鈴ちゃんドロップキック! 第9-3話 (Pixiv Fanbox)
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だが予想していた鈴が飛びついてくるパプリカを逆さに持ち上げて空中に飛び上がる。
「え?ちょっと…?!うわぁ!!」
どかん!
「ぶぎやぁぁッ!!」
マットに顔を真っしんに打ち込んだパプリカが、奇妙な悲鳴をあげながら哀れなポーズでうつぶせに沈黙する。舌が長かったわりにはあっけない最期だった。
「本当、何しに来たのよ。」
....
...
..
一方、ヘルズフレアの本陣。レッドウィップは現在廊下で絶対向き合いたくないやつと向き合っていた。
「あれ~?あれあれ~?ウィップ姉さん、見ないうちに顔がメンチになってしまったんですね。どうしたんですか?」
「くっ...此奴...!何しに来た!」
ポイズンローズ。彼女が財団の手先であることはもちろん、正統派だけに固執するウィップとしてはアイドル系だとか、彼女のプレースタイルとか、ローズはウィップと相克の存在だったため、絶対気に入るわけがなかった。
「聞いたんですよ。そんなにマリア様の尻を追いまわったのに今やにらまれちゃって、やばくないですか?」
逆鱗をふれて頭に血がのぼったレッドウィップがローズの胸ぐらを握って壁に追い詰める。
「手前!喧嘩売ってんのか!」
「きゃあ!ひどいです~!私はウィップ姉さんを心配しただけなのに...。」
「心配?だったら私からも一つ忠告してやろう。お前こそそのうち同じ事にならないように気をつけるんだな。」
レッドウィップが握っていた胸ぐらを激しく振り切って席を立つ。
「ふふ、あの顔を見るのももうすぐかもしれないね~。」
しばらくして、マリアの執務室にたどり着いたローズがドアをたたくと、ドアの向こうからマリアの声が聞こえてくる 。
「お入りください。」
執務室に入ると、マリアが窓際に立ってローズに目を向けずに窓の外を眺めている。 それを見たローズが適当にソファーに腰掛ける。
「報告は受けました。魔界でのロケーションは順調だったようですね。」
「はい~!今、魔界で私の人気は絶好調!ローズのファンの4割、いや3割だけ流入してもこの団体の全盛期のファン数を簡単に修復できると思いますよ? マリアさんのお城にあうかどうかわからないんですけど!」
「アイドルファンでもファンはファンです。本題に戻ってコロシアムの興行についてはすでに聞いて知っているでしょうね。」
「今度は地上のロケですね。事務室でも地上の進出は初めてですからすごく期待しているんですよ。まぁ、ローズのアイドルパワーなら楽勝なんですけどね!」
「それはどうでしょう。そうとは限らないかもしれません。」
「あれあれ?どうしてなんですか?ローズの可愛さは魔界でもトップレベルですよ?」
「地上に上がってから知ったことですが、すでにこの国のプロレスはアイドル系も無視できないほどのファンダムを形成しているようです。」
マリアが窓際から向き直って、ローズと目を合わせる。
「トップレベルのアイドルレスラーはあなた一人ではないということです。」
マリアの言葉に、一瞬だったが、ローズの目の下の筋肉がビクッとしまう。
「へぇ~ウィップお姉さんをメンチにした奴ですね?あの子かわいいですか?」
「そうかも知れませんね。」
マリアの執務室から出たローズ。
「ふふ...ローズほどの可愛い美少女、この地上にいないと思うな~。でもまあ…」
突然ローズの顔と話し方が急変する。
「おもしれ!私が地上に来た以上、アイドル界は俺一人で十分。彼の女の顔をメンチにしてテレビに出られない格好にしてやるぜ!」
....
...
..
「はくしょん!えっ…風邪?」
鈴は校舎内の更衣室に残っているかもしれない着替えを取りに行くため、学園内の人がいなくなる深夜になるまで旧校舎の体育館で待機していた。
「キャハハッ!いい気味なの!」
何故かパプリカはそのあとも性懲りもなく体育館に居座って、鈴の非常食を食い潰していた。
「先に始めたのはあなたでしょう?もういいです。帰って下さい。」
パプリカが近くのカップヌードルをもう一つ拾って開封してしまう。
「帰って!」
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(preparing)
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