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今回のお話から4話ほど続き物のお話になります。

お楽しみください!


「恐怖!ルクリア改造計画」    挿絵 らすP様



ドロボンの襲来から幾日か過ぎた頃、青年とゴーデスは今後の方策について話し合っていた。

「ルクリアに関しては1点懸念があっての…のらりくらり躱そうと思っておったが、アルティマ姉妹まで出てくると面倒じゃのう。」

ため息をつくゴーデスに青年は尋ねる。

「懸念?」

その問いにゴーデスは珍しく歯切れの悪い答え方をしていた。

「あやつにはもう一つの顔があってな。今回のように追い詰めたら藪蛇になるかと思っていたのだ。しかし、ここまで追い詰めてもその力は封印しているようでの。それならそれでいいんじゃが…」

青年はへぇと相槌を打つ。

「そんな力が彼女にあるんなら、余裕かましてていいのかい?いきなり君が浄化されでもしたら、僕の命にも関わるんだけどな。」

言葉と裏腹に深刻さは微塵もない青年の態度に苦笑しながら、ゴーデスは次の策を説明し始める。

「ファファファ…まぁ、奴なりのリスクを考えてのことなんじゃろう。その前に手を打とうと思うんじゃが…」

ゴーデスの作戦を聞いた青年は少し考え込む様子を見せた。

「まぁお主からすれば、今野アンナに危害が及ぶのはいやじゃろうが…」

ゴーデスが取りなそうとすると、青年は笑いながら答えた。

「何を今更…今までだって散々な目に合わせてやってるしね。彼女にもそろそろ危ない橋を渡っていることに気づいてもらわないと。」

青年の同意を得たことで、ゴーデスは計画を推進させていく。

これから待つ恐ろしい罠を、ルクリアとアンナは未だ知らずにいた…


ジェニスが地球を去ってから、ルクリアとアンナは束の間の平穏の中にいた。

しかし、その平穏はいとも簡単に崩れ去る。

ある日、春野市の中心に、ベムラー・ドラキュラス・ビーコンが揃って出現した。

今までのようにエネルギーフィールドで隠された状態ではなく、普通に街中に佇む怪獣たち。

ベムラー・ドロボンの出現を一瞬だけ垣間見た今までとは違い、その場にいきなり現れた怪獣たちに、驚きと同時に恐怖を覚える市民たち。

彼らは襲われる恐怖でからパニックになって逃げ惑う。

しかし、怪獣たちは動くことはせず、その場に佇み続けた。

「ルクリア!変身しましょう!」

アンナは急いで人目につかない場所へ駆け込んだ。

「待ってください、アンナ…様子が変です。」

ルクリアはテレパスで怪獣の様子を探りながら、アンナを制止した。

「どういうこと?」

町中に避難放送が流れ始め、この事態が現実であると知らせている。

その状況にアンナは焦りを覚えていた。

「あれはおそらく遠隔で投影された3Dの映像のようなものです。微かなマイナスエネルギーは感じますが、今まで現れた怪獣たちより明らかに弱い反応です。」

ルクリアの分析を裏付けるように、出現後数分が経つも、鳴き声も発しない怪獣たち。

「ただ、市民の日常が崩されるストレスによるマイナスエネルギーが大量に発生しています…効率の良いやり方ですね…」

感心するルクリアをにアンナは発破をかける。

