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挿絵 CO様(一部、Jam様・sfry@あぶそーぶろぐ様の挿絵を使用しています)


地球までの道中で、ウルトラエリナ・ウルトラソフィ・ウルトラリオナを捕獲し、遂にウルトラミレーヌの元へと迫るダダ。

一方、先輩・母に続き、義姉まで消息を立ったことでミレーヌの心中は穏やかではなかったが、地球を守るという使命から我慢の日々を続けていた。

そんな折、日本の山中でバスの滑落事故が多数発生するも、乗客や乗員が全員忽然と消えてしまうという事件が発生する。

調査に乗り出した防衛チームの捜査も虚しく、行方不明者の痕跡は発見できずにいた。

ウルトラミレーヌの地球での姿・卯月メイ隊員も捜索の輪に加わっていたが、ある地点で明らかに地球人のものではない足跡を発見する。

しかしそれは地球人を超越したミレーヌの視力を持ってしか視認できない代物であり、周りの隊員たちに知らせることはできなかった。

意を決して単独行動をとり、足跡を追うメイ隊員。

すると足跡が続く山中に、大きな宇宙船が風景に擬態した状態で停泊していた。

慎重に近づくメイ隊員に、宇宙船からテレパシーが飛ぶ。

「来たな、ウルトラミレーヌ!貴様にだけわかる様に痕跡を残したのだ…気づいてくれて何よりだよ。」

そう言いながら宇宙船より姿を現したのは、多面怪人ダダであった。

「バスの乗客を攫ったのはあなたね!すぐに解放しなさい!」

メイ隊員の要求に、ダダは笑いながら答える。

「この星の下等生物など、実験材料にもならんわ…私の標本コレクションに加えてやるだけありがたく思ってもらわないとな…それよりこっちの方が君の好みではないかね?」

そう言ってダダが指を鳴らすと、宇宙船の壁面にモニターが現れた。



その画面にはミレーヌの愛する母・ソフィと義姉・リオナが十字架に磔になっている様子が映し出される。

「なんてことを!エリナ先輩が消息を絶ったのもあなたの仕業ね!」

「だとしたらどうだというのかな?」

挑発的な態度のダダに、ミレーヌの怒りが頂点へと達する。

「くだらない野望もここまでよ!」

そう叫んだメイ隊員が光に包まれると、地球を守る正義の戦士・ウルトラミレーヌへと姿を変える。

一気にダダと同じサイズまで巨大化したミレーヌは、ファイティングポーズをとって向き合った。

「変身したな!いいだろう、相手になってやる!」

今までの態度に似つかわしくない勇ましいセリフを叫ぶダダ。

「(こっちに攻めさせようとする罠…ん?あれは…)」

その時、ミレーヌの視界に動く影が映る。

その影はダダの死角から、宇宙船内へと滑り込んだ。

ダダがその様子に気づいていないことを察したミレーヌは、敵の注意をこちらへ向けさせるため、挑発に乗ることを決意した。

「あなたに好きにはさせないわ!ここで倒してみんなを解放して見せる!」

正義の味方らしく勇ましいセリフを放ちながら、ダダへ迫るミレーヌ。

大振りなパンチやキックをへっぴり腰でかわしながら、ダダは後ろ手に隠したスイッチを押す。

次の瞬間、ミレーヌが着地した地面から、リオナを捕らえたヒッポリトカプセルが襲い掛かった。

しかし、ミレーヌは落ち着いてバックステップし、カプセルは空振りしてしまう。

「ティアリウム光線!」

掛け声に合わせて、ミレーヌの頭上に輝くティアラの中心から、一条の光が走る。

その光線が命中すると、カプセルはあっけなく爆発四散してしまった。

「ああっ!た、高かったのに…」

ダダはトラップがあっさり破壊され、意気消沈してしまう。

「せっかくあの時の再現をしてやろうと思ったのに…映像の中のお前は無力に乳からエネルギーを垂らしていたなぁ!」

