はぁ…ッ!?いやぁああ!」
もはや寒さで感覚も失われていたが、いきなりの挿入でミレーヌの口から悲痛な叫びが溢れる。
ずちゅ…ずちゅ…
「ああっ…いやっ…ぬいてぇ…やぁん…」
乱暴なピストンに晒され、ミレーヌは望まぬ快感にその身を灼かれてしまう。
「そいつの精液は絶対零度…中出しされれば貴様の身はあえなく凍りつくだろう。その後はオブジェにでもして我がそばに飾ってやるぞ!」
ラポールからの死刑宣告のような嘲りに、首を振って抵抗の意思を見せるミレーヌ。
しかしそんな想いとは裏腹に、フブギロロのピストンがミレーヌの身体に刻まれていく。
そして最後の時はまもなく訪れた。
「ガアアアッ!」
フブギロロの咆哮と共に、精液がミレーヌへと注がれる。
「い、いやあっ…」
熱い滾りで秘所が満たされたと思った次の瞬間、身体を芯から貫くような冷気がミレーヌを襲う。
「あ…か…くぁ…」
言葉を発することも許されず、ミレーヌの体は凍りついていく。
ピピピ…ピ…ピッ…
エナジータイマーも一気に点滅を早めた後、そのまま光が消えてしまう。
「憎らしい光の女神も、こうなってしまえば可愛いものよ…フブギロロよ、その氷像を持って帰投するのだ!」
ラポールの声が響き、雪山は永遠の吹雪に包まれていく。
人知れず敗れたミレーヌ…
その行方は荒れ狂う氷雪の中へと消えてしまうのだった…
終