「もぅ!感心してる間にゴーデスが強くなっちゃうでしょ!何か手を打たないと…」

道は不安そうに避難を始める市民で溢れ、このままではさらにマイナスエネルギーの発生を生みそうな状況であった。

「少し待ってください…ここから南西に10キロほどの場所から、投影が行われているようです。山の中でしょうか…」

ルクリアの言っている場所にアンナは思い当たる節があった。

「多分岩木山だわ。磁気が乱れやすい場所で遭難が多いの。学園も生徒の立ち入りを禁じているわ。」

土地自体が恐怖の対象というのは、マイナスエネルギーが集まりやすい場所とも言える。

それを利用して、怪獣たちを遠隔投影している敵がいることを推測したルクリアは、アンナに変身を促す。

「きっとそこに黒幕の怪獣がいるはずです。いきましょう、アンナ!」

アンナは頷くと、スマホを高く掲げてその名を叫ぶ。

「ルクリア!」

光に包まれ、姿を変えてゆくアンナ。

青を基調としたビキニアーマーに身を包み、慈愛と浄化の戦士・アルティマレディ・ルクリアが顕現する。

そのまま自らを不可視とするフィールドを展開し、飛び立ってゆくルクリア。

その行く末を暗示するかのように、岩木山には暗雲が立ち込めていた…


岩木山に到達したルクリアは、その中腹にゴーデスの貼ったフィールドが展開されている事を確認する。

春野市からのマイナスエネルギーを集めているためか、強力なフィールドの圧力に、一度外から様子を伺うルクリア。

「私でもわかるくらいの禍々しい力を感じるわ…」

アンナもフィールドの内に潜む敵に恐怖を覚えていた。

「でも私たちでなんとかしなくちゃ!いきましょう、ルクリア!」

それでも勇気を振り絞り、ルクリアを元気付けようとするアンナ。

そんなパートナーの励ましに、ルクリアも覚悟を決める。

「ええ!お願いします、アンナ!」

意を決した2人は未知の敵の待つフィールドへと飛び込んでいった。


フィールドを中和しながら侵入していくルクリア。

内部は特に気を衒った様子はなく、岩木山の山肌がそのまま続いていた。

「くぅっ…予想していた通り、マイナスエネルギーの濃度が濃い…厳しい戦いになりそうですね。」

そう呟きながら周りを伺うルクリア。

大きな岩陰の後ろに何者かの気配を感じたルクリアは、牽制をかける。

「そこにいるのは分かっています!出てきなさい!」

すると岩陰からカラフルな羽が見え隠れし、隠れていた怪獣が現れる。

「グアアァ!」

羽を冠のように生やした怪獣・ジェロニモンの登場であった。

「あの怪獣…たしか他の怪獣の怨念を操って復活させたりできるはず…市内に出た怪獣はそういう趣向でのチョイスだったのね!」

アンナの推測を裏付けるかのようにゴーデスの声がフィールドに響き渡った。

「ご名答じゃよ、今野アンナくん…商品として、貴様らには敗北を贈呈しよう…」

宿敵の挑発にルクリアが反応する。

「そこまでいうのなら、あなたが出てきて戦いなさい!相手になります!」

いつもの様に躱されるとふんでいたルクリアに、ゴーデスから意外な答えが返ってきた。

「ファファファ…そういうと思ってのぅ。今日、このジェロニモンはわし自らが操っておる。こいつを倒せれば貴様らの勝利じゃ…千載一遇のチャンスというやつじゃないかの?」

