アルティマレディ・ルクリア 「第4話 密室の罠」 (Pixiv Fanbox)
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「密室の罠」 挿絵 らすP様
明くる日、アンナの勤める春桜学園では、所属するスクールカウンセラーの緊急ミーティングが開かれていた。
生徒の失踪事件や謎の電波障害などが続いたことで生徒のケアの必要性が高まったこともあり、カウンセラー同士の方針のすり合わせを行うためであった。
アンナは中高生の女生徒を受け持っていたが、失踪の大半は男子生徒だったため、会議では聞き役に回っていた。
とはいえ、ルクリアと調査していた以上の話が出るわけでもなく、会議は淡々と進んでいく。
ひとつイレギュラーとして、アマチュア無線部の部長が唯一元の状態に戻ったということが報告されていたが、これもルクリアが直接の浄化を行ったことが理由のため、アンナには既知の事実でしかなかった。
アンナはルクリアに、変身して生徒の浄化ができないか相談していたが、各個に対応しているところに怪獣の出現が重なってしまうと危険ということもあり、様子を見ることになっていた。
そんなこんなでミーティングが終わると、1人の人物がアンナを呼び止めた。
「今野先生。少しよろしいですかな?」
アンナの振り返った先には、学園の状況を確認したいとミーティングに特別参加していた理事長の姿があった。
「理事長…何かご用でしょうか?」
理事長は笑顔で続けた。
「いろいろ立て込んでいて、カウンセラーの皆さんも大変でしょう。経営側からのフォローも兼ねて、少し面談を行なっているのですが、今野先生この後お時間はありますかな?」
確かに同僚の間で、最近の激務に対して手当が出るらしい、という噂が流れていたことに思い当たるアンナ。
正直、あまり時間を取られたくはなかったが、断ることでカウンセラー全体の心象を悪くすることは同僚に申し訳ない、という判断に至っていた。
「承知いたしました。この後も業務がありますので、少しでしたら大丈夫です。」
アンナの返事に、理事長の顔が綻ぶ。
「すいませんねぇ、お忙しいのは承知しているのですが。それでは理事長室までご一緒いただけますかな。」
そう言って歩き出す理事長。
アンナは後ろを歩きながら、スマホの入った鞄を置いてきてしまったことに気がつき、一抹の不安を覚えていた。
理事長室に着くと、中へ通されるアンナ。
秘書の姿もなく2人きりであることに、ますますアンナは不安の色を濃くしていた。
そんなアンナの様子に気がついたのか、理事長は笑顔のまま話し出した。
「まぁまぁ、そんなに緊張なさらずに…今野先生…それともアルティマレディ・ルクリアさんとお呼びしましょうか?」
「…!?」
不意打ちのように繰り出されたルクリアの名前に、アンナは動揺を隠せずにいた。
「なんですか?とは聞かないのですねぇ」
理事長のねっとりとした問いかけで、自らの失態に気がつくアンナ。ここで取り繕っても仕方ない、と割り切ったアンナは、理事長をキッと見据えた。
「理事長は何かご存知なのですね?それとも黒幕自ら名乗り出ていただけるのですか?」
理事長は笑顔を貼り付けたままで、余裕を持って答える。
「結論を決めつけるのはカウンセラーとしていかがですかな?今野先生…まぁいいでしょう。手短に、と約束しましたからねぇ。ルクリアさんに変身はしないのですかな?…それとも…今はできないのかな?」
挑発するような理事長の態度に歯噛みするアンナ。
そんなアンナを見て、理事長は余裕綽々で続ける。
「では本題に…これを見てください。」
そう言って壁掛けモニターを点ける理事長。
その画面を見てアンナは驚愕する。
画面内にはどこかの密室にたくさんの男性が詰め込まれている様子が写っていた。
その顔ぶれは、あんなの知る限り失踪事件の被害者ばかりであった。
「これは…いったい…?」
「ご存じの通り、あの方の息がかかった皆さんですよ・・・まさか無気力にするだけのためにあんな手の込んだ事をしたとおもっているのですか?」
”あの方”という表現であったが、理事長がゴーデスと通じているのは明白であった。
「やはりゴーデスの協力者!学園のトップでありながら生徒を食い物にするなんて・・・恥を知りなさい!」
語気を強めるアンナに、理事長は冷徹に事実を突きつける。
