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古石ビジュー(Vtuber)


Vtuberを描く時は、必ず本人のYouTube動画を流しながら作業をする。

喋り方や雰囲気、口癖なんかを頭に叩き込んで、イメージを膨らませるためだ。


今回も例に漏れず、本人のYouTube動画を流したのだけれど、困ったことに英語圏のYouTuberだった。英語は・・・分からない。

たまに独特な笑い声を出したりするけれども、それがご本人の日常的に出てくる笑い声なんだろうなあというのまでは掴むことが出来た。

あと、極まれに日本語の単語が出てくることがあり、それが嬉しかったりする。

あ、日本語喋ってくれるんだ・・・!みたいな。


依頼主は恐らく英語圏の人のようで、自動翻訳された文が非常に長く、シチュエーションまで細かく記載されていたが、それを描いてくれというわけではなく、このビジューというVtuberの人となりや雰囲気を伝えてくれているようだった。

というわけで、依頼主の文章と英語だらけの動画を何度も繰り返し反芻しながら描いたのがこの完成絵である。


さて、最初は縦構図の絵を描こうとしていたのだけれど、これより前に描いたskebの絵が縦構図だったという事と、依頼主の文の最後に、出来れば、僕がいつも描いている妖艶な感じが出てると嬉しいという内容があったので、ラフ案Aはやめることにした。

※窓から差し込む光をバックに、こちらへ悪戯っぽい笑みを浮かべるビジュー。

何度もご本人の動画を流している内に、なんだか雰囲気が違うなという事と妖艶っぽくはないなと思ったので却下したのであった。


話は変わるが、ラフを描く時はトレーディングカードより少し大きいくらいのサイズで描く。

その方が、細かい箇所にとらわれず、全体の雰囲気を重視して描く事が出来るためだ。


話は戻って、妖艶な絵にすると言っても、どのレベルまでならいいのかという問題が立ちはだかった。

Vtuberは、言っても生身の人間が演じている以上、ご本人が許す範囲の露出度というものがある。

過激なものだと不快感を覚えてしまうので、こちらとしても、なるべくそういう事は避けたいという思いが強い。

ファンアートとして、最低限、Vtuber本人にも喜んで貰う事が必須条件としている。

(R18作品を否定しているのではなく、あくまで僕個人の製作スタンス)


というわけで、こういう時は公式X(元Twitter)を見るに限る。

リポストしている絵を見ていくと、本人が流していいと思っているレベルが把握できるというわけだ。

ざっと見てみると、ネタ画像にはそれなりに許容があるようで、そこまで過激な絵というのはなく、どちらかというと、綺麗目な絵や自身の雰囲気がよく表されている絵が好みのようだった。


ここで、下着が見えるのはNGだな、という線引きをした。

脇を見せている絵があったので、脇見せはOKのようだ。


この2点を最低ラインとして、横構図の絵を考える事にした。

また、これまでskebで描いてきたポーズと被るのも何だか嫌だったので、色々思考した結果、ソファーの上に寝転んでこちらを誘ってる図にしようと決めた。

※脇チラと太ももを見せる事で、妖艶さを出そうとした。

太ももの見せていいラインは、ビジューのキャラクターデザインを担当した方が、いくつかビジューのイラストを描いており、その中に太ももが見えている絵があったので、それを基準とした。


古石ビジューとは、要約すると

「人々の感情が凝縮された『感情結晶体』で、人々と触れ合い善の感情に触れると、彼女の輝きは一層増す」

との事だったので、人々の情熱の声を背にしているという意味を込めて、背景のソファーは赤く染めた。

ただ、赤いソファーと紫がかった髪の毛を同時に置くと、グラデーションのようになりどうしても背景に溶け込んでしまうので、ソファーと髪の間に、まるで輪郭線のようにクッションを配置した。