ゴーデスから出た意外な言葉にも、ルクリアは冷静に返す。

「そんなことをいいながら保険はかけてあるのでしょう?」


ゴーデスはやれやれといった口調で続けた。

「信用無いようじゃのう・・・しかし、この星のマイナスエネルギーで復活させたわしの細胞の大半はつぎこんだ。そう簡単には勝てんぞ!」

そういいながらジェロニモンは頭と尾をゆすりはじめる。

ジェロニモンを彩る羽が体から外れると、その周りに漂い始めた。

「ルクリア、ジェロニモンはあの羽を操って攻撃してくるはず。気を付けましょう!」

アンナが怪獣の知識でサポートする。

フィールドにはマイナスエネルギーが充満していることもあり、ルクリアは短期決戦を仕掛けていく。

「グアッ!」

咆哮と同時に羽を飛ばしてくるジェロニモン。

態勢を低くして羽を掻い潜り、ルクリアは一気に距離をつめる。

「たぁああ!」

そのまま掌底を叩き込むも、硬い皮膚に簡単にはじかれてしまう。

「つぅ・・・今までの怪獣とは強度が違う・・・」

手首を抑えて下がるルクリアに、ジェロニモンがつかみかかる。

「やらせないわ!」


その手を抱え込み、一本背負いの要領で投げ飛ばすルクリア。

「ギャアア…」

ジェロニモンは土煙を上げて転げまわる。

「逃がしません!」

ルクリアは視界が塞がれる前にもう一度距離を詰める。

しかし、それこそがジェロニモンの罠であった。

「グオオォン!」

ジェロニモンの咆哮に合わせて、周囲を漂っていた羽が一斉にルクリアに襲い掛かる。

「しまった!」

なんとか正面の羽を捌くものの、背後に回った羽までは防ぎきれずに羽を食らってしまう。

「くぅっ・・・でもこれくらいの痛みなら・・・」

何とか立て直そうとするルクリアの隙を突き、今度は正面から羽をけしかけるジェロニモン。

「きゃああ!」

ダメージで動きを止めていたルクリアの胸に、数本の羽が突き刺さる。

「いやぁ…」

全身を蝕む倦怠感に、ルクリアの動きが止まる。



ピコンピコンピコン…

カラータイマーも点滅を始め、危機を告げていた。。

「ファファファ…食らってしまったのう、ルクリア。これでわしの目的はほぼ達成じゃ。あとはのんびり高みの見物と洒落込もうかの。せいぜい頑張りたまえよ。」

ゴーデスはそう告げると、ジェロニモンの中から去っていく。

「待ちなさい!…あぁん…おかしいわ、力が制御できない…」

胸の中のエネルギーが不規則に体を巡り、立ち上がることもできないルクリア。

アンナの意識も消失してしまい、ルクリアは危機に瀕していた。


青年は自宅のモニターでフィールドの中の様子を伺っていた。

そこへジェロニモンから離れたゴーデスの意識が、予備で作ってあった体へと帰ってくる。

「首尾良くいったようだね。かなり苦しんでいるようだよ。」

青年はゴーデスに労いの言葉をかける。

「あの羽にはわしの細胞から作った毒が仕込んであるでの。今頃体の異常にのたうち回っておるじゃろう。そろそろ面白い変化も訪れるはずじゃ。」

そういうと、2人はまたモニターの様子に注目し始めた。


「はあぁ…胸が熱い…なにか…おかしいわ…」

ルクリアの異常は胸の中だけでなく、乳首にも変化が訪れていた。

硬く屹立した乳首も熱く熱を帯び、ビキニアーマーから溢れてしまう。

「グアアッ!」

ジェロニモンがルクリアに迫り、その胸を蹴り上げる。

「い、いやあぁ、やめてぇ…」

ただでさえ異常によりいつもより敏感になってしまった胸に刺激を受け、身体を庇おうとするルクリア。

しかし自らの指が触れただけでも、胸が反応してしまう。

「あ、ああぁ!だめぇ…こんな感覚…どうしたらいいの…」

困惑するルクリアをよそに、それの決壊は迫っていた。

ついに熱い波が胸の先端に到達する。

プシャアアア…

ルクリアの乳首からは自らのエネルギーが母乳状になって噴出する。

「ああ…そ、そんな…エネルギーが抜けていく…」

自らの状況が理解できず、茫然自失となってしまうルクリア。

もはや戦う意志も力も彼女には残されていなかった…


必要な成果を得られてゴーデスは満足していた。

「もうジェロニモンは必要ないじゃろう。これ以降はこれで充分じゃ。サンプルとしてわしの細胞に侵されたやつのエネルギーを回収しておこうかの。」

それを聞いた青年は小型の怪獣もフィギュアを用意する。

「その仕事ならこれでも十分だろう。布石は打てたことだし、あとはこれからだな。」

ゴーデスは少量の細胞を分け与え、その怪獣をフィールドへ送り込む。

「そうじゃの…どうなることやら」

不敵な笑みを浮かべ、再び2人はモニターに向き直った。


ピコ…ピコ…

カラータイマーは微かな光を明滅させるに留まり、ルクリアもうつろな目で空中を見つめることしかできなかった。

「はあ…はぁ…お願い…もう吸わないで…」

その胸にはゴーデスが送り込んだ小型怪獣が群がり、母乳状に溢れたエネルギーを吸い続けていた。

乳首を甘噛みされ、舌でエネルギーを舐め取られるたびに、ルクリアは快感と虚脱感のダブルパンチに見舞われていた。

「ギャッ、ギャッ!」

まだ自我のない怪獣たちにその声が届くことはなく、代わり代わりにルクリアの胸はしゃぶり尽くされた。

ピコ…ピコ…ピ…

ついにはカラータイマーが消灯し、力尽きるルクリア。


自らの母乳で身体を濡らした女神は、その肢体を岩肌に晒していた。

ゴーデスの毒によって汚されたルクリアとアンナ。2人の苦難はまだ始まったばかりである…


続く…


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