「あまり反抗的なのは感心しませんな・・・彼らの無事はあなたの態度次第なのですよ?」
そういうと巨大なソファーに腰を下ろした理事長は、アンナに横につくようにゼスチャーする。
アンナはしぶしぶ、ソファーに腰を掛けた。
「ふぅむ、近くで見るとさらに美しいですなぁ・・・男子生徒には目の毒でしょう。」
ねっとりとした声をかけながら、なめまわすようにアンナの全身を視姦する理事長。
その視線に耐えられず、顔を背けるアンナ。
「ふふふ、服の下はどうなっているのかな・・・」
そういうと、理事長はいきなりアンナの胸をはだけさせた。
「・・・っ!なにをっ・・・」
「反抗的な態度はよくないですよ・・・いやぁ、ほんとうにけしからん胸だ。」
そういいながら、アンナの胸を揉みしだく理事長。
「・・・んっ・・・やめてください・・・ここは神聖な学び舎です・・・ぁん・・・」
理事長の老練なテクニックに声が漏れてしまうアンナ。
「ふぅむ・・・それもごもっとも。それでは場所を移すとしましょう。ついてきてください。・・・ああ、あとこちらをどうぞ。」
理事長の手にはアンナのスマホが握られていた。
「・・・!どうしてこれを!」
「会議中に部下に取りに行かせていたのですよ。あの方の力であなたとの意思疎通は阻ませていただきましたがね。」
アンナの手にスマホが戻ると、ルクリアとの交信も復旧する。
スマホ内から、ルクリアの声がアンナの脳内に響いた。
「・・・アンナ!無事ですか!?いきなりあなたを感じなくなってしまって・・・」
「ルクリア・・・ごめんなさい、罠にかかってしまったみたい・・・」
アンナは人質を取られていることなどを、手短に説明する。
ルクリアも憤りながらも、アンナを鼓舞した。
「アンナ、あなたに非はないわ。今は相手の様子を見ましょう。」
そんなやり取りを知ってか知らずか、理事長がアンナに声をかける。
「作戦会議はもういいですかな?場所を変えましょう。車を用意してあります。」
そういうと理事長は歩き出し、アンナも胸を服にしまい、そのあとをついていった。
その様子を理事長の目線からゴーデスの細胞を通じてみていた青年は、ご満悦な様子であった。
ゴーデスは怪獣を使わない今回の作戦に懐疑的だったが、ここまでは青年の思惑通りに進んでいることに感心していた。
「この作戦がうまくいこうがいくまいが、これでしばらく奴らの目線はあの男に向くじゃろう。いい囮になってくれそうじゃな。」
ゴーデスの声掛けに青年も満足そうにうなずく。
「まぁ、お前の細胞を渡すために学園に寄付までしたからな・・・その分は働いてもらわないと。」
そうして青年は再度、理事長の視点に入っていく。
「さぁ、ここから今野先生にはもっと楽しんでもらおう・・・」
理事長の車が停止したのは、地元の鉄道会社の車両試験場であった。
ホームには試験車両が止まっており、理事長はその車両に乗るようにアンナに促した。
アンナが乗り込むのを確認した理事長は、一人管制室へ向かっていく。
車両に入ったアンナが目にしたのは、先ほどのモニターに映った生徒たちであった。
「みんな!ここは危険よ!すぐに外へ・・・」
アンナが言い終わるよりも前に、車両のドアが閉まり、電車が走り出す。
そして車両内には理事長の声がアナウンスとして流れ出す。
「ご乗車の生徒諸君!君たちを慰労するために今野先生が、その体でご奉仕してくれるそうだ!」
それを聞いた生徒たちの目が熱に浮かされたように赤く光る。
「今野先生・・・いいんですか・・・」
明らかに自らの意志ではないことは判ったが、アンナも抵抗の意志を見せる。
「みんな、しっかりして!正気を取り戻すのよ!・・・きゃぁっ!」
そんなアンナの声掛けには全く反応せず、生徒たちはアンナの体に手を伸ばす。
いきなりお尻をわしづかみにされ、アンナは嬌声を上げてしまう。
「だ、だめよ!・・・そんな風に触らないで・・・あぁん・・・」
お尻に気を取られていると今度は正面の生徒が胸を揉みしだいてくる。
「こ・・・これが、今野先生の胸・・・やわらかい・・・」
「あぁ・・・だめよ・・・こんなこと・・・もう・・・やめなさい・・・」
そんな様子を見ているのか、理事長のアナウンスがまた車内に響く。
「諸君、今野先生はあんなことをいっているが、気持ちよくなっているのを知られたくないから強がっているのだ!
