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※この作品は9月投稿の前編の続きです。



ヒッポリト星人との戦いの果て、ウルトラミレーヌは敗れた。

最後の力で周りの戦士にウルトラサインを出し、ブロンズ像にされてしまったミレーヌ。

そのサインに1番に反応したのは、ミレーヌの義姉・ウルトラリオナであった。


銀十字軍の担当として、地球周囲の銀河を担当するリオナ。

妹からのウルトラサインにいち早く気づいたリオナは、すぐに地球へと向かう。

本来回復や浄化が得意なリオナが事にあたる場合、警備隊の戦士と合同で行くべきであった。

しかし、義妹のミレーヌの危機にリオナは後先を考えず飛び出してしまう。

「ミレーヌ!私がいくまで待っていて!」

光速を超える球体となり、地球へ向かうリオナ。

愛する妹、ミレーヌのことになると冷静さを失ってしまうことがリオナの数少ない欠点であった。


地球でミレーヌを倒したヒッポリト星人は、次の刺客に備えていた。

「ミレーヌが出したウルトラサイン…おそらく一番最初に反応するのはリオナあたりだろう…奴がもし一人で来るようなら、たっぷり可愛がってやらんとなぁ…」

そういいながら準備を進めるヒッポリト星人。

その瞳には野望の炎が熱く燃えているのだった


そんな事とは露知らず、リオナは地球へと到達しつつあった。

自分より経験は浅いとはいえ、宇宙警備隊のホープであるミレーヌを倒すほどの敵…ウルトラサインで情報は得ているとはいえ、リオナ一人で対処できるのかは微妙なラインであった。