ダダは悔しがりながらも挑発を続ける。

ヒッポリト星人との戦いの中でカプセルに捕らえられたことが頭をよぎり、一瞬赤面してしまうミレーヌ。


しかしすぐに戦士の顔に戻り、ダダに向き合う。

「動揺させようとしても無駄よ!あなたの罠なんて、全て打ち砕いてあげるわ!」

動じないミレーヌの姿に、ダダは作戦変更を余儀なくされていた。

「(チッ…乗ってこないか…それなら奥の手だ!)」

意を決したダダは、罠を警戒して距離をとったミレーヌを逆手に取り、背中側で武器の転送を始める。

「…?コソコソと何をしているの!?」

死角で何かを企んでいるのを察知したミレーヌは、一気にダダとの距離を詰めた。

「おそいわ!これでもくらえっ!」

ダダの手にはミクロ化光線銃が握られていた。

銃の先端から発射された光の粒子がミレーヌの体に浴びせられる。

「きゃあ!!…しまった…でもダメージは感じない…」

光を浴びたミレーヌは、特に攻撃を受けた感触がなく困惑した。

「でも、それならこのまま!」

そう言って大地を蹴ったミレーヌ。

しかしその瞬間、ダダが10倍近くの大きさになり、ミレーヌのパンチは華奢なはずの体に弾かれてしまう。

「っつぅ…なんて巨体なの…」

手のダメージに膝をついたミレーヌは違和感を覚える。

さっきまで腰の高さほどだった周りの木が遥か頭上に伸びていた。

「これは…私が縮んでいるの?」

周りの状況から推理したミレーヌに覆い被さるようにダダが迫る。

「ご名答…君の体は今や1/10ほどに縮んでいる。もちろんパワーもだ。」

そう言いながら腕を伸ばし、ミレーヌを掴もうとするダダ。

なんとか避けようとするミレーヌだが、体の縮小による違和感に困惑し、上手く動くことができない。

「思ったように体がついてこない…このままじゃ…きゃああ!」

ついに、ダダの手に捕らえられてしまうミレーヌ。


「ちょこまかとしよって…ふふふ…ミクロ化光線銃の威力は効果的面だな!」

そう言ってミレーヌを顔の近くまで持ち上げるダダ。

「離しなさい!」

ミレーヌも振り解こうとダダの手の中でもがくものの、今の力ではびくともしなかった。

「無駄だ無駄だ!貴様の体はサイズも力も縮小している。私が少し力を入れればこうだ!」

ギリギリギリギリ…

「あああああっ!!」


ダダが少し力を込めただけで、ミレーヌの体がへし折れんばかりに圧迫される。

内臓や骨の軋みに、ミレーヌも悲鳴を上げることしかできなかった。

「おや、すまんすまん、力の加減が難しくてね…少し優しくしてやろう。」

今度は下婢た笑みを浮かべながら、親指のはらでミレーヌの身体をなぞっていくダダ。

いつ押し潰されるかという恐怖と、巨大な物体に身体を弄られる屈辱とで、ミレーヌは身体を強張らせていた。

「…あんっ…殺すなら殺しなさい!」

愉しんでいる様子のダダに苛立ちをぶつけるミレーヌ。

しかしダダは甚振る手を止めることはなかった。

「ふん…お前はすぐには殺さない…一族の恨みを晴らすまではな…」

「一族の…恨み?」

心当たりのないミレーヌは咄嗟に聞き返してしまう。

ダダは鼻で笑いながら話を続けた。

「ふん…貴様本人にではないがな…我々は星間戦争に武器商人として介入し、生計を立てていたのだ。しかし、その戦争に貴様ら宇宙警備隊が仲裁に入り、我々の商売を台無しにした!そして、その指揮をとっていたのは貴様の親父・ウルトラケイン!」

ダダの口から、尊敬する父・ケインの名前が出たことで、ミレーヌは状況に納得し始めていた。

そしてダダは興奮して続ける。

「奴に復讐しようと着々と準備したのはいいが…貴様も知っての通り、別の戦争でくたばってしまったからな…ならせめて娘のお前を嬲って気を晴らさせてもらおうってわけだ…運良くソフィまでついてきたしなぁ!」

