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挿絵 CO様


前話までのあらすじ

かつて宇宙で悪名を轟かせたガルデン大王が復活したとの情報が、銀河中を駆け巡る。

かつてガルデン大王と対峙したことのあるミレーヌの母・ソフィは、単身調査に乗り出すも捕らえられてしまう。

なんとか脱出したソフィは、ミレーヌのいる地球へ逃げ込む。

しかし、追ってきたガルデン大王の軍勢に襲われ、ミレーヌに救助された時にはけがで記憶を失っていた。

ソフィの治療にアルティマエリナが訪れるも、時を同じくしてガルデン大王の先兵が地球に現れる。

ソフィの回復までの時間を稼ぐため、身を盾にするミレーヌとエリナ。

結果、ミレーヌは傷つき倒れ、エリナはガルデン大王の前で慰み者になってしまう。

なんとか記憶の戻ったソフィは、ガルデン大王との戦いを回想し、ミレーヌへ逆転の秘策を授けるのだった…


ミレーヌ(以下ミ)「これが戦いの鍵に…」

ソフィの差し出した二対の指輪を手にしたミレーヌが呟く。

ソフィは頷き、作戦を説明した。

ソフィ(以下ソ)「この指輪はかつて私とあなたのお父さんが、ガルデン大王と戦った時に使用したアルティメットブレードとイージス…でも今は、その力は失われているの。」

ではなぜこれを?と首を傾げるミレーヌに、ソフィは続ける。

ソ「剣と盾としてはもう力はない…でも、もう一つの能力・装着者同士のエネルギーをシンクロさせる機能は、まだ生きているわ。」

ミレーヌは合点が入った、という表情でソフィを見つめた。

ミ「なるほど…これを使って…」

ソフィの考えた作戦の意図を理解し、笑顔を見せるミレーヌ。

ソ「アイリちゃんとぶっつけであの技を成功させたあなたにならできるはず。ミレーヌ、成長した姿をお母さんに見せて!」

母から向けられた期待に、ミレーヌは決意の表情で頷く。

2人が視線を上げた先のモニターには、地球へ降伏を迫るガルデン大王の宇宙船が映っていた…


時は少し戻り…

アルティマエリナの陵辱ショーを終えたガルデン大王は、地球へ降伏勧告をおこなっていた。

ミレーヌ・エリナが立て続けに敗北したことで、人類には諦観の念が芽生え始めていた。

広がりつつある絶望に人々の気持ちが沈みかけたその時、ガルデン大王の宇宙船の前に眩い光の柱が立ち上る。

その中から現れたのは、一度敗れたはずのアルティマミレーヌであった。

傷つき倒れたと思われたミレーヌの登場に、歓喜する民衆。

ミレーヌは期待に後押しされるように一歩踏み出すと、ガルデン大王に呼びかけた。

ミ「ガルデン大王!あなたも大王を名乗る気概があるのなら、私と正々堂々勝負なさい!」

ミレーヌの挑発に、宇宙船からガルデン大王の声が響く。

ガルデン大王(以下ガ)「フハハハ!我が配下に破れておきながら威勢のいい小娘め…いいだろう!余自ら相手をしてくれるわ!」

落雷のような轟音と稲光が宇宙船から放たれ、その落着箇所に鎧を身にまとった巨大な宇宙人が現れる。

身の丈ほどもあろうかという青龍刀を振り回し、ガルデン大王はその姿をミレーヌと地球人に見せつけていた…


現れたガルデン大王の姿を見たソフィは、疑惑が確信に変わるのを感じていた。

ソ「やっぱり…あれは光の星に攻めてきたガルデン大王ではないわ…」

一見派手に登場して見せたが、雷も轟音も宇宙船からうちだされており、アルティメイトブレードを手にしたケインと打ち合ったという勇猛果敢さも見て取れない…

しかし、溢れ出す威厳は本物であり、実際ミレーヌは気圧されているようであった。

ソ「私の予想通りなら…ミレーヌ、あなたなら勝てるわ!」

大王と対峙する娘に心の中でエールを送り、ソフィは自らの役目を果たしに向かうのだった…


目の前のガルデン大王の放つ威圧に、後ずさりそうになるのを堪えるミレーヌ。

ミ「死中に活あり…迷ってもしょうがないわ!ガルデン大王、覚悟!」

ミレーヌは気合を入れ直すと、地面を蹴って高く飛翔し、スワローキックの体勢に入る。

ガィンッ!