しかし、ミレーヌがどんな辱めを受けているのか…それを考えると、リオナは冷静ではいられなかった。

周りの銀河を担当する戦士たちの反応も未だなく、リオナは一つの決意を固める。

「ここで待っていても解決しないわ…この星の人々を守るためにも、今は私が!」

自分に言い聞かせるように呟くと、リオナは覚悟を決めて地球へと降下していく。

その先に待つ悲劇を、彼女はまだ知らなかった。


宇宙を航行するための球体のような飛行形態を解き、地上へと向かうリオナ。

ウルトラサインの発信源へと向かうと、そこには変わり果てた妹の姿があった。

綺麗な瞳や母譲りの美しい銀髪も見る影もなく、青銅色に塗り込められた愛する妹、ミレーヌ。

自分の顔を見れば笑顔で駆け寄ってきた可愛い妹の面影はなく、悲痛な表情で固められた姿に、リオナの怒りは頂点に達していた。

「ミレーヌ…こんな姿にされてしまうなんて…仇は必ず私が取るわ!」

怒りに震えながらもなんとか冷静さを取り戻し、銀十字軍本部へウルトラサインを飛ばすリオナ。

まずは救急要請を行い、周りを窺う。

すると高らかな笑い声と共に、ヒッポリト星人が姿を現した。

「わはははは!感動の再会は済んだかな?」

ヒッポリト星人の挑発になんとか耐えながら、リオナは向き直る。

「あなたはヒッポリト星人ね!よくもミレーヌにこんなことを!」

怒りに震えるリオナの姿を見ながら、ヒッポリト星人は奇襲をかける。

「貴様も後を追うがいい!そぅれい!」

ヒッポリト星人の頭の触覚が輝くと、隠されていたカプセルがリオナに襲い掛かる。

「それはもう知っています!」

ミレーヌからのウルトラサインで状況を把握していたリオナは、軽やかにカプセルを交わしていく。

「むむぅ!小癪な!」

さらに触覚を発光させ、カプセルを起動していくヒッポリト星人。

しかし、来ることが分かっていれば、リオナにとって躱すことは容易かった。

「あの発光機関が肝のようね…そうとわかれば!」

リオナは頭のカチューシャに手をかける。

次の瞬間、リオナの手には洋弓が握られていた。

「フェザーアロー!」

リオナの得意武器である、カチューシャを変化させた洋弓の攻撃がヒッポリト星人を襲う。

一条の光となった矢は、ヒッポリト星人の触角の1つを貫いた。

「ぎゃああああ!」

苦しみの声を上げ、のたうち回るヒッポリト星人。

「これでカプセルは封じました。投降しなさい!」

弓に矢を番ながらヒッポリト星人に告げるリオナ。

しかし、冷静さを欠いたリオナにはこの醜態が演技であることが見抜けなかった。

「ぐうぅぅ!くらえ!」

いきなり頭を上げ、残った触角から光線を発射するヒッポリト星人。

「え…?きゃぁあ!」

不意を突く一撃に、リオナは洋弓でガードしてしまい、構えが解けてしまう。

洋弓はカチューシャに戻り、形勢は逆転してしまった。

「油断したな、リオナ!カプセルなどなくても、貴様など敵ではないわ!」

そういいながら手を炎で包み、リオナに殴りかかるヒッポリト星人。

「くぅっ!ベル・クロス!」

リオナの首にはベルのついたチョーカーが装備されており、様々な機能を有している。

その一つが、マント状にバリアを展開する「ベル・クロス」であった。

闘牛士のようにバリアをはためかせ、ヒッポリト星人の炎の拳をいなしていくリオナ。

しかし近接格闘はヒッポリト星人に部があり、少しずつ押されていった。

「ほらほら!逃げているだけでは勝てないぞ!」

冷静さを欠いたリオナは焦りから無理な攻撃に出てしまう。

「セヤッ!」

軽々に打たれた雑なチョップをヒッポリト星人は見逃さなかった。

「かかったな!くらえぃ!」

その細長い口の先端から、黒い塊を打ち出すヒッポリト星人。

塊はチョップを放ったリオナの手に直撃した。

「こ、これは…?」

リオナはすぐにもう一方の手で、塊を振り払おうとした。

しかし、これが悪手となってしまう。

塊は瞬時に硬化し、リオナの両腕を手錠のように縛り上げた。

「我がタールにはこういう使い方もあるのだ!ここまでだな、リオナ!」

困惑して足を止めてしまったリオナにヒッポリト星人の体当たりが決まる。

「きゃあ!…くぅう…」

岩肌にぶつかった衝撃で、万歳をする形で固定されてしまうリオナ。



「しまった…」

手も足も出ない状態にされてしまい、リオナは悔しさを隠せずにいた。

「ふははは!貴様は徐々に身体全体が硬化してゆくのだ。」

ヒッポリト星人の勝利宣言に、リオナは唇を噛み締めていた。

「しかしその前に…貴様らの上質なエネルギーは貰っておくとしよう!」

そういうと口を伸ばしてリオナの体に這わせるヒッポリト星人。

「どこから吸って欲しいかな?乳首か…口か…それとも…」

下婢た態度で迫るヒッポリト星人の口に、リオナは顔を背けて抵抗する。

「や、やめて…あんっ…」

身体中を這い回る口に、反応してしまうリオナ。

そんな様子を楽しんでいたヒッポリト星人だが、ついに一つの場所に狙いを定める。

「ここから吸ってやろう…それぃ!」

口が狙いを定めたのは、リオナの胸に輝くカラータイマーであった。

光の戦士にとって、エネルギーの制御を司るカラータイマーは命の次に大事なものと言っても過言では無い。

そのカラータイマーを汚される恐怖に、リオナの目には涙が浮かんでいた。

ズチュッ…

ヒッポリト星人の口がカラータイマーに覆い被さると、そのままエネルギーの吸収が始まる。

体の芯から力を奪われる感覚に、リオナは悶えることしかできなかった。

「はぁああん…いやぁ…はずしてぇ…」

リオナの愛玩も虚しく、エネルギーの吸い上げは続いていく。



ピコンピコンピコン…

覆いかぶさった口の中から、カラータイマーの点滅音がくぐもって漏れ出していた。

エネルギーの循環が乱されたことで、胸の表面には乳首が露出し、そこからもエネルギーが漏れ出していく。

「お前の妹も、カプセルの中でそんな顔で悶えておったわ!淫乱姉妹めが!」

「やめて!…ぁん…妹を侮辱することは許しません!」

ヒッポリト星人の罵倒に反論するも、刺激に反応し苦悶の表情を浮かべるリオナ。

「ふん…まぁいい。貴様ら二人を辱めることで布石は打てたからな。」

そのセリフを聞いたリオナの目に、一瞬光が戻る。

「はぁ…はぁ…それはどういう意味なの!」

ヒッポリト星人は冥土の土産にとばかりに話始める。

「簡単なことだ。お前たち姉妹をいたぶれば、間違いなく奴をおびき出せるからな。」

それを聞いて、リオナの上気した顔から血が引いていくのが目にとれた。

「まさか…あなたの狙いは…」

「その通り!貴様らの母親、ウルトラソフィこそ俺の本命だ!」

ピコ…ピコ…

「そんな…っ?!だめ…もうエネルギーが…」

ピコ…ピ…

「ソフィ様…ミレーヌ…ごめんなさい…」

全てのエネルギーを吸い切られ、リオナの体が弛緩する。

「ははは!いいざまだな、ウルトラリオナ!貴様一人で私に勝とうというのが甘かったのだ!」

高らかに響き渡るヒッポリト星人の勝利宣言。

エネルギーの加護を失ったリオナの体に、拘束された腕からタールの浸食が広がっていく。

ついにはブロンズ像へと姿を変えるリオナ。

こうしてウルトラ姉妹は、地獄宇宙人の前に全滅した。

ミレーヌの人間体である卯月メイ隊員の通信を頼りに、現場に到着したTAC。

その目に映ったのは、物言わぬ像とかした地球に守護女神の姿であった…



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Comments

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ヒッポリト星人にはこの様な罠も仕掛けていたんですね。