こうする事で絵の情報量も増え、絵に豪華さが増すというわけだ。多分。


クッションに下にある黒と白のタイルは、ビジュー自身の体にくっついているクリスタルの輝きを模している。人々のあらゆる感情に影響されるとの事だったので、善(白)と悪(黒)の感情が入り乱れている、という意味もある。

しかし、ファンたちの情熱の声(ソファー)が彼女を支えている、というのが、この絵の伝えたかった所である。


この絵は大体2日ほどで描いた。時間で言うと大体12時間ほど。体調不良など色々と理由はあったけれども、とにかく時間が無かったので、ソファーの装飾にまで手を伸ばす事が出来なかった。

あと2日ほど時間があれば、「ソファー=ファンの声援」という要素を付けたし、見る人へのカギを増やせたと思うのだけれど、今言っても仕方がないので、今後に活かそうと考えた一作だった。

猫羽かりん(Vtuber)

彼女もVtuberだったので、まず初めに、動画を何度もヘビーローテーションすることで、自分の脳内に彼女の声の雰囲気や口癖などを貯めていく作業を行った。


幸い、彼女の場合は日本人だったので、今にして思うと古石ビジューさんよりかは遥かに蓄積が楽であった。(こちらの方が依頼が先だったので、描いた順でいうとこちらが先。ちなみに、描いてた段階では日本人である有難みをそこまで理解出来なかったが・・・)


最初聞いた印象では、細く優しい声だったので、まるで耳元で囁かれているようなイメージでラフ案を描いた。

※椅子に座って、言葉を優しく紡いでるような柔らかいイメージで描き上げた。

椅子のカラーは淡いピンクで、背景は小さな星が瞬く薄い紫がかった異空間を想定していた。

※最初の案の別バージョン。絵に動きが欲しかったので、キャラクターがS字を描くようにしつつ、囁くという部分に重点を置いて描いていた。(ラフが汚くて分かりづらいが、まるで耳元で囁くように左手を口元に当てている)


しかし、どうもしっくり来ない。

何というか、絵にこれだというパワーが足りない気がしたので、もう何作かの動画を見てみると、最初に抱いていた「優しくて静かでふわふわしたお姉さん」というイメージとは少々異なり、そこそこアクティブな女の子というイメージが強まった。

また、公式のXを見に行き、そこで投稿してる絵の方向性やリポストされている絵の方向性を眺めてみるに、結構ストレートなR18作品も問題ないという事が分かった。

(というか、公式が直接イラストレーターにR18作品を指定して描いてもらっているようであった)

という事は、そこそこ責めた感じの絵でも問題が無いということで、方向性が定まった。

※地面に付いた右手は猫手に、左手はネコ科の動物特有の歩き方(持ち上げた手を内側にひねって歩く)の手つきにし、囁きながらゆっくりと視聴者側へ歩いてくる場面を想定した。


本来の衣装デザインでは、腰の後ろ側付近から左右に伸びる燕尾のようなものがあったが、ボディラインを損なってしまうのであえて省くことにし、全体のシルエットを最優先にした。

また、このポーズで重要なのはお腹と腰のラインなので、腰やお腹の凹凸を、ハイライトや陰影でしっかりと描くことで艶めかしさをアップさせた。

髪の毛の描き方を変えてみたのも、この絵からである。

少々実験的になってしまった感はあるが、この時点で少し学びを得たおかげで、11月末に投稿した「カリオストロと秘密の人体錬成」の絵にも活かす事が出来た。


公式にあった彼女の部屋も、元々ピンクを基調とした部屋だったので、彼女が埋もれないように、彩度と明度を何度も調整し完成とした。

シャオユウ(鉄拳7)




※上から順にA、B、C、D。

Dを採用した。

ステンノ(Fate)

▼ラフ案


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Comments

シロ9じら

めっちゃ勉強になります。 普段じぶんもskebのイラストを描いてるのですが、色々悩んでいたのですが、こういうふうに絵作りするのかと、とても勉強になりました!