その証拠に乳首は固くなり、あそこは湿り気を帯びている!みんなで確かめてやりなさい!」
それを聞いた生徒たちはうなされたような表情のまま、アンナへ手を伸ばす。
中には我慢の限界が来たのか、陰部を露出した状態で迫るものもいた。
その熱気に当てられたのか、アンナも抵抗できずに生徒の手を受け入れてしまう。
両胸は露出し、パンツはずらされてしまい、太ももには生徒の肉棒が擦り付けられていた。
「はぁん・・・みんな・・・こんなのいけないことよ・・・」
そんなアンナの様子に嗜虐心をそそられたのか、生徒たちの痴漢行為はさらに加速していく。
「今野先生、このままじゃどうにもなりませんぞ・・・そうです!ひとつゲームをしましょう。」
またしても理事長のアナウンスが電車内に流れ出す。
「今野先生、変身を許可しましょう。生徒たちのマイナスエネルギーをその身に浴びればルクリアの力で浄化できるかもしれませんぞ。」
生徒の愛撫にあてられ、アンナはすでに思考力が落ちてしまっていた。
「変身・・・?ルクリアに?」
理事長は洗脳するように言葉を続ける。
「そうです!ルクリアの浄化の力で、彼らの思いを受け止めてあげるのです。カウンセラーの得意分野でしょう。」
「わかったわ・・・ルクリア・・・いいかしら?」
これ以上アンナに負担はかけられない、そう判断したルクリアは変身を承諾した。
「アンナ、ここからは私がみんなを浄化して見せるわ!変身しましょう!」
二人のやり取りを待っていたかのように、理事長はアナウンスを流す。
「生徒諸君!これから今野先生が君たちを癒すために変身を行う。少しの間待つのだ!」
その声を聴いた生徒たちは一度手を止め、アンナと距離を取った。
アンナはスマホを取り出し、ルクリアへの変身プロセスを行う。
「・・・ルクリア・・・!」
いつものような覇気はなかったが、なんとかスマホを掲げて変身するアンナ。
光に包まれたアンナはアルティマレディ・ルクリアへと姿を変える。
しかし同時にアンナの意識が限界を迎えて途絶えてしまう。
「アンナ・・・あとは私が何とかします!・・・え?」
ピコンピコンピコン・・・
変身を遂げたルクリアであったが、アンナが限界を迎えていたことと、車内に蔓延するマイナスエネルギーのために、カラータイマーはすでに点滅を始めていた。
「そんな・・・力がもう・・・」
変身したアンナの姿に、生徒たちは反応を示さなかった。
すでに判断能力は失われ、目の前の女性を犯すことしか頭にない人形とかした生徒たち。
理事長の号令が、生徒たちをルクリアへと殺到させた。
「生徒諸君!君たちの欲望をその女性に注いでやりたまえ!それができた者から下車を許可しよう!」
それを聞いて生徒たちはルクリアを拘束し、体をまさぐりだした。
「はぁあん・・・こんな状況じゃフルムーンレクトを打てない・・・くぅ・・・どうやって浄化すればいいの・・・?」
「ルクリア君、彼らは射精することでマイナスエネルギーを吐き出すようにしてある。その体を使ってご奉仕してやりたまえ。」
理事長からの情報は信用に足らなかったが、ほかに手段がないのも現状であった。
そうこうしている間に、生徒の一人が絶頂を迎える。
「今野先生・・・受け止めて・・・!うっ!」
ビュビュッ・・・
白濁液がルクリアの体に注がれる。
「くはぁぁ・・・あ、熱い・・・」
注がれた箇所が熱を持ったように火照り、ルクリアが悶絶する。
射精した生徒は糸の切れた人形のようにその場にへたり込んだ。
「射精させてくれれば、生徒は元に戻る。さぁ、ルクリア君、頑張りたまえよ!」
理事長のアナウンスが切れた後、また生徒たちの煩悩がルクリアに襲い掛かる。
ルクリアは時に肉棒を口に含み、時に秘所に挿入させ、なんとか生徒たちを絶頂へ導いていく。
射精を受け止め続けた体は白濁液にまみれ、カラータイマーは精液にまみれて濁った音を立てていた。
ビゴ・・・ビゴ・・・
戦闘での消耗ではないものの、マイナスエネルギーを浴び続けた体は指も動かせない状態になっていた。
「ダメ・・・もう体が動かせない・・・」
最後の一人の射精を受け止めたルクリアは、疲労困憊で立っていることもできない状態であった。
「いやぁ、よくやったねぇ、ルクリア君。これでミッション終了だよ・・・この車両はね!」
そういうと、連結された次の車両の扉が開く。
その中には今まで相手をした生徒と同じくらいの人数がひしめいていた。
「そ・・・そんな・・・これ以上は・・・」
「正義のヒロインがそんなことを言ってはいけないよ!さぁ、時間はたっぷりある!みんなを救ってやりなさい!」
理事長の意地悪い声が響き、ルクリアの意識は闇に落ちていった・・・
終