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落日の決闘 挿絵 らすP様

変幻怪獣 キングマイマイ 登場



竜神岳の近辺で群発地震が発生する。

調査に向かうMATの面々。

調査を進める中、アルティマレディ・ジェニーの人間体、西条ヒロミ隊員は竜神トンネル内で怪獣の幼体を発見する。

報告を入れようとしたその矢先、もう一度地震が発生し、ヒロミ隊員はトンネルに取り残されてしまう。

地震で発生した落石に巻き込まれ、気を喪うヒロミ隊員。

その間に怪獣・キングマイマイの幼体は地上に出現する。

攻撃を開始するMAT。

幼体ながらMATの攻撃に耐えるキングマイマイ。

しかし、偶然南隊員が背負っていた爆弾が命中し、キングマイマイは沈黙する。

勝利を喜ぶ隊員の面々。

しかし、キングマイマイの心臓はいまだ鼓動を続けていた。

そして、幼体の外皮を破り、キングマイマイの生態が羽化を始める。

沈黙したのは羽化の準備が整ったためであった。

一方、トンネル内で気絶していたヒロミ隊員は、地元の少年に助けられる。

しかし、キングマイマイの羽化が始まったことで、崩落を始めるトンネル。

ヒロミ隊員はアルティマレディ・ジェニーへと変身し、気絶した少年を抱えてトンネルを走り抜ける。

そして、地上へ戻ると巨大化し、キングマイマイと対峙するのであった。


「ジェアッ!」

ジェニーの掛け声が響き、両者は対峙する。

「ギャオゥ!」

キングマイマイも羽化したばかりで身体が慣れないのか、距離を取りながらジェニーを威嚇していた。

「タァッ!」

ジェニーは高くジャンプし距離を詰めると、キングマイマイの背後に回りキックをお見舞いする。

前のめりに倒れるキングマイマイ。

すかさず背中に馬乗りになりジェニーが打撃を加えていく。

ジェニーの打撃のリズムに合わせて揺れていたキングマイマイの尻尾が、ジェニーの首に向かって襲い掛かった。

「ヘァッ!…ディア…」

首に巻きつき一気に締め上げるキングマイマイの尻尾。

ジェニーは尻尾に手をかけると、力を込めて跳ね上げた。

外れた尻尾を掴むと、折り曲げて締め上げるジェニー。

キングマイマイはのたうちまわって脱出を図るも、ふり解けずにいた。

目に見えて弱ってきたキングマイマイに、ジェニーは再度背から掴みかかる。

今度は羽を掴むと、飛べないように折っていく。

羽化したばかりで硬度が足りないのか、キングマイマイの羽は簡単にへし折られてしまった。

「セヤッ!」

すかさずスペシウム光線でとどめを刺そうとするジェニー。

しかしキングマイマイはよろよろと倒れ、動かなくなってしまう。

慈悲の心でとどめは刺さず、背を向けるジェニー。

しかし、その姿を盗み見るキングマイマイの目が怪しく光る。

ジェニーが飛び立とうとした瞬間、キングマイマイの口から糸が放出された。

「ヘァッ?!」

腕と体をからめ取られ、拘束されてしまうジェニー。



そのまま糸を吹きかけ続け、ジェニーは身動きが取れなくなってしまう。

「グェアア!」

嘲笑うように立ち上がるキングマイマイ。

先程のお返しとばかりに、動けないジェニーを小突き回す。

「フェア…ディァ…」

糸の拘束が解けず、嬲られ続けるジェニー。

キングマイマイは背後に回ると、ジェニーの肩口へと噛み付いていく。



「ディヤァ!…ウゥン…」

ピコンピコン…

夕暮れになり、太陽エネルギーの不足もあってカラータイマーが点滅を始める。

ジェニーが抵抗できないことに調子に乗るキングマイマイ。

そのままジェニーの体を地面へと転がした。

地面を転がりながら、少しずつ糸の拘束を払っていくジェニー。

「グワォォッ!」

その様子に気づくこともなく、キングマイマイは勝利を確信して咆哮する。

意趣返しとばかりにその様子を横目で伺うジェニー。



「セヤッ!」

油断したその口にアルティマブレスレットをブレスレットボムに変えて投げつける。

「グア?」

何が起きたかわからず、間抜けな声を上げるキングマイマイ。

次の瞬間には、腹部まで達したブレスレットボムが爆発し、キングマイマイは木っ端微塵に吹き飛んだ。

「テヤァ!」

立ち上がったその場で一回転し、残りの糸を振り払うジェニー。

落日の決闘の勝者となったジェニーは、今度こそ邪魔されることなく空へと飛び立っていった。



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