ハラパン・クエスト10 (Pixiv Fanbox)
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試合と呼べるかどうかもわからない一方的なリンチの末、失神した楓を見てピナは責任を感じていた。
( 私のせいよ...私が何とかしないと...。)
....
...
一方、リングポストに戻ったリズベットは勝利に酔ったまま店長の助けを借りて体液で汚された体を拭いていた。
「へへっ、お疲れ様。リズベットちゃん。」
「今日相手したやつらの中で一番容易かったね。残骸は建物の裏側の燃えないゴミ箱にでも捨ててきて。」
「くっ、まだよ…。」
聞こえない筈の声に店長たちの視線が反対側のコーナーに奪われる。
「まだ試合は始まってないんでしょう?ゴングを鳴らすの忘れちゃ困る...!」
「あいつ...まだ立つつもりか?諦めが悪いやつめ!もう終わったから諦め...!」
「ふーん、まあいいじゃん。まだ燃焼しきれないし、店を紹介する前に職員教育ということにしようか。」
「リ、リズベットちゃんまで…!あんな話乗ってあげなくても…。」
「は?店長のくせに今私にケチをつけているつもり?」
リズベットが冷たい視線で睨めると店長がすぐ大人しくなる。
( リズベットちゃんもさ、また変なところでエンジンかかっちゃって.. 言うことも聞かないようだし仕方ないか…。)
カーン!
怒りに満ちたかえでの目つきから以前とは違う眼光が漂っていたが、それに気にせずリズベットが自分の右頬をポンポンと叩きながら挑発してくる。
「サンドバックになる前の最後の拳姫試合かもしれないし、先攻を譲ってあげる。」
直線に飛んでくるストレートパンチ。あらかじめ拳の軌道を把握し、余裕のある表情で完璧なる回避...。
バゴッ!!
「ぐえッ...!!」
( あ、あれ?こんな...はず...。)
ドパン!!
「ぐおッ...!!」
「何その顔、ふざけてるの?」
バゴッ!!ズン!!ゴッ!!
クリティカルが当たったあとの激しいラッシュ。
その勢いにさすがのリズベットもロープまで追い込まれる羽目になる。
( ほぼ死体だったのに…!普通の人間に短時間でこんな回復力、ある…はずが…!)
その時、さっきカエデに近くにあったピナの存在に気が付く。
どんな類いなのか知らないけど、元々謎の多い妖精種。それしか…!
「ピナの奴、裏切ったなぁ…!」
ズーン!!
( や、やばっ…!コアに当たっ…!)
ゴッ!!
「おぶえぇッ...!!」
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ハラパン・クエスト11
今になっては技術も防御もないリング中央での滅多打ち。 お互いの感情が込められたパンチが相手の顔面や胸、お腹を強打する。 パーン!!ズパン!!ゴッ!! 攻撃的な攻防に会場の熱気はますますヒートアップ。 勢いに押されていたリズベットだったが、結局本来の技量の差で次第にカエデから優位を占め始める。 ゴッ!!...
ハラパン・クエスト09
ズーン! 「ぐええぇッ...!!」 開幕ボディブローの後、カエデは一度の有効打もくわせないまま殴られるばかり。 開幕サンドバックになった楓にリズベットのパンチ、観客たちの皮肉、両方向からリンチが飛んでくる。 ゴッ!!ズゴッ!!バシッ!! 「おうッ!!おえッ!!ぐえッ!!」 パァン!! 「ぐッ...!!」 「何...