ミリタリー・クラシックス81号 (Pixiv Fanbox)
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またしても告知がズレズレですが・・・。
ミリタリー・クラシックス81号が4月21日に発売となりました。
今回のすずきあきら先生による『WW1兵器名鑑』はドイツの芋つぶし器こと棒状手榴弾です。
写真はWW2で使用されたM24柄付き手榴弾のレプリカと本誌です。
大きさは今回解説で取り上げたWW1のM15と同じくらいのサイズです。
さすがに有名な手榴弾なので解説することはあまりないのでは?と思われるかもしれませんが、そこはそれいろいろ面白いお話が読めると思いますのでぜひ本誌を!
ところで手榴弾といえばアクション系シューティングゲームなどでよく登場するアイテムでもあります。
みこやんもゲーム開発で飽きるほど手榴弾をデザインしてきました。
上図はPSPのFPSゲームでみこやんがデザインしたものの一部です。
今回は簡単にゲーム(3D)の手榴弾ができるまでをお送りします。あいかわらずの行き当たりばったり企画です。
●仕様決定
ゲームで登場する武器をリストアップし、それぞれどのようなアイテムなのかを決定します。例えば手榴弾であれば「投げる武器」「投げてから一定時間で爆発するもの」などの基本的なところから「ドラム缶は破壊できる」「ドアは壊せないor壊せる」などゲームにおけるルールを決めていきます。
ステージからステージを移動する際に投げた手榴弾はどのように処理されるのか?など考えうる状況を検討していきます。それらをまとめたものが仕様書となります。
また、「見た目で機能がわかるデザインにする」「投げたあとあまり転がらない形にして欲しい」などデザインに対する要求も仕様検討の過程で決められていきます。
●デザイン
仕様決定で求められる機能を形にまとめていくのがデザイン過程です。みこやんのお仕事分野です。様々な資料を見ながら制作するゲームにふさわしいデザインを考えていきます。単に格好いいデザインを考えればよいわけではない、ということが分かると思います。
ちなみに在籍していたコナミではプランナーは職種として独立していないことが多く、プログラマーやデザイナーが協力してプランニングに当たっていました。
これはアクション系ゲームの制作が多かったからだと思います。
(RPGを制作する会社ではプランナーは独立した職種となっています)
●モデリング
デザインが確定したら、モデリングを行うデザイナーに制作内容を伝達します。
仕様上守らねばならないルールの確認とデザインコンセプトの説明。ディテールの補足やイメージ関連資料などモデラーが迷わないように的確な伝達が求められます。
優秀なモデラーほどデザインの出来不出来には厳しく「なんか普通のデザインですね」「ダサッ!」など厳しい意見も受けたりします。そんな場合はデザイナーは「まぁ、もうこのデザインに決まったんで」と弱々しく笑い、人目の付かない場所で泣くのです。
●実装に向けて
デザイナーやモデラーたちが泣いたり笑ったりしている一方でプログラマーは仕様に基づきプログラムを構築していきます。図は衝突判定を設定してる風景をイメージしたものです。本番データが完成するまでダミーデータで手榴弾の飛び方、爆発の威力などを作り上げていきます。
手榴弾というアイテムはなかなか厄介でキャラクターを管理するプログラマーから背景を管理するプログラマーなど影響範囲が多岐にわたるため、各プログラマー間の連携が欠かせません。
手榴弾を華やかに彩るのはやはり爆発エフェクトです。
コナミではエフェクトもプログラマーが制作することが多く、画的なセンスに優れたプログラマーが結構いました。これもアクション系ゲームの開発が多かったゆえだと思います。
上図は映画などの格好いい爆発を見ながら独自開発したエフェクトツールで爆発を作っているイメージです。
(素材自体はデザイナーが制作しますが、Photoshopを駆使して自前で素材も作ってしまうプログラマーもちらほらいました)
●モーション&サウンド
FPSなどミリタリー系ゲームを作るからといって、みんなが全員ミリタリー分野に詳しいわけではありません。
ついこの前までスノーボードのモーション制作を行っていたモーションアニメーターに手榴弾の取り扱いについて説明します。
手榴弾はどのようなものか、起爆させるためのアクションはどのようなものか、参考になる映画はどんなものがあるのか、などなどをしっかり伝えるのもデザイナーのお仕事です。
これはサウンド制作チームにも同様に伝達しなければなりません。
サウンドチームには映画で「この音!」と伝えたり、実物に近いものを触ってもらって実際の音のイメージを掴んでもらったり、職種によって説明にも工夫が必要です。
と、いうわけで仕様策定から各職種がそれぞれ工夫をこらして作り上げたものが組み合わさってゲームになっていきます。
とはいえ、ここまではいちアイテムが実装されたに過ぎません。ここからまた面白さを追求するための調整や不具合の修正が開発終了のその日まで続きます。
手榴弾はちっぽけなアイテムですが、案外多くの人の手で生み出されているんだなと楽しんでもらえたら幸いです。
あ、そうそう宣伝告知でした!
只今発売中のミリタリー・クラシックス81号をよろしくね!