急降下で勢いを増した鋭い蹴りがガルデン大王に襲いかかるが、強固な鎧がそれを弾き返した。

バク転しながら距離を取ったミレーヌは腕を十時に組み、必殺の光線を放つ。

ミ「ミレニウム光線!」

眩く光る光の波線がガルデン大王におそいかかるも、真上の宇宙船から発生したバリアがそれを阻む。

先程からガルデン大王の直上には宇宙船が鎮座し、その戦いを助けていた。

ミ「1対に応じたかと思えば、部下に手を出させるなんて…天下のガルデン大王の名が泣くわよ!」

ミレーヌの問いかけに、ガルデン大王は自嘲する様にフッと笑う。

ガ「ふん…お主らも気づいているのだろう…余は貴様らの知るガルデン大王ではない…本当の大王たる我が息子は、光の星で貴様らに討たれたのだからな!」

突然の告白であったが、ミレーヌにとっては想定の範囲であった。

真っ直ぐに揺らがない視線を向けるミレーヌに、ガルデン大王は言葉を続ける。

ガ「余が家督を譲ったばかりに、奴は逸って光の星に攻め込んでしまった…奴の焦りを見抜けなかったのは余の不徳。ゆえにせめてもの餞に、貴様とソフィの首をいただきにきたのだ!息子を討った貴様の父はもういないのだからな…」

“先代”ガルデン大王の言葉に、ミレーヌは怒りの表情を見せる。

ミ「逆恨みもいいところだわ…そのためにたくさんの人を巻き込んで…許しません!」

それを聞いたガルデン大王も再びニヤリと笑う。

ガ「望むところよ!余とて銀河の覇権を争った大悪党の1人…お前の様な小娘1人に負けはせぬわ!」

剣による一撃でガルデン大王がミレーヌに攻めかかり、激しい戦いの音が大地を揺らしていた…



ソ「ミレーヌ、ごめんなさい…あなたに私たちの戦いの尻拭いをさせることになってしまうなんて…」

2人の会話を耳にしたソフィは沈痛な表情を浮かべた。

しかしすぐに顔を上げると、目の前に横たわるアルティマエリナの身体に向き合う。

エリナは陵辱の限りを尽くされた後、戦利品のように宇宙船で曳航されていた。

宇宙船がガルデン大王の補佐に入り始めてからは、近くの大地へとその体は投げ出されていた。

エリナはソフィとミレーヌの治療を終えて出発する際、2人へアルティマサインを残していた。

その内容は、「どんな恥辱に塗れても、戦場で待っている」というものであった。

本来であれば死ぬ間際でテレポート等で逃げることもできたはずであったが、エリナは自分が何かの助けになることを信じ、その身体を戦場へと留めていた。

結果として、ソフィの立てた作戦には2人のアルティマの戦士が必要であり、自身ではその役を担えないことを察したソフィにとって、エリナの覚悟と決断は本当にありがたいものであった。

