アルティマレディ・リアン「さらば、アルティマレディ 前編」 (Pixiv Fanbox)
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さらば、アルティマレディ 前編 挿絵 亞狗Rosetta様
宇宙恐竜 ゼットン 登場
各国の宇宙衛星が一斉に謎の円盤群の襲来を捉えた。
全地球規模の反抗作戦がとられ、防衛隊の活躍もあり円盤群は全滅する。
しかし、最後に巨大な宇宙船が防衛隊本部近くに不時着した。
宇宙船からは巨大なバルーンが発生し、膨張する。
そして限界まで膨らんだバルーンが破裂すると、中から宇宙恐竜・ゼットンが出現した。
円盤で襲来したゼットン星人は全滅していたが、防衛隊基地破壊の指令を受けていたゼットンはその遂行を目指す。
数々の宇宙人・怪獣と渡り合った兵器も、ゼットンの前には全て無力であった。
人類の最後の希望、ペンシル爆弾を取りに隊員たちが基地内を奔走する中、大和ユリア隊員は1人ゼットンに向かっていく。
ピポポポポポ…
鳴き声なのか起動音なのか、謎の音を立て進むゼットン。
ゼットンの吐き出す火球が降り注ぐ中、眩い光に包まれるユリア隊員。
次の瞬間、アルティマレディ・リアンがその姿を現した。
「シェアッ!」
得体の知れない敵に、リアンは距離を取りキャッチリングを放つ。
リアンの腕から発射された光の輪がゼットンの頭上から降り注ぎ、その体を拘束していく。
ゼットンも気をつけの姿勢で立ち尽くし、効果ありかと思われた次の瞬間、ゼットンが軽く身震いを見せた。
しかしそれだけでキャッチリングは霧散し消えてしまう。
「…!ヘアッ!」
勇んで懐に飛び込むリアンであったが、組みつこうとした瞬間にゼットンは忽然と消え失せた。
「…?グェアッ!」
困惑するリアンの死角に音もなく出現したゼットンは、そのままリアンを突き飛ばした。
強烈な一撃を無防備に受けてしまったリアンは、そのまま地面を転がりながらのたうち回る。
ゼットンはその様子を伺いながら、少しずつリアンへ近づいていく。
「ハァ…ヘァ…テヤァ!」
リアンも苦痛に耐えながらも体を起こし、八つ裂き光輪を放つ。
様々な怪獣を切り裂いてきた必殺技だったが、ゼットンが張ったバリアに当たった瞬間に光輪が砕け散ってしまった。
ピポポポポ…
ショックを受けるリアンや防衛隊をよそに、ゼットンは歩みを進めていく。
「トゥ!」
リアンは飛び上がると、同じく必殺の武器・リアンキックを放っていく。
命中の瞬間、ゼットンはまた瞬時に姿を消す。
キックの対象が消滅し、地面に倒れ込むリアン。
すぐさまゼットンは現れ、倒れたリアンに組みついていく。
「ピポポポポポ…ゼットン!」
凄まじい膂力でリアンの首を締め、追い詰めていくリアン。
「デヤァ…ゲァア…」
ピコンピコンピコン…
カラータイマーも点滅を始めてしまい、リアンのピンチを告げていた。
「グゥウウ…ヴェアアッ!」
なんとか拘束を振り解き、ゼットンを投げ飛ばすリアン。
「テヤァ!!」
距離をとったことでリアンは必殺の光線、リアニウム光線をゼットンに浴びせかける。
しかし命中の瞬間、ゼットンは胸前で腕をクロスし、光線を受け止める。
そのまま爆散するかと思われたゼットンであったが、光線全てを吸収してしまった。
組んだ手を前に構えるゼットン。
吸収したリアニウム光線を、そのまま打ち返していく。
「ジェアアアア!」
跳ね返された光線をまともにカラータイマーに受けてしまうリアン。
バキィン!
いつもリアンの胸に美しく輝いていたカラータイマーが、無惨にも割れ落ち、リアンの目からも光が消えていく。
ピポポポポポ…
ゼットンは満身創痍のリアンにとどめを刺すべく、ゆっくりと近づいていく。
無敵のアルティマレディにも最後の時が訪れてしまうのか…
その時、宇宙空間を一つの光球が地球を目指して飛んでいた。
果たして光球の正体は…そしてリアンと地球の運命はいかに!
後編に続く…