【先行公開】 ウルトラミレーヌ 全滅!ウルトラ姉妹 前編 (Pixiv Fanbox)
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※ 今回の作品は後日DLサイト様で販売予定の作品集(仮)に、書き下ろしとして収録
される作品の1話目となります。
いつもご支援いただいている皆様へ、先行公開させていただきます。
残り2話(計3話)は作品集をお楽しみにしていただけると幸いです。
実際の収録版はすこし挿絵の構成を変更する予定ですので、そちらもお楽しみに!
「全滅!ウルトラ姉妹 前編」
地獄星人 ヒッポリト 登場 挿絵 sfry@あぶそーぶろぐ様
ある日、街中に突然200メートルを超える大型宇宙人が現れる。
自らヒッポリト星人と名乗った宇宙人は、ウルトラミレーヌに出てくるように要求し暴れ回った。
TACは集中攻撃を仕掛けるも、なぜか意にも介さず破壊を続けるヒッポリト星人。
最後にミレーヌの人形を取り出し、
「次に現れた時、ウルトラミレーヌはこうなるのだ!」
と叫ぶと、人形を一思いに握りつぶした。
そして悠々と消えていくヒッポリト星人。
こうして人々に恐怖を植え付け、地獄宇宙人は去ってゆくのであった。
その頃、ウルトラミレーヌの地球での姿・卯月メイ隊員は、別の任務で人里離れた渓谷を車で走っていた。
ラジオから伝えられる惨劇の様子に、自分が現場にいれば…と歯噛みするメイ隊員。しかしそんな最中、道端で倒れている人を発見する。
救助に向かったメイ隊員に、倒れていた男性は
「この先の渓谷には超獣がいる…行ってはダメだ…」
と告げて事切れた。
後を救急隊に任せて、男性の言っていた渓谷を偵察するメイ隊員。
すると、謎のカプセルに入ったヒッポリト星人が、スモッグに自らの姿を投影させ、巨大に見せるテストをしているところだった。
「みんなの攻撃が効かなかったのは、こういう訳だったのね!」
先程の都市に現れたヒッポリト星人はここから投影された影であり、実体ではなかったのである。
「そうとわかればーーー」
TACへ超獣発見の通信を行い、変身するメイ隊員。
周りは眩い光に包まれ、その中からウルトラミレーヌが現れる。
カプセルに入っていたヒッポリト星人は、急に現れたミレーヌに驚いた。
「なに!?ーーどうしてここが!」
そう言いながらも、さっきの幻影で暴れた時に破壊を担当していたドローンを差し向けるヒッポリト星人。
それを難なく打ち落としながら、ミレーヌは星人との距離を詰めていく。
「こういうカラクリだったのね!自分は安全な位置でふんぞり返っているなんていいご身分だこと!」
小手先では敵わないことを悟ったヒッポリト星人は、カプセルを抜け出しミレーヌと対峙した。
「こうなったら仕方あるまい!勝負だ!ウルトラミレーヌ!」
渓谷で対峙するミレーヌとヒッポリト星人。
先手を取ったのはミレーヌであった。
「タァッ!」
綺麗なジャンプから、鋭い蹴りを繰り出すミレーヌ。
顔面で受けてしまったヒッポリト星人は、悶絶しながら地面を転がっていく。
「グアアッ!」
なんとか起き上がろうとするも、足がもつれるヒッポリト星人。
「逃さないわ!」
ミレーヌは間髪を入れず、起き上がったところにチョップを叩き込んでいく。
「調子に乗るなよ!ウルトラミレーヌ!」
ヒッポリト星人は隠しておいたのか、突如巨大な岩を掴むと、ミレーヌに向けて投げつける。
「こんなもの効かないわ!」
ミレーヌは投げつけられた岩を受け止めると、そのままヒッポリト星人へと投げつけた。
「ぬわぁ!」