まだ変身するエネルギーすら戻っていないソフィは、人間体の体を強化することで倒れているエリナの手の近くまで進んで行く。

ソ「エリナちゃん…無理をさせてごめんなさい…蘇って!」

エリナへ向けて指輪を掲げるソフィ。

指輪は眩く光りながら、エリナの指ヘと向かっていった…


ガ「はあああ!」

先代大王の刀がミレーヌへ振り下ろされる。


バシッ…

間一髪、白刃取りの要領でその刃を防ぐミレーヌ。

その瞬間、ミレーヌの体からスッと力が抜けていく。

ミ「くぅ…」

止めた刃に押し込まれ、膝をつくミレーヌ。

しかし、ミレーヌはこれが吉兆であることを理解していた。

それを知らない先代大王はこれが好機と攻勢を強める。

ガ「くらえい!」

ズドォッ…バリバリバリバリ…

宇宙船から援護の雷撃がミレーヌに襲いかかり、その体を灼いていく。

ミ「くぅう…」

ピコンピコンピコン…

エナジータイマーもダメージに悲鳴を上げ、先代大王の青龍刀がさらに押し込まれる。

ガ「トドメじゃあ!我が息子の元へいくがいい!」

しかし、ミレーヌは前のめりになった先代大王の隙を見逃さなかった。

ミ「今よ!ティアラッガー!」

ミレーヌが頭を振ると、頭部のティアラが空飛ぶ刃へと変わる。

ミレーヌの操る刃は、そのまま先代大王の青龍刀の側面をたたき、その刀身を叩き折った。

ガ「なにィ…こうなったら…であえであえ!」

武器を失い焦った先代大王は、宇宙船より部下のガナガナ星人を降下させる。

しかし彼らが着地する寸前、横から発射された光線が、ガナガナ星人たちを一網打尽に薙ぎ払った。

エリナ(以下エ)「1対1じゃないなら、卑怯とは言わないわよね!」

頼れる先輩の復活に、ミレーヌは歓喜の声を上げる。

ミ「エリナ先輩!」

先程ミレーヌのエネルギーが失われたのは、指輪によるシンクロでエリナにエネルギーが渡ったためであった。

2人のエネルギーは今、同じ波長で共有されている。

エ「ミレーヌ!喜ぶのは勝ってからよ!今の私たちならあの技ができるわ!」

ミレーヌは以前、先輩であるアルティマアイリと、合体光線である「ツインフラッシャー」を使い、侵略者を退けたことがあった。

一瞬エリナともそれを…と考えたミレーヌであったが、エリナからは不敵に微笑む。

エ「アイリと一緒なんてつまらないわ…女王陛下が得意としたあの技でいきましょう!」

エリナの提案に、守備隊学校の教科書で何度も見た技を思い出すミレーヌ。

2人はお互いの腕をクロスさせると、高らかにその名を叫ぶ。

「「アルティマ・ダブルパワー!!」」


2人のアルティマ戦士が互いのエネルギーを掛け合わせ、何倍もの破壊力を生み出す必殺技。

それがアルティマ・ダブルパワーである。

元はソフィの持つ指輪の持ち主であった女王とその伴侶である先王のコンビネーション技ということだったが、指輪の力でエネルギーの波長をシンクロさせたミレーヌとエリナもそれを可能としていた。

大きな光の波が円形に膨らみ、先代大王やガナガナ星人を飲み込んでいく。

ガ「グアアアアアアッ!」

先代大王の断末魔を聴きながら、エリナとミレーヌはアイコンタクトし、エネルギーの指向性を上空へと向ける。

強大なエネルギーはそのままガルデン大王の宇宙船を飲み込み、消滅させていった…


ピピピピ…

ダブルパワーが消失すると、ガルデン大王たちは全て消え失せ、静寂の中にエナジータイマーの早まった点滅音だけが響いていた。

ミ「はぁっはぁっ…」

膝をつくミレーヌをエリナが抱き起こす。

エ「ミレーヌ…よくやったわ。私の意図を理解してくれてありがとう…」

起こしたエリナもふらついており、弱々しく笑顔を交わす2人。

次の瞬間、その姿は光の粒子となり、ゆっくりと消えていった…


力尽きた2人はソフィに救助され、数日の時が過ぎた…

回復したエリナは既に地球を離れ、銀河守備隊へと事態の報告に戻り、ソフィも地球を離れる時が近づいていた。

ミレーヌは年相応に寂しさを感じていたが、母から父の話を聞けたことで少し晴れやかな気分でもあった。

ミレーヌと遠くない再会を約束し、地球を離れるソフィ。

地球には、今日も新たな侵略者の魔の手がすぐそこへと迫る。

いつか来る平和を勝ち取る日まで、ミレーヌの戦いは続くのであった…



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Comments

Pira

They are so cool~!