Gamble Box 2 Ep.2 (Pixiv Fanbox)

試合が始まる前に黒い日傘をさしたゴス風の少女が客席の夏帆一行を訪ねてくる。

帯同したボディーガードの数から、彼女も夏帆と同類の身分であろう。

「こ、れ、は、恋しい異母姉じゃないですか。その間、お元気でしたか？」

「ふむ、コユリじゃないか。その顔を見ると元気そうだな。」

「クフフ、当たり前でしょう？これまでの戦績は4勝1敗。しかもこちらが3連勝だし「今回も」私の勝利で決定かな？ 試合後どんな顔をするか楽しみだわ！」

「久しぶりに会ったとしたらすぐそれか。相変わらずちっこいだけ心もちっちゃい女だな、君は。」

「はぁ？ちっこいのはお前もでしょ！ぶっ殺すわよ！キイッ！すぐバカにして！そんな態度するのも今の内よ！今度も負けたら虫の言葉で謝りながら土下座だったわね！もうすぐだからちゃんと勉強したほうがいいよ！お前たち行くわよ！」

コユリ達が去った後。

「ふむ、愛が足りなかったのかなぁ。」

「勝目、あると思いますか。」

「ま、無理だろうな。」

「やはり私が出るべきだったのでは...。」

「気にするな。お前が使えなくなったら誰が私の面倒を見るんだ？どうせ捨てる駒なら訳有りが見て楽しいだろう。どんな結末を迎えるのか見てあげようじゃないか。」

...

..

開始前のファウルをしたため、アキエには1ラウンドの間攻撃が禁止され、防御のみというペナルティが適用されていた。主導権がない分、ユウマのパンチに追われリングをぐるぐる回っているだけ、中央からほとんど動かないユウマと違って、そこにはかなりのスタミナが消費されていた。

「おいおい、いつまで逃げるつもりだぁ？さっきは勢いよく一発食わせてくれたじゃん、かいっ！」

ブォンッ！！

「くっ...！」

低い姿勢で左フックを回避したアキエが、同時にユウマの左ボディが空いていることを確認し、反射的に拳を伸ばそうとするその瞬間、ペナルティの存在に気づき、動きを止めてしまう。

その短い隙を逃さず、優馬のライトフックがアキエの顔面を殴り飛ばす。

ゴッ！！

「ぐふッ...！」

ドーン！

ダウンした相手に直接攻撃することはできないが、強制的に起こすことを含め、ダウンを取った方がどんなポジションでも取ることが可能な、攻める側が相当なアドバンテージを得る特殊なリング。

事前に情報を聞いたので、視野が3等分するほどのダメージを受けたにもかかわらず、すぐに立ち上がろうとしたが、すでに優馬に距離が縮まった後。

立ち上がったばかりのアキエにユウマのパンチが降り注ぎ、今にもアキエのガードを破って開けようとする。

ズドン！ドン！

「ぐッ...！くッ...！」

( これを回避して右に...！)

ガッ！

( なっ...？！)

ドズッ！！

「おぶうッ...！！」

腹部に刺さったパンチ一発にアキエが口から胃液を吐き、動きが止まる。

「もう逃げられないようだな！」

胃液を吐き出して唾液で汚されたアキエの顔面が、ユウマの拳につぶされ紙くずのようにしわくちゃになる。

バギッ！！

「ぶげッ...！！」

「おらおら！！」

バン！！ズバン！！ドズン！！ドン！！

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GAMBLE BOX 2 EP2(JPG)

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Gamble Box 2 Ep.3

ゴンッ！！ 「おえぇッ...！！」 1ラウンド半分の時間の中、ヘビー級パンチに乱打されたアキエの体がラウンド終了のゴングに合わせロープ上に崩れる。 「ククク、有名人も大したことないな...！」 続いた2ラウンド。 1ラウンドですでに相当なダメージが累積したアキエの体は、本来の機能を発揮できずサンドバックを免れ...

Gamble Box 2 Ep.1

バン！！バン！！ズバン！！ 「おらあっ...！！」 ゴッ！！ 「んぐ...ッ！！」 【 2ラウンドTKO！これは一体どうなってしまったのでしょうか！女子ボクシング界の超新星と呼ばれ、全国民の期待を集めていたアキエ選手が、同じく今日デビューの新人に完全敗北！プロの世界は違ったのでしょうか！】 .... ... .. それから...