これまた顔面で受けてしまい、後ずさるヒッポリト星人。
「アローショット!」
ミレーヌは手先から放つ小刻みな光線で、ヒッポリト星人を追い詰めていく。
しかし、アローショットの発生させた砂煙が晴れると、そこにヒッポリト星人の姿はなかった。
「どこに行ったの?…姿を見せなさい!」
困惑するミレーヌ。
しかし、ヒッポリト星人は一向に姿を見せなかった。
「…?!そこねっ!」
周囲を見渡し、砂塵の奥に何かの影を見つけるミレーヌ。
一気に距離を詰めようとするが、それこそヒッポリト星人の思う壺であった。
踏み込んだミレーヌの面前には透明な筒がゆっくりと迫ってくる。
「…え…?」
ミレーヌは筒の直前で停止する。
「これは一体?…はっ!」
気づいた時には既にミレーヌの後方にもう一つの筒が迫っていた。
「しまった…!」
筒はミレーヌを挟んで一体化し、ミレーヌは円柱型の筒に閉じ込められた形になってしまう。
「ふはは!罠にかかったな、ウルトラミレーヌ!」
高笑いしながらヒッポリト星人が姿を表す。
「こんなものに閉じ込めてなんのつもり!すぐに壊して…」
筒型のカプセルを内部から破壊しようとするミレーヌ。
しかし、その様子を見たヒッポリト星人は不敵に笑う。
「そううまくいくかな!それぃ!」
ヒッポリト星人の頭部の触覚が怪しく光ると、カプセルの中にピンクのガスが充満する。
「こんなもの…えっ?」
ガスが肌に触れた瞬間、ミレーヌの身体がビクッと震える。
「あぁん…はぁぁ…か、体が…あつぃ…」
ピコンピコンピコン…
ミレーヌの胸には乳首は露出し、カラータイマーがピンクに点滅する。
明らかに発情状態にさせられたミレーヌは立っているのがやっとになり、脱出どころではなくなってしまう。
「どんな生物でも強制的に発情させるガスだ。なかなかのものだろう!」
「くぁ…こ、こんなもの、きか…ない…わ…」
ミレーヌの台詞とは裏腹に、その胸の乳首からはエネルギーが漏れ出していく。
「そんなザマでいつまで強がりが言えるかな!もう一押ししてやろう!」
再度ヒッポリト星人の触角が怪しく光ると、今度はカプセルの上部からエネルギーの吸収が始まる。
「ああぁぁ…これ以上は…だめぇ…」
ガクガク震えることしかできないミレーヌを、勝ち誇ったようにヒッポリト星人が煽る。
「いい具合にエネルギーが漏れ始めたな…苦しめ!苦しめ!だんだん死んでゆくのだ!」
ピコ…ピコ…
タイマーの点滅も消えかけたところで、ヒッポリト星人は次の一手を繰り出す。
「自分の最後を見ることはできないだろう!俺はお前の最後をゆっくり鑑賞してやろう!」
そういって触角を光らせるヒッポリト星人。
今度はカプセルの内部に緑のガスが充満していく。
薄れいく意識の中で、ミレーヌは最後にできることを模索していた。
「このままやられるわけにはいかない…せめて、情報だけでも…」
意識をティアラに集中し、最後の力でウルトラサインを空に放つミレーヌ。
ピコ…ピ…
ミレーヌのカラータイマーは消灯し、目からも光が消えていく。
ヒッポリト星人は予定通りとばかりに、ほくそ笑む。
「ウルトラサインを出したな、それでいい!」
カプセルの中に充満していくガス。
「さて…こんなところかな?」
そう言いながらカプセルを外すヒッポリト星人。
すると中から、ブロンズ像の姿になったミレーヌが現れる。
「がははは!いい出来ではないか!次はウルトラリオナの番だ!」
ヒッポリト星人の高笑いが地球に響き渡る。
果たしてウルトラリオナはヒッポリト星人を倒し、ウルトラミレーヌを救うことができるのであろうか…
続く