目的の達成が近づいたためか、饒舌になり興奮を隠せなくなるダダ。

「逆恨みもいいところじゃない!自分たちの非道は棚に上げてお父様に復讐なんて…」

「うるさいぞ!」

ミレーヌの物言いに苛立ったのか、ダダは握る手に力を込める。

「ぐううぅ…もう…だめ…」

ついにダダに握られたまま意識を失ってしまうミレーヌ。

「小うるさいやつめ…貴様にはたっぷりと辱めを受けさせてやるわ…」

身動きしなくなったミレーヌを地面に叩きつけるダダ。

次の瞬間、船内からダダに無線が飛んだ。

「父上!人質が解放されちゃったよ!」

声の主はある目的のため、宇宙船に来ていたダダの息子であった。

「エリナもソフィも、この星の下等生物もみんな逃げちゃった…でも、逃したやつも罠にかかったから、拷問すれば逃した先がわかるかも!」

息子の報告を聞いたダダは特に怒るわけでもなく、冷静に指示を飛ばす。

「まぁいいだろう…最大の目標はもう達成したからな…トラップごとそいつを船外に転送しなさい。」

ミレーヌを堕としたいま、それ以外にはさほど興味はないといった態度のダダ。

侵入者を捕らえているのであれば、さほど焦る理由もなかったのである。

船内のハッチが空き、罠が地面に降ろされる。

「ほう…まさかあなたが犯人とはね、ウルトラアイリ!」

罠はポールに枷で対象を括り付けるタイプのものであった。

そしてその罠には宇宙警備隊のエース・ウルトラアイリが捕らえられていた。

カラータイマーは点滅し、表情も辛そうなアイリの様子に状況を察するダダ。

「さては自らを省みず、人質を安全圏へテレポートでもさせたのだろう…そしてエネルギーを消耗し切ったところで罠を踏んだと…違いますかな?」

アイリは辛そうな表情を見せながらも、ダダの質問に答える。

「そう…その通りよ。人質は全て逃したわ…あんっ…あなたの野望もここまでね…」

「ミレーヌとやり合っている時に侵入されるとは…わたしも少し興奮しすぎましたな…しかし、結局あなたとミレーヌを手に入れられるなら、同じ成果ですよ!」

ダダは悔しがりもせず、あっけらかんとしている。

そして罠にかかったアイリの後方に回ると、胸を刺激し乳首を露出させた。


「いやっ…はぁあん…やっ…やめなさい…」

エネルギーを失い弱っているところへの刺激で、乳首は素直に屹立し、刺激を受ける快感にアイリは顔を振って抵抗の意思を見せる。

宇宙警備隊のエースを手籠にする優越感で周りへの警戒が薄れてしまうダダ。

地面に叩きつけたはずのミレーヌが少しずつ身体の大きさを戻しつつあることに、意識が向かずにいたのである。

「アイリ先輩!」

ミレーヌの声が響くと同時に、放たれたティアラッガーがアイリを拘束したポールを切り刻む。

「ありがとう、ミレーヌちゃん!」

拘束の解けたアイリは、即座に背後のダダを蹴り上げた。

「ゲアッ!」

情けない声を上げながら吹き飛ぶダダ。

ミレーヌは気絶したふりをして、この隙を狙っていたのである。

そもそもダダと最初に対峙した時に、アイリから時間を稼いで欲しいとテレパシーで依頼されていたミレーヌ。

ミクロ化光線銃の威力は絶対であったが、それでもなんとか人質を解放する時間を稼いだのであった。

アイリはアイリで、人質をテレポートで逃したところでエネルギーの限界を迎え、ならばせめてミレーヌの反撃の隙を作るため、わざと罠にかかる形でダダの気を引くことに成功していた。

2人の連携で、なんとか優勢に持ち直したといったとことろであった。

「くっ、くそう!死に損ない共が…こうなったら円盤の火砲で焼き尽くしてやる!」

そういって宇宙船に逃げ込んでいくダダ。

「行かせないわ!ミレニウム光線!」

ミレーヌが腕を十時に組み、必殺の光線を円盤へ放つ。

しかし、ミレニウム光線は円盤のバリアーに防がれてしまった。

「ミレーヌちゃん、1人の攻撃ではあのバリアーを破れないわ!協力しましょう!」

アイリの申し出にミレーヌは驚く。

「アイリ先輩、まさかあれを使うんですか?エリナ先輩とじゃなきゃできないんじゃ…」

不安に駆られるミレーヌを先輩としてアイリが励ます。

「大丈夫!あなたと私ならきっとできる!あいつを逃したら新たな被害者が出てしまうわ…いまここでやっつけるのよ!」

アイリの力強い言葉に、ミレーヌも自信を取り戻す。

ミレーヌは頷くとひざまずき、両手を合わせて高く掲げた。

そして、アイリが後ろからその手を包む。

次の瞬間、2人のエネルギーが混ざり合い、反発し、強力な光線として打ち出される。

「「ウルトラ・ツイン・フラッシャー!!」」

2人の掛け声が重なり、光の束が円盤へと殺到する。

ミレーヌの光線を防いだバリアーは難なく破られ、円盤はあっけなく墜落した。

その爆発を確認し、胸を撫で下ろすアイリとミレーヌ。

ダダが円盤と運命を共にしたかは定かではなかったが、ひとまずの脅威は去ったとみられた。

「ミレーヌちゃん…息ぴったりだったわね!」

嬉しそうにするアイリに、ミレーヌも笑顔で答える。

「アイリ先輩が来てくれなかったらどうなっていたか…ありがとうございました!」

ダダと対峙したミレーヌが見た影は、隙に乗じて円盤へ忍び込むアイリの姿であった。

ミレーヌがダダをひきつけ、アイリの救出をサポートしていたのである。

「私一人でもうまくいったかどうか…とりあえず一件落着ね。エリナたちは私が銀十字軍に連れて行くわ…この星の方たちのことをお願いね!」

「はい!お母様たちのこと、よろしくお願いします!」

アイリから地球人の人質の場所を聞き、笑顔で分かれていく二人。

こうしてダダの逆恨みから発生した騒動は終息を迎えた。

しかし、地球は今もたくさんの宇宙人から狙われている!

闘え!アルティマミレーヌ!地球に平和が訪れるその日まで・・・



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Comments

Pira

ヒロインたちが十字架の上で、それでも戦おうとしている状況......それは彼女たちにとって苦しい戦いです。そして、悪役にとっても素晴らしい。 The situation where the heroines are on crosses, and still trying to fight...it is a hard fight for the girls. And wonderful for villains to see.